【インタビュー / ココラシカ】“どこまでできるか”から“どう届けるか”へーー20歳になって変化したマインドと新曲「踊りまくっていいじゃないか!!!」制作秘話を語る
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ココラシカ
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すべて見るText:柴那典
ココラシカが新曲「踊りまくっていいじゃないか!!!」をリリースした。
新曲は「嫌なことがあってもとりあえず踊ってみようよ」というテーマのダンスナンバー。軽快なリズム、リスナーやオーディエンスを巻き込むパワーを持ったメロディが印象的だ。20歳となった彼らは、どんなことを見据えているのか。楽曲制作の裏側だけでなく、バンドがどう音楽活動に向き合っているかについても、話を聞いた。
── 新曲の話の前に、まずはライブの話を聞かせてください。対バンやサーキットイベントでの出演なども増え、お客さんを巻き込むステージングが巧みになっている感じがします。そのあたりはどうでしょう?
こうき この1年、ライブに限らず「お客さんをどう巻き込むか」というのはすごく意識するようになりました。これまでは、自分たちが何を感じて何を表現するかっていうところを大事にしていたんですけど、それこそ1月の成人式をコンセプトにしたワンマンライブ(『~乾杯~ココラシカ成人式ワンマンライブ』)を経て、大人になっていく中で、「どう伝えるか」というところを考えるようになった。そのタイミングから「もっといろいろ変わらなきゃいけないところがたくさんあるよね」って、この半年間ずっと話し合っていました。
らな 例えばコールアンドレスポンスの歌詞を作ってみたり、ノリやすいテンポ感の曲をライブのセットリストで増やしてみたりとか、そういう工夫をする中で、お客さんの反応も違ってきているなと思います。ステージから見るお客さんの表情も明るくなりましたし、ちゃんと会場と一体となって楽しめている感じが強いので。パフォーマンスにもどんどん磨きをかけて、お客さんにどう楽しい自分たちを見せて、お客さんにも楽しんでもらえるかっていうのを意識しています。
こた 僕は、ライブパフォーマンスもしかり、曲もしかりなんですけど、リスナーはやっぱり人としての熱量っていうところを一番重視している気がしていて。特にライブだとステージ上でパフォーマンスしている熱量を、お客さんたちが面と向かって受け取ってくれる。それをどう届けるかが僕たちの課題だったと思っていたんです。だから、いろいろ声を出したり、煽ったり、語りかけたりすることも増やしていて。僕としては、お客さんを引き込む上で一番大事だと思っているのは、引き込んで委ねるっていうことなんです。一度こちらの世界に引き込んでしまえば、あとは自分たちのペースで自由に音楽を鳴らしても、その世界に自然と没頭してもらえる。そこを作るっていうのを考えています。
──「成人式」がコンセプトのワンマンライブもありましたが、20歳という境目で何が変わったと思いますか?
らな やっぱり一番はマインドの部分ですね。自分のやりたいこと、自分の表現、自分ってどんな人なんだろうっていうところをまずは意識してやっていたのが10代までの自分の活動で。ここからは、自分という人間が少し分かった上で、それをどう周りに伝えて、どう見てもらえるかっていう、そこに意識がシフトしたというか。自分を見ていたところから、その見つけた自分を外に広めたいっていう、そっちに一番意識が変わったのが、私の一番大きい変化だったかなと思います。
こた それまで俺がずば抜けて熱量を出しちゃうと、僕だけ浮いてる感じが出ちゃうなっていうのは思っていたんですけど、ふたりのマインドが変わり始めてから、僕が好き勝手やっても浮かなくなったので。たとえば対バンイベントでも、そのイベントの中で俺が一番暴れるぞっていうくらい、ぐちゃぐちゃにステージをかき回して帰りたいなっていうマインドに変わったっていう感じですね。
こうき 僕は自分のエゴとして、「10代でどこまでできるんだろう?」っていうところが自分の中にあったんです。10代のうちの自分を表現したもの、サウンドを残すっていうことにすごい価値を感じていて。でも、20代になった瞬間に急に気持ちが変わった。実際、誕生日の日に時計を見て、「あ、今20歳になったんだ」って思ったんです。そこからは、自分の気持ち的にも、届けていくためにどうするかということを考えるようになった。それが「大人になっていく」っていうことなのかなって今は思っています。

── 新曲は、その意識が切り替わった後に作った感じですか?
