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「僕は主役じゃなくていい」原嘉孝が初ナレーションで感じた選手へのシンパシーと“地道な努力の価値”

映画

インタビュー

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(撮影/稲澤朝博)

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世界の頂きを目指すバレーボール男子日本代表の舞台裏に完全密着した映画「GRIT ―バレーボール男子日本代表の栄光への始発点―」で初めてナレーションに挑戦したtimeleszの原嘉孝。学生時代にやっていた競技ということもあり、バレーボール愛を炸裂させながら、作品に携わった。この日の撮影では、「よろしくお願いします!」と爽やかな笑顔で挨拶してくれた原。青春時代に根付いた体育会系精神は、今もなお健在だ。

初めてのナレーションには不安もありました

『GRIT ―バレーボール男子日本代表の栄光への始発点―』は1月9日(金)から3週間限定で公開になるバレーボール男子日本代表の栄光への始発点を描くドキュメンタリー。今作のナレーションを学生時代にバレーボール部で活躍していたtimeleszの原嘉孝が担当している。

「今回のお話をいただき、中学、高校時代、必死にバレーボールと向き合ってきて良かったなと思いました。もちろん目立った功績は僕自身にはないですけど、過去にバレーボール少年として打ち込んできたものが仕事に繋がるのは、初めてのことですし、嬉しいことですね。とはいえ、僕はナレーションを担当するのが初めてだったので、不安やプレッシャーもありました。オファーをいただいてから、まずは、直近にあったバレーボールの試合を見たり、選手の名前や活躍ぶりをチェックしたり。大学でもバレーボールサークルに入っていたので、詳しい人に色々教えてもらって、勉強しました」

原にとって、初めての映画のナレーション挑戦。バレーボール経験者だからこそ、「この瞬間の感情を声にのせたい!」という熱い想いもあったはず。熱いナレーションを繰り広げていた原だが、とくに熱の入った場面は一体どんな瞬間なのだろうか。

「選手は皆さん、選ばれた人たちなんですね。日本で1番バレーボールが上手い人たちが集まっているわけです。代表選手に選ばれるための合宿を経て、15人中14人しか選ばれないんですよ。誰が代表選手に選ばれたかは、もちろん発表されるので、ファンの人も結果は知るわけですけど。どんな思いで合宿に打ち込んでいるのか裏側も映し出されます。選ばれなかった選手も悔しい感情がありながらも、『何かあったらサポートします』という力強い言葉を放っていて。そんな選手の皆さんのメンタル面の強さが分かるシーンでは、僕も熱のこもった感情をのせてナレーションを入れるイメージをしました」

チーム作りを大切にされているところが素敵でした

密着カメラだけが捉えた選手たちの苦悩と葛藤、勝利への想いも伝わってくる場面も盛りだくさん。重圧を背負いながらも、チームの仲間たちに言葉をかける姿も見られた。そんな場面を見て、胸が熱くなったと語る。

「キャプテンの石川祐希選手は、もちろんチーム全体のことを常に考えているんですよね。若い選手が多い中、練習の雰囲気だったり、どういう言葉をかけたら士気が上がるのかということだったり、チーム作りを大切にされている姿がとても素敵だと思いました。自分自身は、視野が狭い部分があるので、『もっとこうして欲しい』っていう気持ちを割とストレートに伝えちゃうことも多いんです。でも、石川選手は、俯瞰してまわりを見ることができて、冷静さもしっかり持っていて。『こういう言葉をかけたら、こう作用する』っていうマイナスの面もプラスの面もしっかり分かっているところが素晴らしい選手だと僕は思いました」

初めてのナレーションとは思えない仕上がりに完成しているが、現場の監督にはどんなアドバイスをもらってアフレコに挑んだのだろうか。

「監督からは細かいディテールまでは指示はされなかったですが、ここまでにこれを言い切るという尺は、バッチリ映像に合わせなきゃいけなかったんですよ。速すぎず、遅すぎず、尺をしっかり意識しましたね。あとは、個人的にはバレーボールとバレーボール選手が主役の作品なので、僕が邪魔しちゃいけないなっていうことが大前提であって。主役は僕ではないので、選手たちと監督たちの思いを届けるのにいかに邪魔しない、でも、皆さんを引き立たせて、観て下さるお客さんにバレーボールの魅力を届けるかっていうことを常に念頭に置いて、初めてのナレーションに挑みました」

