【インタビュー】8年ぶりの最高傑作誕生!Rhythmic Toy Worldがフルアルバム制作で辿り着いたシンプルイズベスト「頭ではなく、心で書いている」
音楽
インタビュー
Rhythmic Toy World / Photo:高木龍仁
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Text:風間大洋 Photo:高木龍仁
Rhythmic Toy Worldが実に8年ぶりとなるフルアルバム『VESSELied』を完成させた。2022年の「青炎」以降にデジタルリリースしてきた楽曲群もさることながら、新たに制作された曲たちの勢いとパワーたるや凄まじい。語弊を恐れずに言えば、結成から15年以上経過したバンドとは思えない衝動に満ち溢れた作品である。 メジャーデビューの経験もあり、メンバーチェンジも経て、一昨年からは主催フェスもスタートさせるなど、側から見てもだいぶ山あり谷ありで進んできたバンド人生の中で、いまこれだけストレートにバンドを謳歌する作品を作るに至った背景には、いったいどういう状況と心境があったのだろうか。メンバー自ら「最高傑作」と断言するアルバムの制作過程と、リリース後に控えるツアーに向けて、4人全員と語り合った。
── なんとフルアルバムとしては8年、ミニアルバムからも4年以上空いたんですよね。とはいえ、その間の活動がスローテンポだったわけでもないんですが。
内田直孝(vo/g) はい。4、5年前はフルアルバムを作ろうという考えではやっていなかったんです。ダウンロードとか配信が主な媒体になってきている時代の変化や流れに準じて、一曲ずつ配信する方がトピックとしての回数は増えるわけじゃないですか。13曲入りのアルバムを出すんだったら、A面みたいな曲を13回出した方がいい、というので動いていたから。
岸明平(g) 一曲ごとにそのときのすべてをぶつけるみたいな感じでやっていました。
内田 どっちが良いとかじゃないですけど、前は作品とツアーがセットだったので、時間に追われたりどこかで妥協しなきゃいけない部分も大なり小なりあったんですよね。その点で言ったら、今みたいなスタイルやスパンの方が妥協の回数は明らかに少なくはなっているんで、一曲に対するみんなの思い入れは過去よりも遥かに高いのかなとは思いますね。

須藤憲太郎(b) めちゃくちゃ良い循環が作れているなと思っていて。一曲ごとにじっくり考えられたことで、みんなの個性を主張としてわかりやすく出すのも上手くなったというか。このアルバムは本当に今の僕らの最高傑作だし、マスターピースだと思います。
── ユウスケさんは盤単位で言えば今作が加入後初でしたけど、この間のリズミックをどんなふうに捉えてきたんですか?
佐藤ユウスケ(ds) もともとバンド仲間として「良いチームだな」「みんな仲良いし」と思いながら見ていて、サポートするようになって中に入ってからも実際にすごく仲が良くて。「仲良いんかい!」「面白くねえな」みたいな(笑)。というのもありつつ、サポートの時期からはほとんど感覚は変わらず、シームレスにただただ仲良くなってくみたいな。
岸 磯くん(前ドラマーの磯村貴宏)はツッコミ役だったんですけど、ユウスケくんはボケなんで、全員ボケになっちゃったんですよ。
── それはいけない(笑)。
佐藤 誰も回収しなくなっちゃった。曲作りに関しては磯くんがいた頃はわからないけど、僕は自分のパートに関しては結構自分で考えて持っていっちゃうタイプなんで、変わった部分で言えばそこかなって。
須藤 その変化はめちゃくちゃあるね。
岸 デモを細かいところまで作らずに投げても「良い感じによろしく」みたいに任せられて、さらにめちゃくちゃ良くしてくれるんで。今までまったくなかったアレンジの発想とかが出てくるのもでかいですね。
須藤 アルバムに「つまんないや」って曲があるんですけど、その1Aのベースラインはユウスケくんからアイデアをもらっていて。いろんなパターンは試したけどユウスケくんのが一番良いってなったんですよ。
内田 面白かった。許してもらってなかったもんね? やりながら「なるほどね、こういうのはどう?」って弾いても「ダメ!」みたいな(笑)。

