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「悩むんだったら考えな」福山潤が今でも大切にしている“あの教え”

映画

インタビュー

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(撮影/米玉利朋子)

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原作連載完結とテレビアニメ放送終了から10年――。あの暗殺学園青春エンターテインメントが劇場アニメ「劇場版「暗殺教室」みんなの時間」でリターンズ。久しぶりに3年E組と殺せんせーに会える今作が決まった時の心境を「もう“嬉しい”の一言につきますね」と笑顔を覗かせたのは福山潤だ。アニメでは独特な教えを放つ殺せんせーを演じた彼に若い世代に何か教えるときの心掛けや心に残っている教えなど、ここでしか読めない貴重なインタビューを届ける。

アニメ業界の変化に、10年の月日を感じた

「劇場版のお話は、フジテレビさんで『アニメ「暗殺教室」10周年の時間』プロジェクトの発表の直前ぐらいに聞きました。劇場版がある前提の10周年プロジェクトとは聞かされていなかったので、ビックリしましたね。僕としてはあれからもう10年という時間が立つのかという感覚です」。10年ぶりの『暗殺教室』の劇場版が決まった時の感想をそう答えた福山潤。今作ではテレビシリーズでは描かれなかったエピソードを、10周年を記念して完全新規で映像化したもの。アート、水泳、先生の秘密のアフターファイブなど、暗殺スキルを活かした課外授業が盛りだくさんに描かれるのがみどころに。

「バレンタインの恋模様を描くエピソードも入っています。水泳の時間もやっていなかったのですが、テレビシリーズでやると大変だったんだろうなとか、今だったら分かる部分もありますね。とはいえ、テレビシリーズはバランスよく展開をしていたので、原作が大好きな人にとって痒いところに手が届くスペシャルな劇場版になっています」

約10年ぶりに殺せんせーに挑んだ「暗殺教室」のアフレコはどうだったのか尋ねると、まず「10年前とスケジュール感が変わりましたね。収録がかなり早めになりました」と、やはり10年の月日が経過したことを感じたのだとか。

「10年前は、絵をある程度作ってからアフレコを同時進行でやっていく感じでしたが、コロナ後は絵の方をよりしっかりとやっていくようにアニメ業界がシフトしました。今回もコンテが出来上がって、絵の情報があって声を収録して、そこから絵の方をしっかりとやっていこうというシステムなので、かなり早い段階でアフレコしたんですよ。今回はオムニバスではなく、1人で円滑にやっていって。生徒のみんなと掛け合うシーンもありますが、殺せんせーって比較的みんながやっている裏でわちゃわちゃやるんですよね(笑)。なので僕だけ1人で録って、後で重ねてもらいました。もちろん殺せんせーというキャラクターを忘れるとかは、一切ないので、取り戻す作業もなく、スムーズでしたね」

月を破壊し、地球をも破壊すると予告した超生物・殺せんせーの暗殺を託されたのは、落ちこぼれの3年E組、通称エンドのE組だ。E組の担任となった殺せんせーは、常識はずれの指導で彼らを導いていくキャラクター。改めてになるが、ビジュアルからインパクト満点の殺せんせーの魅力とは――?

「昨今、ここまで荒唐無稽なことをやったら許してくれないでしょうということを許してもらえるようなキャラクターですかね(笑)。殺せんせーは俗物なので、エロ本とか手にとって、『ぐふふ』って笑っているような場面もあって。どうやってそのエロをエロくなく表現しようかを考えたんですよ。その辺りの言葉選びは、時代の変化に合わせながら、それでもやっていること変わらないように言葉を置き換えてやりましたね(笑)」

時間が経った中でも、今の我々の熱量を届けたい

生徒たちへの指導の言葉は、先生らしからぬ過激な発言もいっぱい。しかし、なぜか生徒たちは殺せんせーの教えからしっかり学びとって結果的に成長していくのが面白いところだ。

「殺せんせーの教えは、テレビ版と劇場版で基本は変わってないんですけど。時代にあった価値観を押し付ける人ではないです。ルッキズムの問題や多様性の問題は今の時代に合わせていますが、本質は多分そこじゃなく。『人間はこういう風に感じるけど、こういう理由があるからこれがダメなんだよ』ってことを言うんですよ。マイナスの感情を持つのが悪いわけじゃなくて、それをストレートに表現してしまったり、ねじ曲げた別の形で表現したりすることが問題なのであって、自分が感じたことを抑圧するべきではないことを教えてくれています。

