ぴあ&OTTAVAのクラシック新シリーズが福間洸太朗でスタート
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©Shuga Chiba
ぴあクラシック公式サイト「poco a poco」と、クラシック専門インターネットラジオ「OTTAVA(オッターヴァ)」が共催するコンサート・シリーズ「poco a poco & OTTAVA Club」がスタートする。
幕開けを飾る第1弾は、豊かな音楽性と発信力を兼ね備えたピアニストの福間洸太朗による『ピアノ・トランスクリプションの世界』。
“ピアノ・トランスクリプション”とは、たとえばオペラやオーケストラ曲をピアノ独奏用に書き直した作品のこと。つまり「編曲」のことではあるのだが、単に楽器を移し替えるだけではない。ときに大きく姿を変え、新たなイメージをまとい、原曲とは異なる表情や魅力を宿した作品として立ち上がってくることも少なくない。
今回は最新アルバム『ピアノ・トランスクリプションの世界』の収録曲を中心に披露される。演奏者の息づかいも感じ取れるような心地よい音響空間で、名曲たちに新たな命が吹き込まれるのを楽しみたい。
当サイトの読者のために、福間から特別メッセージが寄せられた。その言葉をそのままお届けしよう。
■福間洸太朗からの特別メッセージ
今回のリサイタルはピアノ・トランスクリプションがテーマになっていますが、私にとって胸が熱くなるような思い出深い作品ばかりとなります。
『アヴェ・マリア』と『時の踊り』を編曲されたワルター・フレミンクス氏は大変お世話になったベルギー人の大切な友人で、2年前闘病の末亡くなりました。
『アヴェ・マリア』は私が初めて弾いた彼の編曲もので、清楚な響き、後半に見られる目の前の視界が開けて光輝くような開放感が好きです。
『時の踊り』は2024年彼の作品集の楽譜出版に際し、彼の許可のもと大幅な校正・補筆した作品で、今回東京初演となります。
妖精が舞うかのような幻想的でチャーミングな序奏から始まり、色々なドラマが展開しますが、終盤の運動会のBGMでも有名なフレンチカンカンは、超絶技巧が見どころです。
『献呈』はアンコールピースとしてこれまで色々な国やホールで演奏してきました。リストによるピアニスティックで派手な編曲はクララ・シューマンは気に入らなかったようですが、溢れる愛や感謝の念をよく表現しているように私は思います。
『アイネクライネナハトムジーク』は2023年に編曲しました。原曲になるべく忠実でありながら、ところどころヴァリアント的に音を足し、室内管弦楽のイメージで華やかに仕上げました。第2楽章と第4楽章の終盤では短いオリジナルなモティーフを挿入しているので、ぜひ注目ください。
『牧神の午後への前奏曲』は、オーケストラの定番曲、沢山の楽器からなる音色をピアノ一台で表現するのはかなり難しいですが、けだるい真昼の眠りから覚めた牧神が葦笛を吹いたり、水浴するニンフたちを追いかけまわしたりする様子など、様々な情景や身体の動きが鮮やかに浮かび上がるような演奏を目指しています。
今回、新譜アルバムから多く取り上げましたが、唯一新譜には収録されてないのが、トレネの『パリの四月』です(2019年リリースの『France Romance』に収録)。
トレネは、私がパリ・コンセルヴァトワールの入学試験を受けにパリに滞在していた2001年2月に亡くなられたシャンソン歌手でした。テレビ報道を見て興味をそそられ買ったアルバムは、 その後のパリ留学生活を彩どるだけでなく、その後シャンソンを編曲するきっかけにもなりました。
今年トレネの没後25年ということもあり、この曲をまた弾きたいと思いました。
最後に弾く『シャンソン・メドレー』は2016年に作りましたので、10年の月日を経て念願のCD化となります。
前述のトレネ作品を含む、有名なシャンソン10曲を盛り込み、部分的に二つの歌を同時に奏でたりもします。
最後の『愛の賛歌』は、原曲では主題は転調しませんが、私は転調させリスト風に音を増やして華やかにしました。
実はフィギュアスケーターの鈴木明子さんの2013-14シーズンのショートプログラムを参考にしています。
そして2023年、伊藤みどりさんがこのシャンソンメドレーから抜粋を使用され(デイビッド・ウイルソン氏の振付)、ドイツの国際アダルト選手権に出られて優勝されました。
そのようなわけで、シャンソンだけでなくフィギュアスケートファンにも注目いただきたい楽曲ですね。
オリジナル楽曲がピアノでどのように響くか、編曲の魅力も味わっていただければ幸いです。
poco a poco & OTTAVA Club vol.1 福間洸太朗
『ピアノ・トランスクリプションの世界』

■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2667571
7月3日(金)TOKYO FM ホール
15:00開演/19:00開演(2回公演)
※ご来場のお客様に特製ポストカードをプレゼント
※各公演終了後、CDご購入でサイン会を開催
【プログラム】
J.S.バッハ=グノー:アヴェ・マリア(フレミンクス編曲)
シューマン:献呈(リスト編曲)
モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク K.525(福間洸太朗編曲)
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲(ボーウィック編曲)
ポンキエッリ:時の踊り〜歌劇「ラ・ジョコンダ」 第3幕より(フレミンクス編曲、福間洸太朗校訂)
トレネ:パリの四月(ワイセンベルク編曲)
福間洸太朗: シャンソン・メドレー
CD『ピアノ・トランスクリプションの世界』福間洸太朗
6月19日(金)リリース
https://naxos.jp/special/nycc-27316
文:宮本明

