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熊川哲也、宮尾俊太郎の特別出演も決定! K-BALLET TOKYO『パリの炎』稽古場レポート

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(C)K-BALLET TOKYO

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熊川哲也 K-BALLET TOKYO Spring Tour 2026『パリの炎』が、2026年5月23日(土)から6月14日(日)まで、東京と大阪で上演される。熊川総監督から芸術監督を引き継いだ宮尾俊太郎が手がける初の全幕プロダクションで、18世紀フランス革命を舞台にした激動の愛のドラマだ。開幕を控え、いよいよ熱がこもる稽古場の模様をお届けする。

はじめに『パリの炎』とは何かご説明しよう。原典は1932年にロシアで初演された古典バレエ作品である。音楽はボリス・アサフィエフ。原振付はワシリー・ワイノーネン。ときは18世紀末フランス、ルイ16世とマリー・アントワネットが君臨した王政時代から共和制へと転換する革命期の民衆のエネルギーが力強く描かれる。

最終幕で披露される、主役男女のグラン・パ・ド・ドゥはガラ・コンサートの定番なので、バレエ・ファンにその名は親しまれているといってよかろう。とはいえ、全幕上演は限られ、今回が日本のバレエ団としては初制作となる。演出・再振付の宮尾は、2020年までK-BALLETのプリンシパルとして活躍すると同時に、熊川が演出・振付した『蝶々夫人』の振付補佐を務め、小品を発表するなど創作面での経験を積み上げてきた。

4月末、報道陣に公開されたリハーサルでは、宮尾、浅川紫織、西野隼人というK-BALLETの歴史を築いてきた実力者たちが指導を担当し、全2幕のなかから5つの場面を披露。そこで目の当たりにしたのは、21世紀のいま、新たによみがえる『パリの炎』だった。

Act1 Scene1「決起の踊り」では、絶対王政に対して耐えかねたマルセイユの民衆が団結し、蜂起する姿を活写する。男性たちだけでなく女性も結集し、威勢よく踊る。村娘ジャンヌ(岩井優花)と義勇軍のフィリップ(山本雅也)らに加え、ジャンヌの兄でボルガル侯爵(鴻野寛大)の娘アデリーヌ(島村彩)を奪われたジェローム(石橋奨也)、さらにオリジナルのキャラクターとして設けられたナポレオン(山田博貴)らも革命軍に加わる。岩井は、愛らしさのなかに秘めた芯の強さに吸引力があり、回転技などにも自然と感情がのっている。山本は、義勇軍を献身的に率いる存在として凛々しく踊る。そして民衆たちのエネルギーが充満し、彼らが地面を激しく踏みしめる響きの圧は半端ない。

(撮影:堀貴文)
(撮影:堀貴文)

Act1 Scene2「貴族の踊り~マリー・アントワネットとルイ16世のアダージオ」では、一転してパリの宮廷世界へ。マリー・アントワネット(日髙世菜)とルイ16世(栗山廉)のグラン・パ・ド・ドゥからこの日はアダージオが披露された。栗山のサポートを受けて日髙がリフトされ、ゆったりと回るが、そこから得も言われぬ優雅さと、革命という嵐の前の静けさのような名状し難い空気感が醸される。原典にも登場するが活躍場面が少ない両者が大きく取り上げえいるのも大きな見どころになっているに違いない。

(撮影:堀貴文)

Act2 Scene1は通しで公開された。義勇軍がパリに到着し、かの地の義勇軍と合流する場面だ。ここではバスクの踊りが大きな見せ場だ。ロベスピーエルを遅沢佑介が務めたが、ソリスト、群舞と一体となって高揚感たっぷりに踊った(本番では宮尾、そして熊川がの特別出演する回も発表された)。その後のナポレオンとオランプ(大久保沙耶)の踊りでの余情も忘れ難い。

(撮影:堀貴文)

Act2 Scene2「襲撃~ジェロームとアデリーヌの悲劇のパ・ド・ドゥ」では、王宮への襲撃を前に、ジェロームとアデリーヌの別れが痛切に迫る。アデリーヌは、貴族という出自とジェロームへの愛それに義勇軍への思いの間で悩み苦しむ難しい役柄だが、島村は感情を過度にぶつけるのではなく、葛藤を繊細に浮かびあがらせていたと思う。

Act2 Scene5「ボルガル侯爵の処刑~ラスト」は物語のハイライト。革命は成就するが、そこにあるのは歓喜だけではない。「初演は革命を描いた。次の(時代の)ロシアのバージョンでは革命と悲劇を描いた。僕は悲劇を色濃く描いた」と宮尾はリハーサル後に語った。18世紀末のフランスを舞台とし、20世紀前半にロシアで生まれた古典バレエが、21世紀の現在、日本という国で新たに語り直される意味は何か。劇場で肌で感じ受け止めたい。

(撮影:堀貴文)

典雅なクラシック・バレエから民族舞踊まで多彩な踊りのつるべ打ちで、飽くなきパワーに圧倒される(最終幕のジャンヌとフィリップによるグラン・パ・ド・ドゥも上演される)。音楽を横山和也が編曲し、宮尾のイメージに応じて曲順の変更をほどこしたという。全幕プロダクション初挑戦とは思えぬ宮尾の驚異的な密度の振付と劇展開の巧みさが光った。ダンサーたちの集中度も高く、群舞の端々まで皆が燃えている。本番では舞台美術・衣裳デザイン(ロバート・パージオーラ)、照明デザイン(足立恒)が入り、壮麗かつ生命力に満ちた舞踊劇が立ち上がって躍動するだろう。K-BALLETの伝統と革新を裏付ける快作となりそうだ。

取材・文:高橋森彦

【アーカイブ公開中!】『パリの炎』リハーサルの様子のライブ配信
芸術監督・宮尾俊太郎によるシーンの解説や説明付き

<公演情報>
K-BALLET TOKYO Spring Tour 2026 『パリの炎』

【東京公演】
2026年5月23日(土)・24日(日)・30日(土)・31日(日)・6月5日(金)~7日(日)・13日(土)・14日(日)
会場:Bunkamuraオーチャードホール

【大阪公演】
2026年5月26日(火)・27日(水)
会場:フェスティバルホール

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2667334