JUNNA、幻となった2022年ホールツアーを“リベンジライブ”として再現! 「みんなの前だったら、どんな夢でも語れる」――10周年へ向けて新たな夢を語る【オフィシャルレポート】
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『JUNNA ROCK YOU Re:UNITE 2025 ~無限大∞REVOLUTION~』 Photo:塚越淳一
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すべて見るText&Photo:塚越淳一
初の対バンツアー『JUNNA × CrosSing You Tour 2025』を10月に終えたJUNNAが、自身の誕生日前日の11月1日に『JUNNA ROCK YOU Re:UNITE 2025 ~無限大∞REVOLUTION~』を神奈川・SUPERNOVA KAWASAKIで行った。これは、コロナ禍で中止となった『JUNNA ROCK YOU HALL TOUR 2022 ~無限大×REVOLUTION~』のセットリストを、ほぼ再現したリベンジライブ。ソールドアウトとなった会場では、熱狂のライブが繰り広げられた。その模様をレポート。
フロアを埋め尽くした観客、オールスタンディングの会場はライブ開始前から熱気を帯びていた。バンドがスタンバイし、青い光に包まれたJUNNAの歌声からスタートしたのは「海と真珠」。バンドメンバーの、島田昌典(key&Band Master)、佐野康夫(ds)、八橋義幸(g)、森田晃平(b)も、力強いサウンドを響かせていく。続く「Here」も、JUNNAのボーカルを中心に、それぞれの楽器が個性を発揮していく。色気のあるフレーズなど、ライブならではのアレンジもおしゃれだ。そして「狂ったカンヴァス」の情熱的な歌声とバンドのグルーヴに、オーディエンスは体を揺らして盛り上がっていた。


最初のMCで「2022年に、ホールツアーとして開催予定だったライブのセットリストを皆さんにようやくお届けすることができます!」と喜びを口にするJUNNA。当時発売されていたグッズのタオルを掲げるファンを見て、私も家にあったグッズを出して身に着けて会場に来た、とうれしそうに話す。また当時、バンドのリハーサルを1日だけやっていたそうで、その音源を聴いてウキウキしていた中での中止の決定だったと振り返り、良いセットリストだから絶対にやりたいと思っていたと打ち明ける。ちなみに、なぜ今のタイミングだったかは、「無限大∞」のマークを縦にすると8になることから「8周年のときにやろう!」と思い立ったからだそう。
続いて、落ち着いたムードで「よりどころ」を届けていく。バンドで披露することがなかったと語っていたが、素敵なアレンジで、JUNNAも、言葉を大切に歌っているのが伝わってきた。そのまま「Sky」で熱を高めていき、「Believe In Myself」を高らかに歌い上げていく。浮遊感のあるギターサウンドが響く中、《響け 魂よ 言霊で天を突き破って》という言葉が真っ直ぐと空間を突き抜けていく。自分を信じることの大切さを感じさせてくれたし、この曲自体が、JUNNAという存在を表しているようにも感じた。
そして「最近、やっていなかった曲」と言い歌ったのは「曖昧な2人」。オルガンから始まり、曲のリズムに身を委ねて、ラフに、時にパワフルに歌っていく。フェイクもカッコよく決めながら、歌の表現力を遺憾無く発揮し、会場をのせていく。ピアノと歌から静かに始まった「波打ち際」は、徐々に楽器が加わり、音が豊かになっていくのがドラマチックだった。JUNNAは、詩を詠むように歌い、感情の揺れも繊細に歌に乗せていく。今の彼女だからこそできる深い表現なのかもしれないが、あまりの完成度に息を飲んだ。JUNNA自身が黒いアコースティックギターを手にして歌った「春の夢」は、ひとつの映画を観たような、余韻と感動があった。
「『波打ち際』を歌っているとき、いろんな風景が思い浮かんできて……。大切な人のことを思いながら、毎回この曲を歌っているんですけど、そのときに言わなければいけないことって絶対にあると思うんです。だからみんなも大切な人や、これから先、大切にしたいと思える人ができたときは、ちゃんと伝えたいことを伝えてほしいなと思います」とメッセージを届けると、ここからラストスパートに突入することを明言。佐野のドラムを合図に、一気にフロアの熱を上げていく。「全員、まだまだ行けるか!このライブタイトルで、この曲を歌わないわけがないでしょう!!!」と煽りまくると、『マクロスΔ』のワルキューレから「無限大DRIVE」をぶちかます。


