音楽劇『超、Maria』、唯一無二の根本宗子ワールドで田村芽実×清水くるみだから出せる化学反応
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(左から)田村芽実、清水くるみ
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すべて見る劇作家、演出家、俳優として活躍する根本宗子と音楽ユニット「チャラン・ポ・ランタン」のタッグによって生み出された唯一無二の音楽劇『超、Maria』が2020年の初演から6年を経て、7月4日(土)〜12日(日)にI’M A SHOWで再演される。ある“秘密”を知ることになる二人の少女の姿を描いた二人芝居だが、初演時の“もも(チャラン・ポ・ランタン)×根本”というオリジナルペアに加えて、今回の再演で新たにこの不思議な物語に挑むのは、田村芽実と清水くるみ。近年、次々と話題の作品に出演している二人が、根本がつくり上げた世界で、小春(チャラン・ポ・ランタン)の音楽に乗せて、どのような物語を紡ぐのか──?
――田村さんは根本さんに対し、清水さんとのコンビによる本作の再演を自ら直訴したそうですね。そのあたりの経緯について教えてください。
田村 とにかくメチャクチャ面白い作品でしたし、拝見した時に「これ、私っぽいな」と思ったんです。ですから「やりたいな」とずっと思っていて、かなり以前から根本さんには伝えていたんです。根本さんから「一緒にやるなら誰がいいの?」と聞かれて、当時はまだ、くるみん(清水)のことを直接は存じ上げなかったんですけど、もともと大好きな女優さんだったので、くるみんの名前を挙げていました。
清水 そうなんだ!? 私が最初にめいめい(田村)から、この作品の話を聞いたのは『ヘアスプレー』の時で「くるみん、私、『超、Maria』を二人でやりたいんだよね」って。私は作品を拝見していなかったんですけど、その後、『キンキーブーツ』の稽古中も「くるみん、『超、Maria』さぁ……」って(笑)。二人芝居の音楽劇ということは知っていましたけど、そこまで言うってどれだけ面白い作品なんだろう? と思っていたら、根本さんもまったく別のところで、プロデューサーさんと『超、Maria』の話をしていたらしくて、すごいタイミングだったんですよね。
田村 正直、最初は実現するとは思っていなかったんです。(※役柄は小学生を演じる)私の年齢も上がっていくし、根本さんは基本的に新作を書く作家さんなので、やりたいと言いつつ、難しいだろうと思っていました。それがこうして実現して、ご縁を感じています。
清水 『ヘアスプレー』での共演が決まって直接、めいめいと顔を合わせる前に連絡を取ったんですけど、めいめいが「一緒に何かやりたいんですよね」ということを言ってくれて、それがすごく嬉しかったんです。一方で『超、Maria』に関して言うと、女優二人でのミュージカル・音楽劇って、なかなか実現は難しいと思っていました。私も実際に初演の映像を見せていただいて、メチャクチャ面白かったんですけど、これをやるってすごくチャレンジングだなと思いましたし、だからこそクオリティの高い作品にしたいなと思います。

根本宗子だから描ける“女の子”の真実
――お二人ともこれまで根本さんの作品には出演されていますが、改めて根本さんのつくる世界観の魅力はどういう部分にあると感じていますか?
