前川知大の代表作『聖地X』が桐谷健太を主演に迎え上演! インタビュー:桐谷健太×前川知大(作・演出)
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インタビュー
左から)桐谷健太、前川知大(作・演出)
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すべて見る劇団「イキウメ」の主宰である前川知大が、パルコ・プロデュースのもと、『聖地X』を11年ぶりに上演する。ドッペルゲンガーの謎を追う主人公・山田輝夫を演じるのは、前川作品初参加となる桐谷健太。そこで稽古開始を数日後に控える前川と桐谷に、本作にかける想いを語ってもらった。

――『聖地X』を再び上演することになった経緯は?
前川:僕のほうから「やりたい」と言いました。すでにある程度完成したものを、また違うタイプの座組でやることの面白さがあるんじゃないかなと思って。あと僕の作品って、なにかしらのテーマで語られることが多いんですが、『聖地X』はあまりそういったタイプでもない。なんというか、ただシンプルに面白い作品だと思っています。決して笑わそうと思って書いたわけではないですが、やっぱり主人公の山田輝夫が、すごく魅力的なキャラクターになったと思っていて。僕の作品の中でも珍しいタイプのものなんです。
桐谷:今回の出演が発表された時、いろんな人から「イキウメの前川さんの作品に出るんだね」って連絡をもらったんです。中には「イキウメはなに観ても面白いですよ」と言ってくれた友人もいて。本当にありがとうございます!
前川:いやいや(笑)。
桐谷:舞台に出演するのは今回で3度目ですが、これまでは不安と恐怖のほうが大きかった気がするんです。でも今回は感謝の気持ちのほうが大きくて。というのも僕自身、ここ1、2年でいろいろなことがあって、周りの人たちへのありがたみをより強く感じるようになっていたんですね。だから今回こうして前川さんとご縁がいただけたことも、本当にありがたいなと思います。
――桐谷さんが山田輝夫を演じることで、またどういった輝夫像になっていくと思いますか?
前川:まず桐谷さんに出演していただけるとわかった時、絶対に合うなと思いました。
桐谷:えっ!?
前川:それは初演の安井順平とは全然タイプが違うにも関わらず、です。輝夫って役は、アクティブニートと言いますか(笑)。それを安井は、ひねくれた、ちょっと世捨て人っぽいけど、人情に厚い、みたいに演じました。桐谷さんは、非常に陽のエネルギーが強いと感じるんですが、それによって前のめりに事態に介入していってドツボにはまる、って感じがなんか想像できて、それはそれでこのキャラクターに合っているなと。あと輝夫の台詞ってすごくユーモアにあふれていて、それを真顔で言って面白い感じっていうのは、桐谷さんならではだと思うんです。そういう桐谷さん自身のキャラクターが、役の大きな助けになっていくと思います。
桐谷:本当ですか!? もう演出が始まっていますね……(笑)、いや、本当に楽しみです。輝夫って別に、なにかおかしなことを言ってやろうとか、笑わそうとしているわけではないですよね。思ったことをただポンと言っているだけで。でもそれが面白おかしく聞こえる。そのためには演じる側の力が必要になってくると思うので、はい、そこはぜひ、ご指導のほどよろしくお願いします。
前川:はい、お願いします(笑)。

――台本を読まれてみて、改めて作品としての魅力をどんなところに感じられましたか?
桐谷:世界観としてはすごく不思議で、奇妙で、ちょっと怖さもあるんですけど、たくさんクスッと笑えるところがあって。しかも台詞としては僕らの身近にある、いわゆる日常会話。だけどおもしろ可笑しいっていうバランスが、とても魅力的だと思います。
前川:「これあり得るかもな」っていう、日常と地続きに変なことが起きることって、僕らの生活の中にも多分にあると思うんです。それをいい感じで表現できたのが、この『聖地X』なのかなと。先ほどテーマはないと言いましたが、あるとしたら「変なことってあるよね」ということ。で、それを山田輝夫という特殊なキャラクターが、普通の人だったらそこまでやらないだろうというところまで考えて、考えて、入り込んだ結果、変な事態に直面してしまう。「あれ、俺こんなことまでしなきゃいけないの!?」って(笑)。
桐谷:確かに(笑)。
前川:変な現実にぶち当たるんですけど、でもそれも現実じゃない、みたいな。僕の中でも似た作品がないと思いますし、だからこそすごく気に入っている作品で。しかも今回は桐谷さんに輝夫をやっていただける。ここまでの桐谷さんのお話を聞くだけでも、やっぱりユーモアセンスがある方だなと思いますから。
桐谷:いやいやいや……(笑)、ありがとうございます。
前川:ちょっとふざけている感、みたいなところもありますし。
桐谷:確かに、輝夫にもありますね!
前川:そう。あと毒が吐けるというか。毒の中に薬も入っている、みたいな台詞が輝夫には結構あると思うんです。それをきっと桐谷さんなら、毒なんだけど傷つけずに届ける、みたいなことができるんじゃないかなと。
桐谷:(笑)
前川:そして桐谷さんらしいやり方で、さらに僕の想像を超えてきてくれるだろうと期待していて。それが今から本当に楽しみです。
桐谷:僕自身、この作品が終わるころにはきっと変わっていそうな気がしますし、本当にそうなれたら最高だなと思いますね。

【あらすじ】
ある田舎町。裕福な実家で働きもせず、悠々自適に暮らす山田輝夫。
そこへ妹が夫と別居して戻ってくる。しばらくして妹の夫が山田家に現れる。
しかしその夫は、同時に東京にも存在していた。ドッペルゲンガー。
輝夫はこの不可解な事態を独自に調べ始める。
すると過去にも似たような事件が起きていたことを知る。
思いをかたちにする未開の聖地。
あなたの中の私が、独り歩きする。
取材・文/野上瑠美子
撮影/吉原朱美
<公演情報>
PARCO PRODUCE 2026
『聖地X』
作・演出:前川知大
出演:
桐谷健太 / 和希そら / 浜田信也
こがけん / 池田 良 / 土本燈子 / 渡辺 光
村岡希美 / 馬渕英里何
【東京公演】
2026年11月5日(木)~29日(日)
会場:PARCO劇場
【大阪公演】
2026年12月5日(土)~7日(月)
会場:COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
【香川公演】
2026年12月19日(土)・20日(日)
会場:シアターマド(丸亀市民会館) 大ホール
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/seichi-x/
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