チェーホフの知られざる小説を現代に。溝端淳平、玉置玲央ら出演、二兎社『狩場の悲劇』
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劇作家・演出家の永井愛が主宰するプロデュース劇団「二兎社」の新作公演『狩場の悲劇』が、11月1日(土)の埼玉・富士見市公演の後、11月7日(金)〜19日(水)、東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて上演される。
大きな反響を呼び、二兎社の代表作となった『空気』シリーズ最終話『ザ・空気 ver.3 そして彼は去った…』（2021）以来、実に4年ぶりの新作。今回、永井が取り上げるのはチェーホフだ。彼が1884年に書いた『狩場の悲劇』をベースに、他作品のエッセンスも盛り込んでひとつの物語を作り出す。世界中で幾度となく上演されている『桜の園』や『かもめ』と比べるとあまり知られていない今作は、チェーホフが24歳の時に書いた長編ミステリーだ。
舞台は1880年のロシア。モスクワにある新聞社に、元予審判事のセルゲイが自作の小説を持ち込む。それこそが、彼が実際に出会った殺人事件を題材にした『狩場の悲劇』。その小説には、セルゲイと森番の娘・オーレニカ、伯爵、伯爵邸の管理人の四人が絡み合う愛憎劇が描かれていた。再び新聞社を訪れ、編集長に掲載の可否を聞くセルゲイ。追い返そうとする編集長に対し、セルゲイは小説の中身を語り始める――という物語。
2012年、『こんばんは、父さん』で好演を見せた溝端淳平が、13年ぶりに二兎社に出演することでも注目される今作。他に玉置玲央、亀田佳明ら、魅力的なキャストが揃う。
そんなキャストが演じるのは、一般的なチェーホフ作品のイメージから離れた俗物たち。倫理観の欠如したセルゲイや退廃生活を送る伯爵、男に人生を委ねるしかない女性たち。それぞれが絶望を抱えながら生きていく姿を通じて、現代のロシア、そして日本の様子が透けて見える。これまで市井の人々を描くことで日本社会の今をステージに投影してきた永井が、今回は19世紀のロシアを通じて今を描き出す。登場人物たちの人生もさることながら、ミステリーとしても優れているという今作。チェーホフが生み出したトリック、そして原作では男性の影にいた女性たちが、永井の手によって掘り下げられ、重要度を増した登場人物として活躍することにも期待が膨らむ。
東京公演の後、山形、滋賀、長野、石川、福岡、愛知、香川、岡山、兵庫、宮城、茨城、岩手、埼玉（所沢）でも上演。
＜公演情報＞
二兎社公演49『狩場の悲劇』
原作：アントン・チェーホフ
脚色・演出：永井愛
出演：
溝端淳平 玉置玲央 亀田佳明
大西礼芳 加治将樹 岡田地平 ホリユウキ
水野あや 石井愃一 佐藤誓
原田樹里／川添野愛
※出演を予定していた門脇麦さんは、体調不良により全公演を降板することになりました。代役として、原田樹里さん（11月1日～11月29日）と川添野愛さん（12月3日～1月18日）が出演します。
【東京公演】
2025年11月7日(金)～19日(水)
会場：紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
◎ツアー公演
【埼玉公演】
2025年11月1日(土)
会場：富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ
2026年1月17日(土)・18日(日)
会場：所沢市民文化センター ミューズ
【山形公演】
2025年11月22日(土)
会場：荘銀タクト鶴岡（鶴岡市文化会館）
2025年11月24日(月・祝)
会場：川西町フレンドリープラザ
【滋賀公演】
2025年11月29日(土)
会場：滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール
【長野公演】
2025年12月3日(水)
会場：まつもと市民芸術館
【石川公演】
2025年12月6日(土)・7日(日)
会場：能登演劇堂
【福岡公演】
2025年12月13日(土)・14日(日)
会場：J:COM北九州芸術劇場
【愛知公演】
2025年12月17日(水)・18(木)
会場：メニコン シアターAoi
2025年12月20日(土)・21日(日)
会場：穂の国とよはし芸術劇場PLAT
【香川公演】
2025年12月25日(木)
会場：レクザムホール（香川県県民ホール）
【岡山公演】
2025年12月27日(土)
会場：岡山芸術創造劇場 ハレノワ
【兵庫公演】
2026年1月4日(日)
会場：兵庫県立芸術文化センター
【宮城公演】
2026年1月7日(水)
会場：えずこホール(仙南芸術文化センター)
【茨城公演】
2026年1月9日(金)・10日(土)
会場：水戸芸術館ＡＣＭ劇場
【岩手公演】
2026年1月12日(月・祝)
会場：盛岡劇場
『狩場の悲劇』特設サイト：
https://nitosha.com/nitosha49/