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幕開きからクライマックスの連続! 礼真琴主演『BOOP!』がついに開幕

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『BOOP! The Musical』 (C)梅田芸術劇場

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宝塚歌劇団星組トップスターとして在団の頃からアーティスト活動を切望する声が寄せられるほど、色彩豊かな歌唱力に定評のあった礼真琴。加えて高い身体能力から繰り出されるダンスと温かみのある演技力という三拍子そろった彼女の、宝塚退団後初のミュージカル『BOOP! The Musical (ブープ! ザ ミュージカル)』が、5月27日、東京・東急シアターオーブで開幕した。

ブロードウェイミュージカルとして誕生した本作は、世界中から愛されている“ベティーちゃん”(ベティー ブープ™)を主人公に展開するオリジナルストーリー。トニー賞常連のボブ・マーティンの脚本とスーザン・バーケンヘッドの作詞はもちろん、セリーヌ・ディオンやホイットニー・ヒューストンへの楽曲提供でグラミー賞を16回受賞しているデイヴィッド・フォスターの初ミュージカルという点でも注目だ。日本版初演の演出・振付は、ブロードウェイ版に引き続きジェリー・ミッチェル(『キンキーブーツ』『PRETTY WOMAN The Musical』)。初日公演と、その直前に行われた開幕前会見の様子をお届けする。

物語は1930年代、モノクロの「トゥーンタウン」から始まる。背景のスクリーンに次々と映るカートゥーンさながらに、キュートな動きで歌い踊る永遠のスター、ベティー(礼)。スパンコールのホットパンツ姿にハットをかぶり、古き良きミュージカル映画を彷彿とさせるエネルギッシュな群舞「A Little Versatility」で、開幕早々、客席は一気に盛り上がりを見せる。

(C)梅田芸術劇場

だがベティーのひそかな願いは、スポットライトの外の“平凡な一日”。祖父のような存在で発明家のグランピ―(大澄賢也/東山義久とWキャスト)に頼んで、ベティーはカラフルな現代のニューヨークにタイムワープする。そこで出会ったのが、ミュージシャン志望のドウェイン(松下優也/水江健太とWキャスト)と、ベティーの大ファンというトリーシャ(鈴木瑛美子/藤森蓮華とWキャスト)。ベティーは元いた世界から約100年後である現代の文化に戸惑いながらも、2人と心を通わせてゆく。

礼はベティーの特徴をよくとらえ、アイコニックな立ち姿がベティーそのもの。特にコケティッシュな脚さばきと爪先の動きがなんともキュートで、二次元のキャラクターがシームレスに三次元となって立ち現れていることに驚く。礼ならではの、絶妙な会話の応酬は本作でも健在。随所に笑いをちりばめながら、歌に芝居にとテンポよく物語を引っ張ってゆく。

(C)梅田芸術劇場

さらに、ポップス界の巨匠フォスターの楽曲と、礼の歌声との相性の良さにも触れたい。一幕ラストでのパワフルな「Where I Wanna Be」だけでなく、親友となったトリーシャを励ます「My Hero」の温かく芯を持った歌声など、礼の声が持つきらめきをさまざまに楽しめる。客席も拍手で盛り上がったり、静かに聞き入ったりと、それぞれの場面を堪能している様子だ。

楽曲の良さを最大限に引き出しているのは、ドウェイン役の松下とトリーシャ役の鈴木も同様。松下はベティーを想って歌う「She Knocks Me Out」をはじめ、随所で伸びのある歌声を披露してその心情を表現。また“ベティー推し”のトリーシャが歌う「Portrait Of Betty」は、力強くもクスッと笑える一曲。それぞれの歌声がベティーのそれと重なるシーンは、まさに眼福ならぬ“耳福”だ。

