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“失敗はしたほうがいい”中村倫也×神木隆之介が語る、人生と正解の距離

映画

インタビュー

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(撮影/稲澤朝博)

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テレビで観るクイズプレイヤーの魔法のような早押しは、人生を背負った全身全霊のチャレンジ。クイズ番組の見方が変わりそうな映画が「君のクイズ」だ。主演の中村倫也がクイズ界の絶対王者、神木隆之介が天才クイズプレイヤーで久々に共演。阿吽の呼吸でトークを繰り広げていたふたり。知略と情熱がぶつかり合う、クイズミステリーを通して気づいた役者の魔法とは――?

隆に任せておけば安心でした!

――中村さんは豊富なクイズの意識と論理的思考を併せ持つクイズ界の絶対王者・三島玲央、神木さんは“世界を保存した男”と呼ばれる天才クイズプレイヤーを演じています。それぞれご自身の役を演じるにあたって意識した部分はありますか。

中村倫也(以下、中村) 大切にしたのは、三島がなぜここまでクイズに人生を捧げる男になったのかというストーリーの部分ですかね。表情が読みづらいキャラクターではあるんですけど、いかにここまで無駄な所作を排して、クイズに捧げる男になったのかを演じるにあたっては紆余曲折あるんです。本庄との対峙する場面がキーになってくるので、そういったクイズプレイヤーとしての顔と、そうじゃないちょっと気の抜けた情けない本当の顔を、情報過多にならずに表現することを心掛けましたね。

――確かにクールに見える中にも心情が伝わってきました。

中村 クイズプレイヤーとしての1つひとつの所作など、クイズに向き合って考えて答えるまでの間にやることがいっぱいあって。競技クイズに出てる人の思考を理解して、説明できるぐらいまでにはちゃんと自分に落とし込んで、役を細部にわたるまで作り込みましたね。

神木隆之介(以下、神木) 僕が本庄を演じるにあたって意識したことは、世間からは天才クイズプレイヤーと言われていて、圧倒的な存在で天才に見えるけど、よく見たら1人の人間ということを表現することでした。天才というのは、周りが作り上げてきたイメージであって、本庄は自分のことを天才だとは思ってないし、必死に膨大な知識を携えてクイズと向き合って答えた結果、たまたま勝ち進んでしまって、天才クイズプレイヤーになってしまっただけなんですよね。

――神木さんはその肩書をどう物語の中で外していくか、監督と相談されたそうですね。

神木 本庄は別に天才の振る舞いはしてないのに天才に見えてしまうよなっていう、いい塩梅を探りながら演じました。本庄が背負っているものを大事に、丁寧にやろうと心掛けていましたね。

――お二人はクイズプレイヤーのライバル同士を演じました。対峙するシーンでは、どんなことを心掛けていましたか。

中村 三島はクイズプレイヤーとして自分の勝負の仕方をしていけば負けない、みたいなスタイルの人なんです。物語の序盤では、本庄からどんなちょっかいをかけられて、どんな反応をしていくのかが描かれます。三島は本庄をちょっと小馬鹿にしていて、認めないぞって思っているんですよね。でも、「なぜ1文字も問題を読まれずに正解を答えられたでしょう」っていうことに直面して、三島の本庄に対する目線が少しずつ、解きほぐされていく。後半にかけてのビフォーアフターみたいなところは、大事になっていきます。

――確かに後半からクイズプレイヤーの苦悩が見えてきました。

中村 ありがたいことに撮影は序盤の「Q1グランプリ」から始まったので、隆(りゅう)に任せときゃ安心でしたね。個人的にはシンプルに受け手として、物語の真ん中に立つものとして、しっかり振り回してもらいました。

神木 いえいえ。もう倫くんには、元からの信頼感があるので、それを活かしてできました。クイズ中に本庄は三島にこだわっていて、「三島さん、答えてください」って名指しで三島さんに解答を求めるんですよ。それは少なからず本庄の中で三島に対して共鳴できるところがあって、三島さんなら答えてくれるんじゃないかという期待があるからだと思うんです。この人といると魂が震えるという想いがあっての三島さんなんでしょうね。

――神木さんが演じる本庄は、三島へのリスペクトが滲み出ていましたね。

神木 クイズプレイヤーとして、「負けたくない」っていう気持ちと、やっぱりクイズに正解することが全てなところが一緒だなって思える存在でもあるのかな。だから、僕が意識したのは、クイズ中はやっぱり正解したいっていう思いでやっていること。三島さんに勝ちたいというライバルの関係ではなく、もうそれを超越した存在に思ってるのかなって。本庄が三島のことを心配してるのが出たらいいなと思いました。

ふたりの記憶のしかたは?

――お二人とも番組宣伝やバラエティー番組などでクイズに挑むこともあるかと思いますが、クイズはお得意なんですか?

