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HONEST × May Forth、名古屋の盟友が下北沢で激突 『Grasshopper vol.41』レポート

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『Grasshopper vol.41』

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4月27日、『Grasshopper vol.41』が東京・下北沢DaisyBarにて開催された。チケットぴあの有志社員によるイベントとして数々の新鋭バンドをピックアップしてきた『Grasshopper』。今回は21周年アニバーサリーのDaisyBarとタッグを組み、HONESTとMay Forthという名古屋の盟友同士による高速&メロディックなツーマンライブが繰り広げられた。

■HONEST

トップバッターを務めたHONESTは、ご機嫌なSmash Mouth「All Star」をバックに登場。樋口浩太郎(g,vo)が「ステージも好きに使ってもらって構わないから。暴れるのも歌うのも、好きにやってちょうだい!」と投げかけ「Decide」からライブをスタートさせると、早速その宣誓に応えるようにダイバーたちが射出され、岸田奈央人(b,cho)がフロアの熱気を受け止めるようにステージ中央で身を乗り出す。そのままシームレスに「Everything's Gonna Be Alright」へ。夏目拓実(ds)が怒涛の手数でボルテージを高めつつ、動きの多いキャッチーなコード進行の上を眩しい歌声が自由に泳いで、シンガロングを誘発した。

曲名を告げるや否やモッシュピットが広がったのは「Minority」。その輪のサイズが、HONESTの築き上げてきた遊び場の大きさを物語る。もっともっと、楽しくて自由な方へ。「ルールなんかに縛られてたらカッコ悪いぜ!」と樋口が告げた通り、ここでは他人の目も明日の分の体力も気にせず遊び尽くすことだけが正義だ。ライブ中、樋口はみなぎるエネルギー故か何度もギターの弦を切ってしまうが、笑顔もテンションも途切れることはない。

「Lonely Boy」で走り回ったり飛び回ったりしなくてもハートを突き動かせる切ないメロディを響かせた後、樋口はイベント名の『Grasshopper』=バッタになぞらえてこう語る。「サバクトビバッタって知ってます? アフリカで大量発生して食糧危機を引き起こしたバッタの集団なんですけど、俺は今日、お客さんでそれを作りたくて」。そんな悪巧みに乗せられて、会場はさらにもう一段熱量を高めた。「Be Myself」のイントロで岸田がクラウドに飛び込んで、ステージとフロアはもはや境界線をなくす。Title Fightのカバー「Symmetry」で骨太なグルーヴを示すと、「次は踊っていこうよ!」と「Going Growing」になだれ込むなど、手札はまだまだ尽きない。

バンドの懐の広さが際立っていたのは、母親と喧嘩して家出をした時に作った曲だという「Home」だ。レゲエ的アプローチも印象的なセンチメンタルなムードのミドルチューンで、5月27日にリリースされたミニアルバム『Never Wanna Come Back Home』収録曲で、作品の世界観をより深く感じさせる一曲だった。

「May Forthとはこれからも一生仲良くぶつかり合って高め合って行くと思うから、これからもよろしくお願いします!」と挨拶すると、「Memories」からクライマックスに向けて再加速。「Fortune Favors The Bold」で盛り上がりが最高潮に達すると、オーディエンスとの交錯でギターのシールドが抜けるハプニングもあったが、当の樋口は「いいよ、気にすんな!」と笑い飛ばす。危なっかしいモッシュもダイブも、HONESTの音とともにあると、人と繋がっていたいという気持ちの裏返しに見えてきて、なんだか妙にいじらしい。最後に「Daisy」で会場の声を集め一体感を作り上げると、熱気と残響の中で「次はMay Forth!バイバイ!」と潔くステージを降りた。

