Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 「25年前よりも、いまの歌のほうがいい」TETSUYA、ソロ25周年で届けた感謝と進化

「25年前よりも、いまの歌のほうがいい」TETSUYA、ソロ25周年で届けた感謝と進化

音楽

ニュース

ぴあ

(撮影/緒車寿一)

続きを読む

フォトギャラリー(5件)

すべて見る

今年はL’Arc-en-Ciel結成35周年。<35th L’Anniversary TOUR>を10月に控えた<SUMMER SONIC 2026>では東阪ヘッドライナーを務め、ヒット曲を惜しみなく連打した90分に、スタジアムには巨大なサークルピットがいくつも生まれ、終演の花火まで含めて「日本が世界に誇るモンスターバンド」としての現在地を示した——そんな夏の熱狂の直前に、リーダーでありベーシストのtetsuyaは、ソロ25周年の扉を開いていた。2001年7月18日に『wonderful world / TIGHTROPE』でソロ活動をスタートさせた彼は今年の7月1日に最新シングル「何があっても」をリリース、7月11日には東京・Zepp Shinjukuにて<25th ANNIVERSARY LIVE>と題したライヴを開催した。ソロとしての四半世紀に渡る活動の歩みを凝縮したこの特別な公演のレポートをお届けする。

TETSUYAの歩みを凝縮したステージ

ソロ25周年を記念して行なわれたTETSUYAの特別公演。当日は1st、2ndともに室姫深(Gt)、中村佳嗣(Gt)、IKUO(Ba)、山崎慶(Dr)、岸利至(Key)によるThe Juicy-Bananas(以下、TJB)を従えてのライヴとなった。Zepp ShinjukuでTETSUYAがライヴを開催するのは今回が初。

客電が消え、オープニング。SEとして流れてきたのは、懐かしの「TEZMANのテーマ」だった! AIで生成された赤ちゃんTETSUYA(←歓声があがるほどかわいい仕上がり!)がどんどん大きくなり、ソロデビューしてから現在にいたるまでをたどるオープニングムービーが流れる間に、TJBがステージにスタンバイ。この日は、TETSUYAの25周年を祝うように、全員がブラックを基調にしたドレッシーな装いで登場。最後にフォーマルなモノトーンコーデにサングラス姿のTETSUYAが姿を現わすと、場内に大歓声が沸き起こり、フロアでは黄色いMUKIM砲とペンライトが揺れる。その空間を埋め尽すように、分厚いバンドサウンドが放たれ、ソロナンバーのなかでもダークなロックナンバー『蜃気楼』でライヴは幕を開けた。

ソロを始めた当初、音源でベースを弾かなかったTETSUYAが、レコーディングでエレキベースを弾き出した曲だ。TETSUYAが弾いたベースのソロパートを、IKUOが華麗な指さばきで再現してみせると、それをいとおしむようにみつめていたTETSUYAは、すぐさまIKUOの後ろに立って、彼をバックハグ。続いて、TETSUYAが作る王道ナンバーのなかから『Make a Wish』が放たれると、とたんに会場の空気が晴れやかになり、ステージ後方には水が弾けるような映像が映し出された。この日のTETSUYAのヴォーカルは、25周年を記念した特別公演であること。さらに、久々にTJBを背負ってということも相まって、冒頭からとにかくエネルギッシュ! それでも、いつもと歌の精度が変わらないところがTETSUYAのヴォーカルのすごいところだ。

ベースと同じように、ヴォーカリストとしても25年という歳月を重ね、その歌声に深みと輪郭を刻んできたTETSUYA。その声に負けじと、TETSUYAが作ったサビのコーラスを室姫、岸、IKUOの3人が的確に歌声を重ねて、曲に立体的を与えていく。山崎のドラムから始まった『愛されんだぁ I surrender』は、TETSUYAの楽曲のなかでも変化球的な位置づけにある楽曲。曲を引っ張るのは印象的なギターリフだ。その隙間のタイミングを見計らってクラップを入れてみんなで曲に“RIDE ON”していくときのちょっとした緊張感は、ライヴだからこそ味わえるこの曲の醍醐味。その緊張感を乗り越えたあとは、サビで、TETSUYAののびのびとしたヴォーカルに観客たちは心地よくRIDE ONしていった。

