堺雅人、17年ぶり舞台『スリーゴースト』は「余韻がいろんなものを呼び起こす物語」
ステージ
インタビュー
堺雅人 (撮影:細野晋司)
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すべて見る堺雅人にとって17年ぶりの舞台出演作となる、パルコ・プロデュース2026『スリーゴースト』が10月6日よりPARCO劇場、そして全国各地で上演される。英国の気鋭の劇作家サイモン・スティーヴンスが新たに書き下ろした本作、断片的な情報は伝えられているものの、詳細はいまだ謎に包まれたまま……。久々の舞台で堺はどんな姿を見せてくれるのか? まだ稽古開始まで少し時間があるが、現時点での本作への思いを堺に語ってもらった。(取材は2026年4月下旬に実施)
――まずは17年ぶりの舞台出演ということで、いまのお気持ちをお聞かせください。
堺 そんなに空けていたつもりはなかったんですが、改めてふり返ると、17年というのはすごい年月だなと感じています。勘が取り戻せていない部分もたくさんあるでしょうけど、周りのみなさんと一緒にお稽古を進めることで、17年間のブランクを埋めていければと思っています。
――昨年、および今年2月、の2度にわたって、演出のショーン・ホームズさんの下で行われたワークショップにも参加されています。
堺 あれは「参加」とは言わないですね(笑)。ショーンさんとサイモンさんが、舞台装置のいろいろな実験をなさっていて、それを後ろから見ていたという感じです。途中で(舞台に)立ってもいいと言われたので、立たせていただきました。
基本的に舞台装置の実験だったので「ああでもない、こうでもない」といくつか試されていたのを見ていたんですけど、自分が大学の演劇研究会時代にアトリエでやっていた、舞台装置を立て込んだり、灯りを仕込んだりして「ああでもない、こうでもない」と試行錯誤していたのを、非常に洗練された形で素晴らしい方たちがやっているのを見て「あぁ、早くここに入りたいな」という気持ちになりました。

――サイモン・スティーヴンスさんの書かれた戯曲の印象についてお聞かせください。
堺 神話のような余韻と、とりとめのなさがあって、この本を舞台としてどのようにつくっていくのか? まったくわからないです。物語に関しては「言うな」と言われているので(苦笑)、申し訳ないんですが、詳しくは話せませんが、これをたたき台として、ここからいろいろ変わっていくんだろうという印象を持っていますし、この物語は直接的に何かを訴える要素もありつつ、余韻として――言葉ではなく響きとして、様々な人の心に響きながら、いろんな言葉や感情、風景を生んだりする物語になるのではと思っています。「こうです」という直接的な物語ではなく「これを読んで、僕はこんなビジュアルが浮かびました」とか「この人のことを思い浮かべました」とか、いろんなものを呼び起こす物語になるという気がします。
――現時点で本作に出演することに対して、最も楽しみにしていることは?
堺 稽古場での試行錯誤ですね。映像作品の場合、撮影初日までに一人で準備しなくてはいけないんですが、舞台の稽古はみんなで準備できますから、きっといろんなヒントがたくさんあると思います。一人では、読み切れなかった部分、みなさんの気づきによって「あぁ、全然読めていなかったな」という部分が多々出てくると思いますし、高畑(淳子)さん、段田(安則)さんといった先輩方の解釈、台本への向き合い方というのも、すごく刺激になると思います。高畑さん、段田さんとはドラマではご一緒していますけど、どのような思考を重ねて、どのようなトライアルがご自身の中にあるのかというのは、映像の現場でわからないこと。それを稽古場で見られるというのは、とても贅沢な時間になると思っています。
――いまの時点で、本作の見どころと言えるのはどういう部分だと感じていますか?
堺 生まれたての演劇がそこにあるということだと思います。毎日、誠実に稽古を続けていって、そこで生まれるものが何なのか? 面白いのか?というのはお客様が決めてくださればいいので、僕らはそこで、このメンバーでしか生まれない何かを目指して稽古場に向かえば、そこに何か意味はあるのかなと思います。
――そこにはやはり、映像作品とは違う演劇ならではの“生”の魅力があるんでしょうか?
堺 いや、おそらく映像でも、その瞬間が“生”じゃなければバレますから。心がこもっていないやり取りでは、シーンがすぐに死んでしまう気がするので、そこは映像も演劇も同じじゃないかな? ただ、それが白日の下にさらされるのが演劇なのかもしれません。
そういう生のやりとりが好きなのは、早稲田で100人くらいのお客様を相手にやっていた頃から変わらないです。“ごっこ遊び”の延長で、「虚」の中に少し「実」が混じる瞬間がたまらなく好きだし、客席がゆっくり暗転していく瞬間も好きです。映像でもその楽しさはありますが、そのメンタリティは高校の演劇部の頃から変わってないですね。

――最後に改めて、作品を楽しみにされているみなさんにメッセージをお願いします。
堺 私が一番ワクワクしています。世界でここでしかつくれない作品をできたての瞬間にみなさまにお届けするべく、全力を尽くしてまいります。ぜひ見届けていただければ幸せです。
取材・文:黒豆直樹 撮影:細野晋司
<公演情報>
パルコ・プロデュース2026『スリーゴースト』

作:サイモン・スティーヴンス
翻訳:広田敦郎
演出:ショーン・ホームズ
美術・衣裳:ジョン・ボウサー
出演:堺雅人 倉科カナ 伊勢佳世 迫田孝也 sara 小日向星一/高畑淳子 段田安則
【東京公演】
2026年10月6日(火)〜27日(火) ※10月6日(火) はプレビュー公演
会場:PARCO劇場
【岡山公演】
2026年11月6日(金)~8日(日)
会場:岡山芸術創造劇場 ハレノワ 中劇場
【大阪公演】
2026年11月12日(木)~23日(月・祝)
会場:SkyシアターMBS
【愛知公演】
2026年11月27日(金)~29日(日)
会場:穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
【宮崎公演】
2026年12月3日(木)~6日(日)
会場:メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)・演劇ホール
【福岡公演】
2026年12月10日(木)~13日(日)
会場:J:COM北九州芸術劇場 大ホール
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/threeghosts/
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