「ファイナルにして最高傑作」BACKBEAT東京公演が開幕
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『BACKBEAT』より (撮影:岡千里)
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すべて見る「世界的ロックバンド ビートルズはもともと”5人編成”だった……。世界的ロックバンド・ビートルズの創成期を描いた1994年公開の伝記映画『BACKBEAT(バックビート)』を、同作を手掛けたイアン・ソフトリー監督自ら舞台化した今作。日本では2019年に初演され、2023年に再演、そして3度目となる今公演はファイナルを銘打っての上演となる。
5月3日に開幕した東京・EX THEATER ROPPONGI公演に先立ち、取材会、公開ゲネプロを実施。翻訳・演出の石丸さち子、出演の戸塚祥太、加藤和樹、辰巳雄大、JUON、上口耕平、愛加あゆ、林翔太、尾藤イサオらが登壇した。
まず全員が登壇すると、1966年のビートルズ日本公演の前座として出演した尾藤が、当時の法被を披露し、壇上は大盛り上がりで取材会はスタート。まず翻訳・演出の石丸がついにファイナルを迎えた本作について聞かれると「本当に感慨深いです。あの頃のビートルズって誰も知らない、アストリットの写真やクラウスの絵が証言してくれているんですけれども、そのころの何を描こうかというのを、彼らの熱とあの頃のビートルズが湛えていた熱が、ファイナルになって一緒になったという実感があります」とコメント。「恐れも不安もなくて、今も出ていきたいビートルズがいて。青春という言葉は使うのが難しいんですけれども、年齢関係なく、先のわからない未来に向かって疾走する本質的に人間が持っているエネルギーを、3年目にして飾り気なくストレートにぶつかりあって、人間ってこんなに生き抜こうとしているんだという姿が見られる舞台です」と話し、また各地を回って来た今作について、「東京にきてまた少し変更もあります。劇場の空間が変わって、ものすごく生々しいライブ、洗練された荒々しいストレートプレイをお見せできると思います」と自信を見せた。
結成当初は5人編成だったビートルズで、メジャーデビューを待たず袂を分かつことになったメンバーであるスチュアート・サトクリフを演じる戸塚は、「ファイナルということでたくさんのお客様に愛していただいているんだなということを実感しております。たくさんの人の気持ちを自分なりの色に変換して、ステージの上に優しく叩きつけていきたい」と、絵の才能を持つスチュアートという役と絡めてコメント。また自身の音楽人生に対しての作品からの影響を聞かれると、「めちゃくちゃ大きいですね」と即答。「ビートルズは音楽を好きになった人は絶対通ると思うし、ジョン・レノンの曲が中学校の時の英語の教科書で出会ったりということもあったので。ジョン・レノン、ビートルズに導かれてきたと言っても過言ではないかもしれないので、それをお客様はもちろん、チームのみんなに共有できているというのが嬉しいです」と話した。

戸塚演じるスチュアートをビートルズに誘い、中心メンバーとしてグループを引っ張るジョン・レノンを演じた加藤は、「本当に一回一回がファイナルにふさわしい熱量をもった公演になっていると思います」と話し、大変なこととして「それぞれ演じるということ」とコメント。「とんでもなくエネルギーをもった彼ら、最初は怖かったです。自分がジョン・レノンかと。一人では作れないところがあって、それをメンバー、スタッフの皆さんに支えていただき、ジョン・レノンとして、日々を生きてきているので、最後までみんなで突っ走って、やりきったねって笑いあえたらいいなと思います」。またジョン・レノンに対する役作りについて聞かれると、初演では自分が引っ張っていかなくてはと悩んだと述懐。上演を重ね「ただ自由でいればいいな」と気づいたと話し、「究極自由出来ればいいなと。みんながジョンにしてくれるので。めちゃくちゃやればみんながジョンにしてくれる」とメンバーへ「信頼しかないです」と笑顔を見せた。

この作品のためにギターをはじめたというジョージ・ハリスン役を演じた辰巳は「正確に言いますとこの舞台に出たくてギターが弾けると嘘をついた辰巳雄大です」と驚きの自己紹介。初演の際、今作を上演することが演劇業界でも噂になっていたと言い、ふぉ~ゆ~のメンバーで少しでもギターを弾ける人いたかを聞かれ、「BACKBEAT」ではないかと直感し「ギターの初心者の第一の壁、Fをギリギリ弾けないくらいだったけれど、弾けます!と。そのおかげで世界初のリードギターと呼ばれるポジションを築いたジョージ・ハリスン、本当にギターのテクニックが必要な役をいただいてから7年。そこから皆さん、ジョージだよ、ギタリストの手をしているよと言ってくれるまでギターに触れてきた7年間だった」と初演からの思い出を振り返る。さらに「この7年間みんなとバンドとして生きてきて、舞台はファイナルですけど、バンドとしては一生続けたいな、と。ビートルズの魂を胸に刻んでいるので。バンド活動は続けたいと思います!」と宣言し、登壇者全員も大きく盛り上がった。

