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ギターウルフ・ano・永野出演『K. and his RADIO Vol.2』主催・金子司が語る「ラジオと音楽とライブと」【オフィシャルレポート】

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ニッポン放送『オールナイトニッポン』など数々のラジオ番組を手掛けてきたミックスゾーン所属のラジオディレクター・金子司が手掛けるライブイベント『K. and his RADIO』。本イベントは昨年11月に第1回が実施され、ハンブレッダーズ、秀吉、囲碁将棋によるユニークな対バンが話題を呼んだ。そして、それに続く形で2026年9月30日(水)に開催されるのが『K. and his RADIO Vol.2 ~爆音のヒーロー達 かっ飛びの夜空!!~』である。第2回にしていきなり副題がつき、しかもそれが超絶「かっ飛んだ」タイトルだ。しかしギターウルフ・ano・永野の3マンライブと聞けば、誰もが「このワードしかない」と頷くことだろう。ユニークな対バンイベントを志して興されたというより、金子司がラジオを通して出会ってきた人間を数珠繋ぎすることで、結果的にジャンルやシーンを越境してしまった本イベント。そこに宿した意志は当然のこと、ラジオディレクターとしてライブイベントを開催するに至った経緯、音楽愛とラジオ観の接着点、生業の背骨になっている想いまでを語ってもらった。

── 昨年の11月に自主イベント『K. and his RADIO Vol.1』(ハンブレッダーズ、秀吉、囲碁将棋が出演)を開催されましたが、続いて9月30日に『K. and his RADIO Vol.2 ~爆音のヒーロー達 かっ飛びの夜空!!~』が行われます。金子さんはニッポン放送で『Creepy Nutsのオールナイトニッポン」、『あののオールナイトニッポン0(ZERO)」、『SUPER BEAVER 渋谷龍太のオールナイトニッポン0(ZERO)』などを手がけたラジオマンでいらっしゃいますが、the band apartの名曲とご自身のイニシャルをかけたタイトルからもわかる通り、ラジオマンである以上にひとりのミュージック・ラヴァーとして主催しているイベントだと受け取っています。その辺りも含めて、ご自身がこのイベントに込めているものを教えてもらえますか。

金子 まさにそうで、ただただ音楽とライブが好きな、いち人間として主催しているイベントです。なので、イベントタイトルを考える時に『RADIO』という言葉を入れるかどうか迷ったんですよ。まあ最終的にはバンアパの曲名にかけたシャレとして伝わるだろうと思って『RADIO』を入れたんですけど、それによって、お客さんにトークイベントだと受け取られたこともありました(笑)

── はははははは。

金子 これってラジオの公開収録? みたいな(笑)。そう受け取られたこと以外は、すご── く気に入っているイベントタイトルですね。イベントにトークパートを入れたほうがいいのかな?って考えたこともあったんですけど、「いや違う」と。ラジオによって繋がった縁を用いたブッキングではありつつ、あくまでライブイベントをやりたいなと思い直しました。

── 金子さんは『オールナイトニッポン』のチーフディレクターも経てこられましたが、そもそもラジオマンになったことと音楽ラヴァーであることは、どういうふうに繋がって今に至っている感じなんですか。

金子 元々、学生時代に音楽を知るためにJ-WAVEを聴いているような人間だったので、僕の中で音楽とラジオはニアリーイコールな関係なんです。だから「音楽が好きだからラジオの仕事をしたい」というのは僕にとって凄く自然なことだったし、ラジオに音楽を教えてもらった人間として、「ラジオを通して音楽を知ってもらいたい」というのが大きなモチベーションになっていました。でもラジオマンとして何年も働いてきた今は、「ラジオによって音楽を知らせる」というより、ラジオはその人そのもの、音楽もその人そのものだっていうふうに捉え方が変わってきたというか。音楽もラジオも、それぞれ独立した人間の表現だと思うようになったと言えばいいですかね。「ラジオを入り口にして音楽を知って欲しい」というよりも、「入口は何でもいいから、その人を好きになって欲しい」という考え方に変わりました。