こうき 僕とらなが11月生まれなんですけど、ちょうど去年の11月ぐらいから作り始めていました。
── これはどういうところから作っていったんですか?
こうき この曲はとにかく逆算で作っていて。「何が届くのか」っていうところを3人とかチームで話し合って。デモを作って、いろんなサウンドを試して、より届けるために、お客さんがつかめるところって何なんだろうっていうところをまず確認して。星野源さんとかOfficial髭男dismさんとか、いろんなJ-POPの曲を聴いたり、その要素を自分たちにどう当てはめていくかっていうのを考えていった感じですね。
らな 作っていく間は、曲の方向性にすごく悩んでいて。1、2週間ほど、3人で毎日スタジオに集まって、パソコンの前でいろんな曲を聴いて、「この曲のこういう要素が欲しいけど、それをココラシカに当てはめるとどうなるだろう」とか「どうして物足りないんだろう」とか、そういう話をやっていて。今までの制作の方法を変えて、チャレンジをしていた時期だったので。これでいいのかも悩みましたし、葛藤は大きかったです。
── どんな葛藤だったんですか?
こうき お客さんにとっての入り口を作らなきゃいけない、ココラシカってどういうバンドなのかを明確に提示しなければならないとなったときに、わかりやすさだったり、つかみやすさだったりっていうところを大事にしていくと、僕の中では今までと少し違ってくるところも出てきて。本当にこれでいいのかなっていう葛藤はありました。今振り返ると、それはサウンド的などうこうというよりも、自分のプライド的なところもあったのかなと思います。最後の最後まで悩みましたね。レコーディングが終わるまで悩んでいて、ミックスが終わって、やっと「いけるかも」っていうふうに思えたっていう。
── この曲は「踊りまくっていいじゃないか!!!」というタイトルです。ココラシカには「恋よ、踊り出せ」と「手のひらで踊らせて」っていう代表曲がある。つまり「踊る」という言葉をタイトルにつけるということも含めて、ある種、自分たちのキラーチューンになるべき曲を狙ったということはあったんじゃないかと思うんです。まず曲名についてはどうでしょうか?
こうき それこそ流れてきただけでインパクトがあるようなタイトルにしたいなと思っていて。ビックリマークがあるかないかでも、YouTubeとかで流れてきただけでもだいぶ違うかなと思っていて。
こた タイトルの「踊りまくっていいじゃないか!!!」で、半角のビックリマークが3つついているんですけど、そこも気になっちゃうんじゃないかというイメージでしたね。
── この曲のポイントはサビのメロディにあると思うんです。「弾け出す」と「このメロディ」の後に休符がある。そこがハンドクラップを誘発する休符になっている感じがするんです。つまり、メロディの時点でライブでのお客さんのリアクションをイメージする意識はあったのではないかと。
こうき そうですね。たしかスタジオでみんなで集まっているときに「このメロディどうかな」って話したんですけれど、その時点で「クラップ入れるのどう?」みたいな話にもなっていました。
らな 聴いた人が一緒にサビを口ずさめるような曲にしたいっていうのは思っていたので、そういう意味でもクラップとか、サビが覚えやすくて、口ずさみやすいメロディだったりとか、そういうのはすごく意識しながら作りました。
── 曲調についてはどうでしょうか。どんなイメージがありましたか?
こうき メロディは最後に決まったんです。逆算して書いていったので、まずどんなサウンド感がいいか、いろんなパターンを試して。16ビートのファンクさより、跳ね感があるようなリズムがいいよねって。コード進行も、ポップで明るく聴こえるものにしようという判断をしていって。
── ディスコのアレンジをギターレスの3ピースでやるというアレンジについてはどうですか?