「こんばんは!」と挨拶をしたTETSUYAは、すぐさまフロアの異変を察知。「なんでみんな笑ってんの? あぁー、そっか。“こんにちは”か。まだ昼間ね」。そんなファンとの和やかな会話から始まったMCは会場とメンバーを笑わせながら「今日はサクサクと行くんで(笑)、最後まで楽しんでってください」と伝えた。巨大な会場で何万人ものオーディエンスと向き合うL'Arc-en-Cielのステージとはまた違い、ソロのTETSUYAは目の前のファンの表情を見つけ、声を拾い、会話をしながらその日のライヴを作っていく。その距離の近さも、TETSUYAのソロならではの魅力だ。そして『Can’t stop Believing』でライヴはすぐさま再開。この曲は、tetsuにアーティスト名を変更したときに出したシングルだ。この曲の取材をしたとき、ジャケットの写真を見ながら“ビルフェチ”であることを楽しそうに話してくれたのを思い出す。

彼のソロの名義はTETSU69から始まり、このtetsuを経て、2010年からは現在のTETSUYAとなった。この25年で3回変わったことになる。こんなソロアーティストも珍しいが、TETSUYAの場合、さらにこのTJBをバックにしたバンド編成のソロに、アコースティック編成でのソロ、TETSUYA単体でのソロ、近年はラルク以外で彼がベースを弾くLike-an-Angelまでやっている。ソロでここまで自分、音楽の可能性をストイックに鍛錬し続けてきたのがTETSUYAなのだと思うと、こんなにポップな曲もこの日は感慨深かった。そこから、曲はFATE」へと展開。

モノクロの映像をバックに、TETSUYAの中低音ヴォイスから始まり、TJBが息の合ったキレキレの演奏で重厚感をどんどん増していった先。歌は高音域へ突入する。この高低差のあるメロディーを可視化するように、TETSUYAは曲中、腰を曲げ、ストーンと落ちていくようなパフォーマンスで観客を釘付けにしていく。TJBが“HATE”のコーラスを場内に響かせ、エンディングまで終始この曲をクールにカッコよくきめていったあとは、バックの映像がヨーロッパの石畳へと切り替わり、『Time goes on-泡のようにー』が始まる。ソロで音源化する以前から、ライヴでたびたび歌ってきたラルクのセルフカヴァー。いまや本体以上に、TETSUYAのライヴで出会う確率のほうが圧倒的に高くなったこの曲は、TETSUYAが歌い出した瞬間から、TETSUYAの歌からにじみ出るせつない空気が胸を締め付け、なんともいえない気持ちにさせられる。

そこに『白いチューリップ』を続けられたら、たまらない。映像では、白い花びらがヒラヒラと舞い落ち、TETSUYAのヴォーカルはバンドインするのと平行して、どんどんエモーショナルになり、そうして最後。ストーンと1オクターブ下でメロディーを歌い、深い悲しみを表現していったところで、観客たちを包み込んでいた空気は、せつなさがマックスまで広がっていった。

「25年前よりもいまの歌のほうがいいって言って」

「みなさん“こんにちは”。TETSUYAです」といって明るい笑顔を届けるTETSUYA。こうして、しんみりとしてしまった空気をすぐに明るいムードに変えていくのは、TETSUYAの得意技。これも、彼がこれまでライヴを積み重ねながら、ずっとやってきたことだ。
「デビューして25年ですって。みんなは生まれてなかったよね?」といって観客の笑いを誘ったあと、TETSUYAなりにこの25年を振り返る。