中村 いや~、俳優に出されるクイズは、競技クイズとレベルが違いすぎるんでね。それで答えられたとしてもね、得意とか、不得意かとか、言えないですよ。まぁ、イントロは正解したことがあるんですけど。自分が学生時代に聴いていた年代は強いですよね。番組に出演した時、ほぼほぼ合ってましたから楽しかった(笑)。

神木 すごい! 僕クイズは好きですけど、答えられる自信はないです。番組でクイズを出されて、不正解の方が多いですから。自信を持って「絶対これが答えだ」って思っても、ピンポンを押すと一気に自信なくなるんです。大丈夫かなって(笑)。

中村 そういうもんだよな。

神木 そうなんですよねぇ。

中村 家でテレビを観ながらクイズを解くのとは、また全然違うからね。

神木 緊張しますからね。俳優がクイズ番組出ますとなっても、分からないのも当然、答えられないのも全然当然ですけど。クイズプレイヤーの方たちからしたら、自分が勝負するエリアじゃないですか。全てをかけて、解答台に立ってらっしゃるっていうのが、今回この作品を通して分かりましたね。

――クイズプレイヤーは記憶力も勝負になってきますよね。お二人は、普段、俳優のお仕事で台詞だったり、役柄の背景だったり、いろんなことを学んだり、記憶されたりしますよね。何かを学ぶときは、どのように記憶されていますか?

中村 記憶っていうつもりで勉強してないかもしれないですね。

神木 物忘れは、多いし(笑)。

中村 うん。全然、何も覚えてない。

神木 僕も何も覚えてない。誰に何を言ったことすら、覚えてない。そして、聞いたことも覚えてない。人から同じ話を聞いた時にまったく同じリアクションできますね。

中村 あははは。忘れてるから(笑)。
我々が台詞を覚える作業なんて、もう地味な作業ですよ。読むかブツブツ言うかしかないもんね。

神木 そうですね。ブツブツ言います。頭で覚える時もあれば、口の動きで覚えることも。

中村 それはあるね。結局、考えないで言えないとダメだから。

神木 そう。言えないと。台詞の途中に何か動きを足されたら、一瞬で終わる(笑)。

中村 オートで言えるところまで持ってかないと、現場で飛ぶ。

神木 飛ぶ、飛ぶ!

中村 もちろん台本を読むときは考えて読みますけど。それを覚える作業は頭から始まって、あとは口とか身体、リズムで覚えています。台詞は最終的にはこの文法で誰をどう動かしたいかっていう意図がないと存在する意義ないので。最終的には自分でちゃんと再確認して、調整しますね。それは本当に地味な時間で。できるなら台詞を覚えたくないです(笑)。

神木 それか一瞬で覚えれるようになるか(笑)。

中村 一瞬で覚えれるようになりたいね。本庄のように。たまーにいるよね。広瀬すずちゃんは写真として台詞を覚えられるって言わない?

神木 あー、言ってた! いいな。その能力、欲しい!

中村 だから、朝ドラをやっていても、キックボクシングに行く時間があるんだろうね。

神木 台本を一瞬で覚えられるんだもん、行きますよ。キックボクシングの朝ドラやったらいいじゃんね。

中村 蹴り上げろ、みたいな(笑)。

神木 舞い上がれ、みたいな(笑)。

中村 隆、よく分かったね。ありがとう。こういうとこ、助かるんですよ。

神木 あははは。台詞覚える時は、物語があればこういう風になったという流れがあるので。役作りで、その人の歴史を調べられる時は、スッと入ってきやすかったりしますけど、脈絡ない単語だけの台詞っていうのはかなり難しいですね。

中村 あと、文章のリズムとの相性もない?

神木 あるね。倫くんはめちゃくちゃ簡単に言えるけど、僕は全く頭に入ってこないっていう。なぜか拒絶されてしまう単語とか文法があります。

中村 あるある。絶対、この言葉は出てこないんだよ、とかね。

神木 個人差があって、曖昧な世界ですけど。とりあえず覚えるってなったら、僕も反復するしかないですし、学ぶってなったら、ひたすら物語で想像してやるしかないなっていう。

中村 大変だよな~、セリフ覚える時間。……って愚痴ってすいません(笑)。

役者特有の魔法って?

――クイズプレイヤーのゼロ文字回答は、本当に魔法のようなものですが、役者業界の魔法ってありますか。

中村 あります。舞台上でハプニングが起きた時に、舞台上にいる役者たちがどうするってアイコンタクトをとるんですね。不思議とお互いの考えてることが察せるのは、超能力だと思います(笑)。ちょっとした危機的状況だと第六感が働きますから。

神木 魔法だ!!

中村 隆はある? 魔法瓶でもいいよ(笑)。

神木 ん? 魔法瓶……? 一連で長く撮るシーンにおいて、カメラマンさんの動きで、次何を映したのか分かります。テストと全く同じようにはいかないこともいっぱいあるんですけど。その時にカメラマンさんが多分、こっちを撮りたいんだろうなって、なんとなく雰囲気で手に取るように分かります。

――それは魔法ですね。役者さんは、皆さん求められてることを瞬時で察する勘の良さがある気がします。

中村 人によるよねぇ?

