Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 向井山朋子、美術館では初の大規模個展がアーツ前橋で開催 回廊型インスタレーションが誘う、自分と世界を問う思索の旅

向井山朋子、美術館では初の大規模個展がアーツ前橋で開催 回廊型インスタレーションが誘う、自分と世界を問う思索の旅

アート

ニュース

ぴあ

アーツ前橋「向井山朋子 Act of Fire」展 キービジュアル

続きを読む

フォトギャラリー(8件)

すべて見る

アムステルダム在住のピアニストで美術家であり、音楽、映像、パフォーマンス、インスタレーションなど多領域を越境する表現者として知られる向井山朋子(むかいやま ともこ)の美術館では初となる大規模個展が、2026年1月24日(土)から3月22日(日)まで、群馬県のアーツ前橋で開催される。

《火を燃やす-1》2025年 (C)Tomoko Mukaiyama

1963年に和歌山県で生まれた向井山朋子は、1991年に国際ガウデアムス演奏家コンクールで日本人ピアニストとして初めて優勝を収めた。ピアニストとして活動するとともに、女性性を核に、身体性、セクシャリティ、境界、記憶、儀式、自然、時空といった異なるテーマを横断し、従来の形式にとらわれない舞台芸術やインスタレーション、映像作品を発表してきた。2007年に向井山朋子ファンデーションをオランダに設立、また2015年には日本で一般社団法人◯+(マルタス)を設立し、プロデュースの分野でも活躍している。

《KUMANO》2021年 (C)Tomoko Mukaiyama

一貫して、観る者、体験する者に深い内省や感情の揺らぎをもたらす作品を発表し続けてきた向井山が今回アーツ前橋で取り組むのは、6つのギャラリーを地下劇場に見立てた回廊型のインスタレーションとなる。展覧会タイトルにある「Act of Fire」は、この展覧会が向井山の身体と記憶に深く根ざす喪失や抵抗、そして怒りを「燃焼」させる儀礼的な空間となると同時に、ジェンダーの不平等、激化する自然災害、終わりなき侵略といった現実世界の問題を「火」という根源的なメディアによって照らし出す行為を示唆しているという。

《KUMANO》2021年 (C)Tomoko Mukaiyama

今回は、その地下劇場に見立てた会場に、シルクドレスの迷宮《wasted》(2009年)、東日本大震災の津波で破壊されたグランドピアノを用いた《nocturne》(2011年)、映像詩《ここから》(2025年)など、新旧のアートワークが再構築される。回廊に次々と映し出される家族の肖像、男だけの火祭り、凝固した経血、津波の泥、燃え尽きるピアノなどのイメージは記憶を呼び覚ますだけでなく、観る者それぞれを、自分自身と「世界」との関係性を問う思索の旅へと誘ってくれることだろう。

《wasted》2009年 photo: Rachel Nieborg. (C)Tomoko Mukaiyama

<開催情報>
『向井山朋子 Act of Fire』

会期:2026年1月24日(土)~ 3月22日(日)
会場:アーツ前橋
時間:10:00~18:00(入場は~17:30)
休館日:水曜、2月12日(木)(※ただし2月11日(水・祝)は開館)
料金:一般1,000円、学生800円、65歳以上800円、高校生以下無料
公式サイト:
https://artsmaebashi.jp/

フォトギャラリー(8件)

すべて見る