── 金子さんがラジオマンとしてのキャリアをスタートさせたのはFM GUNMA、入社が2011年ですよね。当時、ご自身と音楽の距離感はどんな感じだったんですか。

金子 当時のことで思い出すのは……2011年の3月からFM GUNMAの研修があって、外回りをしている時に東日本大震災が起こったんです。群馬だからそこまで大きな被害はなかったんですけど、やっぱりラジオから流れてくるのは人を癒したり勇気づけたりする音楽が多くて。その音楽を聴いて奮い立っている人を間近に見ることもあったし、改めて、ラジオから流れる音楽の力を実感したんですよ。で、その後に群馬でNEW ACOUSTIC CAMPを実施しているTOSHI-LOWさん(BRAHMAN/OAU/the LOW-ATUS)に出会ったり、群馬を背負って活動し続けているG-FREAK FACTORYと一緒にお仕事をした経験が凄く大きくて。ラジオも音楽も、結局は人なんだと。そういう実感がどんどん湧いていったんですよね。じゃあその人間をラジオのしゃべりで知って欲しいし、その人の音楽をラジオで知って欲しいと思うようになった。僕が伝えたいと思ってきたものは人だったんだと、だんだんと気づいていく感覚がありました。

── ラジオを扉にして音楽を吸収していた側から、ラジオと音楽の根っこにある人間を伝える側になっていった。

金子 そうですね。現在はミックスゾーンという制作会社でニッポン放送の『サンドウィッチマン ザ・ラジオショー サタデー』や『ナイツ ザ・ラジオショー』といったお笑い芸人がパーソナリティを務めるラジオも担当しているんですけど、それも、言ってみれば自分が予想もしていなかったところに辿り着いているわけですよ。もちろん今も根本は「音楽アーティストのラジオをやりたい」という気持ちなんですが、アーティストであれお笑い芸人さんであれ、結局はラジオでしゃべっている人間を伝えたいと思っているから、お笑いを通じて芸人さんの生き様にどんどんハマっていって。もうねえ、音楽アーティストも頭がキレキレですけど、お笑い芸人さんも違う意味で頭がキレまくっているので(笑)

── それぞれ、どんなキレのよさなのかを教えてもらっていいですか(笑)。

金子 芸人さんのラジオ観と音楽アーティストのラジオ観、みたいな話になるんですけど、芸人さんのラジオは本当に地肩勝負なんですよ。それをロックバンドにたとえるなら、ロックバンドがライブハウスのステージに立っているのと、芸人さんがラジオで話しているのはかなり近いところがあると思います。要は、音だけで勝負する姿と、しゃべりだけで勝負する姿に近いものを感じるというか。だって、2時間以上をドンと渡されて「自由に面白いことをしゃべってください」と言われて、本当に面白いことを2時間しゃべってくれるわけですから。それって、2時間だけの勝負ではないじゃないですか。月曜日から木曜日の帯でやっているナイツさんで言ったら、2時間半通して面白くするために毎日「今日あったことを面白く話すには」っていう脳を働かせて、次の日のトークに昇華している。『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』(2005年7月〜2008年12月まで放送)で有田(哲平)さんがやっていたみたいに完全に嘘のトークだけで膨らませるパターンもあるし、『オードリーのオールナイトニッポン』みたいに面白いトークのために1週間でいろいろ経験をしてくる場合もあるだろうし、トークへの昇華の仕方にもいろんな形があるとは思うんですけど。そうやって自分の経験を活かしつつしゃべりだけで番組を成立させてしまう力には、アーティストが日々曲を作ってライブを繰り返しているのに近いパワーを感じますね。かたやミュージシャンの場合は、「こういう話をする人がこの曲をかけるんだ」と知ることで、曲の殺傷能力が100倍になるーーみたいなことがあるじゃないですか。

── 人間性と音楽性が直結することで、曲の説得力が増すというか。

金子 そうそう。このトークの後にこの曲がかかるんだ!とか、リアルタイムで動く感情に伴って、かける曲の刺さり方が変わっていくこともあるし。そういう部分に重きを置いているのが、音楽アーティストのラジオですね。たとえばCreepy Nutsがその時かけたい曲をかけているのもそうだし、あのちゃんが最近ハマっている曲をかけるのもそうだし、渋谷龍太(SUPER BEAVER)さんがお悩み相談に答えた後に何をかけるのかっていうのもそうだし。そのセレクトに人間性や感情が表れると思いますし、その人間性にアーティストとしての説得力が生まれる。それもまた「人」の部分ですよね。回路こそ違えど、お笑いのラジオもアーティストのラジオも、最終的に人の部分が伝わるのは一緒だと思っています。やっぱりどこまでいっても人の部分を伝えるのがラジオなんだろうなっていう気がしますね。