こうき これぐらいのテンポ感の四つ打ちのビートだと、EDMっぽいサウンド感が浮かびやすいなと思うんですけど、もっと気軽に聴いてほしかったというか、よりアコースティックなニュアンスは残したかったのと、3ピースであることの意味みたいなのはやっぱり大事にしたいなと思ったので。ピアノの軽快さと、ボトムの面積の大きさを活かした構成が一番僕ららしいし、ちゃんと次のステップとして受け入れてもらいやすいんじゃないかなっていうので、こういうアレンジになりましたね。
── ドラムとベースが曲のいろんなところで自己主張しているというのは「ココラシカらしさ」だなと感じたんですけれど。その辺はどうですか?
らな 自分たちはギターがいない編成というのもあるし、メンバーの3分の2がボトムなので、グルーヴ感はちゃんと大事にしていきたいというコンセプトがあって。ベースとドラムがちゃんと耳につく音を散りばめることで、ちゃんと引っかかりが作れるんじゃないかという。そういう計算のもと、それぞれが目立つパートっていうのを意識して作っていったっていう感じです。

こた ドラムのサウンドで引っかかりを作りたいっていうのは、前の曲からいろいろ試してやっているんですけど。このリズムが気持ちいいよねっていうのは、自分の感覚なりに解釈して、パーカッション的に入れていきたいなっていうのは思っています。僕の中でパーカッショニストって、すごい自由なイメージがあって。引き出しが多くて、邪魔にならないけど、いないと物足りないというか。そういう存在感のドラムを叩きたいっていう気持ちはあります。
── 歌詞に関してはどうでしょうか。ポップなものを作ろうという狙いがあった上で、そのとっかかりになったのはどういうところでしたか?
こうき やっぱりそこまで重たく聞かせないような歌詞にはしたくて。曲調的にも軽々と進んでいくというか、次々と展開があって、ステップを踏んでいるように曲が進行してくるっていう感じがあったので。ちゃんと自分の中のメッセージを込めたいけど、ちょっとユーモアがあるぐらいの歌詞がいいかなと思って。こういう曲調で、日々のモヤモヤを晴らしてくれるような曲にしようと思って、書いていきました。
── こうきさんなりに、このフレーズが曲のキーポイントになったという感覚がありますか?
こうき 僕の中では、ラスサビの「君は君って切り分けて オリジナルなステップ踏んで」っていうところが、この曲で一番伝えたいポイントにはなっていて。日常にはモヤモヤすることもあるし、誰かに笑われたり、自分が良くないことしちゃったりとかもいろいろあるけど、それぞれがそれぞれで。自分のことを笑ってきた人にもいろんな大変なことがあって、自分も自分でいろいろ抱えている中で、それぞれがひとつになろうとするんじゃなくて、それぞれの中で踊りを楽しんでいるというか。その中で関わりがあったり、関わりがなかったりっていうのが、いろんな人の輪の中であったらいいなっていうのが、この2行にこもっている思いですね。
── 単にモヤモヤしているとか、嫌なことがあるだけじゃなくて、それってどういうものなんだろう、みたいなことを掘り下げているようなところもある。
こうき そうですね。やっぱり最終的には人と人な気がしているので。その中で、やっぱり同じになりきらなくてもいいっていうところが、この曲の一番のメッセージというか。あともうひとつ、この曲のメッセージというか、根本的にあるところとして、このモヤモヤができた瞬間というか、めっちゃ落ち込むか、まあいっかってなるかの瀬戸際のときに、「まあいっか」って思える手助けをできる曲になったらいいなっていうのをすごい思っていて。だからこそ、歌詞の表現もあんまり重くしすぎずにポップにしたというか。2番のサビの「私を笑ったあの人も 踊っちゃえばいいのに」もそういうところがあって。こういう軽快なビートの曲だからこそ、そういう歌詞にすることで、伝わっていった先にみんなの幸せがあるんじゃないかなっていうのを思っています。
── バンドの今の状況についての話も聞かせてください。同世代の仲間とか、同じ感覚やセンスを持っているバンドとか、そういうつながりって増えてきたりはしましたか?
