世界初演オリジナル・ミュージカル『最強のふたり』開幕! 川平慈英×浦井健治が無敵のバディを結成!
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(C)岩田えり・ミュージカル『最強のふたり』製作委員会
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すべて見る日本でも大ヒットを記録したフランス映画を原作にした、世界初演オリジナル・ミュージカル『最強のふたり』が5月1日より上演されている。自由奔放な元受刑者の男と事故で首から下が麻痺した大富豪。生まれも性格も正反対の二人が友情を育んでいく姿を生演奏と歌に乗せて描き出す。開幕を前にW主演の川平慈英、浦井健治をはじめ、紅ゆずる、宮原浩暢(LE VELVETS)、小野塚勇人が出席しての取材会が行われ、ゲネプロの模様が公開された。
川平は開幕を前に、役柄のドリスそのまま、陽気に「来ましたね、ついに。ワクワクドキドキしています」と語り「この『最強のふたり』を見れば、あなたも最強になるんです。なっちゃっていいんです!」とハイテンションでまくしたてる。
大富豪フィリップ役の浦井は「今回、キャストは10人しかいないんですが、役の数は倍以上あって、一人何役も出ずっぱりでやっていて、それが豊かさにつながっています。演出の板垣(恭一)さんが、リスペクトを込めて原作映画を戯曲に落とし込み、そこここに板垣さんが伝えたいメッセージがつまっています。日本のお客様に向けた『リスタートは、いつだってできるんだ』という思いをみんなで紡いでまいりました」と力強く語る。

本作の魅力について、ドリスの息子・アダマを演じる小野塚は「全キャストが個性をふんだんに出し合って、一瞬も飽きさせない展開になっています」と語り、フィリップの秘書・イヴォンヌを演じる紅は「人と人の距離感がどんどん変わっていくところは、魅力のひとつであり、心温まるポイントです」とアピール。フィリップのいとこ・アントニーを演じる宮原は、生演奏による音楽シーンを挙げ「ミュージカルでありながら、ライブを見ているような感覚を味わってもらえると思います」と語る。
浦井は“バディ”を組む川平について「ダンスもタップも何でもござれですが今回、板垣さんとつくられていくお芝居がどんどん深くなっていき、毎回、そこに真実があり、愛にあふれているドリスを体現してくださっているのが魅力のひとつだと思います」と称える。
そして川平はシーンごとの“落差”こそ、このミュージカルの魅力であると強調。「“え? こんなふざけていいの?”というところから、負のエネルギー充満なシーンまで、高低差がすごいです。お客様は前のめりになったり、ゲラゲラ笑ったり、心を鷲掴みにされたり、ジェットコースターのような起伏で、ありとあらゆる感情があふれ出ると思います」と語り、さらに「この舞台のもうひとつのキーワードは“セカンドチャンス”。老いも若きも男女も職業も関係なく、人は必ずやり直せるチャンスが来るというメッセージが色濃く、力強くあふれています。疲弊していたり、大切な人と元気になりたいという方はぜひハッピーパワーをもらいに来てください!」と笑顔で呼びかけた。
舞台上には“お城のような”という形容がぴったりのフィリップ家の豪邸のセットが組まれており、音楽を担当する桑原あいをはじめ、演奏者たちはこのセットの上に陣取り、時に陽気な、時に哀愁に満ちたメロディを響かせる。
幕が開くとさっそくドリスとフィリップが、アップテンポなナンバー「最強のふたり」を披露! 高級スポーツカーを速度違反のスピードで飛ばしながら「俺たちは無敵のバディ」と力強く歌い上げる。生まれも育ちも性格もまったく異なり、普通であれば交わることのないはずのドリスとフィリップ。彼らはどのようにして“最強のふたり”になったのか? 少しだけ時間をさかのぼり、物語が始まる。
舞台はパリ。エッフェル塔が望むフィリップの大邸宅では、首から下を動かすことができず、車いすで生活を送るフィリップを介護する人間の面接が行われており、赤いスーツをまとった秘書・イヴォンヌが面接を取り仕切る。紅が演じるイヴォンヌは、見るからに真面目で“しごでき”なメガネ女子だが、動きがいちいちコミカルで、出てくるだけでどこかクスリと笑わせてくれる。

