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ドラマチックな画家人生の変遷が辿れる展示会『ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢』

アート

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ぴあ

イラストレーション:高松啓二

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映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。

【水先案内人 高松啓二のおススメ】

ゴッホを描いた映画は数多くある。特に1956年の『炎の人ゴッホ』は彼のイメージを決定づけたと言える。またゴッホを演じた役者の中でもカーク・ダグラスは激似だ。

現在、東京都美術館で開催中の『ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢』は映画に登場する絵がいくつか出てくるので映画ファンとしても興味深い。初期の作品が多く展示されており《女性の顔》やミレーの模写などは『炎の人ゴッホ』に出てくる。また、ゴーギャンやロートレックなどパリ時代の画家たちの交流関係が絵を通して紹介される。そして、ゴッホが愛した浮世絵や弟テオへの手紙もあり、画家としての変遷が辿れる。

精神を病みはじめるとゴッホらしい画風が誕生する。本展覧会のメインビジュアルにもなっていく自画像は異様な魅力を発している。この絵ではないが1967年の『将軍たちの夜』では猟奇殺人鬼のタンツ将軍役のピーター・オトゥールがジュ・ド・ポーム美術館でゴッホの自画像を見ておかしくなるのが印象的だった。

ゴッホは療養所で治療を受けてからの作品は、画面全体がうねり、独特の迫力がほとばしる。この時代を描いたのが2018年『永遠の門 ゴッホが見た未来』。演じたウィレム・デフォーは死期が近そうなくらい衰えていた。ちなみに拳銃自殺をはかったのは諸説あり、この映画では他殺説をとっていた。

耳をそぎ落としたりゴーギャンと一緒に住むが、いがみあったりエキセントリックな上、生涯で絵は1枚しか売れなかったが、死後莫大な価値を生む。このドラマチックな画家人生が人気の秘密なのかも? ボクも絵描きのはしくれなので、「死んだら売れる」なんてよく言われるが、生きているうちに買ってくれよ! ゴッホもそう思ったはず。

<開催情報>
『ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢』

2025年9月12日(金)~12月21日(日) 東京都美術館にて開催

※土日、祝日および12月16日(火) 以降は日時指定予約制

公式サイト:
https://gogh2025-26.jp/