『六本木クロッシング2025展』12月3日から “時間”をテーマに21組の作品を展観
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A.A.Murakami《ニュー・スプリング》2017年 展示風景:「Studio Swine x COS, New Spring」ミラノサローネ2017
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すべて見る東京・六本木の森美術館が3年に1度、日本の現代アートシーンを総覧する定点観測的な展覧会として2004年以来開催してきたシリーズ展『六本木クロッシング』。その第8回目の展覧会が、12月3日(水)から2026年3月29日(日)まで開催される。
今回は、森美術館のキュレーターに加えて国際的に活動するアジアのゲストキュレーター2名を迎え、国籍を問わず日本で活動するアーティスト、もしくは日本にルーツがあり海外で活動するアーティスト21組の作品を展観する。「日本」という枠組みを、地域性や文化的背景、さらには地政学的な観点からもとらえ直し、より広い視座からアプローチしようとする試みだ。

展覧会のテーマは、「時間」。副題の「時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」は、インドネシアを代表する現代詩人サパルディ・ジョコ・ダモノの詩の一節で、普遍的な存在である「時間」の貴さと、その時間に囚われることで私たちが「生きる」ことの本質を見失う危うさを示唆しているという。「物事の本質を感じ、考えること」を促すこの詩を副題に、同展では、歴史や記憶、移動や越境、刹那と永遠性といった多様なテーマをもつ作品に現れる様々な時間の交差を通して、日本のアートを多角的に見つめ直していく。

撮影:Dawn Blackman
見どころのひとつは、さまざまな領域で活躍する作家たちによる出品作品の多彩さにある。絵画、彫刻、映像、写真、インスタレーションはもとより、工芸、刺繡、サウンド・ピース、ZINE(ジン/小冊子)、さらにコミュニティプロジェクトも含まれる。また、「日本」という枠組みを改めてとらえ直そうとする同展が、「日本のアート」はいまや国籍や地理的な境界に限定されていないことを明らかにする点も興味深いところだ。「日本」とは何かを改めて考えたうえで、「時間」という普遍的なテーマを通して見ていくと、文化的な差異を超えた深層に共通するものを見いだすことができる。この展覧会はまた、複雑化する現代社会をともに生き抜くための可能性を探る場ともなっているのだ。
<開催情報>
『六本木クロッシング2025展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠』
会期:2025年12月3日(水)~ 2026年3月29日(日)
会場:森美術館
時間:10:00~22:00 ※12/30をのぞく火曜日は~17:00、12/8(月)は~17:00、最終入館は閉館時間の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:
[平日]一般 2,000円(1,800円)、学生(大学・高校生)1,400円(1,300円)、中学生以下無料、シニア(65歳以上)1,700円(1,500円)
[土・日・休日]一般 2,200円(2,000円)、学生(高校・大学生)1,500円(1,400円)、中学生以下無料、シニア(65歳以上)1,900円(1,700円)
※()=オンラインチケットの料金
※2025年12月29日(月)~2026年1月2日(金)は、[土・日・休日]料金
公式サイト:
https://www.mori.art.museum
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