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現代美術家・三上晴子の大規模個展がICCで開催 メディア・アートの側面からその活動を振り返る

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三上晴子《Eye-Tracking Informatics》 2011/19年 撮影:木奥恵三  写真提供:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

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情報社会と身体や知覚行為をテーマとし、国内外で大規模なインスタレーションを発表してきた現代美術家・三上晴子の没後10年という節目となる今年、三上とゆかりの深い東京・新宿のNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]で大規模個展が開催される。

三上晴子(2011年12月撮影)撮影:篠田英美 写真提供:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

1984年以来、情報社会と身体をテーマとしたインスタレーションを発表してきた三上は、1995年、知覚によるインターフェイスを中心としたインタラクティヴ(双方向的・対話的)な作品の制作を開始する。1992年から2000年まではニューヨークを拠点とし、主に欧米で作品を発表すると同時に、国内外のメディア・アート・フェスティヴァルにも参加。メディア・テクノロジーを駆使して、鑑賞者が自分自身の知覚とインタラクション(相互作用)のメカニズムに向き合わざるをえない体験を作品とした三上は、それらを総合した「知覚の美術館(あるいは大霊廟)」の構築を目指していた。

三上晴子《存在、皮膜、分断された身体》1997年、ICCコレクション 撮影:大高隆
写真提供:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

設置に複雑な工程を要する三上の大型作品は、再展示の機会が限られており、また2015年に病により没した三上は、生前に1980年代から90年代までの作品の多くを廃棄していた。だが、2015年の急逝を機に、残されていた1990年代前半の4作品が東京都現代美術館に収蔵されるなど、その再評価の機運が高まっているという。

今回の展覧会は、1990年の開館以前のプレ活動期間から三上の作品発表の場となっていたICCが、1990年代後半以降のインタラクティヴなインスタレーションを複数展示し、三上の活動をメディア・アートの側面から振り返るものだ。三上の大型作品3点が同時に展示されるのは、国内外でも初めてのこととなる。

三上晴子+市川創太《gravicells—重力と抵抗》2004/10年 撮影:丸尾隆一
写真提供:山口情報芸術センター [YCAM]

生前の三上は、展示の機会がある度に最新の技術を取り入れ、作品をアップデートすることに積極的だった。その経緯を踏まえ、三上に作品を委嘱した山口情報芸術センター(YCAM)や当時の制作関係者によって、作家の死去後も作品の修復や一部の再制作が行なわれてきたという。同展では、作品のアップデートの変遷や進行中の修復、アーカイヴの取り組みなどもあわせて紹介される。三上の作品を実際に体験できるとともに、最新の調査研究の成果にもふれられる貴重な機会となっている。

三上晴子《欲望のコード》2010/2011年 撮影:木奥恵三 写真提供:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

<開催情報>
『知覚の大霊廟をめざして——三上晴子のインタラクティヴ・インスタレーション』

会期:2025年12月13日(土)~2026年3月8日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
時間:11:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜(月曜日が祝休日の場合は翌日)、12月29日(月)~1月5日(月)、2月8日(日)
入場料:一般 1,000円、大学生 800円
公式サイト:
https://www.ntticc.or.jp/ja/

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