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『THE ALUCARD SHOW』が12年ぶりにカムバック インタビュー松下優也×彩風咲奈

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チケットぴあ

左から)彩風咲奈、松下優也

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2013年、“演劇でもミュージカルでもないエンターテインメント・パフォーマンスショー”の呼び声で初演の幕を開けた『THE ALUCARD SHOW』。音楽とダンス、映像効果で観客を圧倒したその舞台は大きな反響を得て、早くも翌年に再演が実現。さらにパワーアップしたステージは再び話題となり、劇中の物語そのままに“アルカドニア”と呼ばれる熱狂的なファンを増産した。今秋、実に12年ぶりにその伝説のショーが帰ってくる。

国民的人気アーティストのマリアは6人の男性ダンサーを起用して大成功を収めるが、謎の青年ブラドに主役の座を奪われてしまう。ブラドとダンサーたちは“アルカード”と名乗り、鮮烈なパフォーマンスで観客を魅了。その一方で彼らの周囲では次々に不穏な出来事が起こっていた。ヴァンパイア(吸血鬼)をモチーフとした魅惑のパフォーマンス・ショーが再降臨。初演からの続投で12年ぶりにブラド役を担う松下優也、宝塚元トップスターの揺るぎない華と実力でマリア役に挑む彩風咲奈、初顔合わせの二人が注目作での“圧倒的なパフォーマンス”を誓った。

松下優也×彩風咲奈が『THE ALUCARD SHOW』に新たな扉を開く

――松下さんは12年ぶりの本作で、再びブラド役に挑みます。長い時を経て再演に向かう今のお気持ちからお伺いします。

松下 それだけこの作品を待ち望んでくれている人がいたということが、まず嬉しかったです。僕自身もこの12年のあいだに舞台のキャリアを重ねて来て、今の自分が演じたらどうなるだろうという自分への期待感もありましたね。どう考えても今の自分のほうがスキルはあるし、舞台に向き合う姿勢、視点というものは明らかに以前とは違いますから。そもそも12年経っても『THE ALUCARD SHOW』みたいな舞台はほかに見ないし、それだけ実験的な作品だったんだなと。今回さらにブラッシュアップした2026年バージョンとして、また斬新なものが創れるんじゃないかなと思っています。

――彩風さんは宝塚歌劇団を退団後、本作が三作目の舞台になりますね。挑もうと決めたポイントなどをお聞かせください。

松下 え、退団してまだ三作目!?もっとやっている感じがする!

彩風 はい、三作目になります(笑)。まずは率直に、見たことのない感じで全貌がまったくつかめない作品だからこそ、面白そうだなと思いました。マリアという役は、初演では真琴つばささん、再演ではシルビア・グラブさんと、まったく個性の違うカッコいい女性が演じて来られたので、その役に挑戦させていただけることにも惹かれました。退団後の一作目、二作目とはまた全然違うものになりそうだなと思いましたし、宝塚を卒業して「彩風咲奈とは何ぞや!?」と周囲に思われている中で、こうして三作目にまた違うイメージの作品のお話をいただけて、とてもありがたく感じています。

――ヴァンパイアがモチーフの、このような謎めいた世界観はお好みですか?

彩風 苦手な世界観です(一同笑)。スリルやサスペンスは苦手ですね、愛と平和と希望が好きなので(笑)。だからこそ、その世界に飛び込めるのも面白いなと思います。初演からご覧になっている方など多くのファンがいらっしゃると聞いて、そこまでお客様を夢中にさせるどんな魅力があるんだろう!? それが知りたいと思いました。

松下 今回のアルカードのメンバーのひとり、滝澤諒君が別の取材でヴァンパイアの魅力を「飢餓感」と言っていたんだけど、本作ではこの飢餓感が反転しているんですよ。本来はヴァンパイアが飢餓感を持って人の血を求めるけれど、この作品では人々が、ファンが自ら、彼ら――アルカードのほうへとやって来る。また、これは原作・構成・演出の河原雅彦さんの作り方ですけど、情報を出しすぎない。他の舞台とは一線を画したそういう部分は初演から徹底されていたと思います。ステージの上に立っているあいだは、その役者自身はまったく見えてこないように作られていたり、カーテンコールをやらないのもあまり聞いたことないですよね。パッとやって、パッと終わる。そのへんが他の演劇とは違うのかなと思います。

――本作が初共演になります。お互いの印象を教えてください。

松下 お会いしたのは今日で2回目(取材時)かな。僕が出演した『クワイエットルームにようこそ The Musical』と『BOOP!The Musical』を観に来てくださって、『BOOP!』の時に初めてお会いしました。僕はまだ、さきさん(彩風)がお芝居をしているところを拝見したことがないんですけど、楽しみです。カッコいいからね!