デビューして数年は、イベントに出て数曲歌うぐらいで、単独ライヴをやっていなかったTETSUYA。その理由について「当時はレコーディングで歌ってるだけで、人前では歌えなかった」という衝撃の告白には、ファンも声を上げて驚いていた。そんな時代を経て「25年前よりも、いまの歌のほうがいいって言って」とファンへおねだりすると、観客が一斉に「いいよ!」と応え、大きな拍手を送った。それは楽曲の新旧を比べのではなく、25年をかけて磨き続けてきた自分自身の“歌声”についてであった。
それを聞いたTETSUYAは「今日は“大きくなったな”ってお父さん、お母さんに見守られているような気分」。25年前、人前では歌えなかった頃から、歌うTETSUYAを一番近くで見守り続けてきたファンとの関係性を、そんな言葉で表した。

そうして「元気あんの?」とフロアを煽ったあと、ライヴは『LOOKING FOR LIGHT』から終盤戦へ突入。明るいTETSUYAのサマーポップチューンが弾けると、観客たちはたちまち輝くような笑顔に。その表情が視界に入ったのか、間奏で中村がギターソロを弾きだすと、TETSUYAはそのそばにいって、フロアに向かって両手を前に突き出し、手のひらをフリフリ。サビで首を左右に振るシーンでは、1度キチンと両脚を揃えてから首を振り始めるTETSUYA。これらの一連の動作があまりにもキュートすぎて、思わず「かわいい!」と声を上げるファンたち。

L'Arc-en-Cielで『Driver's High』『READY STEADY GO』『STAY AWAY』など、聴く人を高揚させるポップな楽曲を数多く生み出してきたTETSUYA。そのメロディーメーカーとしての魅力を、より客席との近い距離で感じられるのがソロなのかもしれない。L'Arc-en-Cielの音楽が持つ楽しさ、明るさ、ポップさを凝縮したような空気が、TETSUYAのソロライヴにはある。それを加速させるかのように『Roulette』が始まると、メンバーも観客もタオルを手に持ち、TETSUYAのパーティーチューンで大騒ぎ。曲中、メンバーが数秒間静止画面のようにストップするシーンも見事に決まり(ここもリハで練習しているのか今度聞いてみよう)、そこからのブレイクすると、場内のテンションはさらに上昇。

アメリカンポップな映像が、TETSUYAのマスコットイラストに変わって、アニメーションムービーとともに始まった『I WANNA BE WITH YOU』は、目も心も躍らせて、みんなを光の世界へと連れ出していき、本編ラストはTETSUYAのキラーチューン、『Are you ready to ride?』。ステージでは白煙がバンバン噴き上がり、この曲でおなじみのBananaman Brothersの2人も加わって、25周年のパーティーを大いに歌って踊って楽しんで、会場が笑顔で1つになったところで本編は終了した。

まさかの観客レコーディングも! この先へ続くTETSUYAの挑戦

アンコール。再びステージに戻ってきたのはTETSUYAのみだった。そうして「発声練習しようか」とフロアに呼びかけ、TETSUYAヴォイストレーナーのレクチャーに従って、観客たちが低音から高音まで、声出しをひたすら練習。こうして、みんなの喉を温めたあと、TETSUYAが「みんなの声、録音させて」といいだし、観客は大慌て。これに対して、TETSUYAは、Like-an-Angelの全国ツアー<TOUR 2025-2026“Crash to Rise”>のファイナル公演、横浜Bay Hallの観客の声がうまく収録できなかったからだと説明。そのため、このあとLike-an-Angelの作品として発売する作品に収録予定の『YOU GOTTA RUN』、『snow drop』、『Driver's High』の3曲について、みんなの声をこの場で収録することを伝えた。

「ラルク(の曲)だから、みんな歌えるでしょ?」といって、TETSUYAがコンダクターとなり、「拍が遅いよ」、「ちゃんと僕を見て!」とTETSUYAに指導されながら、これら3曲の歓声や歌声を録音。さらに「続いては、Like~の未発表曲ね」とTETSUYAがいうと、フロアは驚愕! このあと、まだ聴いたこともない未発表曲のデモのコーラスパートが場内に流れ、観客たちはその場でフレーズを憶えて歌唱。「憶えやすい曲書くね。僕(笑顔)」といってTETSUYAも憶えたての曲を正確に歌うファンの歌唱に大満足。こうして、無事に観客たちの声のレコーディングは終了。25周年を祝う特別な公演は、アンコールで誰も予想していなかった、他では(たぶん)体験できないようなスペシャルなものを用意して、ファンを大いに驚かせてステージを去っていったTETSUYA。

