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新鮮な顔合わせのハムレット×オフィーリア。市川染五郎と當真あみが、“今”の『ハムレット』を誕生させる。

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インタビュー

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左から)當真あみ、市川染五郎 (撮影:You Ishii)

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歌舞伎の次世代を担う市川染五郎が、ストレートプレイに初出演、初主演で演じるハムレット。恋人のオフィーリア役には、その透明感と表現力が映像作品で注目され、これが初舞台となる當真あみが臨む。“初”が重なるふたりが挑む『ハムレット』。それぞれの今が注がれて、現代に生きる作品になっていく。

“初対面”から始まる信頼関係
それぞれの覚悟で挑む『ハムレット』

──おふたりは先ほどの写真撮影で顔を合わされたときが初対面だったと伺っています。初めましてのときに染五郎さんから手を差し出して握手をされていましたが、初めてのご挨拶ではいつもそうされるのですか。

染五郎 いつもというわけではないんですけど、舞台はやっぱりひとつのチームで長くやっていくものなので。もちろんそれぞれ自分のなかで作っていく作業もありますし、舞台に限らず映像もチームでやるものだとは思いますが、これから一緒に頑張っていきましょうという意味での握手でした(笑)。

──握手を受けて當真さんはいかがでしたか。

當真 いまの質問でそういえば人と握手する機会ってそんなにないなと思いました(笑)。確かに、「よろしくお願いします」と言葉だけでご挨拶するのと、何かひとつアクションがあるのとでは違いますね。

──絆と言うと大げさかもしれないですけど、通じ合う何かが生まれるかもしれませんね。

染五郎 そういうものが少しでも生まれていたらいいなと思います。

──舞台『ハムレット』への出演が決まったときは、どういうお気持ちになられましたか。

染五郎 『ハムレット』はうちの祖父(松本白鸚)も父(松本幸四郎)も出演している作品なので、自分もそれを受け継げることをまず嬉しく思いました。実は13歳のときに一度、短くまとめたものを朗読した経験があって。そのときは、坪内逍遥の翻訳で難しかったこともあり、年齢的にもなかなか理解できず悔しかった思い出があるので、そのリベンジではないですけれども、再び取り組めることも嬉しかったです。

當真 私はまず舞台をやったことがなかったので、自分にできるのだろうかということを一番に考えました。これまでたくさんの方が演じられた作品に飛び込んでいくのは怖いなとも思ったんです。でも、不安よりも何か新しく得られるものがあるのではないかという気持ちが勝って、ぜひ挑戦したいと決意しました。

──染五郎さんはハムレットを演じるにあたって、そして當真さんは初めて舞台に挑むにあたって、何か準備されたことなどはありますか。

染五郎 デンマークに行って、『ハムレット』の舞台、エルシノア城のモデルになったと言われているクロンボー城を見てきました。実際にハムレットが住んでいたわけではないですし、今では世界遺産となっていて歴史的な建造物を観光する感じではありましたけど、こういう空間で生活していたんだと、その空気感を感じられたのは大きかったので、そこで感じたものも役に注ぎ込めればと思っています。

當真 舞台に出演することは1年半くらい前に聞いたので、その間ずっと、1日に1回くらいは舞台のことが頭に浮かんで、緊張してドキドキしていたんですけど(笑)。ドラマでご一緒した上白石萌音さんの舞台を韓国に観に行って、「緊張もすると思うけどその空気も含めて楽しいと思うから」と言っていただけて、柔軟に自分のなかにいろいろなものを取り込んでいって楽しめたらなと思えるようになりましたし。それから松岡茉優さんからも、舞台を拝見した後に、舞台をすることをお話したら、「気になることや不安なことがあったら何でも聞いて」とおっしゃってくださって。ドラマや映画の現場でお会いした方々の舞台に立たれている姿はまったく違って見えたので、舞台でのお芝居のやり方もしっかり学んでいきたいなと、楽しみな気持ちが大きくなっていきました。

──せっかくの機会なので、ずっと歌舞伎の舞台に立っておられる染五郎さんにも、聞いてみたいことはあればぜひ(笑)。

當真 聞きたいことがありすぎますけど(笑)、長期間毎日舞台に立つためにはまず体調面が気になります。大事にされていることは何ですか。

染五郎 やっぱり声が大事なので、そんなにケアをしているほうではないですけど、出る前にハチミツを入れた白湯を飲んだり、蒸気を吸入したり、漢方薬を飲んだりしています。今度稽古場で漢方をお渡しします(笑)。

