吉高由里子「ちゃんと傷つく作品」3年ぶり舞台『シャイニングな女たち』で蓬莱竜太と念願の初タッグ
ステージ
ニュース
舞台『シャイニングな女たち』開幕前会見より、左から)桜井日奈子、さとうほなみ、吉高由里子、山口紗弥加
続きを読むフォトギャラリー(19件)
すべて見る蓬莱竜太が作・演出を手掛けるパルコ・プロデュース2025『シャイニングな女たち』のプレスコール及び開幕前会見が12月7日、東京・渋谷のPARCO劇場で行われ、主演を務める吉高由里子、共演するさとうほなみ、桜井日奈子、山口紗弥加が意気込みを語った。
本作は現代と過去を行き来しながら描かれる女性たちの物語を軸に、人間関係のもつれやSNS時代に生きる現代人の姿を浮き彫りにする群像劇。ひとりの女性の死をきっかけに浮かび上がる記憶の齟齬が、美しかったはずの思い出を歪ませていく様を、蓬莱が繊細かつ圧倒的な筆致で描く。
吉高が舞台に出演するのは、3年ぶり4度目。以前から蓬莱作品への出演を熱望していたといい、「演じていても聞いていても、印象に残る台詞がいっぱいあって。癒されるものではなく、ちゃんと傷つく作品だと思うんですけど、みんなが蓬莱さんを信頼しているから、作品とは真逆に温かい現場で、毎日笑顔が絶えない」と、蓬莱との初タッグに確かな手応え。
大学時代の回想シーンでは、女子フットサル部員としてボールを追う瞬間もあり、「稽古中は毎日ストレッチしていて。こんなにストレッチする経験はなかったので、『何してるの、お前は!』って体もビックリしています」と照れ笑い。桜井から「いちばん体硬いですもん」とツッコミが入るなか、吉高は「それも部活感がありました」と笑顔で振り返った。
初日を迎えた心境は「まだ実感がない」といい、「きっと始まったら、今度は終わりに向かっていくのかと思うと、稽古場での思い出がフラッシュバックするような感じで。とにかく、みんなが欠けることなく、元気に走り切れたらいいなという気持ちで、毎日お祈りしています」と完走を誓った。
2025年も年の瀬を迎え「すごく素敵な出会いをさせていただいた1年になった。来年は、まずはこの舞台を無事に走り抜けることが、いい始まりなんじゃないかなと思う」と抱負を語っていた。
吉高演じる主人公の同級生で親友を演じたさとうは、「蓬莱さんの作品は本当に楽しいなと思っていますし、皆さんにもぜひ楽しんでほしい」とアピール。「稽古が始まった当初は、まだ台本が最後までなくて。40ページくらいしか」(さとう)、「それ言った方がいい、さっきできたばっか(笑)」(吉高)と劇中の関係性そのままに、ジョークを交えた軽妙なやりとりも見せていた。
さとうは、「ゲスの極み乙女」のドラマー“ほな・いこか”として、東京国際フォーラムホールAでの盛況ライブを終えたばかり。今年は、俳優の柄本時生との結婚も発表し「実にシャイニングな1年になったかなと思います」と充実した表情を見せた。
一方、フットサル部の後輩で、物語の冒頭で亡くなったことが明らかになる女性を演じる桜井は、今年を振り返り「いただく役柄(のイメージ)がどれも全然違った。今回を含めると、5回連続で亡くなっている設定で、縁起悪いのかなって(笑)」と思わず苦笑い。それでも「挑戦的な役をいただけたのがうれしかった」と手応えを示し、「この調子で、演じたことのない役に出会っていけたらいいなと思います」と意欲を燃やした。
また、フットサル部の顧問を演じる山口は、「終わる頃には号泣してしまいそうな作品で胸が打たれる。それをお客様にきちんとお届けしたい」と語り、「体も酷使するので、怪我なく、チーム力を見せつけたい」。劇中でキャスト陣は石川弁を話すが、山口は「どうしても京都の旅館の女将さんみたいになってしまって、蓬莱さんによく注意される」と反省しきり。吉高は「気を抜いたら“はんなり”しちゃう」と笑っていた。
舞台写真到着! 作・演出の蓬莱竜太からのコメントも
■蓬莱竜太(作・演出)コメント
この作品は悲劇が連鎖していく物語でもあります。その連鎖は自分の知るところから起こることはもちろん、全く知る由もない連鎖で起きることもあります。人はその原因がわからなくても、戦わなければならず、歩き続けなければなりません。
今作の登場人物たちもその戦いに身を投じ、時には負けそうにもなります。それでも抗いながら前を向こうとする姿をこの作品で描けたらと思っています。いよいよ初日を迎えます。役者たちがこの作品に向かうその姿も登場人物たちと重なる気がしています。
【物語】
金田海(吉高由里子)は、社会人として働く傍ら、他人の告別式に紛れ込み、ビュッフェを食べて帰るという行為を繰り返していた。ある日、入り込んだ告別式の会場で金田は偶然見覚えのある顔たちに出会う。それはかつて自分がキャプテンを務めていた大学時代の女子フットサル部の仲間たち。親友の山形圭子(さとうほなみ)の姿。敵視していた顧問の川越瑞希(山口紗弥加)の姿まであった。
遺影には同じピッチに立っていた後輩、白澤喜美(桜井日奈子)の姿。「私は何故呼ばれていないのか」告別式会場と輝いていた大学時代が交錯していく。その輝きは本当の輝きだったのか──。
取材・文・撮影:内田涼
<公演情報>
パルコ・プロデュース2025『シャイニングな女たち』
作・演出:蓬莱竜太
出演:吉高由里子 さとうほなみ 桜井日奈子 小野寺ずる 羽瀬川なぎ 李そじん 名村辰 山口紗弥加
【東京公演】
2025年12月7日(日)~28日(日)
会場:PARCO劇場
【大阪公演】
2026年1月9日(金)~13日(火)
会場:森ノ宮ピロティホール
【福岡公演】
2026年1月16日(金)~18日(日)
会場:福岡市民ホール 中ホール
【長野公演】
2026年1月24日(土)・25日(日)
会場:サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)大ホール
【愛知公演】
2026年1月29日(木)・30日(金)
会場:Niterra 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
関連リンク
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/shining/
フォトギャラリー(19件)
すべて見る
