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『MONSTER baSH 2026』<8月22日/1日目レポート>スカパラ初のトリ&豪華セッション!雨に踊る大歓声

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『MONSTER baSH 2026』

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2026年8月22日・23日の2日間にわたって、香川県国営讃岐まんのう公園にて開催された中四国最大級の野外ロックフェス『MONSTER baSH 2026』(以下、モンバス)。2000年に香川県のレオマワールドで初回が開催され、2002年から国営讃岐まんのう公園に会場を移して、現在に至る。今年で27年目であり、コロナ禍での2回の中止を除くと、今年は25回目。2019年以来、毎回ライブレポートを担当している兵庫慎司大先輩と、私(鈴木淳史)という東西ライターふたりで今年も参加しました。空海、龍神、MONSTERcircus、MONSTERcircus+、茶堂と5つのステージがあるため、物理的に全出演者を同じ文字数で全記録をすることはできませんが、少しでもモンバスの熱い記憶を書き記せたらと思います。

全国各地のフェスにライブレポートに出掛けているが、個人的体感としては、このモンバスが一番暑い。空海・龍神エリアからcircusエリアまでの15~20分の徒歩移動は、ほかのフェスにおける同じ時間移動とは比べものにならない暑さ。2日間で10万歩70キロの徒歩移動を未だに敢行するフェスレポートもあるが、モンバスは桁違いの暑さだ。この移動は、10代20代のキッズ世代にとってもきっと酷なはず‥‥‥ということで、COOL SHAREスポットが設置された。エントランスには、冷房の効いた快適空間が用意され、その上、今年は新たにCOOL SHAREトラックとして冷凍庫も設置された。全国各地のフェスが様々な対策を練る中、モンバスでも新たな取り組みが始まっていた。

9時55分〜空海でArakezuri、10時25分〜龍神で時速36km、10時25分〜MONSTERcircus+でクレイジーウォウウォ!!と次々とライブが始まっていき、そして11時〜Chevonのライブ前に毎年恒例のスタッフ挨拶が行なわれる。観客の皆様からしたら裏方の顔や声は本来必要ないかも知れないが、近年のフェスやイベントを見ていると、作り手の顔や声が見え、その誠実で真摯な姿勢が伝わることは、とても重要に思える。ステージの向きなど、毎年少しずつモンバスは変化していること、そして同日に開催するフェス含め、全国各地のフェスと繋がっていて、酷暑対策など色々と意見交換をしていることも明かした。締めくくりの「ひとつだけお願いがあります。精一杯、楽しんで帰って下さい。いいモンバスにしましょう」という言葉からも、誠実で真摯な姿勢がしっかりと伝わってきた。実際にその姿を目にした人たちにとっても、信頼につながったのではないだろうか。そして、新しいモンバスの幕開けを祝福するかのように、色鮮やかな特効テープが観客エリアへと放たれ、ついに2026年のモンバスが本格的に開幕した。

Live Report :鈴木淳史

龍神、超能力戦士ドリアン。ほぼ真向かいの同じエリアにある空海でChevonのライブが終わったばかりで多くの観客が移動する中、『こっちもライブあるで!』とChevonの歌を真似ながらアピール。ステージには、12月17日(木)に高松MONSTERで開催するワンマンライブの宣伝看板が置かれていて、QRコードまで記載されている。本番のライブに向けて、Xで告知をお願いするなど、とにかく何かしら観客へのアピールを忘れない。ギリギリまでリハーサルをしながら気付くと本番15秒前。やっさん、おーちくん、けつぷりの3人は一旦ステージ袖にはけていき、誰も叩かないのに置かれているドラムが話し出す始まり。ちなみにドリアンはドラム、ベースといったリズム隊はおらず、ギター2本の演奏を軸に、3人が歌って踊って盛り上げるスタイル。1曲目『ムカつくやつは敵』から観客はグーパンチを掲げて楽しむ。続く、自己紹介ソング『いきものがかりと同じ編成』では、さきほど放たれた特効テープをズボンから垂らしながら、やっさんは一旦曲を止めてノリの説明をする。あくまで自由に楽しむことを伝えながら、「いいですか!?」→「興味ある!」という観客とのお馴染みコール&レスポンスを改めて伝授。

