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『美しいユートピア』パナソニック汐留美術館で 美術、建築、工芸などの作品や資料、約170点で暮らしのなかの“ユートピア”を探求した人々の軌跡をたどる

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ウィリアム・モリス著 ケルムスコット・プレス刊 『ユートピア便り』 1892年TOPPANホールディングス株式会社 印刷博物館蔵

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2020年に開催された『モダンデザインが結ぶ暮らしの夢展』で、モダンデザインを通じて新しい上質な暮らしを夢見た人々の交流を掘り下げた東京のパナソニック汐留美術館が、いわばその「続編」となる企画展を、2026年1月15日(木)から3月22日(日)まで開催する。今回のテーマは「ユートピア」だ。

ユートピアとは、16世紀イギリスの思想家トマス・モアの小説タイトルで、「どこにもない場所」の意。また同じくイギリスの社会思想家で、『ユートピア便り』を著したウィリアム・モリスは、暮らしと芸術の総合を唱え、今ここにある課題をみつめ、どこにもない理想を夢見ていたという。こうした思想が紹介された20世紀の日本でも、ユートピアは暮らしをめぐる課題と理想となり、美術や工芸、建築など幅広いジャンルを結ぶ共同体がさまざまな場所で模索されることになったのだった。

アントニン・レーモンド「群馬音楽センター内観透視図」 1958年 レーモンド設計事務所蔵 (C)The Raymond Family

同展は、こうした模索のなか、暮らしにまつわる過去をたずね、未来を夢見る人々によるさまざまな運動を「ユートピア」と位置づけ、芸術、装飾工芸、建築デザインにテーマを絞って、暮らしの中の「美しいユートピア」を探る試みとなっている。

鶴岡政男《夜の群像》 1949年 群馬県立近代美術館蔵

紹介されるのは、モリスに触発され、人間や社会の理想を近代に求めた白樺派や民藝運動を推進した人々から、民家や民具をめぐるフィールドワークを通じて「ミュージアム」を育んだ人々、関東大震災からの復興期に郊外アトリエや芸術家コロニーを希求した芸術家たち、各々の故郷で「ドリームランド」をつくろうとした人々、さらに戦後の新世界の創造を模索して復興デザインを手がけた芸術家や建築家まで。その各々の試みが、約170点の作品と資料によって紐解かれていく。なかでも特に見応えがあるのが、多彩な建築資料群と、時局にあらがいながら模索を続けた松本竣介をはじめとした芸術コロニーの画家たちの作品群だという。

松本竣介《立てる像下絵》 1942年 神奈川県立近代美術館蔵

さらに、美しい暮らしを求めた20世紀日本のユートピアを振り返ることで、21世紀の今、改めてユートピアを思い描く方法を探る機会ともなっている。会場を構成するのは、大阪・関西万博で公共スペースの設計者として注目された若手建築家20組のうちの1組である建築コレクティヴGROUP。どんな空間と展示になるのか、こちらも楽しみだ。

<開催情報>
『美しいユートピア 理想の地を夢みた近代日本の群像』

会期:2026年1月15日(木)〜 3月22日(日)※会期中展示替えあり
会場:パナソニック汐留美術館
時間:10:00~18:00(※ただし2月6日(金)、3月6日(金)・20日(金)・21 日(土)は~20:00)、入館は閉館の30分前まで
休館日:水曜(※ただし2月11日と3月18日は開館)
料金:一般1,200円、大学・高校生:700円、65歳以上1,100円
公式サイト:
https://panasonic.co.jp/ew/museum/exhibition/26/260115/

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