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『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』監督インタビュー 「日本のみなさんに観てもらいたい」

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『アイアンマン』『ライオン・キング』などを手がけるジョン・ファヴロー監督の最新作『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』が完成した。本作は、誰もが知る一大シリーズの新たな映画として公開されるが、その内容は過去のファヴロー作品に通ずる要素が満載で、本作にしかない魅力がつまった作品になった。ファヴロー監督は仲間たちと協力しながら、いかにして“我らの道”を行くことになったのだろうか?

本作は『スター・ウォーズ』の世界が舞台になっているが、あくまでも『マンダロリアン』シリーズの新作で、独自の語り口、キャラクター、物語を持っている。

「そうですね。ここにいるキャラクターたちは自分たちで作り上げたものが多いので、自分たちの考える独自の道を進むことのできる自由を感じていました」

本作の主人公は、スゴ腕の賞金稼ぎ“マンダロリアン”ことディン・ジャリンと、彼の相棒グローグー。孤高のハンターだったマンダロリアンは、グローグーに出会い、親子のような関係を築く中で、銀河の平和のために行動するようになる。

孤独な主人公が、多くの試練をくぐり抜ける中で、いつしか大きな輪や社会の一員として歩き始める物語は、ファヴロー監督が脚本を手がけた出世作『スウィンガーズ』から繰り返し描いてきたテーマだ。

「おお、『スウィンガーズ』! そうですね。自分ではまったく意識していなかったのですが、そう言っていただけるのはとても興味深いですね。確かにそうかもしれません」

また、『アイアンマン』や『ライオン・キング』でも描かれた“子が父を超えて大人になるために、父親のマネをする必要はない”というテーマも、本作ではカタチを変えて、マンダロリアンとグローグーの物語に継承されている。

「言われてみれば確かに……その通りだと思います! 書いているときは無意識で、ストーリーに最も適した選択を積み重ねているだけなのですが、多くの映画を作ってきた今、こうして振り返ってみると、自分の全作品に共通するものがあるのだと思います」

ファヴロー監督はシリーズの重圧で動けなくなるようなヤワな監督ではない。彼は『スター・ウォーズ』を愛しているからこそ、安易な真似はしなかったのではないだろうか。

「ありがとうございます。『スター・ウォーズ』はある種の世界観やルールを提供してくれますが、その中で異なる物語を語る自由があるんです。多くのストーリーテラーが“スター・ウォーズというキャンバス”を使って自由に表現できる土台ができているのだと思います。

創作上のパートナーのデイヴ・フィローニ(本作の製作・共同脚本を手がけた才人。現:ルーカスフィルム代表)はジョージ(・ルーカス)と共に学び、仕事をしてきました。私はジョージと直接仕事をした経験はありませんが、何度もお話をして、アドバイスを受けてきました。

このプロジェクトを始める際に私たちが決めたのは、スター・ウォーズそのものを真似るのではなく、ジョージがインスパイアされたものにインスパイアされよう、ということでした。黒澤明監督の作品やセルジオ・レオーネ監督の作品、そして『フラッシュ・ゴードン』のような活劇も。テレビシリーズでは予算や規模の関係で難しかったのですが、IMAXのスクリーンと十分な予算、時間があった今回は、より大きなセットやクリーチャーを用いて映画づくりに挑むことができました」

監督が本作を「日本のみなさんに観てもらいたい」と力説する理由

本作には、大がかりなアクションシーンもたくさん描かれるが、中心にあるのは、マンダロリアンとグローグーのドラマだ。幼く“守られる”立場になることが多かった小さなグローグーが成長し、マンダロリアンを守ろうと奔走するシーンは感動的だ。まだ言葉を話さないグローグーが、マンドーのために奮闘するシーンは、彼の愛らしい演技と繊細な映像、名手ルドウィグ・ゴランソンの音楽だけで物語が描かれる。

「ふたりの成長を見せたかったですし、タイトルにもなっているグローグーが輝く瞬間をつくりたいと最初から考えていました。グローグーの目を通して世界を描くことで、世界はより美しく見えますし、彼が瞑想をする場面を描くことで、彼がルーク・スカイウォーカーの下で学び、ジェダイの修行をひとりで続けながら成長していることを描くことができました」

本作は、この他にも観客の感情を直撃するようなエモーショナルなシーンが多い。よく考えれば、本作は主人公のひとりは、ずっとマスクをしていて顔が見えない。もうひとりは人間の俳優ではなく、パペットを用いたキャラクターだ。しかし、ファヴロー監督は、だからこそ描けるものがあると考えているようだ。

「私はこの映画を日本のみなさんに観てもらいたいと思っています。というのも、日本にはパペットを用いた“文楽”の伝統があり、仮面を用いた“能”という芸術があるからです。特定の世代だけに向けた物語ではない、普遍的な物語を、パペットや仮面を用いて描く文化がある日本のみなさんに、この映画を観ていただけることがうれしいのです」

本作には観客の想像力をかき立て、感情を喚起させる要素がつまっている。大スクリーンでふたりの冒険を眺めながら、マンダロリアンのマスクの下の表情、パペットで描かれるグローグーの感情、そしてふたりの関係の深さに想いをはせることで、本作はより豊かな作品になるだろう。

「マスクやパペット、音楽などの手法を用いてアーキタイプ(原型)に訴えかけるように語れば、あとの部分は観客が補ってくれる。この作品もそうなっています!」

『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』
公開中
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取材・文:中谷祐介(ぴあ)

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