超能力戦士ドリアン / Photo:桃子
超能力戦士ドリアン / Photo:桃子

そこからの新曲は、その名も『MONSTER baSH 2026』! M・b・Sといった人文字を観客に伝授して、やっさんが歌い、おーちくんとけつぷりが踊る。ほぼ真向かいにある空海ステージのスクリーンには、ドリアンのライブ映像がリアルタイムで映し出される。さらに歌詞やイラストも加わり、まるでミュージックビデオのような迫力を見せる。やっさんはMCで、モンバスの出演は二度目で龍神は初だが、当たり前では無いし、何かが変わったのではなく、何かを変えるために来たことを話す。そして、モンバスで見つけてもらって、香川の大きな場所でライブをやりたいとも明かした。ラストナンバー『焼肉屋さんの看板で牛さんが笑っているのおかしいね』までユーモラスでコミカルではあるものの、その真剣な眼差しは観客の心に植え付けられた、そんなステージだった。

超能力戦士ドリアン / Photo:桃子

超能力戦士ドリアンのステージが終わり、茶堂でのNakamuraEmiへ。道すがら、マカロニえんぴつが『洗濯機と君とラヂオ』をリハーサルで鳴らしているのが空海から聴こえてくる。その音の鳴りだけでもマカロニえんぴつの絶好調が伝わってきた。フェスの付き物とはいえ、観たいもの同士の時間が重なった時の心身が引き裂かれそうになる想いは何度経験してもつらいもの。体をふたつに分身させて、両方観られたらよいのにと、あり得もしないことを毎回思う。そして、茶堂は木造の舞台で、和の佇まいが魅力的な場所。真昼間は真夏の陽射しが直撃するが、木の長椅子に腰掛け、涼みながらゆったりと楽しめる、アコースティックな演奏にぴったりの空間だ。後方には資料館があり、冷房が効いているので涼んで休憩もできる。本番前、NakamuraEmiはプロデューサー兼ギタリストのカワムラヒロシとリハーサルを行ない、1990年代から2000年代初頭の心のベストテン第1位的なヒットメドレーを歌っていく。それだけでも掴まれたが、本番1曲目『メジャーデビュー』は自身の決意表明の歌であり、さらに心を掴まれていく。続く『Don’t』も聴く者に決意を訴えかけ、鼓舞するような一曲でスタートダッシュからこのステージへの気合いを感じる。

NakamuraEmi / Photo:吉田大右
NakamuraEmi / Photo:吉田大右
NakamuraEmi / Photo:吉田大右

後ろ髪を引かれながら、空海のマカロニえんぴつを観るために元のエリアへと戻る。『八月の陽炎』の終わりから『星が泳ぐ』の始まりへとドラムを中心に繋がれていき、終盤なのにまだまだ攻めていた。

マカロニえんぴつ / Photo:酒井ダイスケ
マカロニえんぴつ / Photo:酒井ダイスケ

はっとり(vo)の顔も凛々しく、『星が泳ぐ』では曲中でシャウトしている。メンバーも鬼気迫る演奏であり、はっとりも足元のエフェクターをしゃがみイジリまくる。「やっぱり、あなたが好きです。ここを選んだあなたが信用できます。あなたが選んだマカロニえんぴつという音楽でした」から、ラストナンバー『ヤングアダルト』へ。歌い終わり、右手でギターを掲げるはっとりの姿は貫禄すらあった。同じ時間帯の出演でどちらを観るか悩ましかったものの、気迫のこもったライブで大満足させてくれた2組だった。

マカロニえんぴつ / Photo:酒井ダイスケ

空海で13時50分から始まるクリープハイプを観る前に、再び足早に茶堂へ向かう。涼しげに見えて、実は暑いとわかっているのに、ここに足を運んでしまう。茶堂ステージが誕生したのは2012年。そのために造られた木造舞台だが、まるで以前からそこに存在していたかのような、歴史を感じさせる趣があるのもいい。で、戻ってきたのには理由があって、天々高々を少しでも観たいから。リハーサルしか観ることができなかったが、あふちゃん(アフロ)とあいちゃん(ヒグチアイ)らしいコミュニケーションが垣間みえた。書きたいことはまだあるのだが、詳しくは兵庫さんのレポートをお読みいただきたい。

