イギリスと日本を拠点にする国際派ソプラノの魅力が詰まったリサイタル
クラシック
インタビュー
安川みく ©CMR-Photography
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すべて見る安川みくは国立音楽大学、東京藝術大学大学院を経て、英国ギルドホール音楽院アーティストディプロマ課程を最優秀の成績で修了したソプラノ。ジョナサン・ノットや鈴木雅明といった指揮者、東京交響楽団やバーミンガム市交響楽団(CBSO)などと共演を重ねてきた。2019年より拠点をイギリスと日本としており、世界的な活躍目覚ましい彼女がその声の魅力を存分に届けるリサイタルを開催。前半は「鳥」にまつわる楽曲が集められている。
「ソプラノは《ホフマン物語》のオランピアなどをはじめ、人間を超越したようなものを演じることも多いですよね。いろいろな作品に取り組むうち、いつの間にか鳥というテーマに心ひかれている自分に気が付いたのです。そしてソプラノならではの音色や響きをお届けできる、鳥を題材とした作品を前半に集めました。早坂文雄の〈うぐひす〉(《春夫の詩に拠る四つの無伴奏歌曲》より)はイギリスのコンクールなどでも歌ったことがあるのですが、無伴奏ということもあり新鮮だったようです。コンサートのなかでも空気感を変えてくれる楽曲になると思います」
デラックアの《ヴィラネル》やベルクの〈ナイチンゲール〉(《初期の7つの歌》より)をはじめ、さまざまな言語による作品が並んでおり、それぞれの国ならではの響きによる鳥の音色を楽しめるプログラムとなっている。そして後半には宗教曲やオペラのアリアによってさらに安川の歌唱の多彩な魅力を味わうことができる。
「宗教曲はこれまでの活動のなかでよく歌ってきました。大学院卒業後からバッハ・コレギウム・ジャパンに参加させていただくようになって様々な楽曲を歌わせていただいてきたことが大きかったと思います。またここでの経験は他のバロック作品を歌う際により多くの発見ができるようになったりととても大きなものになっています。そして今後はぜひいろいろなオペラにも挑戦していきたいと思っており、そのようなこともあって今回はオペラアリアを入れています。
充実のプログラムのピアノを担当するのは松岡あさひ。多くの声楽家から厚い信頼を寄せられるピアニストだ。

「私も松岡さんも徳島出身ということもあり、以前故郷でコンサートをさせていただいたことがあるのです。とても美しい音色と表現で歌を支えてくださり、ぜひまたご一緒したいと思っていたのですが、そのあとはコロナ禍で映像での共演くらいしかなく…今回のリサイタルのお話しをいただいて、すぐにお願いをさせていただきました。曲によってさまざまな色彩を見せてくださるので、より楽曲の魅力を皆様に楽しんでいただけると思います」
さまざまなジャンルの楽曲を自在に歌いこなす安川はこれから宗教曲にオペラと様々な舞台での活躍していくことだろう。今回のリサイタルは彼女の多彩さを存分に味わえるものとなるはずだ。
取材・文:長井進之介
<プラチナ・コンサート・シリーズ Vol.22>
期待のソプラノ 東京リサイタル・デビュー!
安川みく ソプラノ・リサイタル

■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2560989
2026年1月23日(金) 19:00開演
Hakuju Hall
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