佐藤 曲的に音を切ってほしかったんですよね。彼は繋げるフレーズとか音価が長いフレーズが得意で、わりとそっちにいっちゃうんですけど、繋げないで切ってくださいっていうのを口すっぱく言っていましたね。
── 結果としてこのタイプのグルーヴィーさはリズミックにとって新しいですよね。で、具体的にアルバムにまとめていくのはどんな流れだったんですか?
内田 『玩具大戦』が始まって、2年目3年目も続けていくとなったときに、その間の1月から10月くらいまでをどういうふうにやっていくか?っていうわかりやすい組み立てになったんですよね。そこで「そろそろアルバムを出してツアー回ろうよ」っていうことになって、これまで配信で出してきている曲が何曲もあったから、ちゃんと盤として出すとなったらサイズ的にフルアルバムしかありえへんよなっていう。
── リリース済みが7曲ありますからね。
内田 そう。だから残りはちょうど新しくミニアルバムみたいなものを作る感じにして、それをガッチャンコしようと。(曲を)暫定で並べながら足りひんピースは何やろな?って、それまでの曲で書いてなかったことや鳴らしてなかった音の感じで作っていったら、「BABY」が最初に出てきたんですよ。俺らっぽさがありつつ、でもメッセージ性が時代に則しているというか、マイソングにしてもらえるんじゃないかなと思って。チーム内でもめちゃくちゃスタッフからの評判が良いんですよ。
岸 すごかったね。
内田 できた段階でもう「リード候補でいきましょう」ってなってた。まだ他の5曲くらいは影も形もないのに(笑)。でも、逆にそれやったらこっちも気が楽というか、最初に軸ができたことでそこからの制作は一曲ずつ、わかりやすく足りないパーツを作っていきましたね。
── とにかくパンチがすごい一枚ですよね。今の話からするともっとハズした感じの曲があってもおかしくないけど、ちゃんと真っ向からガツンと勝負した感じの曲ばかりだなと。
岸 全部リードみたいになりましたね。
内田 曲ができてリストが埋まっていったときに、俺らでさえも「ツラ強いなぁ」みたいな話はしていたんで。でもね、俺ら的にはハズしているんですよ。言うたらいわゆる「アルバム曲」を目指した曲もあったけど、結局は出来上がったらわりと全部ちゃんとしてもうてるなぁっていう。
岸 ピアノとかの上物が入っている曲を出してきたからか、自分の中では最近「バンド系をやりたい!」みたいな。だからアルバム曲をバンド系にめっちゃ振ったというか。
内田 うんうん。超バンドサウンドみたいなんをやりたいって言ってたもんな。
岸 一周回って完全なバンドサウンドでやることが、自分的にはハズしというか。それを全力でやったら良い感じになったという。

── もともとやってきたことのブラッシュアップでもあるし、結果としてアルバム全体のバランスも良くなったんじゃないですか?
内田 ブレてなかったんやなと思いましたね。4年間ぐらい、自分たちの鳴らしたい音と伝えたいこと、それを誰に向けて放っているのかみたいなところで、ずーっとブレずに作れていたから、アルバムにまとめても芯が一本繋がっているんだなと。いま話していて思いました。
── 特に僕は最後の2曲が好きで。
内田 めっちゃ良いですよねえ。
──「エンバルカシオン」はちょっとクールな入りだけど、サビでいきなり明るく開ける感じで。歌詞はこのアルバムの要素を回収していくような内容になっていますよね。
内田 そうです。全部入れてあります。
佐藤 一番最後に作った曲なので。
内田 このアルバムに入っているすべての曲を想起させるフレーズを入れたかったから、他の曲が完成しないと書けなくて。
岸 トラックもこれみんなで結構──。
須藤 難産だったねぇ。

岸 同期を入れてみたんだけど、スタジオで合わせてみたらなんか違うとなって。
佐藤 レコーディングの前日とかに僕が猛反対し始めて、結局ピアノだけ残した感じです。本当はもっと盛っていたんですよ。
内田 美しくあるべきじゃないんじゃないか、人間の人生ってそんなに煌びやかじゃないよね、みたいな。俺らが22、23の頃だったらそれでいいんだろうけど、酸いも甘いもある程度見てきた40手前の人間からすると、リアルってそうじゃない。でも、だからこそパーッと一筋の光が差したときの幸福感だけで、実はあと5年くらい頑張れたりするじゃないですか。
── そうですね。
内田 最終的にそういう曲になってよかったなと思います。
── そこで締めくくっても充分説得力があるところに、ラストの「あいもかわらず」が来る。
岸 これはみんな爆発しているよね、バンド感が。
佐藤 好き勝手してますね。
── リズミックが過ごしてきた時代のロックの、真ん中の音がする。
岸 そうですね、本当に。
内田 これも中盤から後半にできた曲なんですけど、さすがに自分でも「来た!」ってなりました。マネージャーとかにも「いま作っている曲、マジでヤバいと思う」みたいな宣言をしていたくらい。

── 歌詞に《あなたに出会えた》とか入っているエモさは、長年のリスナーにはたまらないと思います。
内田 ほんまに自分たちの生き方とか歩みじゃないと、この歌詞には辿り着いてないんで。優劣は別として僕らにしか書けない歌やなと思っていますね。だからそれを最後に置かせてもらいました。
── ラスト2曲で今作だけじゃなくこれまでの歩みも回収して、肯定的に未来へ繋いでいく流れを作れていて。
内田 リアルな話をすると、この曲の歌録りの前日とかに僕らの後輩が亡くなっちゃって……だから結構ヤバかったんですよ。レコーディングのときに歌詞の内容とかが全部重なっちゃって、泣いちゃダメだ!みたいな状態で録って。っていう意味でも曲に対するプラスアルファというか、見えないエネルギーみたいなものが乗っているんですよね。俺らの中では既に、一生やり続けるんだろうなっていう曲です。
── 間違いなく何かが宿っている曲だと思います。すーさんとユウスケさんは他に気に入っている曲や、制作で印象的なことはありました?
須藤 「バケモノどもへ」とかも好きですね。ちょっとダークな、リズミックの陰と陽じゃないですけど、激しくて人間の色々な部分を曝け出しているシリーズで、ライブでも絶対に馬鹿騒ぎして楽しめる曲なんで。みんなの反応が楽しみです。
佐藤 ドラムに関しては毎回チャレンジさせられることも多かったんで、「これ、どうしよう?」みたいなことも結構あって……「ムイナレグ」とかは特にヤバかった。ひとりでスタジオに入って、あんまりやったことないような挑戦をした曲ですね。アルバムとしては全体としてメロディが強くて、随分とみんなマッチョだなぁみたいな印象だけど(笑)、歌詞に関して少し内省的な部分も増えたのかなって。昔だったら気安く励ましてきていたのに、そういう感じじゃなくなったなという。人に対しての関わり方に深みが増したのかな?という印象を受けました。