ここぞとばかりに、大きな歌声を轟かせ、拳を突き上げるオーディエンス。JUNNAも髪を振り乱しながら、熱いロックを叩きつける。続けてワルキューレの楽曲から「つらみ現在進行形」。「無限大DRIVE」は、美雲ΔJUNNAがメインで歌う楽曲だが、この曲は5人でパート分けもしっかりしている曲。それをひとりで歌っていき、本来、フレイアΔ鈴木みのりが歌う、1番の《獣みたいね》も少しかわいく歌い、獣のポーズを決めるというアレンジも加えていた。
フライングVを、JUNNAがかき鳴らしながら歌うのは、デビューEPに収録されている「Vai! Ya! Vai!」。歌謡曲らしさを感じるロックンロールを、今のJUNNAが歌うことで、洗練さと切れ味が増しているように感じた。この曲で、ROCK YOUバンドの紹介を挟み、ブロックの最後に、ライブの定番曲「風の音さえ聞こえない」を持ってくる。カッコよく低音を響かせ、ラップをクールに決め、サビで爆発する。前へ飛び出してきたベースの森田との絡みがあったり、ステージで暴れまくるJUNNA。最後は、お立ち台から大きくジャンプをして、締めくくった。


「次の曲をバンドでやるのは何年ぶりなんだろうというくらい、久しぶりになります。皆さんからリクエストをもらうことも多かったので、この曲を最後に歌えることがうれしいです。改めて歌詞と向き合ったとき、本当に良い曲だと思いました。私は、独りだと感じることもあるし、ひとりで生きていけそうと思っちゃうこともあるんですけど、全然そんなことなくて、ひとりでは生きられないんです。だから、これからも自分が信じたいと思う人や、頼りたいと思う人と支え合って生きていけたらいいなと思いました。みんなにもこの曲を通して、ひとりじゃないよと伝えられたらなと思います」と伝えて歌ったのは、歌詞もメロディも壮大な広がりを見せる楽曲「CONTRAST」。想いを込めたJUNNAの歌声が、会場の隅々にまで響き渡り、染み込んでいく。歌の力を感じる最高のパフォーマンスだった。
アンコールは、全員がグッズのラグランロングTシャツに着替えて登場。まずは、ツアータイトルにもなっている「REVOLUTION」を叩きつける。エモーショナルなボーカル、ひずみまくった攻撃的なギターが、気持ちを昂らせる。ファンも《WOW...》と声を合わせ、大きな一体感を生み出していた。

「この曲は、2022年だと、まだ発売されていないんです。本当はサプライズでこの曲をやろうとしていたから『~無限大×REVOLUTION~』というタイトルにしていました。でも、みんなが曲を知っているからこそ《WOW...》の一体感が生まれたので、リリースして2年経った曲を歌えたことがとてもうれしいです。本当に幻になるはずだったツアーのセットリストを、1日限りにはなってしまったんですけど、お届けすることができて、このセットリストも喜んでいるんじゃないかと思います」と語る。そしてライブの最後の曲に選んだのは、『JUNNA 5th Anniversary Photo Book』のCDに収録されている、彼女自身が作詞作曲をした「約束」。
「みんなの前でだったら、どんな夢でも語れるようになると思うし、どんな恥ずかしいことをしても受け入れてくれると思っているので、そんな気持ちを込めて書いた歌詞です。だからここで私の夢を言います。まず、47都道府県ツアーをやりたいのはデビューの時からの夢なので叶えたいですし、2022年にホールツアーが叶わなかったので、それも10周年のタイミングなどで叶えたいと思っています」と強く語り、最後はみんなでクラップして楽しみましょう!と「約束」を歌う。そこで、いつかみんなと、それらの夢を叶えると約束して、ライブをハッピーに締めくくった。

みんなで声を出し、拳を突き上げながらジャンプをし、気持ちをひとつにした熱いライブを終えたJUNNA。翌日の『JUNNA Birthday Live “純喫茶” 2025 ~The Quintet~』へ、最高のバトンは繋がっていく。

<公演概要>
『JUNNA ROCK YOU Re:UNITE 2025 〜無限大∞REVOLUTION〜』
2025年11月1日(土)神奈川・SUPERNOVA KAWASAKI
JUNNNA オフィシャルサイト
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