門脇麦、初の教師役に挑戦! 映画『白の花実』で目撃した“原石のきらめき”と撮影の舞台裏
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すべて見る2019年公開の『21世紀の女の子』の一篇「reborn」で国内外から注目を集めた坂本悠花里の初となる長編作品『白の花実』が、本日12月26日(金)に公開初日を迎えた。
先日スペインで行われた第73回サン・セバスティアン国際映画祭のNew Directors部門でクロージング作品として上映され、現地で熱い喝采を浴び、注目を集めた本作。周囲に馴染めず、転校を繰り返す杏菜(美絽)が、新たな寄宿学校で出会ったのは、美しく完璧な少女・莉花(蒼戸虹子)。しかし、莉花は突然、屋上から飛び降りて命を絶ってしまう。残されたのは一冊の「日記」。ページをめくるたび、莉花の苦悩や怒り、痛み──そして莉花の幼なじみ・栞(池端杏慈)との記憶と、言葉にできなかった“ある秘密”が浮かび上がる。
この度、主人公・杏菜たちのクラスの担任教師で、キリスト教の寄宿学校の中でも特に信仰心を持ち、時に厳しく生徒たちを律する役柄を演じた門脇麦のオフィシャルインタビューが到着。初の教師役への思いや、同世代の坂本監督との現場でのコミュニケーション方法などが語られた。
──完成した『白の花実』を観て、いかがでしたか?
門脇 現場でも感じましたが、生徒役のフレッシュなキャストの今しかない輝きがこの作品にギュギュッと詰まっていて、いいものを見たなと感じました。主演の美絽さんをはじめ、原石のきらめきみたいな素敵な皆と芝居できるだけで、それはそれは幸せな経験でした。年齢が近い坂本悠花里監督とお仕事できたのも至福でした。

──脚本を読んだときのお気持ちを教えてください。門脇さんが演じられた澤井先生は、正義感があり生徒たちに日々厳しく接している印象がありますが、どのような思いを持って演じましたか?
門脇 澤井先生は生徒にどのくらい思い入れを持って接しているのか、正直脚本を読んだだけではあまりイメージが持てませんでした。衣装合わせをして、素敵な衣装を着たり、聖書を読んでみたりなどの勉強をして徐々に作っていきましたが難しいイメージがあって。でも、坂本監督のもつやわらかい空気感のお陰で、現場に入ったら意外とスムーズに演じられました。
坂本監督とは「毎日、楽しく撮影できてますか?」というような会話をしました。「やりたいようにできてますか? 澤井先生のことでもなんでも良いので、全部言ってください」と仰ってくださり、コミュニケーションを重ねて役への理解を深めていくことができました。

──坂本監督自身も、自分の方向性はあるけど、あまりそれを押し付ける感じではやりたくなかったと仰ってました。
門脇 そんな監督の意図も察していました。でも、監督には思うままに演出してほしいし、特に私は今回の現場では大人の方だったので、若いキャストたちにとってもやりやすいように、なるべく自分がいい空気を作れたらいいなと思い現場にずっといるようにしました。私が一番ケラケラ笑ってうるさかったと思うけど……(笑)。
──撮影中に何か印象に残っていることはありましたか?
門脇 ダンスシーンが印象的でした。カメラマンの渡邉さんも含めて、ダンスシーンは特にこだわりを持って撮影されていて、とても時間をかけたのですが、その結果とても美しいシーンになっていますね。半年くらい前からダンスの先生と練習をしていたのを知っていたので、完成したシーンを観てグッときました。杏菜役の美絽ちゃん、莉花役の蒼戸虹子ちゃんは特にダンス経験がないにも関わらず、みんな本当に頑張っていました。

──この作品の魅力はどのようなところにあると思いますか?
門脇 キリストの寄宿学校を設定にしているというところですね。内容としては女の子が屋上から飛び降りてしまうところから物語が展開するので、決して明るい話ではありませんが、キリスト教の寄宿学校という設定がより興味深い話になっているように感じます。枠組みの作り方が素敵なのが、監督の才能であり、唯一無二の魅力があると思います。
パリの寄宿学校が舞台の『げんきなマドレーヌ』という絵本を子どもの頃によく読んでいたのですが、そういった舞台設定は日本だとなかなか実現が難しいと思うんです。でもこの映画は邦画の良さと、洋画の空気感が程よく混在する雰囲気の作品で、とても面白く仕上がっていると思います。
<作品情報>
『白の花実』
公開中

公式サイト:
https://www.bitters.co.jp/kajitsu/
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