そして、クリープハイプ。リハーサルから『大丈夫』の<酒飲んで酔っ払って>という歌声が聴こえてくると、観客がうれしそうに体を揺らしている。あくまでリハーサルなので淡々と進んでいくが、早くも観客の心を掴んでしまうのはすごい。<思わず止めた最低の場面…>と尾崎世界観のポエトリーリーディング的なつぶやきから始まる1曲目『ナイトオンザプラネット』。ワンフレーズで止めて、『クソ暑いのに長袖着て、緩い曲で始めるなんてどうかしてる。でも俺には俺の世界観があるから、やりたい曲をやらせてもらいます。よろしくお願いします』という言葉をはさむ。

クリープハイプ / Photo:桃子

リハーサルから掴まれ、さらに掴まれる。夏フェスという場所でもしっかり己の世界観で突き進める強さはすごい。ベースの長谷川カオナシによる鍵盤、小川幸慈のギターフレーズ、小泉拓のドラムビート。すべてが気持ち良い。酷暑のはずなのに時折涼しい風も吹く。酷暑だからこそ、このクールな始まりが良かった。

クリープハイプ / Photo:桃子
クリープハイプ / Photo:桃子
クリープハイプ / Photo:桃子

「蒸し暑くて何か不快なこの天気。クリープハイプにぴったり」という尾崎の言葉もあったが、彼らは無理に明るく盛り上げたり、無理に爽やかに振る舞ったりせず、その時その時に委ねて音を鳴らすからこそ、我々の心にしっかり響くのだろう。だから、たまに涼しい風が吹いたりすると妙な高揚感がある。『キケンナアソビ』、『HE IS MINE』といった不穏で気怠いナンバーもまたこの雰囲気に合うし、尾崎の挑発的な鋭い眼光にも痺れた。そんな尾崎が『社会の窓と同じ構成』の途中で止め、両手を高く上げると観客も自然と両手を高く上げた。煽ったわけでもないのに一体感を作れるのは素敵すぎた。

クリープハイプ / Photo:桃子

ラスト2曲は、<夏のせい>と歌う『ラブホテル』、<桜散る>と歌う『栞』。ほんの35分のステージで色々な季節を体感できるな、と呑気に思っているとメモするノートに一滴の雨が‥‥‥。曲で四季を感じさせ、さらには雨まで降らせるのかよと驚く。で、最後は両手で投げキッスなんてチャーミングすぎるでしょ。

MONSTERcircus、スターダスト☆レビュー。1981年メジャーデビューであり、今の流行言葉でいうところのレジェンドだが、そんな大御所が真夏に宇宙服をモチーフにした長袖の衣装を着て小走りで登場する。

スターダスト☆レビュー / Photo:浜村晴奈

30分という限られた時間で少しでも音楽を届けたいという姿勢が否応なく伝わってくる。アカペラでのハミングの流れで、<遠い昔のことさ>と歌い出したのは『夢伝説』。このひと小節で思わず涙ぐんでしまうのは、それだけ歌に力があるからだろう。来年70歳を迎える根本 要の澄んだ声、そしてダイナミックな演奏。45年活動し続けているライブバンドの凄みだ。続く『今夜だけきっと』のロマンチックな歌声とメロディに観客は立ち尽くして聴き入っている。良い歌の中の良い歌という極みであり、ただ聴いているだけなのにグッときてしまう。ギターをおろして、マイクのみになりMCをするのかと思いきや、鍵盤に合わせて自己紹介の挨拶。

