藤倉梓×内藤大希×林鼓子インタビュー 0歳から楽しめる、朗読ミュージカル『光られし女ども』Vol.3 / Happy クリスマス☆ミュージカルコンサート2025』
ステージ
インタビュー
(左から)林鼓子、内藤大希、藤倉梓
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すべて見る2019年から豊洲シビックセンターホールで開催している「Happyクリスマス☆ミュージカルコンサート」。今年は一幕が朗読ミュージカル「光られし女ども」、二幕が名曲揃いのミュージカルコンサートとなっている。脚本・演出の藤倉梓、一幕で光源氏を演じる内藤大希と、葵上役の林鼓子にインタビューを行った。
――今回の公演について、意気込みや思いを教えてください。
藤倉 今回は『光られし女ども』vol.3ですが、vol.1、vol.2を見てくださった方はもちろん、初めて見る方でもわかるようにできていると思います。
内藤 藤倉さんの作品はずっと前から知っていますが、ご一緒するのは初めてなので、すごく嬉しいです。女優さんがすごく多い稽古場になると思うので、雰囲気がどうなるのか楽しみつつも、緊張もあります。台本を読みましたが、『源氏物語』について知らないことが多かったので勉強になりました。物語としてはキツい部分もありますが、ポップな楽曲に乗せてお送りしますし、歌唱力の高いキャストの皆さんが揃っているので楽しみです。
林 私はミュージカルを見るのが大好きなので、いつも劇場で見ていた方々とご一緒することへの緊張が大きいです。今回の朗読ミュージカルとコンサートは赤ちゃんも一緒に見にくることができます。私自身、小さい頃両親に舞台に連れて行ってもらったことで憧れを抱きました。小さなお子さんにも見ていただけたら嬉しいです。
――『源氏物語』の朗読ミュージカルということで、事前に知っておくといい知識などはありますか?
藤倉 メインどころのキャラクターを登場させているので、「源氏物語」の四文字だけ検索して出てきたものを一回さらっと読んでいただくとわかりやすいかもしれません。ただ、このミュージカルは現代語訳というか令和語で進んでいくので……どうでした(笑)?
内藤 とっつきやすいというか、会話がすごくナチュラル。現代の女性たちの恋バナのような感じ。女子って怖いなと思いつつ(笑)、「昔ってこうだったんだ」と見ていただけると思います。僕と松永(一哉)さんで、ダメだけど可愛い男を見せられたらすごく楽しいものになるんじゃないかと思っています。
林 『源氏物語』は漫画などで読んだことがあったんですが、現代でいう少女漫画や乙女ゲームに近いのかなと思います。キャラクターの口調がポップなので笑って見ていただけるはず。難しく考えず、女子たちの恋バナを聞きにきてほしいです。
――今回の脚本のこだわり、演出に関して考えていることはいかがでしょう。
藤倉 今までもそうですが、楽曲はJ-POPなどを使っているので、曲に合わせて前後のセリフを調整し、既存のミュージカルのように繋げています。お話と曲が地続きでいられるようにしているのはこだわりのひとつですね。演出については、キャストの人数が倍になるので、楽しくてきらびやかになるだろうと想像してニヤニヤしている段階です。
――演じる役の印象、役作りについてはどうですか?
