結木滉星が挑んだ“内面から湧き出る恐ろしさ”の表現「最終回でとんでもない行動に出るので楽しみにしてください！」

山口という人間に「全く共感出来なかった」

――結木さんが演じた山口は、ハチこと八神結衣（桜田）の実家である八神製薬に恨みを持っており、暴力的で後先を考えない性格。ろくに働かず、交際相手のヒモとして暮らしているというキャラクターですが……共感できるところはありましたか？

全く共感出来なかったですね（笑）。彼のやっていることは犯罪行為なので、共感できる人も少ないと思いますし、山口という人間には良い要素がないので、魅力を語るのも難しいです。

――演じていた結木さんから見ても「魅力を語るのも難しい」存在なのですね。

でも、後先考えずに感情のままに行動出来る性格は少し羨ましいなとは思いました。大人になると守りに入らないといけない場面も増えてくるので、行動派で余計な事を考えずに突っ走れるところは魅力かなと思います。作品に入ってみて、思っていたよりも感情的だなと感じたので。

――では、山口を演じることも難しかった？

そうですね。セリフ自体が荒々しく台本に書いてある行動が、そもそも悪なので。それだけに頼らず“内面から湧き出る恐ろしさ”を表現するのが、とても難しかったです。

佐野勇斗との関係は「相変わらず……」

――Instagramへの投稿や「初回OA直前制作発表記者会見」での“（佐野を）誘拐したい”発言など、佐野さんへの愛が止まらない様子が見受けられた放送期間中でした。久しぶりの共演、撮影中に思い出はできましたか？

相変わらず年上の自分がいじられる関係性だなと感じました。とりあえず、まだ勇斗の家に行ったことがないので「早く家に招待しろ」って会うたびに言ってます（笑）。

――そうなんですね（笑）。ずばり佐野さんの魅力はどんなところにあると感じていますか？

佐野勇斗の魅力は、実は内面なんですよ。もちろんビジュがいいことなんて、周知の事実なので、そこは当然なんですけど。とにかく優しくて、人間味が溢れているところが好きですね。ちゃんと愛を持って人と接してるところが本当に素敵だなといつも思っています。

2025年は「人としてステップアップできた1年」

――2025年は、映画からテレビドラマ、配信のドラマまで幅広く出演されていた結木さん。率直に、どんな1年でしたか？

いろいろな役を通して、新たに学び、新しいジャンルのものと出会える機会が多い一年だったと思います。その都度、感じるものが刺激的で、あっという間の一年間でした。この一年間で人としてステップアップできたかなと思います。

――ちなみに、以前のインタビューで「親孝行したい」とお話しされていたのが印象的でした。親孝行はできましたか？

これと言った親孝行はできていないですね……。むしろ助けてもらってばかりなので、2026年は大きく返せるようにしたいと思ってます。

――2026年はどんなことをしたい？

プライベートの趣味が、ゴルフとサウナでずっと変わっていないので、他の趣味を見つけられる年にしたいですね！

――プライベートではいかがでしょう？

正直、思い当たるものが浮かばないです……。ただ、仕事面では、2025年から引き継いで撮影するものもあるので、まずは真摯に作品と向き合って次に繋がるように努力していきたいと思ってます。

次に佐野と共演するなら「仲の良さを全面に発揮したい」

――いよいよ最終回。ずばり見どころは？

これまで逃亡しながら、いろいろな問題に立ち向かってきたハチとリンダですが、その中でも一番立ち向かうべき相手、それぞれの親との問題、そして2人が下した決断……全ての結末が最終回で明らかになるので、まるっと見どころだと思います。

――結木さん演じる山口の見どころは？

山口は山口で、自分の目的が失敗に終わった中、最終回でとんでもない行動にでます。ぜひ、そこも注目してください。

――ちなみに、今回は誘拐犯グループの1人という関係性での共演でしたが、次回佐野さんと共演するなら、どんな間柄がいいですか？

勇斗と同じ作品で一緒になる時は、歪みあっているような関係性が多いので、次は仲の良さを全面に発揮できる役柄がやってみたいですね。親友役やバディなど、やってみたいです！

『ESCAPE それは誘拐のはずだった』
12月10日(水) 夜10時～最終回放送

【結木滉星　プロフィール】

1994年生まれ、大分県出身。
スーパー戦隊シリーズ「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」朝加圭一郎／パトレン1号役で注目を集める。
その他の出演作に、ドラマ「能面検事」、「パーセント」、「風間公親−教場0−」、「ゼイチョー〜『払えない』にはワケがある〜」、「ダブルチート 偽りの警官」など。
新水曜ドラマ「ESCAPE　それは誘拐のはずだった」　山口健二役で出演中。

取材・文／於ありさ