要するに、抑圧してしまって逃げ道のない負の思いだとか、嫌な思い出っていうのは、どこでどうするのか?っていう。そうすると『目には目を』っていう過激な言葉が飛び出してくる。学生時代は許される範囲での失敗が許されるときですよね。今の教育のあり方だと、失敗すらもうダメって言いがちなんですけど、そうすると失敗を知らないまま社会に送り出すことになる。ある程度の失敗は笑って許されて欲しいところ。殺せんせーは、本人がそれを受け止める資質があるのであれば、体感させてあげるべきなのであろうという価値観で言葉を発信していると思います。受け止める生徒側との信頼関係が築けているからっていうのが大きいですけどね。ショッキングな言葉もありますが、そこは娯楽作品のディフォルメした教えなので、面白がっていただけたら」

成長を遂げた生徒たちが改めて見つめる暗殺教室での日々が描かれる今作。彼らに残された最後の時間に殺せんせーが届けるものは何なのか、気になるところだ。

「今回の10周年プロジェクトで再放送も始まってから、僕がお世話になっているパーソナルトレーナーさんにテレビ放送を勧めたんですよ。『暗殺教室』の再放送が始まるんですけど、小学生になった娘さんが観たら面白いと思いますよって。そしたら、娘さんがハマって、毎週の再放送が待ちきれずに配信サイトで全部観たって聞いて、嬉しかったですね。娘さんたちのようにE組の人たちと同い年の人もいれば、上の世代の方たちも皆さん同窓会のつもりでぜひ劇場で見ていただけたら楽しいと思います。

10年前に18歳だった人が28歳になって観てもらうと当時の思い出も振り返られるんじゃないかな。いい思い出として記憶に残っているのであれば、人生の一部としてこの作品を観てもらえたら嬉しいですね。時間が経った中でも今の我々で皆さんに楽しんで観てもらえる熱量をお届けしたいと思って今作に挑みました」

“戦いに挑む”際のポリシーは?

この10年でコロナ禍もあり、世の中は大きく変わったが、10年前と変わらない面白さがあるのが『暗殺教室』の魅力だ。殺せんせーの生徒への教えで福山がいちばん心に響いた言葉は一体どんなことだったのだろうか。

「『社会に出るようになったら、みんなの武器を磨きなさい』っていう台詞があったと思うんですけど、それですかね。『その武器で勝負するためにも、その他で補強するのも必要でしょう』というような言葉が印象に残っています。僕自身は、武器があんまりないタイプ。声優っていう肩書きを取っちゃったら、もう何も残らない(笑)。だから、他の何かも持っときゃよかったな、武器を磨くべきだったよなって思いました。1つの声優というカテゴリーの中でも、例えばこういった強みがあるとか。仕事のスキル以外にも何か持っているとより豊かになれるなと常日頃から思います。中学生という、これからまだまだ学ぶ機会があって、自分の人生の選択肢を見つけていく年代の子たちにとっては、とても重要な言葉じゃないかなと思った教えですね」

声優のお仕事を武器として第一線を走り続けている福山。ある意味、声優業界で戦って生きてきたわけだが、戦いに挑むときのポリシーとは――?

「楽しむことですね。スタジオの中の誰よりも楽しむっていう、それだけです。しかめっ面して仕事してる人の気が知れないので(笑)。その場に立ったら、楽しむっていうのが基本。

その日のコンディションとか悩みとかも色々あるかもしれないですけど、しかめっ面せず、その中でできる楽しみ方って絶対あるはずですから。いつからその感覚になったか分からないですけど。『暗殺教室』に挑む時にはその考えを持っていました。作品作りをすることが楽しいということをちゃんと感じながらやっています」

楽しむことを大事にするのは、長年の現場でのポリシー。テンションを上げることで周りを引っ張っていくパワーを持っている。

「朝イチのアフレコだったら、声出しのかわりにみんなと喋ってます。もちろん朝、ちゃんと発声練習をして、身体をあっためることはやっているんですけど、それぐらいですぐ立ち上がれるほど人間の身体って便利にできてない。だから、テストが終わった後から話し合いの時間でずっとトークを回すっていう。気を遣って話しているのではなく、喉をあっためるためにも、楽しむためにもやっていますね」

そして、「お仕事以外に戦っていることは?」という質問を投げかけると「老後をどうしようかなと思っています(笑)」と意外な答えが……!

