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ぴあ 総合TOP > 臨海エリアで現代アートめぐり『国際美術展 TOKYO ATLAS』展示レポート

臨海エリアで現代アートめぐり
『国際美術展 TOKYO ATLAS』展示レポート

アート
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メイン画像
台場公園展示風景 手前:草間彌⽣ 《ナルシスの庭》 1966/2026 Courtesy of Ota Fine Arts, ©YAYOI KUSAMA 奥:趙要(ジャオ・ヤオ)《Something in the Air》 2026 Courtesy of Ota Fine Arts

東京の臨海副都心の3つのエリアを中心に、現代アート作品を展示する国際美術展「TOKYO ATLAS(トウキョウ アトラス)」が開幕した。アーティスティック・ディレクターを共同で務めるのは、さまざまな国際芸術祭で芸術監督を務めてきた建畠晢と三木あき子。台場と天王洲の2つのエリアと青海(あおみ)エリアのテレコムセンター会場を建畠、青海エリアを三木が担当する。

10月8日(木)に行われたオープニングセレモニーにて、小池百合子東京都知事とともに登壇したアーティスティック・ディレクターの建畠晢(左)と三木あき子(右)。テレコムセンター会場の草間彌生作品の前にて。

実は、魅力ある多彩な催しがすでに多数あふれている大都市では、国際展を企画するのは難しいというのが美術界の通説だそうだ。それに東京には、大型の美術館や博物館も数多く存在する。そんななか、今回の国際美術展が特徴とするのは、美術館といった展示専用の施設を敢えて用いず、作品やアートプロジェクトを都市のインフラに直接介入するように組み込んでいること。そして、江戸時代から埋め立てによって開発され、時代時代にさまざまな役割を担ってきた歴史あるこの地域の「場所性」に注目した作品が多いことだ。ひとつひとつのアート作品を巡りながら歩いていくと、それぞれの場所の歴史や記憶、あるいは東京という街の今まで知らなかった光景や、整備された都市空間の中に潜む野生的な力が見えてくる——そんな体験も、本展の魅力のひとつとなっている。

各会場に設置されている同展のキービジュアルは、臨海エリアの土地利用データの変遷や営みをビジュアル化したもの。

ちなみに、会場のほとんどが公園などのパブリックスペースということもあり、観覧料はすべて無料、自由に何度も鑑賞できる。エリアの回り方も自由だが、全体にかなり広大で、雨後には足場の悪い公園もある。歩きやすい靴、飲み物持参を推奨したい。

自然と歴史が共存する「台場エリア」

台場エリアを訪れる際の最寄り駅は、ゆりかもめ線の「お台場海浜公園駅」もしくはりんかい線の「東京テレポート駅」だ。会場は、幕末の黒船来航にそなえて幕府が砲台として築造した台場のうち、現存する国指定史跡の第三台場を公園とした「台場公園」と、その台場公園と一体となって入り江を囲む「お台場海浜公園」の2か所。ふだん意識していないが、「台場」の地名は、この砲台の台場に由来する。

イケムラレイコ 《ムーンラビット・ランディング》 2026

お台場海浜公園を歩いていくと、入り江の海上に燦然と輝く白銀のウサギが浮かんでいるのが見える。全長6メートル強、アルミニウムの巨大な作品だ。作者は、ドイツを拠点とするイケムラレイコ。軍事目的で築造されるも、結局一発も砲弾を放つことなく開国を迎えた台場という場所を考えたとき、平和への祈りが制作にあたってのひとつのテーマになったという。スカートを大きく広げて月から降り立ったウサギの静けさをたたえた姿は、母胎や安らぎ、あるいは祈りの場も思わせる。一方で、陸と海に向けられた2つの顔やスカートにうがたれた孔は、内と外のつながりも感じさせる。東京の海の玄関口を象徴する作品ともなっているのだ。

お台場海浜公園にある作品はもうひとつ。あたりを見回しても見当たらないが、公園の人工砂浜を歩くと、なにやら不思議な声が……。臨海部の埋立てをめぐるテキストの朗読や在日アメリカ軍のラジオ放送音源を取り入れた石毛健太によるサウンド・インスタレーションは、しゃべる砂浜に耳を傾けるという不思議な体験をもたらしてくれる。

