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INORAN(LUNA SEA)、再録アルバム 『ニライカナイ-Rerecorded-』を携えたリヴァイヴ・ツアー完走 「『ニライカナイ』は終わらない」宣言が示す、旅の続き【オフィシャルレポート】

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INORAN『TOUR Determine 2025』11月15日 東京・渋谷CLUB QUATTRO  Photo:Yoshifumi Shimizu

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9月から始まった、INORAN(LUNA SEA)にとって6年ぶりとなる全国ツアー『TOUR Determine 2025』が、11月15日にキックオフの地・渋谷CLUB QUATTROに凱旋する形でファイナルを迎えた。2007年にリリースした名盤を全曲再録音した『ニライカナイ-Rerecorded-』の発売を記念して、『TOUR 2007 Determine』を最新のINORANサウンドで再構築したリヴァイヴ・ツアーである。過去と現在とが混ざり合いながら新たな景色を立ち上げ、未来を描き出していく。それはまるで時間旅行のようなライブ体験だった。

同アルバム収録のインストゥルメンタル「Discus」をSEに、Yukio Murata(g/my way my love)、u:zo(b)、Ryo Yamagata(ds)という、INORANが絶大な信頼を寄せ盤石の絆で結ばれたバンドメンバーたちが登場。大歓声と拍手の中INORANが登場してセンターに立ち、鮮烈な「Determine」のイントロが鳴った瞬間、地平線から太陽が現れる瞬間のような高揚感に包まれた。「楽しむ準備はできてるか? 飛ばして行こうぜ!」とINORANはシャウト。以後、ステージを動き回り、フロアを埋め尽くすファン一人ひとりと目を合わせるような前傾姿勢で熱唱していく。

立て続けに「Diffused reflection」を放ち、メンバーと楽しそうに笑い合いながらINORANはパフォーマンス。ステージ脇に設置された照明を手で動かし、ファンに向けて強い光を当てていた姿も印象的。コミュニケーションであり照明演出でもあり、互いを照らし合うファンとの関係性を象徴するようなアクションにも見えたからだ。『ニライカナイ』は日本語詞の名曲満載のアルバムで、歌の力がとりわけ強い作品なのだが、このバンドメンバーによって生まれるグルーヴ感が、更にパワーを上乗せしているのだった。

「こんばんは、INORANです。とうとう来ましたね、ファイナルですよ? いろんな想いを僕のほうに、ステージのほうに投げてください。僕が全部受け止めたいと思うので。今日は超特大の元気玉をつくりましょう!」(INORAN)

中盤に向かって怒涛の昂りを見せていった「raize」(2006年リリース『photograph』収録)に続き、背後から差し込む色とりどりの透明な閃光を背にして、神秘的なムードの中始まったのは「Cloudiness」。物憂げなギターカッティングから幕開け、INORANの艶やかに響く歌声に導かれ、曲の世界へと深く惹き込まれていく。バンド演奏はこの上なくエモーショナル。INORANの最後のロングトーンは魂の叫びに聴こえた。大拍手の後、すぐに「Walk along」に入り、曲調と共に照明も温かな色に切り替わると、INORANはファン一人ひとりに語り掛けるように身を乗り出して、真っ直ぐに見つめながら歌唱。自らワイプし、ファンもそれに応えて動きが揃い、瞬く間に一体感が広がっていく。昨年の『BIRTHDAY CIRCUIT ‘24』に続き、今回もTシャツをチケット代わりに入場できる「プレミアム・チケット」を導入しており、揃いのエメラルドグリーンTシャツ姿のファンが多数だったことも一体感に拍車を掛けていた。

残暑に始まり初冬まで続いてきたツアーを振り返り、「四季どころではない、いろんな季節を、いろんな彩りを皆に見せてもらいました」とINORAN。「『ニライカナイ』というアルバムをリメイクして、“古い友人”が教えてくれることって素晴らしい、と思いました」とコメントし、詩的で美しい表現にハッとさせられる。この流れで「I miss you」を披露したのは、ライブ全体の中でも特筆すべき場面だった。過ぎ去っていく時間と、それでも変らない気持ちとを対比させた文学性の高い歌詞は、18年の時を経て、ラブソングだけではない意味を帯びて聴こえた。喪失と再生を繰り返しながら続いていく、人生という旅路そのものを当時から予見していたような、不思議な感慨をもたらすのだった。

ロッカバラード「存在のカケラ」の、遠い記憶を思い出しそうになる懐かしいピアノイントロが鳴ると、青い光を放つ球体が降りてきて、白色に変わったそれにINORANが触れた。仄暗いステージで、球体を顔に近付けたり握って胸元に寄せたり、時計の振り子のように大きく揺らしたりしながら歌唱。まるでアートパフォーマンスのような、ユニークな光の演出に目が釘付けになる。ここで一旦INORANがステージを去ると、バンドメンバーだけでインストゥルメンタル「Anything」をセッション。再録の時点で既にリアレンジされていたのだが、それすら土台として、3人は自由に、思い思いの方向へと走り出すようなパワーと狂気溢れる演奏を繰り広げた。拍手しながら再登場したINORANは、「カッコよ!」とメンバーを絶賛。ツアーでこの曲が進化を遂げたことを「すごくうれしい」と笑顔を見せた。