スターダスト☆レビュー / Photo:浜村晴奈

「最年長」、「介護のつもりでいたわって」という言葉も入れ込みながらミュージカル風に歌っていく。そんな自己紹介を楽しみながらも、何でだろうと思っていたら、『時間の関係でMCしないでね、と言われたので、ずっと歌いっぱなしです』とひとこと。何歳になっても、一休さんのようなトンチ対応でお茶目に魅せていく素晴らしさに感服。で、「いくぜ~!」や「イエー!」といったよくあるコール&レスポンスも、スタレビにかかれば一筋縄ではいかない。「いくぜ~!」「どこへ!?」とたちまち笑いへと変えていく。そして、こんなお茶目なやりとりから披露された『木蘭の涙』アコースティックバージョン。またしても繰り出される名曲にぐうの音も出ない。

残す2曲でホーン隊が呼び込まれ、『GET CRAZY -PANIC IN THE ATTIC-』へ。ここにきて激しいナンバーでバンドも観客も何度もジャンプ! ご機嫌ナンバーから『オラが鎮守の村祭り』というサンバリズムの陽気なナンバーでラストへと進み、ドラム以外のメンバー全員が横並びでリズムを取る。根本は「年寄りの冷や水!」と笑っていたが、スタレビは誰よりもヤングで、誰よりも攻めていました、恐れ入りました。素晴らしかったです。

スターダスト☆レビュー / Photo:浜村晴奈

余談だが、スタレビとは45年来の関係にあるDUKEの宮垣会長が、ジャンプしながらライブを楽しむ姿からは、長年培われてきた絆を感じずにはいられなかった。デビューしたばかりのニューカマーから、キャリア45年のベテランまでを一度に体感できる。それもまた、DUKEが50年にわたって築いてきた歴史があってこそなのだと、心から思う。

MONSTERcircus+にリーガルリリーが登場。直前はスタレビ、直後のMONSTERcircusにはスキマスイッチと、サッカーワールドカップで言えば強豪に挟まれたようなブロックだ。だが、リハーサルから的確にビートに乗り、真っ直ぐに言葉を突き刺してくる。その姿を観れば、どれだけ強豪に挟まれた過酷なブロックであろうと、何の心配もいらない。1曲目『ジョニー』。<ばかばっかのせんじょうにギターを1つ持って>と静かに歌われる。たかはしほのかがギターをかき鳴らしながら歌う姿は、何よりも勇敢だった。

リーガルリリー / Photo:高橋亜望
リーガルリリー / Photo:高橋亜望

そのままサポートメンバーのDesireが力強くドラムを叩き込み、『リッケンバッカー』へ。最後の<ぼくだけのロックンロールさ。>という一節まで、やはりすべての言葉が真っ直ぐに刺さってくる。軽快なナンバーの新曲『コニファー』では、サビの言葉とメロディが鮮やかに突き抜けていく。MCもそこそこに、すぐさま『ニコの涙』へ。壮大な物語が広がる中、切実さに満ちた言葉が次々と胸に飛び込んでくる。

リーガルリリー / Photo:高橋亜望

余韻が残る中、早くもラストナンバーの『キラキラの灰』。抜けがあって拓かれたアップビートのナンバーでギューッと詰め込まれた音が一気に広がっていくような爽快な感覚。横を向いたたかはしとベースの海が、リズムに合わせて後ろへステップを踏む。たかはし、海、Desireが横一列に並ぶと、自然とふたりがDesireと対峙するような構図に。その演奏する姿は、躍動感に満ちていた。強豪に挟まれた時間帯ではあったが、音楽だけを武器に真っ向から立ち向かうリーガルリリーの姿は、実に頼もしかった。

MONSTERcircus、スキマスイッチ。大橋卓弥(vo&g)と常田真太郎(Piano)がサポートメンバーと共にステージに現れた。大橋の<最近体調は悪かないが>という歌い出しに歓声が巻き起こったのは1曲目『ガラナ』。<僕のテンションは急上昇フルテンだ>という歌詞に「なんてライブ向きなのだろう」と感じているとさらに「お客さんのテンションは!?」と煽っていく。その場にいる全員のテンションが急上昇、すでにフルテンだ。ステージもギター、ベース、ドラム、鍵盤、パーカッションといったメンバー全員が、大橋と常田を鼓舞していく。