── 音楽の扉である以上に、人間交差点としてラジオを捉えるようになってきたんですね。

金子 まさにそうです。ラジオ業界で15年働いて、そのことがわかってきた感じかもしれない。振り返ると……音楽アーティストのラジオを作りたいと思ってFM GUNMAに入って、ディレクターとして初めてアーティストとご一緒したのはLACCO TOWERだったんですよ。5人で15分しゃべる番組。15分だって言ってるのに30分もしゃべるので、よく編集で頭を抱えてました。そこで編集能力が爆上がりしたと思うんですけど(笑)。しかも当時はLACCO TOWERがメジャーデビューしたタイミングだったから、LACCO TOWERの曲をしっかりかけたいわけですよ。なのにしゃべり過ぎちゃったがゆえ、メジャーデビュー曲がBGMでしかかけられなくて(笑)。

── ははははははは。

金子 だけどLACCOのみんなは本当にいい人で、「別にいいよ、面白いじゃん!」って言ってくれてーーそうだな、その辺りからすでに「人そのものが大事なんだ」「この人柄を伝えたい」って思ってたのかもしれない。ありきたりかもしれないけど、ライブで見る姿のその奥、ステージでは見られないアーティストの人間性を伝えたいと思うようになったんでしょうね。

── ここまで話していただいたことを考えると、音楽を知ってもらうにしろ、ラジオを通してしゃべり手の人間性を伝えるにしろ、そこにメッセージを込めて場所作りをしている方だと感じるんですよね。

金子 僕がご一緒してきたSUPER BEAVER渋谷龍太さん、Creepy Nuts、あのちゃん、Adoさん、全員そうですけど、みんなステージではバリバリにカッコいいわけですよ。だからこそ、ラジオではカッコつけないで欲しいと思っていて。で、そういう姿こそが結果的にメッセージになると思うんですよね。たとえばあのちゃんは生きるのに苦労してきたこともバンバン言うし、Creepy NutsのR-指定さんやAdoさんも全然生活が上手にできないことを話すし、渋谷さんは「そこまで気を回さなくていいよ」っていうくらいいろんなものにツッコんでくれるし……そんな姿、絶対にステージでは見せない顔じゃないですか。だから「ラジオはアーティストのB面を見せる場所だ」という話もよく聞くんですけど、ラジオの姿が単純にB面=裏側なのかと言ったらそんなことはないと思っていて。ステージ上のA面と素のB面にもクロスしている部分がたくさんあるんですよね。そこを接着しているのがラジオのオンエアなのかもしれないし、A面とB面が接着した瞬間に音楽表現の説得力が増すのかもしれない。Creepy Nutsのラジオではあまり自分達の音楽活動の話はしなかったですけど、だからこそ「武道館をやった後くらいは、時間を気にせずライブの話をしましょうよ。カッコいいラジオをやってもいいじゃないですか」っていうことをやっても面白かったわけですよ。あのちゃんと粗品さんが対バンした後にそのまま粗品さんをゲストに呼んだ時は、ふたりとも音楽の話をしましょうよって言って。最終的にはふたりとも泣いてしまうっていう(笑)。

── あれは本当に素晴らしい放送でしたね。人生懸けているものを存分に語り合うと、こんなに感動するんだなって。

金子 だから、あんまり打算的にはやってないかもしれないですね。どこまでいっても人だと思うからこそ、その人が滲み出る瞬間を見たいと思い続けています。

── その「人間の部分」を見せることに付随して伺います。金子さんがFM GUNMAから転職されて『オールナイトニッポン』を手がけるようになったのが2017年ですよね。2010年代に入ってから、アーティストに対しても潔癖性を求める向きが強くなっていったと思うんです。それは世相的なものもあるし、フェスが世間的に台頭したこともあるし、SNSをはじめとして監視社会が加速したことも大きいとは思うんですけど。その中で、アーティストがのんびり素を出す場所を作りたいとか、そういう大義名分的なものもご自身の中にあったんですか。

金子 どうだろうな。でも、僕は学生時代に『オールナイトニッポン』に触れてこなかった人間だったので。本当に、ほぼJ-WAVEしか聴いてなかったんですよ。J-WAVEでかかる音楽こそがいい音楽だと信じて疑わなかった(笑)。