彩風 ありがとうございます(笑)。

松下 本当にカッコよくて、綺麗で、アーティスティックとも感じるし。マリアの役にピタッとハマる気がするけど、だからって「マリアはこうでなきゃいけない」みたいなものはないから。その人の持ち味を出していい役でもあるので、しっかり自分を持っている人がいい。きっと合うと思うので、メッチャ楽しみにしています。

彩風 松下さんは、拝見した二作で結構ハートフルな感じのお役を見せていただいたので、今はその印象が強いです。でもきっと『THE ALUCARD SHOW』での松下さんは全然違うと思うので、どんなふうになるんだろうと楽しみです。

松下 確かに、そうなんです。20代の頃はアルカードの、ブラドみたいな印象の役のほうが多かったんですけど、ここ最近はちょっと人間らしい役が多くて(笑)。12年前の上演映像を見ると、芝居のことなど何も分からずにやっていた、若さの勢いだけの良さもあったな……と感じて。ちょっと人間らしくなり過ぎてしまったかもしれない、今の俺は。(一同笑)

彩風 本当に私、宝塚の外の世界に出て、まだあまりいろんな役者さんとご一緒していないので、作品を拝見しただけではわからないこともあって。やっぱり拝見した時のお役の印象が……。

松下 鉄っちゃんね。(注:『クワイエット〜』で演じた鉄雄役)

彩風 鉄っちゃん、大好きでした(笑)。

唯一無二の世界を堪能できる舞台、ふたたび!

――演出の河原雅彦さんとは、彩風さんは初めて作品づくりをご一緒されますね。

松下 河原さんの演出について、何か聞いたことあります?

彩風 いえ、ないです(笑)。今は本当に初めてのことばかりなので、どこに行っても分からないことばかりで、刺激がいっぱいです。

――そういう刺激を楽しむほうですか? 不安になったりはせずに?

彩風 楽しむほうです。不安を打ち破るのが好きです。

――松下さんも似たタイプですか?

松下 僕は、僕がいる場所が僕の世界だからハハハ……って冗談ですよ!(一同笑)。でも、その場を自分の空間にするのが自分の仕事だと思っていますから。まあ、よくわからないことがあったら遠慮なく言ってください。

彩風 はい。

松下 12年前に『THE ALUCARD SHOW』をやっていた時は、とにかく反骨精神で、尖っていて、“若気の至り”みたいな感じでやっていましたから。その後、2019年に『黒白珠』というストレートプレイを河原さんの演出で、今回も『THE ALUCARD SHOW』に出る壮ちゃん(平間壮一)と一緒に出て、河原さんとはそれ以来になるんです。そこから自分もさらにキャリアを積んで来ているので、個人的には河原さんに自分が成長したところをちゃんと見せられたらと思っています。昔はたぶん「何だコイツ」って絶対思われていたと思うし、僕も「この人、何だろう」と思っていた(笑)。とにかく反骨精神がメチャクチャあったけど、今はそんなことはないです(笑)。河原さん、さきさんのこと絶対に好きだと思うよ。アドバイスなんて俺が勝手なこと言えないけど、圧倒的なパフォーマンスをすることかな。

彩風 分かりました。

松下 ……いや、分からないけど(笑)、昔の僕はその気持ちでやっていたから。「何も言わせねえぞ」ぐらいの姿勢で挑む。お互いにプロ同士、演出家のプロと俳優のプロだから、プロ同士の仕事としてフェアに、本気でぶつかっていましたね。河原さんも、マリア役の役者さんに対しても、僕らアルカードのメンバーに対しても、すごくリスペクトを持って接してくださっていて、基本的にはとても優しい人です。だから、圧倒的なものを前のめりになってやっていく、その姿勢だけでいいんじゃないかなと。

彩風 はい、心得ました(笑)。

松下 さきさん、「もうアナタがブラドをやったら?」って思うぐらいのマリアになるんじゃないかな。ブラドバージョン、できそうだし、見てみたい。その時は俺がマリアやる?