田村 独特の世界観の中での常識ができあがっている感じがあって、それは社会における常識や一般的なミュージカルや音楽劇の常識とは違うんです。歌う時にハンドマイクを持ったり(笑)。でも、根本さんのつくる世界ではそれが“当たり前”で、その世界観にあっという間に導いてくれるんです。そこに唯一無二の面白さがあるなと感じます。
『超、Maria』はその中でも、小春さんの音楽の力がすごくて、根本さんと小春さんの化学反応で、ミュージカルとか音楽劇といった枠に収まらない──アトラクションに乗っているような感覚に陥る作品で、スマホの縦動画をスライドして見ていくような若い世代の人たちにも、最初から最後まで飽きることなく見てもらえるような作品だなと思います。
清水 コロナ禍で失われつつあった“参加型”とか“一体型”の楽しさを与えてくれる作品で「あぁ、これこれ! これが演劇の楽しさ!」という感覚が戻ってくるようなワクワクする感じがあるんです。“新しい演劇”だなと感じています。
根本さんの作品の魅力は、私も含めて“女の子”が思っていることを全部言語化してくれるようなところがあって、普段、口にはできないけど心の中で思っていることを書いてくれているような気がしています。私自身、初めて根本さんと出会ったのが21歳の時で、その時から根本さんへの憧れがあって、しゃべり方なんかも根本さんに寄せているようなところがあって。
“女性”というより“女の子”の憧れを体現されているような方だなと思うし、それが作品にもすごく表れている気がします。根本さんが描く女の子って、客観的に見たら、すごくめんどくさいタイプに見えちゃうかもしれないんですけど(笑)、根本さんが描くと、めんどくささもかわいく見えて、許せちゃうんです。
田村 他人に言えないコンプレックスやトラウマ、言うほどでもないというか、口に出しても「そんなこと?」と流されてしまうようなことだけど、実は心の中で「あの時、すごく傷ついたんだよね」とか「セクハラされたような気分になったんだよね」と思っていることが、女の子であれば誰しもあると思います。そういう、第三者が見たら大したことないけど、確実に自分の心の中に傷として残っていることをきちんと言葉にして、作品として描いていると思います。
その傷をえぐるのではなく、「あなたが弱いわけでもおかしいわけでもないよ」と寄り添ってくれるので、「いい年して、まだそんなことで悩んでるの?」みたいな周りの反応を浴びて、ますます何も言えなくなってしまったと感じている方にぜひ観に来ていただきたいです。
――この作品は、特にお二人がつくり出す空気感、関係性というのがすごく大事になってくると思いますが、お互いについてどのような印象を抱いていますか?
田村 くるみんは、私にはない魅力を持っている女優さんですし、同世代でお芝居を中心にやりつつ、ミュージカルにも出ている女優さんって決して多くはなくて、良い意味で“ミュージカルっぽくない”ところが、私にはすごく輝いて見えたんです。私は120%を出し切っちゃうタイプなんですけど、くるみんは120%でやったとしても、どこかで空気が漏れているような感じがあるというか(笑)。それがすごく面白くて、一緒にやったら絶対に良いバランスになるし、絶対に面白くなるってずっと思っていました。正反対なんだけど、どこか似たものを持っているような感覚もあって、すごく良い出会いで、面白いものができるんじゃないかなと思っています。
清水 例えば、二人で「今日は120%出そうね」と決めたとして、その120%を客観的に見たら、めいめいは200%で、私は100%なんですよね、きっと(笑)。私は120%だと思ってやっているんですけど(笑)。そのバランス、力関係が今回の作品には活きるのではという気がしています。 めいめいのことは、私もすごく魅力的な女優さんだなと思っていました。だからいくつかの作品をご一緒した上で、こうやって二人でお芝居ができるってすごく感慨深いです。

――現時点で今回の『超、Maria』で一番楽しみにしていることを教えてください。
田村 私はこれまで根本さんの作品ではずっと一人きりで、誰かと芝居をすることがなかったんです。そして、くるみんとは共演はしたことはあっても、二人でガッチリとお芝居をしたことはなかったので、それも本当に楽しみです。
清水 私が根本さんの作品に出てくるセリフで一番好きなのが「指紋がなくなる!」なんです。今回も出てくるので、あのセリフを早く言いたいです! すっごく好き(笑)。『バー公演じゃないです。』(2018年)で青山(美郷)さんが言っていて、メチャクチャ面白くて、すごくハマって、私生活でも言ってたんです。「スマホゲームやり過ぎて指紋がなくなる!」って。あれを舞台上で言えるのがメチャクチャ楽しみです。
取材・文:黒豆直樹
<公演情報>
音楽劇『超、Maria』
作・演出:根本宗子
音楽:小春(チャラン・ポ・ランタン)
【出演】(Wキャスト)
チームシスター:もも(チャラン・ポ・ランタン)、根本宗子
チームエンジェル:田村芽実、清水くるみ
【演奏】
小春(Acc)、[カンカンバルカン楽団]ふーちん(Dr)、岡村“オカピ”トモ子(Sax)、舞子(Vn)
※Wキャストの出演回はチケット販売ページよりご確認ください。
2026年7月4日(土)〜12日(日)
会場:I’M A SHOW
★全公演カーテンコール撮影可能!
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/cho-maria/
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