神木 人によりますね。

中村 性格だよねぇ?

神木 人によりけりですよね。でも、よく役者は芝居ができるから人狼が上手そうって言われる。なんとかフェイスとか上手いでしょって(笑)。

中村 リアルフェイス?

神木 ギリギリじゃない(笑)。ポーカーフェイス!! 「上手そう」って言われますけど、全くできないです。役を背負えばできますけど、役を背負ってない時は、普通です!

――最後にお二人に難題です! クイズプレイヤーは正解にこだわりますが、人生の正解にこだわる人、間違いたくないという人にアドバイスをお願いしたいです。

中村 最近の若者は失敗したくない子が多いと聞くし、僕も実際そう感じるんだけど、損してるなって思いますよ。年取ってからの失敗の方がダメージが大きいから、若い時に失敗したほうがいいのにな。

神木 正解にこだわるのは悪いことではないと思うんですけど、もしそれで自分が苦しくなるようにはならないで欲しいです。でも、仕方ないんですよね。僕の場合は、ネットの記事を見て、励みにしていますね。

中村 自己肯定感が上がるような記事?

神木 そう。いいことが書いてあって、正解にこだわっても大丈夫なんですよ、みたいな記事。

中村 それで前向きになれるの?

神木 ですね。それで次にやらなきゃいけないことができます。気分が上書きされたら、忘れます。まぁ、僕なりの考えですけど、バランスをとっているんでしょうね。ポジティブな人だって、ずっとポジティブじゃないじゃないですか。人間ですし、ネガティブになる時ももちろんあるし、落ち込む時も色々あるじゃないですか。人間ってポジティブかネガティブかの2つには分けられないもの。いつも明るく元気に頑張ってるから、逆にバランスとって一旦立ち止まって、ちょっと休んだほうがいいよって言われてるかのかなって捉えますね。倫くんは?

中村 僕は分かんないんですよ。なぜそんなに失敗したくないのか。

神木 ダメージを受けたくないからでは。

中村 それは、自分が思い描く自分が等身大よりもデカいんでしょうね。だからダメージを受ける。鼻から大したことないと思っていれば、上手くできたら御の字。自分を大きく見ているからミスった時に食らうんでしょうね。

――失敗した時に人からどう見られるだろうとか、周りの目が気になるということも正解にこだわる理由かもしれないです。

中村 人から失敗した自分がどう見られるかを気にするように、失敗した時、自分の振る舞いで人が自分をどう思うかを気にした方が成長しますよ。周りが助けてあげたいって思える行動ができるかどうかの方が生きる上で大事です。

神木 なるほど。

中村 結局、自分が思い描く自分というものが自分の等身大よりデカいならば、その自分に近づくには人の力借りるのが1番早い。自家発電でどれだけ頑張って大きく見せようとしたって所詮、限界がありますから。人を頼ったり、人に自分の本音を伝えることで、自分1人で頑張るよりもいい成果を得られたりするんでね。自分の本音を言える人に話してみたら、メンタル的にも安定すると思いますよ!


中村さん、神木さんのインタビューが、月刊ぴあ「とぶ!ぴあ」でも読める!

https://lp.p.pia.jp/tobupia/
5月15日(金) 発売の月刊ぴあ「とぶ!ぴあ」にも、おふたりのインタビューを掲載!
webに載っていない撮影秘話が読めます。ぜひCheckしてください!


<作品情報>
『君のクイズ』

5月15日(金) より全国公開

キャスト:
中村倫也
神木隆之介
森川葵
水沢林太郎
福澤重文
吉住
白宮みずほ
大西利空
坂東工
ユースケ・サンタマリア
/堀田真由・ムロツヨシ

原作:小川哲『君のクイズ』(朝日文庫/朝日新聞出版刊)
監督:吉野耕平(『ハケンアニメ!』『沈黙の艦隊』)
脚本:おかざきさとこ吉野耕平
音楽:Yaffle斎木達彦
クイズ:監修QuizKnock
プロデューサー:大脇拓郎谷戸豊田中誠一
制作プロダクション:ジャンゴフィルム

©2026映画『君のクイズ』製作委員会


撮影/稲澤朝博、取材・文/福田恵子
ヘアメイク/(中村さん)Emiy(Three Gateee llc.)、(神木さん)大野彰宏(ENISHI)
スタイリスト/(中村さん)松本ユウスケ(anahoc)、(神木さん)吉本知嗣
衣装協力/(中村さん)
シャツ
CROQUIS - 速写 -
28,600円(税込)
【問い合わせ先】
マツオインターナショナル カスタマーサービス
0120-29-1951

パンツ
JNBY
23,100円(税込)

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マツオインターナショナル カスタマーサービス

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