スキマスイッチ/ Photo:浜村晴奈

ふと観客エリア後方を見ると、テント屋根に覆われたこのエリアから溢れ出すほどの観客が集まっている。続く『吠えろ!』の<ウォー ウォー ウォー>というまさに吠えるパートは、聴いているだけで背中を押される力強さがある。MCでは、車でcircusエリアへと移動する中、circusに歩いて移動する観客たちを見たという話に。先述したように空海、龍神のステージからcircusエリアには距離があるなかで、足を運んでくれた観客の思いを受け止めた大橋は、『スタレビパイセンのステージのあと、有り難いような申し訳無いような複雑な気持ち。要さんが話しかけてくれて落ち着きました』と気持ちを吐露する。

スキマスイッチ/ Photo:浜村晴奈
スキマスイッチ/ Photo:浜村晴奈

リーガルリリーでのレポートで強豪に挟まれたと書いたが、スキマスイッチもスタレビのあとの同じステージに立つプレッシャーを感じていたことがわかったし、彼らのストイックな姿勢を改めて感じることができた。『奏(かなで)』で、観客全員が歌詞を口ずさんでいたと言っても過言ではなかったし、そんな大衆に響くヒットソングを持つスキマスイッチがスタレビへの想いを持って挑んでいた姿もまたうれしかった。ちなみに、この日初めてスキマスイッチのライブを観るという人がほとんどだということに、ふたりは笑っていたが、約25年というキャリアがある中で、まだまだ初めて観たいという人が多くいることはすごいことだ。ラストナンバー『全力少年』。大橋のある意味ムチャぶりなハミングのコール&レスポンスを楽しみながら、最後の最後に大橋はピアノの上にあがり、観客を煽りまくる。それこそ全力で何をしてでも盛り上げていく姿は見事だった。てなわけで、この後は兵庫さんにバトンを繋ぎます!

スキマスイッチ/ Photo:浜村晴奈

Live Report :兵庫慎司

クレイジーウォウウォ!! / Photo:高橋亜望

というわけで、時間を朝10時25分に戻します。2026年の初日、circusエリアのトップは、オープニングアクトのクレイジーウォウウォ!!。結成2年ちょっと、平均年齢21歳、メジャーデビュー前にして各地のフェスからひっぱりだこで、今日もこの時間とは思えない人数を集めた。ラストの「Step」でのシンガロング、すごいボリュームだった。

クレイジーウォウウォ!! / Photo:高橋亜望
クレイジーウォウウォ!! / Photo:高橋亜望

そして、DUKEスタッフの挨拶&前説を経て、北村匠海の法螺貝から始まった(持って登場していきなり吹いたのです)DISH//は、2年前の出演時はギターの矢部昌暉が療養中で休んでいたが、今回は全員揃っていることを報告する。北村匠海「昔から呼んでくれてて。すげえ熱いフェスだなと思います。毎年毎年すげえよ、マジで最高だと思います、みなさん!」と、ラストに『猫』を参加者に贈った。そのcircusエリアの熱は、次のセカンドバッカーでは、さらに……。

DISH// Photo:浜村晴奈
DISH// Photo:浜村晴奈
DISH// Photo:浜村晴奈

というように、「まだ朝イチだけど大丈夫?」と言いたくなるテンションのアクトが続くMONSTERcircusは、次のanoでカオスになった。「はじめまして、anoです! MONSTER baSH、楽しんでますかぁ?」と挨拶し、『スマイルあげない』でスタート。次は歌詞が画面に映し出され、最後はその画面がSNSに書き込まれたanoへの中傷コメントで埋まる『普変』である。歌詞が「必殺の一行」だけでできている『KILL LOVE』、そして「何年か前に、このお転婆なかわいらしいステージに立ったぶりなんですけど。見た目はポップで、まあまあかわいいとか言われるんですけど、音楽はかわいさを脱ぎ捨てて、ブチ壊していこうと思いますので」という宣言から突入した4曲目の『ちゅ、多様性。』あたりまでは、激しくも楽しい楽曲が並んだが、次の『Bubble Me Face』から、バンドの音も、anoの歌いっぷりも、どんどん荒々しく凶暴になっていく。