當真 ありがとうございます! 映像だと声を張る機会があまりないですし、普段から声が小さいので、自分の喉が強いのかわからないですけど。

染五郎 僕も普段は声が小さいんです。三谷幸喜さんに「図書館にいる中森明菜さんくらい小さい」と言われたことがあります(笑)。

當真 (笑)。私もちゃんと準備して頑張りたいと思います。

今を生きる『ハムレット』へ
ルヴォー演出で探る新たな解釈

──今回の演出を手がけられるデヴィッド・ルヴォーさんとは一度お会いになっているそうですね。どんな話をされましたか。

染五郎 お目にかかったのがもう2年以上前で、ルヴォーさんもこれからプランを考えられる段階だったので詳しいお話はしていなくて、本当にご挨拶したくらいなんですけど。ただ、今やる意味を考えてやりたいということはそのときにおっしゃっていて。僕自身もそのときから、現代の方の心に届くように、現代に生きるハムレット、生きた演劇にしたいなと思っています。これまでいろんな方がいろんなパターンで手がけられてきたということは、まだまだ新しい解釈で見たことのないハムレットがいくらでも作れる気がするので、ルヴォーさんとお話しながら模索していければなと思います。

當真 私はお会いしたときに「楽しみだけど少し不安です。すごく緊張しています」とお話したんですけど、「どれだけ経験を積んでいる人でもみんな緊張するし、失敗もするから、恐れないでやってほしい」というようなことを言ってもらえたので、それだけでもこの人についていけばいいんだなと感じられました。「オフィーリアのことをどう思う?」と聞いてくださったのも嬉しくて。この人なら緊張せずにお話できるでしょうし、どんな話も受け止めてくださるだろうなとすごく安心できました。

染五郎 僕もすごく柔らかい方だなと思いました。祖父が過去に『マクベス』でご一緒しているんですけど、「縁を感じる」ということもおっしゃってくださって、嬉しかったです。疑問に思うことがあれば稽古場でどんどん聞いていって、一つひとつしっかりクリアにしていきながら、丁寧に積み上げていけるのではないかと思っています。

──ハムレットとオフィーリア、それぞれの役を現段階ではどう捉えておられますか。

染五郎 『ハムレット』は若者の苦悩を描いた作品だと言われることが多いですが、実はハムレットは30歳前後じゃないかという説もあるので、僕としてはあくまでもデンマークの王子として生まれ落ちた宿命や、その環境のなかでどう生きればいいかというところに悩み葛藤する人間の話という解釈をしています。なので、若いからこその危うさにフォーカスするのではなく、ハムレットという人物の本質、心の部分を積み上げていきたいなと。その意味では、「生きるべきか死ぬべきか」と訳されることの多い「To be,or not to be」という台詞も、生きることを前提に、「どう生きたらいいのか」「自分はどうあるべきか」「どういう決断をするべきか」と自分に問いかけている気がしています。

當真 オフィーリアは死が待っている役ですけど、悲劇的な終わり方をするかわいそうな女性だとも捉えられますし、それは彼女なりにあがいた結果であって勇ましい女性だというふうに見えるかもしれないですし、いろいろな視点でいろいろな解釈を探していって、私もそれをルヴォーさんとお話していければなと思っています。それに、今台本を読んで想像しているものも、実際にハムレットと対峙したり、ほかの皆さんのなかにいるオフィーリアを自分が体感したときに変化するんじゃないかとは思っていて。見える世界が180度ガラッと変わるのかもしれないと思うと、それだけでワクワクします。皆さんを見ながら、「そういうお芝居の仕方があるんだ」ということも学んで吸収していきたいです。

古典の言葉はどう生きるのか
歌舞伎にも通じる“感情の探し方”

──染五郎さんはいつも稽古でどんなふうに役を積み上げていかれるのですか。

染五郎 お芝居にはたぶん無限にやり方があって、稽古はそれを試す期間だと思っていて。歌舞伎の古典作品には演出家がいませんが、演出の方がいらっしゃる場合は、その試したものを見せて、選んでいただきながら、役を作っています。だから、試す回数が少ない映像作品はなかなか慣れないですね。舞台でもやっぱり、1カ月稽古しても100%理解して作れたかというとそうではないですし、絶対的な完成はないので難しいです。