── はははははは。

金子 それでも『オールナイトニッポン』を手がけたいと思った明確な理由があって。社会人になってから『アルコ&ピースのオールナイトニッポン』を聴いて、衝撃を受けちゃったんです。これをやりたい!って突発的に思っちゃったんですよね。だけどいざ入ってみて、当時も『オールナイトニッポン』はお笑いの方々のレギュラーが多くて、しかも錚々たる顔ぶれだったんですよ。すでに人気を得ている番組に入っていくのは難しいですし、当時の僕はお笑いのラジオをやったこともなかった。じゃあ面白い音楽アーティストの番組を作るしかないと思って動き出したんですけど、その計画をある意味でぶち壊されたのが『Creepy Nutsのオールナイトニッポン』だったんですよ。面白いアーティストを探し続けようと思っていたけど、この人達より面白いアーティストはいない!と思っちゃって。

── すごい話だ。

金子 いきなり自分の中のマックスを見ちゃったんですよね。だからそこからまた違うモードになって。無理に面白い話をせずとも、そのままの人間性が伝わればいいんだっていう考え方でアーティストの番組を作るようになったんですよね。もちろん探し続ければCreepy Nutsより面白い人がいるのかもしれないけど、僕はその時点でCreepy Nuts以上はいないと思ってしまったから。じゃあトークが面白いことだけを正義にするべきじゃないよな、アーティストそれぞれの人間性がストレートに表れる番組を作ったほうがいいよなっていうふうに考えが変わりました。面白い話をすること以上に、それぞれの人であることが面白いんだっていう価値観になりましたね。もちろん、その後にあのちゃんやAdoさんなど、めちゃくちゃ話も面白い人に出会えたのも大きなことだったんですけど。

── ただ、ある種の天井を見たのが『Creepy Nutsのオールナイトニッポン』だったわけですよね。その後、金子司という人間はどんなモチベーションで動くようになっていったんですか。

金子 それこそ今回のイベントの話になるんですけど……ラジオが好きだしラジオを通して伝えたいものもあるけど、面白いアーティストのラジオを作る以外のこともやりたいと思うようになっていきました。誰であれ人の部分に魅力を感じるのであれば、ラジオ以外の場面にも、そのアーティストのためになることをやってみたいというか。なので、あのちゃんのファンクラブも手伝っていたり、出川哲朗さんや三四郎など、ニッポン放送主催の大型イベントの演出をやらせてもらったりするようになって。その中で「ライブイベントもやってみたいな」と思うようになったのがこの数年だったんですよね。元々ライブが好きだったし、ライブハウスに通っている人間だったし。それを自分でも作ってみたいと明確に思うようになったのは、Creepy Nutsの番組が終わった頃でした。

── 人間そのものに惹きつけられているんだと気づけば気づくほど、ラジオの外でも人間に対して燃えられるんじゃないかという期待が出てきた。

金子 まさにそうです。超太字で自分の肩書はラジオディレクターではあるんですけど、ラジオの外でも伝えられるアーティストの魅力がある。で、それをやりたいと気づかせてくれたのがラジオだっていうことなんですよね。もし初めから音楽イベントに携わる仕事をしていたら、全然違う経路を辿っていたかもしれないんですけど。

── それぞれが寝巻で聴けてそれぞれが寝巻で来られるラジオという場所を経験したからこそ、人間そのものの面白さに気づけたんでしょうね。

金子 ああ、そうだと思います。

── では、音楽は金子さんにとって何が素敵なんですか。音楽の何が素敵だからアーティストの番組を作って、今こうしてライブイベントを企画するに至ったんですか。

金子 ひとつ思い浮かぶのは、その瞬間の自分の感情をブーストさせてくれるのが音楽だからです。自分をエモがりたい時は徹底的にエモい音楽を聴くし、勝負モードで企画書を書いている時はギンギンになれるハードな音楽を聴くし。その時の自分のモードにギアを入れてくれるのが音楽なんですよね。それが、音楽の素敵だと思う理由です。

