「佐藤二朗演じる怪物に同情してはいけない」城定秀夫監督が映画『名無し』で突きつける新たな恐怖
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(左より)佐藤二朗、城定秀夫監督 (C)佐藤二朗 永田諒/ヒーローズ (C)2026 映画「名無し」製作委員会
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すべて見る俳優の佐藤二朗が原作・脚本・主演を務める映画『名無し』が、5月22日(金)より公開される。
本作は、佐藤が映画にすべく執筆するもお蔵入り寸前となり、その後永田諒の作画によって漫画化された、数奇な運命を背負い“名前のない怪物”と化した男の希望と絶望、そして狂気を映し出すサイコバイオレンスの実写化作品。自ら生み出したキャラクター“名無し”を佐藤が演じ、共演には丸山隆平、MEGUMI、佐々木蔵之介が名を連ねた。
監督を務めたのは、ピンク映画からキャリアをスタートし、Vシネマ、商業映画とジャンルを横断しながら100本以上もの作品を手がけてきた城定秀夫。『アルプススタンドのはしの方』で見せた繊細な会話劇、『ビリーバーズ』で描いた人間の欲望の暴発、『悪い夏』で体現した生々しい色気と怠惰な雰囲気。その振り幅の中で一貫しているのは、“人間を都合よく理解しない”視点だ。
佐藤が5年の歳月をかけて描破したこのサイコバイオレンスは、そもそも映画化自体が困難とも思える異質な題材だった。「企画が通ることも難しいような題材だと思うので、これを映画にできるんだ、面白くなりそうだなとワクワクする感じがありました。専業の脚本家が書くものとはまた違う、こういう発想はなかなかないなという魅力があって、綺麗にまとまりすぎていないところがいいなと思いました」と、脚本について城定監督は語る。

整いすぎていない物語、説明しきらない発想──それらを“欠点”ではなく“魅力”として捉えたことが、本作の出発点となった。しかし、映画化にあたって監督が選んだのは、“わかりやすさ”とは真逆の方向だった。
「最初の脚本はより漫画に近いものだったんです。山田太郎の過去や照夫とのエピソードなど、もう少し感動的な要素が多かったんですけど、冷静に考えると太郎のしていることは許される行為ではない。事実をもう少しフラットな目線で見つめて、彼にどんな過去があったとしても同情する必要はないという視点を入れた方がいいと思ったので、そこを軸にしていった感じです」
無差別殺人事件を起こす主人公・山田太郎の過去や内面を掘り下げることで観る者の共感を誘うこともできたはずだが、城定監督はその“逃げ道”をあえて排除。
「太郎の過去も描くことによって、彼という人間をどう見るべきか判断に迷う混乱を招くことも、面白さにつながるのかなという思いはありました。『ジョーカー』シリーズや『シザーハンズ』みたいな路線に持っていくこともできる題材ですけど、そうなりそうでならないところも、この映画の個性なのかなと思います」
<作品情報>
『名無し』
5月22日(金)公開
公式サイト:
https://774movie.jp
(C)佐藤二朗 永田諒/ヒーローズ (C)2026 映画「名無し」製作委員会
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