冷静さやひとつ引いた視点を失わないようにしました

普段はアイドルや役者として自分らしさを全面にアピールすることが求められるが、今回のナレーションでの、作品の良さを引き出すという新しい経験は勉強になったという。

「お芝居とはまた違って、自分を出しすぎても邪魔になりますし。でも、自分らしさを出さなすぎても、のっぺりしすぎちゃう。とにかく台本がもうすごい膨大な量なんですよ。おそらく30~40ページはありましたから。収録は2、3時間かけて挑んだんですが、台本をいかに自分の中に落とし込んで、内容を理解した上で喋るっていうスピード感が求められる現場だったかなと思います。基本的に内容を理解しないまま、それっぽく読んでも、その場面に合った声にならない。僕はAIじゃなく、人間ですからね(笑)。心掛けていたのは、僕が自分のフィルターを通して解釈して、ちゃんと言葉をのっけること。普段よりは、声も落ち着いたトーンの中で振り幅を出すようにしていました。のめり込みすぎるナレーションではなく、冷静さやひとつ引いた視点は失わないようにできたのかなと思います」

初めてにしてコツを掴んだ原だが、最初から上手くいったわけではなかった。

「前半はすごくNGを出してしまったんですよね。慣れなくて、舌が回らなかった。言いづらいフレーズがあって。例えば、“メンバー”の“メ”のイントネーションが違っていたので、指摘されましたね。あと、映像に声をあてていると盛り上がる瞬間もありました。西本(圭吾)選手は、熱いところに親近感が涌いて。全力で喜びや悔しさを表現されるし、ちょっと驚いた表情もいいんですよ。元気をもらえるし、会場がわーって盛り上がりますよね。小野寺(太志)選手は同じ年ですし、内面から出るキュートな雰囲気が好きです。小野寺選手は、僕が出演したオーディション番組『timelesz project -AUDITION-』を観て下さったことをきっかけに、どうやら僕を推してくださっているみたいでめちゃくちゃ嬉しいです!(笑)。今はこういうお仕事をしているけど、学生の頃、普通にバレーボール少年だったので、まさか日本代表の選手が自分のことを知って下さってるなんて。バレーボールに打ち込んでいた過去の気持ちに戻っちゃうと感激です!」

そんな原の日本代表の推しはというと、「やっぱり小野寺選手ですかね。自分が推してもらってるのもありますが、特別視しちゃいます(笑)。それにポジションも僕と一緒なんですよ。僕もミドルブロッカーだったので。小野寺選手って、すごく努力家なのに控えめなところがまた良くて。『僕は主役じゃなくていい』みたいなことをおっしゃっているんですけど、その感じが好きだなぁ。僕もチームにいて、そういう感覚ではあるんです。『俺がサイドを固めておくから、後はお前ら好きにして』ってタイプなので、何かシンパシーを感じますね」

自分がチームを背負っている気でいた学生時代

原がコートで汗を流していた頃と比べて、今の日本代表選手やバレーボール界の盛り上がりについてどう思うかという質問には「いちばん熱いんじゃないですか」とニヤリと笑う。

「僕も代表選手の表の姿しか知らなかったので、今回ドキュメンタリーを観て、最初に思ったのが、当たり前だけど選手も人間だよなっていうこと。僕らは試合を観て、結果で判断することが多いじゃないですか。試合に負けた時でも、その試合に向けてしっかり準備してる選手たちの想いや練習量を知ると『なんで負けなんだよ』っていう思いではなく、『一緒に次、頑張りましょう』って寄り添った声をかけたくなるような気持ちになりました。選手の皆さんって監督からの言葉とかでメンタルが変わったりするし、それがいいプレーに繋がったりする。僕らは選手のことを完全体だと思っているけど、もちろん1人ひとり、人間でメンタルに左右される部分もあるんだなって、正直ちょっと安心した部分もありました(笑)」