── それは、金子さんがラジオを通して伝えたいものと通じますね。ラジオにしろ、音楽にしろ、人間増幅材としての力を信じているというか。

金子 確かにそうですね。これは全然違う話かもしれないけど、この前友達とご飯を食べて、次の日にその友達とLINEをしていたんです。そしたら「ご飯を食べてる間もずっと歌ってるよね」って言われて。僕は本当に無意識だったから、そう言われても「え!?」って感じだったんですよ。でも、本当に無意識で歌ってしまうくらい日常と密接な関係にあるのが音楽なんだろうなって思います。歌っている意識はなかったけど、言われてみれば、音楽が自然と傍にある。そういう人間なんだと思います。……まあ、歳をとればとるほど、音楽やライブに慣れていく自分も感じちゃうんですけどね。原始的な衝動が生まれるより前に、何かひとつ思考のフィルターが入るようになってしまうというか。自分の衝動はもっとプリミティヴなものだったはずだよなあっていうのが、30代後半の悩みです(笑)。

── そう考えると、今回の『K. and his RADIO Vol.2 ~爆音のヒーロー達 かっ飛びの夜空!!~』は金子さん自身の無垢な衝動を爆発させてくれるライブとして企画したところもあるんですか。ギターウルフ、anoさん、永野さんというユニークな3マンになっているわけですけど。

金子 この3マンを組んだ時に考えたのは、出演してくれた人が全員得するイベントになればいいなっていうことで。

── どういう得?

金子 いろいろあります。anoさんと永野さんがさらに仲よくなって欲しいし、今はポップスターとして歓迎されているanoさんですけど、アンダーグラウンドなところから闘ってきた人であることを見せつけて欲しいし。で、時代の寵児として活躍しているanoさんと永野さんが、実は過去にギターウルフと接点があったというストーリーも見せたいし。anoさんはグループに所属していた時代にギターウルフと2マンライブをやったことがあって、そのライブでセイジさんがanoさんをステージに上げてギターを弾かせたんですよ。で、永野さんは元々ギターウルフが大好きで。それがきっかけで相思相愛になって、2年前にギターウルフと永野さんの2マンライブが実現して。その時も同じように、セイジさんが永野さんをステージに上げてギターを弾かせたんです。でも、永野さんはギターを弾けないんですよ(笑)。永野さんは昔からギターウルフが大好きで、見ようみまねでギターをグワーッとやっていたから、誰もがギターを弾ける人だと思っちゃってた。だけど永野さんはステージ上でギターを掻きむしって、それがめちゃくちゃカッコよかったんです。そういうふうに、ちゃんとステージ上で繋がった縁がある3マンライブなんですよね。

── そうだったんですね。

金子 で、この3マンライブを思いつくきっかけになったのは、あのちゃんの『オールナイトニッポン0(ZERO)』に永野さんがゲストに来た時なんです。「ギターウルフのライブでギターを弾いたことがあるっていう接点があるよね」っていう話をしているのを聞いて、この3マンが実現したらめちゃくちゃ面白いだろうなと思ったんですよ。そういうストーリーがしっかりあるからこそ、anoさんにはアンダーグラウンドで闘ってきたところも示して欲しいし、永野さんはギターウルフとの2マンを経験しているけど、そこにanoさんがいることで新しい化学反応が起きたらいいなと思うし。そういう意味で、それぞれが得をして楽しいイベントになったら最高だなと思って企画しました。最初から「この3組でやりませんか」っていう話で持っていったんですけど、3組ともいいお返事をくれましたね。

── 音楽のジャンルやマーケットの話ではなく、表層的には見えない人間模様が伝わることが一番の得だっていうことですよね。

金子 そうです。なので正直に言うと、お客さんがどうっていうのは考えずに企画しました。どういうお客さんが来るだろうなとか、そういう想定は一切してない。それよりも、この3マンライブを実現させること自体が大きなモチベーションになってました。観た人には100%伝わるだろうし、楽しんで欲しいっていうのは当然のこととして。

── ギターウルフとはどういう話をしたんですか。

金子 この3組の中でギターウルフだけが初対面だったので、オフィシャルのContactから「金子と申します」というメールを送りました。そしたらセイジさんから即レスが来て「やりましょう!」と言ってくれたんですよ。でも僕としては初めましての状態ですから、「ぜひ一度会ってお話させてください」というお願いをして。それで待ち合わせ場所の駅の改札を出たら、ステージ上そのままのセイジさんが立っていたんですよ。うわぁセイジさんだ!って感動しましたね(笑)。で、珈琲館でしっかり自分の気持ちを伝えました。

── (笑)。お客さんのことは考えずに組んだ3マンライブだとおっしゃいましたけど、とはいえ、このイベントから何が伝わればいいと思います? 『K. and his RADIO』と冠している通り、ここに込められているのは金子少年そのものだと思うんですけど。