もう一組、大澄扮するグランピ―と、柚希礼音が演じる宇宙物理学者ヴァレンティーナというシニアカップルも見どころ。“世界が違う”と40年前に別れてしまった二人だが、時が止まっている「トゥーンタウン」から、ベティーを追ってグランピ―がやってきたことで二人は再会、同じ世代になっていることに気づく。こちらはハッピーオーラ全開でコトが進むも、どこか味わい深さがにじむのは、大澄と柚希の存在感ならではだろう。

そのほか、トリーシャの叔母で活動家のキャロル役・まりゑや、ニューヨーク市長候補の嫌味なレイモンド役・渡辺大輔(中河内雅貴とWキャスト)のソロも迫力満点。アンサンブルの歌とダンスも隅々までエネルギーが満ち満ちて、ウィットに富んだ演出にも目をほころばせているうちに、物語は早くも終盤へ。ベティーとドウェインが選んだ意外な結末とは……? それはぜひ劇場で確認してほしい。

(C)梅田芸術劇場

チームワーク抜群のスタッフとキャストで贈る日本版

初日の本番前に劇場ロビーで行われた開幕前会見では、礼と柚希、松下、水江、大澄、東山と、演出のミッチェルが登壇。宝塚での男役姿とは対極といえる赤いミニスカート姿の礼は、「だいぶ慣れましたが、まだソワソワしています」と笑わせながらも、「共演の皆さんが素晴らしい方ばかりで、稽古場のほうで毎日緊張していたので、今日(初日)は楽しみたいと思います」と力強く宣言。礼の相手役となる松下が「最高に楽しいです! 稽古場では男として(元男役の)礼さんにツッコまれないように頑張りました」と満面の笑みを見せると、水江も「僕は結構、礼さんにツッコまれていました(笑)。でもそうやって、いろいろなことを勉強させていただいていました」と、稽古場の雰囲気の良さをアピール。

『BOOP! The Musical』開幕会見 (左から)ジェリー・ミッチェル、水江建太、松下優也、礼真琴、大澄賢也、東山義久 (C)梅田芸術劇場

柚希が「日本版では新たに増えた振付も見どころ。稽古場でジェリー(・ミッチェル)さんが踊ってみせてくれる様子が本当に素敵で、その時間も宝物になりました」と明かすと、ダンサー出身の大澄と東山も、「ジェリーさんの作品に出たいとずっと思っていたので、振付を受けられて幸せ」(大澄)、「老け役は初めてで不安もありましたが、ジェリーさんのハッピーオーラが詰め込まれた作品に出られて嬉しさが勝りました」(東山)と、それぞれに心境を告白。ミッチェルが「ここにいる全員が“スター”で、才能のある人ばかり。8週間の稽古場は、毎日が喜びにあふれていました」と太鼓判を押すと、キャストも笑顔で見返すなど、演出家とキャスト同士の信頼感が伝わってきた。

公演は、幕開けからクライマックスの連続に身を委ねているうちに、あっという間の2時間40分(休憩時間込み)。“明日のエネルギー”をもらいたい人に、ぜひお勧めしたい快作だ。

取材・文:藤野さくら

<公演情報>
『BOOP! The Musical』

脚本:ボブ・マーティン
音楽:デイヴィッド・フォスター
作詞:スーザン・バーケンヘッド
演出・振付:ジェリー・ミッチェル

出演:
礼真琴
松下優也・水江建太(Wキャスト)
鈴木瑛美子・藤森蓮華(Wキャスト)
渡辺大輔・中河内雅貴(Wキャスト)
まりゑ 青柳塁斗
大澄賢也・東山義久(Wキャスト)
柚希礼音
ほか

※Wキャストの出演回は公演オフィシャルサイトをご確認ください。

【東京公演】
2026年5月27日(水)〜6月21日(日)
会場:東急シアターオーブ

【大阪公演】
2026年7月4日(土)〜22日(水)
会場:梅田芸術劇場メインホール

【福岡公演】
2026年7月30日(木)〜8月16日(日)
会場:博多座

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/boop-musical/

公演オフィシャルサイト
https://www.umegei.com/boop2026/

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