■May Forth

「俺らの時間、冷房ガンガンにしてもらってるんで! めちゃくちゃ遊ばないと、さっきみたいな灼熱にはならないっすよ!」。カンタ・デ・ラ・ロッチャ(g,vo)がそんな挑戦状を突きつけて「海のセレナーデ」を歌い始めると、フロアから大きな歓声が上がる。ハイスピードなツービートが汗臭く走り回る一方で、「流れ星が雲を撃ち抜いて」という歌詞に合わせて遠くを見上げるカンタ。その目線はDaisyBarのキャパシティを優に超えていて、だから最後列のオーディエンスまで十分に包み込んでいた。

そのまま「天使が住んだ町」に接続すると、剥き出しの合奏は全力疾走のその先を目指すようにグングン加速して、青春パンク然としたまっすぐなメロディを軽やかに運んでいく。一方で、その速度によって振り落とされるものにも温かく目を向けるのがMay Forthらしさなのかもしれない。「天使が住んだ町」で途中スローダウンするビートや、「月のセレナーデ」で一瞬垣間見える感傷的なアルペジオと歌が、強く胸を掴んで離さない。四季折々の描写が美しい「生活遠心分離」で頭に思い浮かぶ、幻想的な景色。密室のライブハウスで身を寄せ合いながら、May Forthは僕たちに夢を見せる。

「これぞライブハウスって感じの、めちゃくちゃ最高のイベントに呼んでくれてありがとうございます!」とMCしてからの中盤セクションでは、よりメロディックな楽曲で会場の結束を高めた。「幻の海」でリバーブのかかった歌声が空間を拡張させて、そこにシンガロングが充満していく。「友達への、恋人への、この世界への、すべての愛の歌」と紹介された「ニコマコス」が示したのは、隣に寄り添ってくれる優しさと、想像力だけで地球を一周してしまうほどのスケール感を併せ持つことができるという、May Forthの稀有なバランス感覚だった。ミドルテンポの「星屑のバラード」ではカンタの伸びやかで揺らぎを湛えた歌声がより映える。

親密なムードの中、地元・名古屋でともに切磋琢磨し、この日二度目のツーマンとなるHONESTへの思いを語ると、「これから何年にもわたってやりあえる仲間なので、この先に繋がるツーマンだと思っています」という言葉に惜しみない拍手が送られる。「俺らも激しいのをやっていきますか!」と意気込み、終盤戦へ。「夏色の風」「夏色の楽園」の疾走感は、これから待つ季節の終わりの匂いすら追い越していく。先ほどもプレイした「月のセレナーデ」をもう一度奏でると、「奇跡はお前が起こせ!」とクラウドサーファーを指差すカンタ。いつの間にか主役は、バンドマンだけじゃなくここに集まった一人ひとりになっていた。

密室の地下から遠い星空を、雨の四月に夏の終わりの風の匂いを。本来だったらあり得ないイメージを音で形にしてしまうことで、ロックバンドは暗い日々を生き抜く希望を授けてくれる。それなら、こんな時代に戦争も差別もない新しい国を想像することだって、無意味じゃないはずだ。タイムリミットが迫る気配を漂わせながら鳴らされた「新しい国」。雄大なビート上で紡がれる革命のビジョンを前に、向こう見ずな熱狂とは異なる確かな共感と共鳴が、一人ひとりの拳に握り締められていた。

完全に夜を掌握し切ったMay Forth。最後にシンガロングナンバー「憂天走馬灯」でダイバーを宙へ送り出し、再びのショートチューン「生活遠心分離」ですべてを振り絞るまで、あらゆる思いをステージに刻み込んでくれた。

<公演概要>
『DaisyBar 21st Anniversary × チケットぴあ presents. Grasshopper vol.41』
4月27日(月) 下北沢DaisyBar
出演:HONEST/May Forth

<次回公演>
『Grasshopper WEST vol.8』
6月18日(木) 大阪・梅田Zeela
出演:ZenPal / 春風レコード / Mama Rag

▼チケット情報
一般 3,000円 / 学割 2,000円 ※要学生証
https://w.pia.jp/t/grasshopper/

『Grasshopper』公式サイト

https://fan.pia.jp/grasshopper/

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