ano / Photo:浜村晴奈
ano / Photo:浜村晴奈

デス声で<漫画返せ!>とコールし続ける最新曲『貸しっぱなしディスティニー』で、それはピークに達した。ラストは、その荒々しさ&凶暴さに、ロマンチックな美しさを力ずくでブレンドした感じが最高な『絶絶絶絶対聖域』。声優で主演した映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』の主題歌として、TK(凛として時雨)が曲を提供し、anoが詞を書き、共に主演を務めた幾田りらをフィーチャリングで迎えた曲である。「今世界がヤバい状態にあること」を描いたこの曲を、彼女がラストに持ってきた理由がわかる。最後に高音とデスボイスの両方でシャウトを聴かせてから、anoはステージを下りた。

ano / Photo:浜村晴奈

今から来る人たちに「このバンド、すごいんだ」と思われたいので、最後にやる曲をみんなで練習します──と、『5959』のサビのコールをみんなに教えて練習するという、前代未聞のサウンドチェックをしたあふちゃん(アフロ)とあいちゃん(ヒグチアイ)の天々高々が、この日の茶堂ステージの三番手。1曲目の「やったぜべいべ」のイントロをあいちゃんが奏で始めると、即座にハンドクラップが起きる。

天々高々 / Photo:吉田大右

あふちゃんが曲中で警笛を吹く『がたんごとん』と、読売巨人軍が大好きな男の子に恋をした女の子の曲『YG』を経て、「今、恋をしているよ、っていう方、手を挙げる、のは恥ずかしいと思うので、俺にだけわかるようにちっちゃく人差し指を振ってください。その恋が素敵な恋になるように捧げます」と曲に入った『ロマンス』では、あふちゃんの叫ぶ<好きだ!>とあいちゃんのメロディが、美しくサビを形作る。

天々高々 / Photo:吉田大右
天々高々 / Photo:吉田大右

未音源化の新曲『とくべつなひと』を聴かせてから、「ちょっと時間あるんで、みなさんが次の曲を練習をするか、最近俺が覚えた『竹原水鉄砲』というモノマネをするか」と言い出すあふちゃん。そのモノマネを披露したが、あいちゃん「ややウケ」、あふちゃん「先輩を触ってややウケっていうのが、いちばんよくないよね」。そしてラストは、各地で合唱を巻き起こしてきたビール賛歌『5959』。さっき練習しただけあって、サビで大きな<5959>コールが響く。あふちゃんは歌いながらステージを下り、参加者と手をつないで踊った。最後にあふちゃん、「茶堂ステージにお集まりのみなさんに、たくさん、いいことが、あります、ようにいい! ありがとう! 次は竹原ピストル!」。

MONSTERcircus+の(オープニング・アクトを入れると)四番手=TRACK15の蓮(vo/g)は、1曲目『夏色日記』の最初のブロックを歌い終えるや否や「会いたかったよ、MONSTER baSH!」と絶叫し、続く『ダーリン』のイントロでは「めちゃくちゃ楽しみにしていたよ!」。

TRACK15 / Photo:高橋亜望

1月にLINE CUBE SHIBUYAを完売するなど、破竹の勢いのバンドだが、今日の『MONSTER baSH』の初出演には、特に心に期するものがあるようだ。「(次のcircusの)コレサワさんを待っている人も、お手を拝借!」とハンドクラップを求めた『ハルハル』では、参加者のリアクションに「今日でもっと香川好きになるわ、どうもありがとう!」と喜ぶ。「今日あなたのプレイリストにTRACK15を追加しに来ました」という言葉からの『私的幸福論』を終えると、「楽しませようと思って来たんですけども、こっちが楽しませてもらってます、どうもありがとうございます」と、改めて感謝を伝えた。