ポール・マッカートニー役・JUONは自身もギタリストだが、役との大きな違いは利き手。「普段は右で弾いているんですが、ポールは左なので。初演の時は半年くらいずっと家で弾いて、食べながら弾いていました。僕食べるときは左なんですが、それを右にしてみて、脳みその転換を。だんだん変わっていくのがわかって、今では変な話、右で弾くよりも左で弾く方が快感、脳が嬉しがっています」と笑う。自身の仕事で左で弾くことはないと言うが、「もしこのバンドが続いたときは?と聞かれると「左でしょう!」と即答。また歌い方など意識していることについては、「映像を見たり、昔からビートルズをずっと聞いてきたので、初演から舞台に携われているということは自分の人生にとってこの上ない幸せの極みなので、嬉しいですが、その中で見てきたものをそのまま純粋にやっているだけです。こうやってるからこうしよう、というのはやりすぎないほうがポールになっていくな、と自分の感じがあったので」と話した。

そしてもう一人の「5人目のビートルズ」ともされるピート・ベスト役の上口は「さっきジョン(加藤)が言った『毎公演ファイナル』というのはその通りで、僕はドラムセットから見ていてわかるんですが、この作品に関してはセーブできない。今日はリハーサルだからセーブしようねと言った途端に爆発する。それを後ろから見ていると僕もテンション上がっちゃうし、それぞれが毎公演違う爆発の形があって、今回東京が19公演くらいありますが、どうなってしまうか僕にもわかりません。これはすごい景色が見えるんじゃないかなと思っていて。ぜひ目撃しに来てほしいです」とコメント。また作中20曲以上のパフォーマンスがあることについても、「(体力的にも)毎日心配しているんですよ、みんなのこと。そんなに跳んで大丈夫?みたいな。心配と同時に楽しみが強いですね。お客様もどういう感じで盛り上がるんだろうと。今までの劇場よりも客席との距離が近いので楽しみです」と期待を話した。

またクラウス・フォアマン役の林は今回が初参加。すでに絆ができあがっているチームなだけに緊張したというが、「今は毎日楽しんでやらせてもらっています」と笑顔。また「今回ドラムをはじめてやらせてもらって、最初のレッスンで先生からすごく褒められちゃって」と話すと、上口が「俺の時と真逆だ」と驚く。「僕はじめて触ったんですけど、3カ所地方まわってどんどん上達しちゃって、ピートさんおつかれさまです、みたいな(笑)。絶対に5人で武道館に立ちたいと思います!」と盛り上げた。

再演からの続投となるアストリッド役・愛加は「毎日みなさんこんなに大変なライブを重ねているのに、袖ではずっと笑いあって、ふざけあっていて、男の子って面白いなと思っています(笑)」とコメント。唯一の女性キャストとなるが、前回からの変化について「前回は再演から入るということでプレッシャーもあって、さち子さんともお話しさせていただいて、ただの普通の女の子ではいけないと。今回すごく残っているのが「客席に嫌われてもいいから!」と。自分の持っているもの、スチュアートへの思い、芸術へかける思いを一本筋の通った達観した性格、だけど繊細な難しい役ではあるんですけれども。前回は必死過ぎて自分のなかでコミュニケーションが取れていたかという反省点も含めてあったんですが、今回は前回を越えて心通わせられていると実感しているので、みなさんと目を合わせて通わせながらできているのが嬉しいです」。
そしてエルヴィス・プレスリー役を演じる尾藤は、5人が演じるビートルズについて「とにかく一人ひとりが楽器をやることも、自信をもって俺は最高、わたしは最高と思ってやっていってほしいと思う。(自分も)7年前に初舞台で5人のビートルズと出会って、なんか本当にお別れが寂しいというか、武道館じゃないけども、機会があったらやりたいと思っております」と笑顔で話した。

最後に、観客へのメッセージを聞かれると、加藤は「これでもかっていう思いがこもったストレートプレイ。演劇好きはもちろん、ビートルズ好き、音楽好きの皆さんにも確実に楽しんでいただけると思いますので、何度でも足を運んでいただけると嬉しいです」と呼びかけ。戸塚は「バックビートファイナルにして、最高傑作ができあがりました。」話し、「俳優が芝居と生演奏をするという、なかなか他では味わえない作品になっていると思います。気軽に劇場に遊びに来てください。パーティに来たという感覚で楽しんでもらえたら。ぜひみなさん劇場にお越しください」と戸塚らしい表現でコメントした。

また取材会後は、初日に先駆けて1幕のゲネプロを披露。実際に役者が演奏をするシーンでは観劇した取材陣から拍手が出る場面も。キャスト全員が自信を見せる「ファイナルにして最高傑作」をぜひ劇場で体感してほしい。公演は東京・EX THEATER ROPPONGIにて5月17日(日) まで、その後兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて5月21日(木) ~24日(日) まで。
撮影:岡千里
<公演情報>
『BACKBEAT』
作:イアン・ソフトリー スティーヴン・ジェフリーズ
翻訳・演出:石丸さち子
音楽監督:森大輔
出演:
戸塚祥太(A.B.C-Z) 加藤和樹
辰巳雄大(ふぉ~ゆ~) JUON(THE& ex FUZZY CONTROL) 上口耕平
愛加あゆ・林翔太
鍛治直人 東山光明 田川景一 安楽信顕
尾藤イサオ
【プレビュー公演】
2026年4月12日(日) ※公演終了
会場:茨城・水戸市民会館 グロービスホール
【愛知公演】
2026年4月17日(金)~19日(日) ※公演終了
会場:穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
【大阪公演】
2026年4月25日(土)・26日(日) ※公演終了
会場:SkyシアターMBS
【東京公演】
2026年5月3日(日・祝)~17日(日)
会場:EX THEATER ROPPONGI
【兵庫公演】
2026年5月21日(木)~24日(日)
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
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