「いや~、このまま行くと、老後も生活が変わらない気がしていて。僕は趣味がないんですよねぇ。エンタメに触れることが好きでしたが、好きが仕事になっちゃっているので、もう趣味じゃない。だから、本気で今趣味を見つけようとしています。老後の生活が変わるような。今までなぜ見つけてこなかったのかというと、ストレス発散は仕事でできていたから。いい仕事ができるとストレスは発散できますからね。プライベートでえげつないことがあったりすると、その日の仕事が超楽しいもん(笑)。そんな感じで仕事以外の趣味が今のところないので60歳に向けて1個は作っておきたいです」

難しい、後輩へのアドバイスで心がけていること

老後の話をするのには早すぎると思うくらい年齢を感じさせない福山だが、ジムに通ったり、体調管理には気を付けているそう。

「ジムには週1回、1時間だけ通って鍛えてはいますけど。趣味っていうほどやってないのは長く続けていくため。50を迎えた後の10年間を戦うための身体作りを40代の間に作っておきたいですよね。脂肪も必要だし、筋肉も必要だし。ずっと身体のどこかが痛かったので、その改善のための筋トレをやっていて、もう健康のためですよ。筋トレやってると、筋肉痛はありますけど、腰痛や肩こりの痛みがないんで」

「暗殺教室」では殺せんせーで生徒たちの成長をサポートする役どころを演じているが、若い世代に何か教える時、アドバイスをする時に大切にしていることを聞いてみると、福山らしい愛情に溢れた考え方が垣間見えた。

「必要な道筋が見えてないなぁと思ったら、アドバイスすることは結構あります。後輩でも同年代でも、自分が言っていいのかということを悩むっていう人が結構いるんですよ。ずっと若手の立場だった子が、自分が上になっちゃう瞬間があって。そのグラデーションがある子は幸せなんですけど、急にガラッと立ち位置が変わる子がいるんですね。そういうことになった時に後輩への伝え方や言い方が分からないっていう話は結構耳にします。そういう相談をされた時、『嫌われてもいいと思えばいいんじゃない』って。

言い方がどうでも言われたほうが嫌な気持ちになることもあるかもしれないですけど、嫌われる、嫌われないという成果を気にするか、気にしないかだと思うんですよね。成果を気にするんだったら言わなくていいんじゃないかな。言っても何も気にしない、変わらない。もしくは言ったことに鬱陶しいと思うような子だったら、次から言わなくていいわけじゃないですか」。

そんなリアルな体験を力説してくれる福山。

「後輩には距離感をはかるためにまずは言ってみる。『先輩風、吹かせてやがんな』って思われながら聞いてると思って言ってます(笑)。僕自身が先輩から比較的よく、いろいろアドバイスを言ってもらってきたタイプでもあるし、言われたことが、その後に役に立ったなと思うから。あと、その子のために言っているというケースもありますけど、その子のためではなくて、今の現場をスムーズにまわすために必要なことだから言うっていうだけの話もあります。一応言っとくけど、後はあなたが自由にしてくださいっていうスタイルなので、ちょっと無責任ですけど(笑)」

逆に教えられて良かった、心に残る大切な教えを伺うと過去を振り返りながら話してくれた。

「僕は10代でこの業界に入って。プロダクションのオーディションに受かって説明会があったんですが、当時のプロダクションの専務が大阪に来て家族も含めて、説明してくれたんですよ。その専務が言っていた言葉で、未だに僕はその通りだなと思う言葉があって。『悩むんだったら考えな』って。悩みっていうのはその場でグルグルしちゃうけど、考えるのはその場でグルグルしていても出口を探してる行動。

だから、『悩むんだったら考えな』が行動や思考の中での中核にあります。考えて出口が見つかんなくて悶々としてるんだったら、今は考えないとか、悩まないとか、別のところに目を向けるとか。今自分がこれ考えてるのか悩んでるのかどっちかなと思って、悩みならちょっと考える。考えてるけど出口が見つかんないや、でも考えてるんだったらいいやっていう、認識の問題ではあるんですが、そういった言葉の表現によっての意味合いが自分の中で変わるんだよっていうのを教えてもらった言葉ではあるので大切にしています」

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<作品情報>
『劇場版「暗殺教室」みんなの時間』

2026年3月20日(金)全国公開

原作:「暗殺教室」松井優征(集英社 ジャンプ コミックス刊)
出演:福山潤、渕上舞、洲崎綾、岡本信彦、ほか
監督:北村真咲
脚本:上江洲誠
音楽:出羽良彰、石塚 徹
主題歌:『Teacher』/友成空(cutting edge)
配給:エイベックス・フィルムレーベルズ
公式サイト:https://ansatsu-anime.com/
公式 X:@ansatsu_anime
#劇場版暗殺教室

©松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025


撮影/米玉利朋子、取材・文/福田恵子

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