TRACK15 / Photo:高橋亜望
TRACK15 / Photo:高橋亜望

「ただひとつ、これだけ伝わればいいなと思うことがあって。それは、たまらなく音楽を好きな気持ちです。今日『MONSTER baSH』に来ているみんなと一緒です。音楽を好きな気持ち、絶対忘れないでください。それだけで人生は豊かになるから」。次の『話したいこと』のイントロでは「(曲を)知らなくてもいいよ!」と叫んだが、確かに曲を知らなくても、鳴った瞬間に受け手の心身にスッと入り込む、誰も疎外しない広がりをこのバンドの楽曲は持っている。ラストの『シティーライト、今夜』では、ジャンプ&ハンドクラップの嵐状態に。アウトロで蓮は「終わっちゃうよ、終わっちゃうよ!」と、今のこの瞬間を惜しんだ。

前の出番の、竹原ピストルが終わったあたりから降り始めた雨が、すっかり本降りになった頃に、茶堂ステージに上がったかりゆし58。前川真悟、「フェスらしくなってきましたね。この、いつもより過酷な環境の中で集まってくださった皆様の中で、最年少のお客様、いちばんちっちゃいお友達に、1曲目を捧げたいと思います」と、『声のジェット機』でライブをスタートし、歓声を浴びる。

かりゆし58 / Photo:吉田大右
かりゆし58 / Photo:吉田大右

前回に茶堂ステージに出た時も豪雨だったそうで(2013年)、「こんな時に、やるべきことはひとつです。人間は、音楽は天気に負けないということを、あなたと証明するだけだと思っています」と、次は『まっとーばー』、また拍手を浴びる。そして、ギターの新屋行裕が誕生日を迎えたばかりで(8月18日)、自分の母親の77歳の誕生日が、その翌日なんです──という話から、母のことを歌って超ロングヒットになった、かりゆし58の最初の名刺である『アンマー』を聴かせる。

かりゆし58 / Photo:吉田大右

かりゆし58はデビュー20周年で、母親のことを歌った今の曲は20年前の曲、そして今年できたのは奥さん好きだよ、っていう曲。女の人が笑っていたら、世界はよくなります──という言葉から次に歌われたのは、『愛を編む』だった。これまでの曲にも、この『愛を編む』にも、みんな雨に打たれながら、真剣に聴き入っている。ラストは、<もうすぐ今日が終わる やり残したことはないかい>で始まり、<かけがえのない時間を胸に刻み込んだかい>で終わる『オワリはじまり』。アウトロの<♪ララ ララ ララ ララ ララララララ>に合わせて、オーディエンスみんなが大きく腕を振る頃には、雨はほぼやんでいた。

『ハッピーウェディング前ソング』でスタートしたヤバイTシャツ屋さんは、間奏でドラムもりもりもとのセリフのコーナーがある『WEST NIGHT』を、2曲目に持ってきて盛り上げる。「四国! 四国!」「香川! 香川!」「DUKE! DUKE!」「モンバス! モンバス!」と、コール&レスポンスを巻き起こすもりもと、「なるほど」と納得して歌に戻るこやま。そして『メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲』では、おなじみの「しゃがむ→ジャンプする」を参加者にリクエスト。いつもながら、徹底的にオーディエンス参加型のパフォーマンスである。

ヤバイTシャツ屋さん / Photo:キョートタナカ
ヤバイTシャツ屋さん / Photo:キョートタナカ

『あつまれ!パーティーピーポー』を経ての『すこ。』では、その「オーディエンス参加型」の最新スタイルが。Tシャツも作って布教している『反復横跳び』である。こやまが歌い、ベースありぼぼがお手本を見せてから、「これをみんなでやったらめちゃくちゃ気持ち悪いなと思うんで。キショい景色を作りたい、みんなで反復横跳びしよう!」と、曲へ。サビで、フィールドいっぱいにヘンな動きが広がるさまは、確かにキショくて大笑いだったが、感動的でもあった。この曲のみ、撮影&拡散OKが宣言された、『アルゴリズムの犬』で参加者をさらにヒートさせ、『Blooming the Tank -top』と『NO MONEY DANCE』を、こんなに速かったっけ? と言いたくなるBPMで放つ。

