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“ロックの英雄”スプリングスティーンを演じた男が語る「パワフルだけど穏やか。彼はふたつの側面を美しい形で持ち合わせている」

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ジェレミー・アレン・ホワイト

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ドラマ『一流シェフのファミリーレストラン』で人気の俳優ジェレミー・アレン・ホワイトが新作映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』で、実在のシンガーソングライター、ブルース・スプリングスティーンの若き日を演じている。

熱狂的なファンが多く、その歌声だけでなく、ちょっとした仕草や表情まで記憶しているファンの多いブルースを演じるだけでも相当なプレッシャーだが、アレン・ホワイトはそれまで楽器を演奏したこともなければ、人前で歌う習慣もなかった。それでも彼は出演を決め、準備を開始した。長く険しい道のり。そんな彼をサポートしたのは“あの人”だった。

本作は、ブルース・スプリングスティーンの半生をすべて描くのではなく、1980年代前半の特定の時期、彼が人気を獲得するも、人生に迷い、過去に苦しめられていた期間を丁寧に描き出している。とは言え、劇中にはド派手なライブシーンも登場する。アレン・ホワイトは撮影前から準備を積み重ねた。

「やるべきことは、ものすごくたくさんありました。それまで僕は歌ったことがありませんでしたし、ギターも、ハーモニカも演奏したことがありませんでした。習うべきことはたっぷりありましたが、与えられた時間は6カ月。悪い期間ではないですが、こういう役のための準備をしているときはいつだって、もっと練習を積み重ねたいと思うもの。その6カ月の間、僕は毎週6時間ボーカルの特訓、4時間ギターのレッスンを受けました。その他に自分で毎日少なくとも30分から1時間練習をしました。さらに、ブルース・スプリングスティーンについてのものをできるかぎり読み、聴いて、どっぷりと浸りました」

アレン・ホワイトは準備を重ねながら、誰もが知るブルースを演じる上で「ミュージシャンとしてよりも、ひとりの人間としてアプローチしようとした」と語る。

「本作は、1981年と1982年に絞った話なんです。彼がアルバム『ネブラスカ (Nebraska)』を作ろうとしている時期の話。だから、僕は、ミュージシャンとしてよりも、ひとりの人間としてアプローチしようとしました。その街で育った、ひとりの男性として見ようと思ったのです。

もちろん、彼が超有名人だというのは分かっています。安定した人気があり、カリスマがあります。その事実を知っているから、プレッシャーはあります。だけど、少なくとも最初は、“ひとりのミュージシャンについての映画を作ろう。少なくとも最初は、ブルース・スプリングスティーンだということは忘れて”というふうに、僕は挑んだのです」

僕が話したいとき、彼はいつでも時間をくれました

ジェレミー・アレン・ホワイト(左)とブルース・スプリングスティーン本人 (C)Kevin Mazur

そのアプローチを支持し、サポートした人物がいた。ブルース・スプリングスティーン本人だ。

「初めてブルースに会ったのは、ロンドンでした。ウェンブリー・スタジアムのサウンドチェックです。サウンドチェックで彼に会うようにと招待を受けたのです。観客のいないウェンブリーで、僕はピットから彼らを見ていて、サウンドチェックが終わると、彼は僕に気づいて舞台に上がるよう言ってきました。そして僕たちは握手をしました。そんなふうに、僕たちはウェンブリーの舞台で初めて会ったのです。

僕が話したいとき、彼はいつでも時間をくれました。でも、彼がくれたものの中で僕にとって一番価値があったのは、彼の正直さでした。彼は最初からものすごく正直でした。無駄なことは何も加えず、“あの時期、僕の人生はこうだったんだ”と教えてくれたのです。それに対して僕は、“それは自分にも分かるだろうか? 自分にも共感できるだろうか?”と自問しました。

そして、去年の夏のロンドンで僕は“ああ、自分も似たような経験をしている”という答えを得ました。それが僕に自信をくれました。あの時期の彼は、31歳か32歳。その話をしたとき、僕は33歳。そのときに初めて“もしかして、ジェレミー・アレン・ホワイトとブルース・スプリングスティーンには共通点があるかも? そこからこのジャーニーに入っていけるかも?”と思ったのです。

本作のオファーを受ける前からブルースのファンだったというアレン・ホワイトは、彼と何度も会い、話を聞きながら準備を続け、撮影が始まってもブルースは彼をサポートし続けた。

「若かった僕にとって、ブルース・スプリングスティーンは、ミック・ジャガーやエルヴィスみたいな、到底手の届かない人でした。彼を普通の人間として考えることはしませんでした。普通、しませんよね。子どもにとって、有名なミュージシャンというのは偉大なもので、それがまた魅力的なのですから。

こうして彼に会うようになり、ブルース本人を知っていく中で興味深かったのは、彼は実際、やはり神様のようで、カリスマがあり、超越した人なんだけれども、同時に、世の中との関係や振る舞いが普通だということ。すごく正直で、近づきやすいんです。撮影現場でもそうでしたし、僕が初めて会ったときもそうでした。(ニュージャージー州の街)フリーホールドを一緒にドライブしていたときもそう。彼は僕に生まれ育った場所を案内してくれたりしました。

そういうところが本当に素敵だと思います。あれだけ長いこと、あれだけ有名でいながら、彼みたいに現実的な世の中とつながり続けている人は、そんなにたくさんいません。そういう立場にある人の多くは(普通の人にとっての)リアリティとかけ離れたところに行ってしまいがちですが、ブルースはそうじゃないのです。これからも彼は変わらないでしょう。ブルースを知っていく中で、僕はそこに感動しました。ステージではパワフルですが、本人は寛大で穏やか。そのふたつの側面を、とても美しい形で持ち合わせているのが彼なのです」

劇中でアレン・ホワイトが演じた男も、パワフルで観客を一瞬で魅了する側面と、繊細で穏やかな側面を持ち合わせている。もしかしたら、ここで描かれる主人公像は、アレン・ホワイトとロックの英雄の“共作”かもしれない。その人物描写はすでに公開された地域で、多くの観客から賞賛を集めている。

<作品情報>
『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』

11月14日(金)公開

公式サイト:
https://www.20thcenturystudios.jp/movies/springsteen

(C)2025 20th Century Studios

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