片岡鶴太郎&鈴木拡樹が名バディに! 舞台『ブラック・コーヒー』稽古場取材会レポート到着
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舞台『ブラック・コーヒー』稽古場取材会より
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すべて見るアガサ・クリスティが初めて描いた舞台戯曲にして、クリスティ直筆の脚本の中で名探偵エルキュール・ポアロが唯一登場する推理劇『ブラック・コーヒー』が、2026年4月8日(水) から12日(日) まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール、4月18日(土) から26日(日) まで東京・ステラボールで上演される。このたび、3月30日に行われた稽古場取材会のレポートが到着した。
本作は1930年代の英国邸宅を舞台に、高名な科学者の死と機密情報盗難事件が複雑に絡み合うブラックミステリーの快作。取材会には、エルキュール・ポアロ役の片岡鶴太郎、アーサー・ヘイスティングス役の鈴木拡樹のほか、新木宏典、玉城裕規、天華えま、中尾暢樹、凰稀かなめ、そして演出の野坂実が登壇した。
この日の取材では、3幕の冒頭シーンが披露された。新型爆薬の方程式を開発した科学者のクロード・エイモリー卿が、その方程式を盗まれた上、何者かに殺されてしまう。方程式を盗んだ犯人は誰なのか、クロード卿を殺したのは誰なのか──その謎解きが本格的に始まる場面だ。登場人物が入れ替わり立ち替わり登場し、慌ただしく行動する中、怪しい人物が次第に浮かび上がってくる。

緻密な伏線が張られた戯曲はセリフ量も膨大で、計算されつくした芝居が求められる。ポアロ役の片岡は稽古への向き合い方について、「今回、稽古期間が約1カ月半だったので、稽古をしながら台本を持っていたのではとても間に合わないと思い、(稽古初日までに)セリフは全部入れて、失敗しながらでも作っていこうという心積もりでおりました」と明かした。さらに「実際に俳優さん方と呼吸を合わせながらやっていく中で、だんだんとポアロが天から降りてきて、今、やっとチャネリングができて、ポアロと同化し、憑依できている段階まできました。(初日となる)大阪公演では、鶴太郎でもダルシムでもなく、ポアロとして存在していると思います」と自信をのぞかせた。
片岡はポアロ役に深い思いを持って挑んでいる。「ポアロは70代にならなければ演じられないと思っていました。ポアロの重厚な味わいや人間の奥深さは、人生経験を積まないと、役者の技量だけではできない。今、私は71歳になって、これまでの生き方をすべて投影できる機会をいただいたと、非常にうれしく幸せな時間を過ごしています」と胸の内を明かした。また、テレビシリーズでポアロを演じた名優のデヴィッド・スーシェへの尊敬の念を示しつつ、「今、私が演じられるのはポアロとダルシムくらいだと思いますし(笑)、きっと私の代表作になると思います」と力強く言葉を結んだ。本作は片岡にとって35年ぶりの主演舞台であり、3年ほど前に野坂の舞台に参加したことがきっかけでポアロ役が実現したという。2年ほど前から少しずつ準備を進めてきたことも明かしており、この役への並々ならぬ覚悟が伝わってくる。

一方、稽古場の雰囲気を問われた鈴木は、「今回、できるだけ多く通し稽古をしようと進めています。そうすることが、僕たちの安心感にもつながっていると思います。通し稽古をするたびに新たな発見があるので、そうした稽古すべてが財産になっています」と笑顔を見せた。続けて「舞台は生ものと言いますが、日々、そこで生きていると物語自体も進化していくものだと思いますし、それを体現できる作品になるのではないかと思います」と公演への意欲をにじませた。鈴木が演じるヘイスティングスはポアロの相棒として謎解きに挑む重要な役どころ。片岡との息の合った掛け合いも、本作の見どころのひとつとなりそうだ。

今回のキャスティングについて、演出の野坂は「お芝居を楽しんでやっていただける方」を選んだとし、「ひとつのセリフがトリプルミーニングになっているというくらい難しいセリフがたくさんありますが、それをやすやすと表現する役者さんたちばかりなので、本当に面白いものになると思います。それぞれのキャラクターがぴったりとハマっているキャスティングだと思うので、それも見どころです」と説明。また「何気ないシーンまで細かく作ってくださっていますので、そうしたところまでぜひ観ていただければ」と注目ポイントを挙げた。
さらに、「通常のクリスティ作品よりも難しい脚本で、高難度のことをやっていますが、お客さんはそうした難しさよりもそれぞれの役者さんたちの感情豊かな表現を楽しんでいただければ」と観客に向けて作品の楽しみ方を提示。稽古場では当初、音楽をたくさん流すなどさまざまな演出を検討していたというが、あまりにもキャストの芝居が素晴らしいことから、劇中の音楽を排して役者の演技だけで勝負する方針へとシフトしたという。俳優陣のアンサンブルへ全幅の信頼を寄せ、「絶対に損はしない作品になっていると思います」と太鼓判を押した。