部活のチームのキャプテンとして奮闘していた時代、原は一体どんなリーダーだったのか気になるところだ。熱く声を出して士気を上げる熱血キャプテンタイプに見えるが……。

「まさにそうです。大きな声で盛り上げて、よく声を枯らしてましたね(笑)。当時は学生だったし、振り返ってみると気負いすぎてたかなと思います。自分がチームを背負っている気持ちでいたんですよ。実際自分の調子が良ければ勝つし、調子が悪ければ負けるみたいなチームだったので。キャプテンとしてもっとチーム全体を見ることができたら、良かったなと思います」

バレーボール男子日本代表は、パリではあと一点の壁を越えられず、その悔しさはチーム全員の胸に深く刻まれたという。原自身は、目の前に壁がたちはだかった時、その壁をどのように乗り越えようとするのか聞いてみると真面目でストイックな一面が垣間見られた。

「何か大きなことに立ち向かう時は、リサーチと準備をとにかくやりまくる。調べたり、できる人に聞いたり、先輩に聞いたり。いろんな情報をインプットして、自分の中に落とし込んで、その上で自分がどういうパフォーマンスができるだろうかって逆算して、じゃあこういう準備が必要、これは1週間で練習しなきゃいけないとか具体的なプランを考えます。それをやって、もし失敗したら、『もうしょうがない!』って思える自分になるくらい。とにかく準備するのが壁を乗り越える秘訣です」

とにかく準備をするという点では「コンサートの振りを大量に覚えなくてはいけない時や、今回のような初めてのナレーションでもやはり準備をしてきた?」と問うと「もちろんそうですね」とキッパリ即答。

「普段の活動もそうですけど、もう分からないことってたくさんあって。僕はメンバーの年下3人にも言ってるんですよ。『聞いた方が早いよ』って。プライドは捨てて、知っている人、詳しい人に聞くのがいちばん。『それを全部吸収しなくてもいいけど、取捨選択して、その中から“いいとこ取り”をしてやった方が早いよ』って言っています。僕の場合は、そういうやり方が自分に合ってるし、時短になるし、賢いかなって思っていて。それを常にやってる感じがしますね」

2026年の目標に掲げたいことはInitiative

映画のタイトル「GRIT」は、やり遂げる力を意味する。指揮する名将ロラン・ティリ監督が掲げるチームテーマをもとに円陣の新たな合言葉となった。GRITのGは、Guts=困難に立ち向かう度胸、RはResilienceで苦境にめげずに立ち直る復元力、IはInitiative、自ら目標を見つけて取り組む自発性、TはTenacityで最後までやり遂げる執念をイメージしているそうだ。GRITにかけた4つのキーワードから原が2026年の目標に掲げたいこととは ――?

「Initiativeですね。自ら目標を見つけて取り組む自発性を掲げたいです。事務所に入って今まで15年間ぐらい活動してきましたけど、2026年はもう1回自分のスキルを見つめ直して、地味な作業を一からやりまくることを目標にしたい。timeleszのコンサートが近づいてきたから、リハーサルをやります、とかダンスモードになります、じゃなくて、普段から地道な練習をしたい。歌もダンスもそうだし、アクションも始めようと思ってるんですけど、2026年は小さいことの積み重ねをもう1回やり直そうと思ってます」

最後に栄光に向かって走り出した新生ニッポンの舞台裏が分かる貴重な映像を楽しみにしているバレーボールファンの皆さんへのメッセージをお願いすると、原の持ち前の熱さが炸裂! どこまでも熱い男だった。

「チームスポーツって、その瞬間にしかないパワーやエネルギーが存在するって僕は信じていて。選ばれたシーズンに仲間たちと集い、そのコートに立ったメンバーたちとしか生まれないエネルギーが絶対にあるんですよね。僕もいわばチームとしてやってるので、すごく分かるんですけど、なんか儚さもあるというか。選手たちは、2度と同じメンバーでできないかもしれない。だからこそ、そこに全力を注ぐ姿っていうのは、すごく元気をもらえますし、パワーもらえます。自分のやっていることとか、熱く打ち込んでいるものにもっと熱くなれるような映画になっています。この映画を見たら、日本代表を、バレーボールをもっと熱く応援したい、一緒に盛り上げたいという気持ちになるはず。必ず気になる推しがみつかるはずです!(笑)」


『GRIT ―バレーボール男子日本代表の栄光への始発点―』

1月9日(金)より3週間限定公開
https://volley-movie.jp/


撮影/稲澤朝博、取材・文/福田恵子

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