こうき 正直なことを言うと、頑張って増やそうとしているっていう段階で。同世代ではなくても、やっぱりこの若手のつながりっていうのを、僕もすごい大事にしていきたいなというか。チーム3人とかでも、そこをどんどん広げていきたいなっていう気持ちはあって。個人的に声をかけたりとか、「ご飯行きましょう」って言ったりとか、そういうことは少しずつ心がけるようにしてきましたね、最近は。
こた それこそ、20歳になったっていうのもあるので。お酒が飲めるようになって、ようやく年上の人と付き合えるようになったっていうのはありますね。音楽をやっている人って結局みんな人がいいなって思う機会はめちゃ増えましたね。

── このインタビューをしている段階ではまだ開催前ですが、自主企画イベントの「ココラシカ presents『POP STEP DANCING』」は、BLACK BERRY TIMESとやさしいみらいを招いての対バンライブでした。この2組に声をかけたのは?
こうき 3人で話し合って声をかけました。
── BLACK BERRY TIMES、やさしいみらいの魅力はどんなところに感じましたか?
こた 僕がBLACK BERRY TIMESとやさしいみらいを知ったのがInstagramのリールとかYouTubeショートだったんですけど、第一に、どちらも人を引き込む力がすごく強いバンドだと思っていて。InstagramのリールにおいてもYouTubeショートにおいても、ああいうショート動画系って、人を引き込む力がなければ意味をなさないと思うんですよ。そういう意味で、僕が引き込まれたってことは、僕に似た感性の人間はきっとみんな引き込まれると思うし。曲としても、動画もすごく参考にもなるし、ライブを見たら絶対勉強になるなっていうのはイメージしていて。それで声をかけて出てくれて、めちゃめちゃうれしいです。
こうき 僕としては、どちらもバンドとしてのカラーがしっかりしてるっていう印象がすごいあって。ポップで踊れるっていうくくりの中でも、サウンド的に「この人たちってこういうバンドだよね」っていう軸がしっかりあるバンドだなと思っていて。だから、今回の自主企画も、僕らが目指そうとしている場所を提示できる場になるんじゃないかと思います。
らな 最初に「POP STEP DANCING」という自主企画のテーマというか、これから自分たちが目指す方向を示すようなライブにしたいっていうのが先に決まっていて。その中で、これからのシーンを作っていく予感がするというか、これからのシーンに新しい風を吹かせそうな予感がする人たちで。それが魅力的だし、自分たちもそこに入っていきたいっていう思いで選びました。
── 今のライブハウスのシーンの中での自分たちということで、思うこととか感じることって増えたんじゃないかと思うんですけど、どうですか?
こうき 最近は、自分たちみたいな人って意外とそんなにいないかもなっていうのを思ったりするようになりました。でも、他のバンドも同じバンドっていないよなと思って。サーキットイベントに出ても、この人たちとこの人たちはちょっと近いよねっていうのはあっても、いろんなシーンが混ざっている状況で。そういうのは面白いなと思います。
らな やっぱり自分たちが20歳になって、そういう意識が外側に向いたからこそ、バンドを見る目も変わったというか。このバンドは何を伝えたくてこういうサウンドにしているのかとか、やっぱりちゃんとお客さんに人気があって盛り上がるライブをやっているバンドって、「このバンドってこういうバンドなんだ」っていう芯がすごくわかりやすくて。自分たちも芯を貫いて、ココラシカっていうバンドの色をサウンドとして示すっていうことが重要なんじゃないかなっていうのを思います。
<リリース情報>
「踊りまくっていいじゃないか!!!」
7月1日(水) 配信リリース
配信リンク:https://cocolashika.lnk.to/Danceitoff

ココラシカ「踊りまくっていいじゃないか!!!」Official Music Video
<公演情報>
ココラシカ presents『POP STEP DANCING vol.2』
9月13日(日) 東京・下北沢近道
開場 18:30 / 開演 19:00
出演:ココラシカ / and more…
※追加詳細情報は後日発表
ココラシカ オフィシャルサイト
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