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ポーラ美術館初の「箱根」をテーマとした展覧会『SPRING わきあがる鼓動』12月13日から

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大巻伸嗣《Liminal Air Space-Time》2015年 展示風景:「シンプルなかたち展:美はどこからくるのか」森美術館 (C)Shinji Ohmaki Studio

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ポーラ美術館で初の「箱根」に焦点を当てた展覧会『SPRING わきあがる鼓動』が、12月13日(土)から2026年5月31日(日)まで開催される。アートにおける飛躍する力に光を当て、人間やこの世界の奥底から春の芽吹きのように湧き上がる鼓動を宿し、感性を揺さぶる絵画、彫刻、工芸、インスタレーション作品を紹介するものだ。

箱根という土地は、修験道として人々の信仰を集め、やがて街道の宿場が整い、旅の文化が発展した歴史を持つ。19世紀後半から現在まで海外からの旅行客が訪れるリゾート地でもある。同展では、箱根町立郷土資料館が収蔵する貴重な浮世絵コレクションや指定重要文化財の絵画から、現代のアーティスト杉本博司による富士山の写真までを横断。今も昔も旅人を引きつける箱根の魅力に迫る。

展覧会冒頭では、自然と人間の共鳴を感じさせるような現代美術作品に着目する。大巻伸嗣は、布と空気の流れを用いた大型インスタレーションを発表。布が上昇と下降、膨張と収縮によって絶えず形を変えながら、目には見えない大地を動かす巨大なエネルギーを想起させる。

パット・ステア《ウォーターフォール・オブ・エインシェント・ゴースツ》1990年 個人蔵 (C)Pat Steir

陶芸家・小川待子の新作や画家パット・ステアの絵画からも「重力」というエネルギーが見出せる。土やガラス、絵の具の顔料といった素材が、人の手わざと地・水・火・風の作用を受けて変容を重ね、地上の秩序を超えた美しさを出現させる。

ツェ・スーメイの映像作品《エコー》では、アルプスの雄大な山岳風景を舞台に、チェロ奏者でもある作家が奏でる音が岩肌に反響し、空間全体に不規則に広がっていく。ほかにイケムラレイコ、丸山直文、名和晃平らの作品が、自然と人間、自然と人工の関係について様々な視点を与えてくれる。

ツェ・スーメイ《エコー》2003年 金沢21世紀美術館 (C)su-mei tse
丸山直文《水を蹴る・仙石原(あたりに)》2023年、作家蔵 (C)Naofumi Maruyama, Courtesy of ShugoArts, Photo by Shigeo Muto

さらに、アンリ・ルソーやポール・ゴーガンの油彩画など、ポーラ美術館の西洋近代絵画コレクションからも「旅」にまつわる絵画を紹介する。

アンリ・ルソー《エデンの園のエヴァ》1906-1910年頃 ポーラ美術館

大地の奥深さや自然の営み、そこに脈打つ生命のありようなどを感じ取る展覧会。箱根の旅とともに満喫したい。

<開催情報>
『SPRING わきあがる鼓動』

会期:2025年12月13日(土)~2026年5月31日(日)
時間:9:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般2,200円、大高1,700円
公式サイト:
https://www.polamuseum.or.jp/sp/spring_rising/

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