【あらすじ】
科学者クロード・エイモリー卿が、家族の前で「機密が盗まれた」と告げた直後、毒殺される。
真っ暗な邸宅、残された空の封筒。
容疑者は──全員。
ポアロとヘイスティングスが真相に迫るが、家族が抱える秘密が次々と暴かれていく。
<公演情報>
舞台『ブラック・コーヒー』
脚本:アガサ・クリスティ
演出:野坂実
【キャスト】
エルキュール・ポアロ:片岡鶴太郎
アーサー・ヘイスティングス:鈴木拡樹
リチャード・エイモリー:新木宏典
カレリ博士:玉城裕規
バーバラ・エイモリー:天華えま
エドワード・レイナー:中尾暢樹
ルシア・エイモリー:凰稀かなめ
横島亘(劇団民藝) 泉関奈津子(劇団NLT) 神農直隆(クリオネ)
河村岳司(劇団AUN) 多田健悟 成田裕也
【大阪公演】
2026年4月8日(水)~12日(日)
会場:COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
【東京公演】
2026年4月18日(土)~26日(日)
会場:ステラボール
舞台『ブラック・コーヒー』稽古場取材会 登壇者コメント全文
■エルキュール・ポアロ:片岡鶴太郎
35年ぶりの主演舞台になります。今回、3年ほど前に野坂さんのお芝居に参加したことがきっかけで、名探偵・ポアロを演じさせていただくことになりました。アガサ・クリスティ没後50年という記念となる年の作品です。テレビシリーズでポアロを演じていたのは、私も尊敬する名優のデヴィッド・スーシェでした。それを私はずっと拝見していたので、この作品に出演することが決まり、2年ほど前から少しずつ準備を進めてまいりました。
セリフも膨大で大変難しい芝居と言われていますが、野坂さんとならば素晴らしい芝居になるだろうと思います。
今、私が演じられるのはポアロとダルシムくらいだと思いますし(笑)、きっと私の代表作になると思います。ぜひともご期待いただければと思います。
■アーサー・ヘイスティングス:鈴木拡樹
「極上のミステリー」をお届けしようと今、皆さんと一緒に挑んでおります。深い理解力と読解力が必要な作品で、この稽古期間でそれを皆さんと深く掘り下げて作ってきました。お客さまにそうした「極上のミステリー」を楽しんでいただき、最後にはすっきりとした気持ちで帰っていただける作品を目指して頑張っております。本番も近づいてまいりましたが、あらためて気合いを入れ直して、そうした気合いを意気込みに変えて頑張っていきたいと思っています。
■リチャード・エイモリー:新木宏典
片岡さんがとてもストイックな方で、現在、1日に2回通し稽古をしていますので、いつでも公演ができる環境が整っています。その上で、表現する準備の時間を持てるというのは、本当に素晴らしい現場だと思います。アガサ・クリスティ作品は、DVD化される舞台はなかなかありません。時間を作って、チケットを取って、劇場に足を運んでいただかないと観ることのできない贅沢な作品だと思います。伏線がいろいろなところに散りばめられているので、何度も観たいと思う作品ですが、この公演期間を過ぎてしまったら観ることができなくなってしまいますので、ぜひお時間を作っていただき、贅沢なこのエンタメを楽しんでいただけたらと思います。その公演でしかお届けできないものを生々しく表現できればと考えております。
■カレリ博士:玉城裕規
今、稽古をしていて、あらためてとても繊細な作品だと感じています。目線ひとつ、セリフの語尾の1文字でも、意味合いが変わってきます。そうしたことの積み重ねが最後の結末につながっていくので、毎回、微妙に変化していきます。僕たち役者は、このクロード卿の屋敷の中に立ったときに生まれてくるものをそれぞれが感じて、受け取って、それをアウトプットしていきます。とてもシンプルな作品ですが、その中に当時のおしゃれな空気感が満ちています。ぜひそれを感じ取って、僕たちが生きているこの作品を楽しんでいただけるよう、引き続き精進いたします。僕たちもまだ何が出来上がるのか分からないので、一緒に結末まで観ましょう。
■バーバラ・エイモリー:天華えま
キャストの皆さんが素晴らしいと日々、感じています。ストイックでありながらも、稽古場は朗らかで、休憩中には和気あいあいとお話をしています。すごく素敵な稽古場です。アガサ・クリスティさんの緻密なロジックが散りばめられた作品で、何度観ていただいても「こういう伏線があったんだ」と楽しんでいただけると思います。
最後まで観たあとに、もう1回、見返したくなるような作品だと自分が出演していても思います。アガサ・クリスティさんの小説ファンの方にも、役者が演じたらこうやって空間が使われて、こんな素敵な舞台になるんだと感動していただけるような舞台を作れるように頑張ります。
■エドワード・レイナー:中尾暢樹
いろいろなミステリー作品がある中で、土台となっているような、王道の作品でもあるなと感じています。本当にこの中に犯人がいるのだろうかと、これはどう作られたのかなと考えながら演じさせていただいています。どのキャラクターも怪しいですが、そうした中でも愛の話やそれぞれの関係性が描かれていて、とても濃密な作品です。いろいろなことを怪しんで、いろいろなところで感動しながら、物語を楽しんでいただけたらうれしいです。
■ルシア・エイモリー:凰稀かなめ
素敵なキャストの皆さまと毎日、通し稽古をさせていただき、その中でたくさんの発見があります。もっとこうしたらお客さまが驚くのではないかと、毎日、新鮮な気持ちでお稽古をさせていただいています。皆さまに楽しんでいただけるように、最後まで挑戦していきたいと思います。
■演出:野坂実
気持ちのいい役者さんばかりで、朗らかな稽古場で、素敵な時間を過ごしています。音楽をたくさん流すなど、いろいろなことを考えていましたが、あまりにもキャストの皆さんのお芝居が良いので、「今回は、劇中に曲を入れません。ぜひ皆さんのお芝居を見せていきたいです」と宣言して作品を作ってきました。それくらい密度の濃い作品を作ることができたと思うので、ぜひ楽しんで観ていただければと思います。絶対に損はしない作品になっていると思います。ぜひご覧ください。
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