──ちなみにこれまで、染五郎さんの舞台作品、當真さんの映像作品をご覧になって、どんな印象を持っておられましたか。

當真 私は去年、『朧の森に棲む鬼』を拝見しました。舞台上で作られるエネルギーが映像作品の現場とはまったく違っていたので、1カ月稽古を重ねることでこういうものを生み出していくのかとすごく勉強になりました。観に行けて良かったです。

染五郎 あの作品もシェイクスピアの『リチャード三世』がもとになっていて、何か刺激になればいいなと思っていたので、そう感じていただけたのは嬉しいです。僕は、映像での當真さんのお芝居を観て、「隙のないお芝居をされているな」と感じました。偉そうな言い方かもしれないですけど、それこそ舞台は、一度幕が開くとずっとその役でいなきゃいけなくて、ちょっとでも隙が見えると作品全体が崩れてしまうので。それができるのはすごいなと。

當真 映像の場合は、「本番」と言われて集中する感覚なので、ところどころ休憩しながらやっていますけど(笑)。おっしゃったように幕が閉まるまで何時間も切らさずに集中し続けるということができるようになれたらと思います。

──シェイクスピア作品は台詞が膨大で、しかも並んでいるのが詩的な言葉です。セリフを届けるにあたってどんなことを大事にしたいと思われますか。

當真 私はいつも、「自分はこう言いたい」と思っていることが、客観的にそう見えているかどうかを意識しながら台詞を口にしているんですが、今回は一つひとつの言葉が難しいだけに、読むたびにセリフの印象が変わるんです。だから、その「こう言いたい」が見つかるまでにいろいろ発見していくんだろうなと。言葉って面白いなと改めて思っています。

染五郎 僕は今、過去に上演されたいろいろな『ハムレット』の映像を観て、自分のなかにさまざまなハムレットの引き出しを作っているところなんですが、「この言葉にこういう感情を乗せているんだ。自分だったらこういう感情を乗せたいな」と考えながら台本と照らし合わせいく作業がすごく楽しくて。確かに、言葉や言い回しは難しいんですけど、どういう感情だったらこの言い回しができるんだろうと考えるのも面白いんです。そんなふうにいろんなやり方があるんじゃないかと思わせてくれるからこそ、何百年も残って世界中で愛されてきたんだなと感じますし。その古典的な言葉遣いのなかにどんな感情があるのかを探っていくのは、歌舞伎も同じだと思います。

──最後に、ストレートプレイ初出演、初主演の染五郎さん、座長としての思いを聞かせてください。

染五郎 主役をさせていただく身としては、自分の役のことだけはなく作品全体を見て、何かあればルヴォーさんにぶつけていきたいと思っています。もちろん主役だろうがそうでなかろうが作品に向かう熱量は変わりませんが、主役にはやはり責任があると思いますので、そこをきちんと背負いながら、稽古から大千穐楽まで、中心でいられるよう努めたいです。

取材・文:大内弓子 撮影:You Ishii
スタイリスト:(市川染五郎)中西ナオ、(當真あみ)大村淳子
ヘアメイク:(市川染五郎)桂川あずさ、(當真あみ)SAKURA(makiura office)
ジュエリー:ブシュロン

★市川染五郎さん×當真あみさんのサイン入りポラを、抽選で2名様にプレゼント!

【応募方法】
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【応募締め切り】
2026年5月6日(水・休) 23:59まで

【注意事項】
※当選者の方には5月7日(木) 以降にXアカウントよりDMにてご連絡いたします。やむを得ない事情によりご連絡や発送が遅れる場合もございますのであらかじめご了承ください。
※当選後、お送り先メールアドレスについてご連絡頂ける方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。


<公演情報>
舞台『ハムレット』

作:ウィリアム・シェイクスピア
演出:デヴィッド・ルヴォー
翻訳:松岡和子

出演:
市川染五郎
當真あみ

石川凌雅
横山賀三

梶原善
柚香光
石黒賢

竹森千人 吉田ウーロン太

浅野彰一 石原由宇 川原田樹 近藤隼 佐々木優樹 常住富大 伯鞘麗名 前東美菜子 水口早香 森内翔大
(オンステージスウィング)栗原功平 佐々木誠

【東京公演】
2026年5月9日(土)~30日(土)
会場:日生劇場

【大阪公演】
2026年6月5日(金)~14日(日)
会場:SkyシアターMBS

【愛知公演】
2026年6月20日(土)・21日(日)
会場:名古屋文理大学文化フォーラム(稲沢市民会館)大ホール

関連リンク

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/hamlet2026/

公式サイト:
https://hamlet2026.jp/

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