森愁斗&西山智樹「友達は絶対になくせない」――ホラー初挑戦の二人が明かす舞台裏と、互いの魅力
映画
インタビュー
(撮影/鬼澤礼門)
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口には出さないだけで、心の内にいろんな感情が渦巻いているのが人間というもの。特に、友達ならなおのことだ。相手のことを見下したり嫉妬したり、つい攻撃本能が駆り立てられたり。友情という木には、決して口に含んではいけない毒の実がなっている。
映画『口に関するアンケート』に登場する堀田と川瀬も、そんな危うい関係にある。友達のように行動を共にしながら、堀田は川瀬を子分のように扱い、川瀬もまた人には言えない本心を秘めている。二人で連れ立って出かけたのは、心霊スポットとして有名な呪いの木。そこで二人は口にするのも恐ろしい出来事に巻き込まれていく。
堀田を演じたのは、森愁斗(BUDDiiS)。川瀬を演じたのは、西山智樹(TAGRIGHT)。ホラー映画初挑戦の二人のホラー耐性ははたして……?
撮影現場って、こんなにアブノーマルなんだって思いました(笑)

――お二人は今回が初共演。初めて顔を合わせたのは本読みのときだそうですが、出会いについて振り返っていただけますか。
西山 もともと愁斗さんのことは知っていて、活動も拝見していたんですね。だから、「あ、本物だ」って。僕が芸能界に入りたてということもあって、めっちゃ素人っぽい答えですけど、「芸能人と仕事するんだ〜」って思いました(笑)。
森 そんな感じだったの? 西山くんは今回が初めてのお芝居ということで、不安でいっぱいなんだろうなという雰囲気は見ていてめっちゃ伝わってきたんですけど。僕自身も人見知りなので、自分から話しかけるみたいなことはなかなかできなかったですね。
――どのあたりから距離が縮まったのでしょう。
森 撮影が始まって、徐々にだよね。
西山 だと思います。
森 撮ってると、みんなで話し合いながらつくっていく時間が増えるので、「ここはこうしたいね」みたいな小さな話題から自然と会話も増えていったというか。
西山 特に墓地のシーンは、撮影の1週間前に現地でリハーサルをやって。そこで「ここでこういうアドリブを入れてみようか」みたいな相談をしているうちに、本当に愁斗さんとお芝居をさせてもらうんだなという実感が湧いてきました。

――西山さんは演技自体が初挑戦ということで、新鮮なことも多かったのではないでしょうか。
西山 まずドライ(カメラをまわさずにそのシーンの最初から最後までを通すリハーサルのこと)というものがあることもまったく知らずに現場に入って。シーンによってはすごい狭い空間でお芝居をするんですよ。スタッフの方々とも至近距離って感じで。撮影現場って、こんなにアブノーマルなんだって思いました(笑)。
森 アブノーマル?(笑)
西山 なんか非日常的すぎて……(笑)。今までお茶の間で楽しんで観てきたドラマや映画は、こういう環境でつくられていたんだって衝撃を受けました。
森 今の話を聞いて、僕も初めての現場をちょっと振り返っていたんですけど、確かに知らないことだらけでしたね。しかも今回はホラーじゃないですか。他のジャンルと比べても、ちょっと特殊だと思うんですよ。その中で初演技というのがすごいなと思ったし、僕も初ホラーなので、そこはあんまり大差がない気がしました。
西山 あ、でも、アドリブのシーンとか、きっかけがないと僕はまだ何も自分からは生み出せなくて。そういときに役柄の関係性もあって愁斗さんからよくアドリブのセリフで「なんか言えよ」みたいな、僕がリアクションをしやすいパスを出してくれたんですよ。そうやって道筋を立ててもらえたことがめちゃくちゃありがたかったです。
森 そこはもう役のキャラクターがあってですね。自分が引っ張ろうみたいな意識はそこまでなくて。堀田と川瀬の関係性のおかげで、自然とそういう構図になったのかなと思います。
西山 監督から「二人はいじめっ子といじめられっ子という構図なんだよね」という話をいただいて。確かに主従関係にはあるんですけど、台本の中でも堀田の見ていないところで川瀬がニヤリと笑うみたいなト書きがあったりして。川瀬の中で、堀田のことを同等か、なんならちょっと馬鹿にしている自分というのが内在しているんです。そういう主従関係を壊したいと思っている部分をうまく出せたらというのは意識していました。
森 結構複雑なんですよね、この二人って。本当に堀田がすごいヤンチャなキャラなら、別に川瀬と一緒にいる必要はないんですよ。でも、川瀬を選んでいるっていうことは、実は堀田も川瀬しかいないんじゃないかって。上下関係はあるけど、堀田が強すぎない、絶妙なところを狙っていきたいよねという話は監督ともよくしていました。
西山くんは、わからないなりに努力ができる人