金子 上手くまとまらないけど……でも、まさに言われた通りで。僕は音楽を聴いたりお笑いを見たり、ラジオを聴いたりして人格形成されてきたわけですよ。それは思春期に限った話じゃなく、20代も30代もずっとそうだったんです。それを今も続けているから恩返ししたいと言うと少しニュアンスが違うんだけど……でも、僕と同じようなヤツいるでしょ?みたいな感じなのかもしれない。僕が作っているラジオを聴いて人格形成されてるヤツいるでしょ、僕が好きな音楽を聴いて同じように盛り上がっている人いるでしょ、みたいな。自分に似た人がいて欲しい、みたいな願いとも違うニュアンスなんですけど。で、そういう人と「カッコいいですよね」「面白いですよね」って言いたい。

── 好きなものを通じたコミュニケーションを求めている?

金子 そうなのかも。Xの使い方もまさにそうなんですけど、これカッコいい! と思ったものはリンクを貼って即座にポストしちゃうんですよ。それと似た感覚かもしれないです。自分と同じ人を見つけたいとか、広めたいとか、そういうのとも違って。好きなもの好きだっていうことは、僕にとって呼吸に近い行為なんだと思います。その中には「こういうものを面白いと思う人間です」という心理もあると思うんですけど。それこそ、僕の人格を形成してくれたものを通して自己紹介している感覚ですよね。

── 凡庸なまとめで恐縮ですが、好きなものは好き、カッコいいものはカッコいいというピュアな衝動で突き進んできた人なんだとよくわかる話でした。好きなものは好きだと言うのにも外野の目を気にしてしまう人が多い時代だと感じてしまいますが、やっぱりそれをぶち抜けるのは「好き」のパワー以外にないと思うんですよね。

金子 本当に、このライブイベントに関しては「この対バン、イケてるよね!」っていう気持ちだけかもしれない。で、まだ誰もやってなさそうだから僕がやります!っていう感じ。だからこそ、来てくれる人は同志だと思います。その中にはきっと、永野さんは観たことがあるけど音楽ライブを知らないとか、anoさんがテレビに出ているのを観たことがあるけど歌は知らないとか、ギターウルフ大好きだけどanoさんの曲を知らないとか、そういう人もいると思うんですよ。そういう人達も100%楽しめると思っていますし、そこでいろんな人が混ざれば、出演してくれる3組にとっても喜ばしいことだと思うんですよね。まあ、このイベントに来る時点でめちゃくちゃセンスがある人だと思うので(笑)、楽しみですね。

── 今回がVol.2ですが、この先に対する構想もあるんですか。

金子 構想はあります。第1回はハンブレッダーズ、秀吉、囲碁将棋に出演していただきましたけど、今回も含めて、基本的にはラジオを通じて出会った方々に出演してもらうイベントとして続けていきたくて。それは先ほど言った通り、ラジオと音楽が僕を形成してくれたものだからなんですけど。そういうコンセプトは変えずに、僕自身が出会ってきた人達とご一緒していきたいと思っています。……まあ、これ以上のイベントがあるのか?っていうラインナップがVol.2にして実現してしまったんですけど(笑)。

── そうですね。そして最後にまとめとして言うことじゃないのはわかっているんですが、イベントの副題もヤバいです。

金子 はははははは。永野さんと打ち合わせした時に、「副題をセイジさんにつけてもらわない?」って提案されて。それでセイジさんに「この3マンに相応しいタイトルをつけていただけないでしょうか?」ってお願いしてみたら、すぐに『~爆音のヒーロー達 かっ飛びの夜空!!~でお願いします!』っていうメールが届いて(笑)。

── 本気ですごすぎる(笑)。

金子 『かっ飛びの夜空』って、本当にヤバいですよ(笑)。僕が考えたところで絶対に出てこないワードですからね! でも、これしかないと思います。爆音のヒーロー達による、かっ飛びの夜空です!

Text:矢島大地 Photo:タカキユウタ

<公演情報>
『K. and his RADIO Vol.2 』 ~爆音のヒーロー達 かっ飛びの夜空!!~
9月30日(木) 東京 ザ・ガーデンホール
開場18:00 / 開演19:00

【チケット情報】
オールスタンディング 6,900円(税込み)入場時ドリンク代別途
https://w.pia.jp/t/k-and-his-radio-vol2/

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