内田 まあやっぱり、何を書けばいいんだろう?何を書きたいんだろう?みたいな時期は乗り越えたから。あんまり考えなくてよくなったというか、一切「作ってない」というか、パンと出てきた言葉を書いていて。……友達と話していて、すごくキザな奴の役を冗談ですることとかあるじゃないですか。それが自分のノーマルになって、自然体で書けたのかなとは思います。頭で書いてなくて心で書いている感じ。
── 歌詞を書く内田直孝と普段の内田直孝に、あんまり差がなくなっている?
内田 ああ、多分それです! ずーっとオンラインという感じ。前は「書くぞー!」ってなっていたから。
── 様々な面で熟成されたアルバムが完成して、リリース後にはワンマンツアーがあります。かなり久々ですよね?
内田 全国を回るワンマンツアーは『ココロートの種』のとき以来か……4年ぶりとかですね。
須藤 アルバムを引っ提げてのツアーなので、ライブでの曲の成長度合いというか、最初の千葉LOOKから最後のFEVERまでにお客さんにどう届いて、化学反応が起きることでパワーがどうなるか。いつも楽しみではあるんですけど、特に今作はバンドサウンドの曲も多いので、お客さんを巻き込んだライブをできそうだし、どんな光景が見られるか今からゾクゾクワクワクしています。
岸 既存の曲も何曲か入れますけど、フルアルバムだからアルバム曲をメインでやることになると思うので、どういう順番にするか、どういう流れになるのかも楽しみにしていてほしいです。
佐藤 まずちゃんと演奏できるか?っていうのが怖いけど(笑)。
岸 ちょっとずつ練習はしているけどね。
佐藤 特に新曲たちは人前でやることでお客さんがどういうふうに受け取ってくれるかによって、曲がまた変わっていったりするので。曲が出来上がったときはまだ子供で、人とコミュニケーションをとってどんどん大人になっていく。そういう側面がバンドにはあると思うので、その成長もすごく楽しみです。
内田 16年とかやってきたからこそ……例えば昔は足繁く通ってくれていた人が、お子さんが産まれたりとかでライブに来られなくなり、でもそのお子さんがわりと大きくなったからまた来られるようになりましたとか、そういうことも体験できてきたんですよね。もし自分たちが歩みを止めてしまっていたら、それはお別れだったかもしれないけど、ずっと続けてきたからこそまた始まりもあるっていうことを知れたので。8年ぶりのフルアルバムなので、久々に「行こうかな」と思ってくれる人から、いつも通ってくれてバンドの心も体も支えてくれている人たちまで、みんなが僕らの音楽で「バンドって最高やな」「ロックって良いな」って純度の高い気持ちになってくれるようなツアーにしたいと思っています。
── 今の意気込みもそうだし、アルバムを聴いた印象もそうだけど、どんどんシンプルになってきているんでしょうね。
内田 うん、そうですね。シンプルイズベストってこういうことなんだなと思います。

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<リリース情報>
Digital Single
「バケモノどもへ」
配信リンク:https://pcim.lnk.to/TotheMonsters
Full Album
『VESSELied』
5月20日(水) 発売&配信
3,850円(税込)
配信リンク:https://pcim.lnk.to/VESSELied

【収録曲】
1.フライングビュー
2.BABY
3.余白が足りない
4.バケモノどもへ
5.つまんないや
6.なにかしら
7.ワンダーワールド
8.まだ
9.青炎
10.ムイナレグ
11.命の絵
12.エンバルカシオン
13.あいもかわらず
<ツアー情報>
『VESSELied TOUR』
5月31日(日) 千葉・千葉LOOK
6月13日(土) 三重・四日市CLUB CHAOS
6月19日(金) 茨城・水戸LIGHT HOUSE
6月21日(日) 北海道・札幌VyPass.
6月27日(土) 福島・郡山PEAK ACTION
8月29日(土) 宮城・仙台FLYING SON
9月6日(日) 大阪・梅田Zeela
9月18日(金) 愛知・名古屋ell.SIZE
9月20日(日) 福岡・福岡Queblick
9月23日(水・祝) 東京・LIVE HOUSE FEVER
【チケット情報】
前売:4,500円(税込/ドリンク別)
https://w.pia.jp/t/rhythmictoyworld-t/
Rhythmic Toy World オフィシャルサイト
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