――お芝居で見せ場となるのが、独白のシーンです。相手がいないお芝居ってめちゃくちゃ難しいと思うのですが、やってみていかがでしたか。
森 難しかったです。まずあの独白のシーンがクランクインだったんですよ。自分の身に起きたことを振り返るという内容なんですけど、まだ撮影も何もしていないから、そのときどういう感情だったかが今いちわからなくて。リハーサルでやったことを思い出しながら、想像で感情をつなげていくしかなかった。僕は人と合わせたほうが感情を出しやすいタイプなので、余計に大変でした。
西山 そこは完全に逆ですね。僕は人がいたほうが難しくて。たぶんそれは演技の経験がないからだと思うんですけど。
森 そうなんだ! 僕は涙を流すシーンとかも、人と目を合わせて、相手から来るものをキャッチしながら感情を膨らませるという方法で今までやってきたから、カメラの前で自分オンリーで感情をつくらないといけないのは、結構難しかったなあ。
西山 僕の中で独白のシーンはダンスや歌に通ずる部分があるというか。カメラに向かって表情をつくるのに近い気がして、すごい振り切ってやれたんですよ。ただ真っ暗で音もない異質な空間でずっとお芝居をしていたので、演じながら途中でちょっと変な感情になりました(笑)。
――今回の共演を経て、改めてお互いの人柄についてどんな印象を抱きましたか。
森 すごい真面目なんだろうなって。わからないことがあると、意欲的に「こうしたほうがいいんですか」と周りに聞いていて。ちゃんとわからないなりに努力ができる人なんだなって思いました。
西山 自分だけで考えても答えは出ないとわかってることに悶々としたり、やり過ごすのだけはやめたいなと思っていて。だから、「うるせえよ」と言われたらやめようというマインドで一旦なんでも聞いたりチャレンジすることは大切にしていました。僕から見た愁斗さんはクールで優しい。あと、僕にはない色気がありません?
森 そう?(笑)
西山 演技をしているときとか、普段の感じもそうだし。BUDDiiSのライブを観させていただいたんですけど、そのときのパフォーマンスも、僕のほうが年上なのに、すごい色気があっていいなあって。
森 どうなんだろう……。あんまり自認はしてないですけど。
西山 勝手に出ちゃってるんですね(笑)。
森 グループにいるときは、すごいうるさい子どもみたいな感じなんですよ。もう色気ゼロです。ただ、こういう個人仕事のときは落ち着いちゃうんですよね。それでちょっと大人っぽく見えるのかもしれない。
お化け屋敷も事故物件も絶対に無理です!