このあと、TJBの面々と再びステージに戻ってきたTETSUYAは「25周年、みんなのお陰です。ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えたあとは、最新シングル「何があっても」を歌唱。この曲は2015年7月に開催したファンクラブ発足記念ライヴで初披露し、2017年8月に行なったソロ15周年記念ライヴ<TETSUYA 15th ANNIVERSARY LIVE>でも披露して、ここまで歌い紡いできたナンバーだ。シルバーテープがフロアにキラキラ舞い降りるなか、オーディエンスも美しい歌声で“ラ~ラ~ラ~”のコーラスを歌ったあと、曲は『Eureka』へと展開。

晴れ晴れするようなメロディー、“迷い消える”“悪い事は もう起こらない”など、フレーズを聴いているだけで、TETSUYAマジックにかかり、あの虹の向こうまで行けそうな気分になるこの軽やかなポジティブソング。しかし、そのためには“悲しみには惑わされない”“逃げ出さないで”“涙は見せない“と歌っているところには、ついついTETSUYA自身の生き方を重ねてしまい、グッときてしまう。そこから、1st STAGEのラストを飾ったのは「流れ星」だった。この日はこの曲のみ、動画撮影が許可され、観客たちはスマホ越しにこの曲をフルで撮影。TETSUYAとTJBの面々、そのバックには壮大な星空が広がり、この曲では、きっとTETSUYAが星の王子様に見えたに違いない。ファンタジックな気持ちに包まれた場内に向かって「みんなのいい声録音できたし、楽しかった!」とTETSUYAが告げ、最後はTJBと手を繋いで「わっしょーい」を3回唱えながら挨拶をして「ありがとう! まったね~」という言葉を残して、ステージを去っていったTETSUYA。

TETSUYAのキュートなマスコットのイラストが描かれたグッズの25周年記念Tシャツ。背中に刻まれた“UARTER CENTIURY,STILL UNFINISHED.”、四半世紀半たっても、まだ未完成という文字は、きっとTETSUYAからのメッセージだ。このあとTETSUYAは、9月には初の海外公演を盛り込んだ<TETSUYA Acostic Live Tour 2026 at Billboard Live>、10月3日の誕生日には毎年恒例のライヴ<TETSUYA BIRTHDAY CELEBRATION>を、1st公演はTETSUYA&The Juciy-Bananas LIVE 2026“THANK YOU”、2nd公演はLike-an-Angel LIVE 2026“THANK YOU”として開催する。
TETSUYAは満足していない。ソロを完成させるまで、まだまだチャレンジは続いていく。


<公演情報>
TETSUYA BIRTHDAY CELEBRATION LIVE 2026 “THANK YOU”

2026年10月3日(土) 東京Spotify O-EASTにて開催!

TETSUYAのバースデーを記念し、「TETSUYA&The Juicy-Bananas」「Like-an-Angel」による特別公演を1日2公演にて開催します。

【昼公演】TETSUYA&The Juicy-Bananas LIVE 2026 "THANK YOU"

日程:2026年10月3日(土)
会場:東京 Spotify O-EAST
時間:開場12:00/開演13:00

【夜公演】Like-an-Angel LIVE 2026 "THANK YOU"

日程:2026年10月3日(土)
会場:東京 Spotify O-EAST
時間:開場18:00/開演19:00

<チケット情報>
【料金】
各公演 スタンディング:¥11,000-(tax in)
※入場時ドリンク代¥600-別途必要

チケットぴあ
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2562295


撮影/緒車寿一、取材・文/東條祥恵

フォトギャラリー(5件)

すべて見る