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レピッシュ、40年の歴史が生んだ圧倒的なライブ──日本武道館へのカウントダウンが始まったツアーファイナル【オフィシャルレポート】

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『Lä-ppisch Tour 2026 COUNTDOWN』 Photo:チャーリー緒車 

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2026年10月9日。奇しくも1987年10月9日は、メジャー・デビュー後のお披露目とも言える後楽園ホールでのライブだった。あれから39年が経ち、形は少し変わってもいまだステージでジャンプをし続けるレピッシュ。All Sold Outのツアー最終日はここ3年のホームともいえるZepp Shinjukuだ。定刻に客電が消え、しかしSEはいつもの「KARAKURI」ではなくMAGUMIが選曲したTerry Hall & Mushtaqの「Grow」。

やがて4つの人影が現れ、矢野一成が「美代ちゃんの×××」のあのドラムを叩き出すと杉本恭一、続いてMAGUMIが登場する。私がこの曲を聴くと思い出すのは1993年12月の日本武道館。長いイントロの間花道があるステージを縦横無尽に走り回っていたMAGUMIと恭一が正面衝突しそうになり、危機一髪のタイミングで恭一がしゃがみ、MAGUMIが上を飛び越えた。肝が冷えたあの瞬間を覚えている人はいるだろうか。

「元気だったかい?」

第一声に続いて男性が増えたことを指摘。大阪、名古屋も同様だったらしいが、歓声の量で測ると半々くらいな気さえする。

SEをはじめ、今回のセットリストはこの4年でいちばんの変化球かもしれない。「ESCAPE」「water」「回送電車」「ありがとう」など久しぶりの曲の多さ。特に「RINJIN」がなぜ今まで漏れていたのか不思議になる。もちろん客席はどんな曲でも変わらずに沸く。DNAに刻み込まれた、少しゆがんだ抒情性とその裏にある破壊力。

「LAULA」のエンディングでは上田現が歌っていた“私とあなたの薄れる意識が”のパートをtatsuが歌う。tatsuが外仕事を始めた頃、恭一が冗談まじりに「あいつはレピッシュ以外(の現場)だとなんであんなに楽しそうなんだ」と言っていたが、それももう昔話だ。メンバー紹介では4歳上のMAGUMIに「同世代と言われたくない」と言い返していたが、「tatsuも言うようになったなー」とあしらわれていた。

上田現の穴を埋める大役を担う奥野真哉(ソウルフラワーユニオン)は名前を呼ばれると天井を見上げながら両手を伸ばし、手を合わせた。矢野一成は「前はいつもライブのあとゲロを吐いていた」とバラされ、40年近い付き合いのトロンボーン増井朗人にいたっては数年前の大手術の痕跡を指して「ロブスターみたい」。恭一は高校時代MAGUMIと喧嘩するとオナラで仲直りをしていたらしい(面白いのだが、決して事細かに書く話ではない)。

今年もまたバックの映像演出が素晴らしい。「ガンジー」のガネーシャ、「Party」の星空と観覧車、「ハーメルン」はセピア色の当時のPV。目の前のステージでの光景が加工されてリアルタイムで映る。デビュー当時から変わらないスタッフがすべてのツボを押さえている。40年の蓄積がここにある。

終盤、「LOVE SONGS」で客席に飛び込むMAGUMIを支える何本もの男性の手。40年前はまだわかる。あの頃のレピッシュのライブは男性が来にくかった。でも30年前、あなたたちはどこにいたんですか? 誰もが血沸き肉躍る「Magic Blue Case」。1990年に恭一がこの曲を生み出したことはレピッシュにとって本当に大きいと思う。

アンコール1曲目の「リックサック」はバックに歴代のアルバムジャケットが並び、その上で3人のかわいいドット絵が踊る。tatsuは真ん中でひとり動かず、MAGUMIと恭一はふたりずつに分裂してtatsuの周りを回るシーンなどステージよりもそこばかり見てしまった。高校の通学時に自転車対タクシーで繰り広げられる闘いがテーマの怒りの歌が結果的にそのタクシー会社の宣伝になっているアンビバレントな「旭タクシー」。熊本復興支援Tシャツが早々に売り切れたことが報告される。「ANIMAL BEAT」での恒例アンケートは若干グダグダ。

ダブルアンコール。「プレゼント」の映像は銀河か星雲か。「シリウスになるよ」と言って旅立った人を想う。そしてこの瞬間が来た。

「私たちとあなたたちのカウントダウンの始まりです」

発表されたのは2027年5月3日(月・祝)の日本武道館公演。大阪や名古屋でもこっそり匂わせをしてきたのでコアなファンの人たちにはバレていたはずだが、それでもけっこうなどよめきが起きる。1992年12月の『年忘れ!帰ってきた冬の稲妻スペシャルⅡ』、1993年12月の『年忘れ!変身 冬の稲妻 V3』以来3回目の武道館だ。

「ここにいる人が4人ずつ連れてくればいいんだから、すげえ簡単じゃねえか」

共存と共栄。いわば互助会。「KU・MA・MO・TO」が2時間半に及ぶカオスを着地させ、全員の名前を呼ぶ。最後に「そして上田現!」。

「武道館で会おう!」

2027年5月3日。東京は新緑に包まれ、千鳥ヶ淵には何艘ものボートが浮かんでいるはずだ。はやる気持ちを抑えながら駆け上った階段もあの坂も、今も変わらずそこにある。色とりどりの少女たちのざわめきが遠くから聞こえてくる。待ちきれない気持ちを誰もが隠さない。あれから30年以上が過ぎた今、もう一度あの旗の元に集い、自らの来し方を確かめてみるのもいいのではないだろうか。

Text:佐々木美夏 Photo:チャーリー緒車

<公演概要>
『Lä-ppisch Tour 2026 COUNTDOWN』
10月9日 東京・Zepp Shinjuku

【Setlist】

01. 美代ちゃんの×××
02. F5
03. RINJIN
04. タンポポ
05. サイクリング
06. 楽園
07. MAD GIRLS
08. ガンジー
09. LAULA
10. ESCAPE
11. room
12. Party
13. miracle
14. ありがとう
15. water
16. 回送電車
17. ハーメルン
18. Virus Panic
19. LOVE SONGS
20. Magic Blue Case
EN1. リックサック
EN2. 旭タクシー
EN3. ANIMAL BEAT
EN4. プレゼント
EN5. KU・MA・MO・TO

<公演情報>
レピッシュ デビュー40周年記念『Wind speed of 40 meters per second』
2027年5月3日(月・祝) 東京・日本武道館
開場16:30/開演17:30

MAGUMI コメント

デビューから40周年を我々Lä-ppischが迎えます。

デビュー前から私たちと風を共有された方々。

デビューから私たちを知った方々。

TVや雑誌で私たちを知った方々。

ちょっと休憩をしてライブを見た方々。

子育てを終えて復帰された方々。

最近のライブや情報でファンになった方々。

それぞれの風を皆さんと共有してきたことを感謝いたします。

そして武道館では風速40mの風が吹き荒れます。

日本武道館公演 特設サイト

https://la-ppisch.com/40th/

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