――ここからは『口に関するアンケート』というタイトルにちなんで、お二人にさまざまなアンケートを出題していきたいと思います。まずはお二人のホラー耐性についてですが、幽霊って信じますか。
森 僕は見えたことがないんで、見えたら信じます。
西山 僕もそういうタイプだったんです。でも、今回の映画で信じるようになりました。
森 あ、そういえばあったね。
西山 そうなんです。墓地のシーンのあとに、急に首が痛くなって。
森 しかも僕もなんです。二人とも同じタイミングで首が痛くなって。
西山 脳に異常があったらどうしようと思って、MRIまで撮りに行ったんですよ。けど、何も異常が見当たらなくて。これは取り憑かれているなと思って、すぐ神社にお参りに行きました。
――じゃあ、映画みたいに肝試しに行こうと誘われたら行きますか。
森 迷いどころですね。信じてないとは言いつつも、映画みたいなことが自分の身に起きたくはないじゃないですか。なので、行かないかもしれないです。
西山 僕は絶対行かないです。怖いのが苦手で、ホラー映画も観たことないんですよ。肝試しというか、普通にお化け屋敷も無理です。
森 僕、お化け屋敷は大丈夫です。つくりものなんで。
西山 えー! 先に聞いておけば、僕もカッコつけて大丈夫って言ったのに(笑)。
森 (笑)。心霊スポットとか、そういうのは苦手なんです。実際に何かがあった場所とかは、怨念的なものがいる気がして。
西山 富士急ハイランドに「戦慄迷宮」というお化け屋敷があって。高校時代に同級生に「チケット代払うから」って言われて渋々入ったんですけど、最初のデモンストレーションの映像を見るとこで僕はリタイアしました(笑)。
――事故物件はどうですか。アリですか。ナシですか。
森 住みたくないです。
西山 絶対に無理です。あえて住む必要がない。
――家賃が安いというメリットがあります。
森 いや〜、興味はあるんですけど、ちょっと嫌ですね。
西山 家賃だけの話なら、もうちょっと地方に行って安いところに住みます(笑)。
人から褒められると、めっちゃ疑います

――川瀬にとっての堀田のような、友達なんだけど自分のことを馬鹿にしたり雑に扱ってくる人っているじゃないですか。お二人はそういう相手でも渋々付き合いますか。きっぱり距離を置きますか。
森 僕の周りにそういう人がいないから、あんまりイメージができないんですよね。でも仮にいたとしても、僕自身が明確に壁をつくるタイプじゃないので。遊びの誘いが来ても、そ〜っと断ったりして、ゆっくりフェードアウトしていく気がします。
西山 僕はきっぱり距離を置きます。渋々はあんまりないかも。
――映画は、口に関することが発端になっています。口がうまいなんて言葉もありますが、お二人は心にもないお世辞を言えるタイプですか。
森 心にもないのは言えないかもしれない……。
西山 僕も言えないタイプなんですけど、最近、(TAGRIGHTの)メンバーの誰かがギャグでおスベりをしたときに「素晴らしい」と言うのが口癖になっていて。それは心にもないお世辞のような気がします(笑)。
森 そんな口癖になるくらい、結構スベってるんだ(笑)。
西山 はい。結構な頻度で(笑)。
――逆にご自身が褒められたときはどうですか。素直にうれしいと受け取れますか。それとも、ちょっと疑ってしまいますか。
森 めっちゃ疑います。
西山 えー!
森 あんまり素直に受け取れないんですよ。うれしいですけど、自分がそう思えてないときもあるので。
西山 あ〜、なるほど。
森 自分のお仕事に対して「よかったよ」と言ってもらっても、自分が満足いってないと、「いや、俺は満足いってないんだよな……」っていろいろ考えちゃうタイプです。
西山 似てる気がします。僕も自分軸でどうだったかの判断になるので。ただ、褒められたらうれしいです。そこは評価軸とはちょっと別かも。
――こういう撮影のときに、ギャラリーから「カッコいい」って声が上がるのはどうですか。
森 ……ありがたいですね。
――そんなにうれしくなさそうですね(笑)。
森 そこも自分にそんなに自信がないからだと思います。「カッコいいんかな?」と思いつつ、そう言ってもらえるなら、ありがたいなという気持ちですね。
西山 めっちゃわかります。僕は「カッコいい」って言われると、ついモニターが気になっちゃうんですよね。
森 わかるわかる。
――では次のアンケートです。たとえば仕事の連絡事項とかでマネージャーさんから「言ったよね?」と言われたけど、絶対に聞いた覚えがないとき、ちゃんと「聞いてません」と言えますか。
森 僕はもう素直に謝ります。実際、話を聞いてないときが多いので(笑)。考えごとをしてるときとか、結構抜けちゃうんですよ。「聞いてません」って言えるほど自分を信用していない(笑)。
西山 僕は日頃からマネージャーさんには大変お世話になってるので……。
森 すごいマネージャーさんの顔色を窺ってる(笑)。
西山 「聞いてません」なんて失礼な態度をとったことは一度もないです(笑)。
森 (西山さんのマネージャーさんを見て)首傾げてますよ(笑)。
――じゃあ、たとえば監督が「あの映画がさ〜」と観たことない映画について話しはじめたらどうしますか。知ったかぶりをしますか。
森 絶対しないです。
西山 僕も知ったかぶりは厳しいかもしれないです。動揺してるのがすぐバレちゃう(笑)。
森 僕は役者を始めるまでドラマとか映画を本当に観てこなくて。オーディションで「好きな作品はありますか」と聞かれたときも、正直に「全然観たことがないんです」と言うようにしていました。今はいろいろ観るようになりましたけど、それでも量で言えば全然。知ったかぶるほどの手札もないです(笑)。
友達は大切な存在。絶対なくせないです