彩風 ハハハハハ!

――ダンスはもちろんのことアクションのシーンもなかなか激しそうで、体力勝負な舞台でもありますね。

松下 でも退団されてまだ三作目ってことは、メチャクチャ体力あるってことじゃないですか。ミュージカルをやられている他の役者さんと比べても規格外だと思うので、そこは安心ですよね。僕もまあ、体力オバケなので(笑)。やっぱり体力ある人は好きですよ。

彩風 フフフ、体力は私も自信あります。宝塚ではお芝居とショーを、一週間に9とか10公演やっていたので。

松下 とんでもないことをやってきているよね、すごいと思う!

彩風 それが出来たのだから、出来るでしょ? って、何でも思ってしまうところはありますね(笑)。

――その自負を持ちながらの、さらにご自身の武器となると何だと思われますか?

彩風 宝塚で男役をずっとやってきて、卒業によって男役はひとつ極め切ったという思いがあります。今はそういう男役の装備をすべて取り払って外に出て来たと感じていまして。ですから、逆に何も持っていないから体当たりできる、そんなところが今の自分の強みかなと思います。

――松下さんは「心技体が揃っている」と少し前の取材でコメントされていたので、鉄板の今ですね。

松下 そうですね。自分のことは、つねに今日が全盛期だと思うようにしています(笑)。

――ご自身のダンスについても、こだわりなどがあれば教えてください。

彩風 それこそ男役時代は衣裳の下にいろんなものを身につけて、男性っぽく見えるための補整をした中でダンスをしていたので、それを取って踊った時に、こんなに自由なんだ!と感じたんです。今、その自由をすごく楽しんでいます(笑)。

松下 ハハハ! 僕はこの『THE ALUCARD SHOW』でのダンススタイルは昔からやってきていて、自分の中にどうやっても抜けきらないものとして根付いていますね。今回は初演から一緒の壮ちゃん、そして新たに若い人が入ってくれているので本当に楽しみで。僕、歌うのも好きですけど、踊るのも超好きで、それも自分にドンピシャなスタイルですから、それだけで幸せです。

――12年ぶりの方も、初めてご覧になる方も期待せずにはいられないお話をありがとうございました。宝塚のファンの方が“アルカドニア”(アルカードの熱狂的なファン)になるかも!?

彩風 なってもらいましょう(笑)。ひたすら楽しみに、観にいらしていただきたいと思います。

松下 今回、新曲が入る予定なので、以前の公演を観た方も新たに楽しんでもらえると思います。さきさんが退団後三作目に『THE ALUCARD SHOW』を選んでくれたことが非常に嬉しいので、宝塚のファンの皆さんは、よりカッコいいさきさんに、どうぞご期待ください!

取材・文/上野紀子
撮影/荒川潤

[松下優也]
ヘアメイク ASUKA(a-pro.)
スタイリスト 村田友哉(SMB International.)
[彩風咲奈]
ヘアメイク 岡田知子(TRON)
スタイリスト 田中雅美

〈公演情報〉

『THE ALUCARD SHOW』

〈東京公演〉
日程:2026年10月6日(火)〜22日(木)
会場:日本青年館ホール

〈大阪公演〉
日程:2026年10月29日(木)〜11月1日(日)
会場:梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

[原作・構成・演出] 河原雅彦
[振付原案] MIKIKO( ELEVENPLAY)
[振付] SHINGO OKAMOTO、SAYA( ELEVENPLAY)
[脚本] 竹内 佑
[音楽] 篤志
[出演] 松下優也
平間壮一 SANTA 滝澤 諒 赤名竜乃介 山野 光 瀧澤 翼
坂田 聡 野口かおる
彩風咲奈

[ダンサー] AYUMI. decomayu HIKARU MIKU NAGISA ROZA

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/alucardshow/

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