MCで何度か登場した「元気玉を届ける」という言葉の背景には、アルバムリリースと時を同じくして、LUNA SEAの真矢(ds)が闘病中であることを発表した経緯がある。「君たちと元気玉をつくれることが、僕はとてもとても幸せ。それは、大好きな人の背中を押す力であり、愛であると思います」との言葉から届けたのは、ファンの間で特に根強い人気を誇っているピュアなミディアムナンバー「時の色」。想いが手に取るように伝わってくる熱唱とバンドアンサンブル。INORANが台に乗ってファンに歌を委ね、返って来る大合唱を受け止める姿には胸が熱くなった。<I love you>と歌い終えてロングトーンを響かせると、温かな拍手が場内に鳴り響いた。

ラストスパートに差し掛かり、「Unstoppable」はスマートフォンでの写真撮影とSNSでの投稿OKと自らアナウンス。曲中で姿が見えなくなったと思ったら、なんと、INORANはステージから降りてファンを騒然とさせていた。再びステージに戻って最後に♪ラララをシンガロングする場面では、ステージ上もフロアも晴れやかな笑顔。「もっと美しい景色を見ようぜ!」と煽って始まった「Beautiful Now」以降、「Rise Again」「Thank you」と、2010年代以降にリリースした名曲群を連打、幸福感はいっそう増していった。

「尊い時間なんです、こうやってライブをする、好きな人と一緒にいられるっていうのは」と噛み締めるように語り、「君らのことがほんと大好きです、ありがとう!」と感謝を述べると、INORANは「また絶対会おうな!」と再会を誓った。「音楽を通じて繋がるのは、俺の今生のカルマだと思うし、笑顔にしたいし。元気玉を空想の袋に入れて持って帰って、君たちの大切な人に渡してほしい」とも語り掛けた。

最後の曲「All We Are」のイントロでINORANが奏でた艶やかなギターフレーズからは、語られた言葉のすべてを上回る、深く多彩な想いを感じ取ることができた。これこそ“音楽を通じて繋がる”ということなのだろう。ファンと幾度もコール&レスポンスを繰り返し、INORANはMurataと、続いてu:zoと向き合って生き生きとプレイして、最後はRyoの前に3人が集まり揃ってパワフルに音を打ち鳴らした。メンバーを一人ひとり紹介した後、INORANは「業務連絡! 『ニライカナイ』はこれで終わりません」と発表。詳細はまだ先になるが、2026年にツアーの続編があると予告するとファンは喜びの声を挙げ、ファイナルの寂しさが霧散したようだった。「またこのメンバーとスタッフで皆の前に帰って来るので。お前ら最高だよ! 本当にどうもありがとうございました」とINORANはマイクを通さずに大声で挨拶。4人は肩を組み深々と礼をした。

「あと何回ライブできるんだろう?と、今ふと思いました」とライブ中INORANは呟き、「悲しいことではなくて」と、ネガティブな意味合いをすぐに打ち消した。一回一回のライブがいかに尊いかを知り尽くしているからこそ、鳴らす一音一音には魂が宿り、それに触れた者の心を震わすのだろう。LUNA SEA主催のロックフェス『LUNATIC FEST. 2025』(11月8日・9日)と並行したハードスケジュールの中、中国2公演を含めると全13公演を成し遂げたINORAN。パワフルでダイナミックなバンドサウンドと、過去、現在、未来を行き来する心象風景を繊細に描き出すアーティスティックな表現と、双方を味わえる稀有なロックライブだった。この世界観は続編でどのように進化・深化していくのだろうか? INORANの旅は続いていく。

Text:大前 多恵 Photo:Yoshifumi Shimizu

INORAN「Determine」Music Video

<公演概要>
INORAN『TOUR Determine 2025』

2025年11月15日 東京・渋谷CLUB QUATTRO

<リリース情報>
配信アルバム
『photograph』

配信中
配信リンク:https://lnk.to/photograph_INORAN

先行配信シングル
「Determine」

配信中
配信リンク:https://king-records.lnk.to/Determine_re2025

『ニライカナイ -Rerecorded-』

発売中
◼︎通常盤:3,520円(税込)

通常盤ジャケット

【収録曲】
01. Determine
02. Unstoppable
03. Diffused reflection
04. Walk along
05. Cloudiness
06. 時の色
07. Anything
08. I miss you
09. Discus
10. 存在のカケラ

◼︎KING e-SHOP限定盤 -LP SIZE DIGIPAK仕様-(CD + Blu-ray + 写真集 -LP SIZE デジパック仕様-)+オリジナルTシャツ
18,700円(税込)
【CD収録内容】
・通常盤と同じ

KING e-SHOP限定盤ジャケット

【Blu-ray収録内容】
・「Determine」 Music Video
・Making of「ニライカナイ -Rerecorded-」
・オリジナル写真集
・オリジナルTシャツ(サイズM/L/XL)

関連サイト

INORANレーベルサイト 
https://www.kingrecords.co.jp/cs/t/t16340/

INORANオフィシャルサイト 
https://inoran.org/

 

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