そんな彼女に応募者たちは資格や職歴をアピールするが、偏屈なフィリップは心を動かされない。そこへ登場したのが元受刑者のドリス。カジュアルな革ジャンに身を包み“人生なるようになるさ(「ケセラセラ」)”と陽気に歌う彼は、そもそもこれがどんな仕事の面接かも理解していない。失業保険を受け取るアリバイの職探しでやってきて、邸宅にズカズカと上がり込み、用紙にハンコを押すよう要求する。そんな、これまでの介護人とはまったく異なるドリスに興味を惹かれ、フィリップは彼を採用する。
翌日から、ドリスによるフィリップのケアが始まるが、食事の補助ではTVに夢中になるあまり、フィリップの顔をフォークで突っつき、麻痺のせいで熱いお茶をこぼされてもフィリップが反応しないことを面白がり、わざと何度もこぼすなど、やることなすことメチャクチャ。だが、そこにはハンディキャップを特別視した遠慮や忖度などなく、粗野ではあるが、人としての情と温かみにあふれている。障害者であれ弁護士であれ、お嬢様であれフラットに接し、心の奥まで踏み込んでいくドリス。上品さもデリカシーもないが、そんなストレートな彼に心を動かされ、周囲もそして、フィリップも少しずつ変わっていく……。



一方、陽気なドリスの“弱点”と言えるのが、心を通わせることができない息子、アダマの存在。自身のある行ないによって、アダマが大人を信用しなくなってしまったことを悔やみつつも、息子とどう接し、関係を再構築したらよいのかわからずに苦悩する。
事故に遭い、愛する妻を失ったことで心を閉ざしたフィリップ、かつて道を踏み外したドリス、そして人生を見失いかけているアダマ、それぞれが周囲の助けや愛情に接しながら、人生のセカンドチャンスをつかみ、リスタートを切ろうとするさまを音楽に乗せて描き出す。
名作映画を原作とする本作だが、ミュージカルとなったことで、登場人物ひとりひとりの心情が歌によってより深く、豊かに表現され、よりダイレクトに観る者の心に届く。特にドリスとフィリップという、本来なら“階層”が異なる二人が交わることで、シーンごとにまったく異なるジャンルの音楽が奏でられる。中でもフィリップの誕生パーティのシーンは、上品で落ち着いた上流階級の社交の場が、ドリスという異端児の存在によって、ガラリとムードが変わり、会場はステージと客席が一体となったライブ会場と化す!
不思議な魅力で周囲を巻き込んでいくドリスを、アドリブも交えながら感情豊かに演じる川平。そして、首から下は麻痺で動かないという設定で、全編にわたって車いすに座った状態で、見事な歌唱を披露する浦井。デコボコで無敵な二人のバディが織りなす、エネルギー満ちたハートフルな物語と歌を堪能してほしい。

取材・文:黒豆直樹
<公演情報>
オリジナル・ミュージカル『最強のふたり』
脚本・作詞・演出:板垣恭一
作曲・編曲・音楽監督:桑原あい
出演:
川平慈英 浦井健治/紅ゆずる 宮原浩暢(LE VELVETS) 小野塚勇人
福田えり 加賀谷真聡 宮野怜雄奈 元榮菜摘 菊池愛
演奏:
Keyboard Conductor:桑原あい/大谷愛 Drums & Percussion:横田誓哉
Cello:飯島奏人 Reed:近藤淳也(東京・名古屋公演)/小西稔大(大阪公演)
【東京公演】
2026年5月1日(金)~10日(日)
会場:ヒューリックホール東京
【大阪公演】
2026年5月14日(木)~17日(日)
会場:COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
【名古屋(愛知)公演】
2026年5月21日(木)
会場:御園座
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/saikyo-futari/
公式サイト
https://saikyonofutari.jp/
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