ヤバイTシャツ屋さん / Photo:キョートタナカ

そしてラストの「かわE」に入る前に、こやまたくやは「ライブハウスいっぱい行こうぜ! モンバス最高やけど、モンバスだけじゃあかんで! ライブハウス大好きおじさんからのお願いでした!」と、呼びかけた。

空海ステージのトリ、東京スカパラダイスオーケストラは、最初に『DOWN BEAT STOMP』で参加者をがっちりロック。「モンバスの出演は11回目、でも大トリを務めさせてもらうのは今日が初めて。みんな残ってくれて本当にありがとう」と、谷中敦、お礼を言う。「イヤモニ外すんでみんなの声を聴かせてくださいよ。もっと高い声で! もっと低い声で! 低い声から高い声へ!」と歓声を引き出し、「100点満点! ありがとう! 思い切り戦うように楽しんでくれよな!」と、『Glorious』になだれこむ。すさまじい幸福感である。

東京スカパラダイスオーケストラ / Photo:酒井ダイスケ

ちょっとクールダウンした『CALL FROM RIO』と、大森はじめのアオりで<わっしょいわっしょい!>コールが響いた『天空橋』を経て、呼び込まれたスペシャルゲストは、04 Limited SazabysのGEN。「飛行機止まって帰れなくなったから、高松で遊ぼう!」と、『銀河と迷路』を歌い始める(この日東京は記録的な豪雨で、羽田空港では到着便38便が欠航)。

東京スカパラダイスオーケストラ / Photo:酒井ダイスケ

が、その次が本当のサプライズ。フォーリミの『Re-monolith』をやったのだ。ライブで一回一緒にやったきり(7月9日Zepp Nagoya)、フェスでは初披露だそうで、GEN、「ラスサビ前のとこって、僕きっかけでしたっけ?」などと、すごく不安そう。しかし、曲に入るとばっちり決まる。ファスト&ラウドな『5 days of Tequila』でオーディエンスの温度をまた上げてから、谷中「ここで初めてのことが起こります!」と呼び込んだのは、ヤバイTシャツ屋さんのこやまたくや&ありぼぼ。曲はヤバTの「めちゃめちゃ直属の先輩」の10-FEETとスカパラが一緒に作った『閃光』である。超レアなセッションに、みんな大喜び。

東京スカパラダイスオーケストラ / Photo:酒井ダイスケ
東京スカパラダイスオーケストラ / Photo:酒井ダイスケ

普段と違いハンドマイクのこやまたくや、歌っていない時はずっとステージを走り回っている。ラストはもちろん「Paradise Has No Border」。恒例、GAMO先導の「どこがいちばん盛り上がってるんだー!?」コーナーでは、いったん引っ込んだこやま&ありぼぼ、そしてもりもりもとも参加、ステージの上の温度もオーディエンスの温度も、もう果てしなく上がっていった。記念撮影を終えて8人が去ると、花火が何発も打ち上がり、参加者に初日の終了を伝える。ようやく暗くなり始めた空に花火が広がるこの光景を見るたびに、モンバスだなあ、とうれしくなる。
2日目に続く。

東京スカパラダイスオーケストラ / Photo:酒井ダイスケ
東京スカパラダイスオーケストラ / Photo:酒井ダイスケ

<フェス概要>
『MONSTER baSH 2026』
8月22日・23日 国営讃岐まんのう公園

▼8月22日出演アーティスト
04 Limited Sazabys / 時速36km / ano / Arakezuri / CANDY TUNE / Chevon / 超能力戦士ドリアン / クレイジーウォウウォ!! / クリープハイプ / DISH// / 橋口洋平(wacci) / かりゆし58 / コレサワ / kurayamisaka / マカロニえんぴつ / 多次元制御機構よだか / NakamuraEmi / ねぐせ。/ 日食なつこ / リーガルリリー / セカンドバッカー / 湘南乃風 / スターダスト☆レビュー / スキマスイッチ / 竹原ピストル / Tele / 天々高々 / 東京スカパラダイスオーケストラ / TRACK15 / UVERworld / ヤバイTシャツ屋さん /『ユイカ』

『MONSTER baSH 2026』オフィシャルサイト

https://www.monsterbash.jp/

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