――せっかくなので、恋愛観にまつわるアンケートもさせてください。誰にでも優しい人と、他の人には冷たいけど自分にだけ優しい人。付き合うなら、どっちがいいですか。
森 誰に対しても優しい人がいいです。
西山 同じです。人を選ぶのが好きじゃなくて。
森 欲張りを言うと、みんなに優しい上で自分にもっと優しければいいです。
西山 これが一番正解だわ〜!
森 自分の好きな人が、人として嫌われてほしくないというか。別に見られ方を気にするわけじゃないですけど、せっかくならみんなから「いい子だよね」と言ってもらえるほうがいいんじゃないかなって。
――俺だけがこの子の良さがわかってるんだ、みたいな喜びを感じないということですね。
森 感じないですね。自分だけわかってても、周りに嫌われてたら嫌じゃないですか。
――他の人に優しくしててもモヤモヤしない?
西山 しないです。僕はそもそも嫉妬しないんですよね。ちゃんとボーダーラインを守っていれば、異性と仲良くしていても全然オッケーです。
――では最後のアンケートです。一生恋人ができない人生と、一生友達ができない人生。どちらかしか選べないとしたら、どちらを選びますか。
西山 えー! どっちだろう。
森 むずいな、これ……。
西山 僕は一生恋人ができない人生ですね。やっぱり友達がいたほうがいいかなって。あと本音を言うと、僕、マジで一人で暮らせるタイプなんです(笑)。ただ、それだとあまりにも排他的すぎるので。どちらかを選ぶなら、気楽に付き合える友達を選びます。
森 僕も一生友達ができないのは無理かも。それって、今いる友達もいなくなるってことじゃないですか。それは考えられない。友達とくだらない話をしているだけで元気が出るし、みんなも頑張ってるから僕も頑張ろうという気持ちになれる。僕にとって友達は大切な存在。絶対なくせないです。


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<作品情報>
映画『口に関するアンケート』
公開日:2026年7月3日(金)

監督:清水崇
出演:垣李光人/綱啓永、吉川愛、MOMONA(ME:I)、森愁斗(BUDDiiS)、西山智樹(TAGRIGHT)、柄本時生、中村獅童
原作:「口に関するアンケート」(著者・背筋/ポプラ社刊)
配給:ワーナー・ブラザース映画
© 2026 映画「口に関するアンケート」製作委員会
撮影/鬼澤礼門、取材・文/横川良明
ヘアメイク/森さん:KANANE(PUNCH)、西山さん:中山伸二
スタイリング/森さん:井上亮(PUNCH)、西山さん:三島和也(tatanca)、
〈衣装協力〉
森さん:CULLNI
〈問い合わせ先〉
CULLNI FLAGSHIP STORE
03-6416-1056
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