林 私が演じる葵上は原作だとちょっと気位が高い女性です。台本を読んでみたら乙女な部分も出してくださっていて。光の君から見たら気位が高くてツンツンしていて「なんだこの女」と思うけど、本当は心の中で光の君を思っていて、女の子らしい気持ちがある。そういう葵上にできたらいいなと思っています。
内藤 (光源氏は)今だったら炎上していそうですよね。ダメ男の条件を全部クリアしているけど、それでも女性に愛される。容姿の良さもあるだろうけど、ちょっとダメな男って今も昔もモテるんだなあと思いました。光源氏の愚行を藤倉さんが今風に書いてくださったことですごくわかりやすくなっているので、笑って消化できるくらいポップに演じられたらいいなと思います。
――お気に入りのシーン、演じるのが楽しみなシーンはどこでしょう。
林 葵が光源氏への思いをぶちまけるところが楽しみで、早くやりたいです。「この流れでこの曲を歌うんだ」という感じがあるし、楽曲もロックな感じなので、どうなるのか楽しみですね。
内藤 学生時代から、カラオケに行くとモテたくてバラードばかり歌っていたんです(笑)。アップテンポの曲のレパートリーが少ないんですが、今回はMrs.GREEN APPLEさんの楽曲を歌います。歌うとすごく難しいので今まで避けてきたんですが、改めて聞いたら、大森さんがめちゃくちゃ上手くて。物語的にも、僕の歌で光源氏の魅力を伝えないといけないので、本番までに研究したいと思います。
――二幕のミュージカルコンサートについても教えてください。
(プロデューサーから) キャストのみなさんに歌いたい曲を伺った上で、演出家、音楽監督と相談しながら選んでいます。0歳からOKの公演ですが子供に寄せるわけではなく、みなさんが素敵な衣装を着て素晴らしい歌声を披露する姿を見ていただきます。お子さんの憧れになるというのもありますし、ミュージカルや演劇が好きなお母さんやお父さんが喜んでいる姿を見てお子さんも一緒に喜ぶというテイストにしています。今回は人数が過去最多で女性も多いので、それを活かした選曲や構成にしています。
内藤 僕はレ・ミゼラブルの「カフェソング」とヘラクレスの「Go the Distance」を歌います。「カフェソング」は本編で歌っていたのをコンサートでどう歌うか。「Go the Distance」はすごく好きな曲。愛加(あゆ)さんとのデュエットで、いろいろなものを表現できたらいいなと思っています。
林 私はシスター・アクトの「私が生きてこなかった人生」とWICKEDの「大嫌い」を歌います。「私が生きてこなかった人生」は個人イベントでも歌ったことがありますが、難しい曲なので、ミュージカルコンサートでまた新たな表現ができたらと思っています。「大嫌い」はどちらのパートを歌うか決まっていませんが、冨川(智加)さんとは同年代なので、絆を深めながら歌いたいです。
――楽しみにしている皆さんへのメッセージをお願いします。
内藤 お子さんがいらっしゃると、会場に着くまでのハードルも高いと思います。ベビーカーの置き場所とか、泣いちゃったらとか、ご飯の時間とか、大変なことを乗り越えていただけるだけの魅力を持つ公演を作りたいと思っています。2歳までは無料ですし、未就学児のお子さんがいるご家族にも、初めての観劇体験にしていただきたいですね。もちろん、それぞれの俳優を応援しているファンの方にも楽しんでいただけるので、ぜひたくさんの方に見ていただけたら嬉しいです。
林 観劇ってすごく特別なことだと思います。お仕事をお休みしてきてくださる方もいるだろうし、休日の楽しみにしてくださっている方もいるだろうし。お客様の大切な時間を使っていただくので、後悔させないよう、朗読ミュージカルでたくさん笑っていただき、ミュージカルコンサートでは感動していただけるように精一杯頑張りたいと思います。
藤倉 一幕は物語という形で宴が繰り広げられ、二幕は本当の宴です。一緒に楽しんでいただけると思いますし、一幕は朗読ミュージカルですが、非日常をお届けできると思います。ご来場いただき、短い時間ですが非日常を楽しんでいただけたら嬉しいです。

取材・文/吉田沙奈
〈公演情報〉
朗読ミュージカル『光られし女ども』Vol.3
Happy クリスマス☆ミュージカルコンサート2025
日程:2025年12月13日(土)〜14日(日)
会場:豊洲シビックセンターホール
[脚本・演出] 藤倉梓(光られし女ども)
[構成・演出] 松永一哉(Happy クリスマスミュージカルコンサート)
[音楽監督] 西寿菜
[出演] 愛加あゆ 林 鼓子 樋口麻美 青野紗穂 音くり寿 梅田彩佳 七瀬りりこ
永塚音々 井坂 茜 冨川智加 廿楽デスティニー愛 松永一哉 内藤大希
チケットURL
https://w.pia.jp/t/xmas2025/
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