⽯⽑健太 《2026年の太平洋ラジオ⽕事》 2026

奥にある台場公園は、方形の人工島だ。島を囲む土手から見下ろすと、すり鉢状になった内側の広大な窪地の芝生の上に、大型のインスタレーション作品が現れる。キラキラと輝く1500個のミラーボールは、草間彌生の代表作のひとつ《ナルシスの庭》。1960年代に初めて発表されたこの作品は、場所を変え、かたちを変えて展示されてきた。今回は、スタッフやボランティアがある程度配置したのち、地元の小学生たちがバケツリレー方式で土手から芝生までボールを下ろして並べ、インスタレーションを仕上げる手順がとられた。近寄ると、自分自身や周りの人々、空や周囲の自然といった環境が一体となって映り込み、その球形が無限に広がっていく。空の色や光によっても見え方が変わる美しい作品だ。

手前:草間彌⽣ 《ナルシスの庭》 1966/2026 Courtesy of Ota Fine Arts, ©YAYOI KUSAMA
奥:趙要(ジャオ・ヤオ)《Something in the Air》 2026 Courtesy of Ota Fine Arts

もうひとつ、大きな赤い石を模したバルーンのインスタレーションは、北京を拠点とする趙要(ジャオ・ヤオ)の作品。色も質感も草間作品とは対照的だが、丸い形が呼応している。素材はバルーンだが、重々しい存在感は圧倒的。上部に記された「精神は一切を凌駕する」という言葉は、今この時、この場所だけでなく、この場所にかつて存在し、すでに消え去ってしまった時間や物語にも向けられているという。「信仰」とともに「時間」もテーマとなっている。

趙要(ジャオ・ヤオ)《Something in the Air》 2026 Courtesy of Ota Fine Arts 手前に見えるのは江戸湾防備の陣屋跡

この2点は、ゆりかもめの車窓からも目を惹く大スケールの作品だが、草地や灌木の茂みもある野趣あふれる公園の中には、秘やかに隠された作品もある。同じく趙要が日常的なテキスタイルのパターンを用いたシートを祭壇のように積み上げた作品は茂みの中に、また道端でよく見かける生命力の強い植物「アカメガシワ」やハエを3Dプリントで再現した水木塁の繊細な作品は、階段脇の閉ざされた草地に、それぞれひっそりとおかれている。台場公園には弾薬庫や陣屋の跡などの史跡もあり、散策をしながら作品を探すのも楽しみのひとつだろう。

趙要(ジャオ・ヤオ)《A Bed Sheet from the Countryside》 2026 Courtesy of Ota Fine Arts
⽔⽊ 塁 《P⁴ (Pioneer Plants Printing Projects) #Daiba Park》 2026
台場公園南側の土塁上には、砲台のレプリカも設置されている

建築内、野外、地下と、変化に富む展示空間をもつ「青海エリア」

臨海副都心としての青海エリアの開発が本格的に始まったのは、1980年代末のこと。最寄り駅のゆりかもめ線「テレコムセンター駅」に2階で直結するオフィスビルのテレコムセンタービルは、そのランドマーク的な存在でもある。今回は、高さ37メートル、5層吹き抜けの大空間のアトリウムをいっぱいに使って、草間彌生の2つの巨大なバルーン作品が展示されている。

草間彌⽣ 《ヤヨイちゃん》 2012/2023、《宇宙へ⾏って⾒た愛の花束》 2021 Courtesy of Ota Fine Arts, ©YAYOI KUSAMA

愛の花束で世界も宇宙も埋め尽くすイメージを体現する日本初公開作品《宇宙へ行って見た愛の花束》と、自画像とも言える《ヤヨイちゃん》の2点を初めて組み合わせて展示している。 建畠アーティスティック・ディレクターによる記者発表会での作品解説によれば、「芸術と愛の力で世界を救済する。それが自身を救済することでもある」というメッセージを一貫して発し続けてきた草間にとって、この2作を組み合わせることは、自他の同時救済という芸術に託した草間の生涯に渉る願いを象徴しているといえるだろう。階を移動すれば、さまざまな視点から作品全体と愛らしいヤヨイちゃんの表情を楽しむこともできる。

草間彌⽣ 《ヤヨイちゃん》 2012/2023、《宇宙へ⾏って⾒た愛の花束》 2021 Courtesy of Ota Fine Arts, ©YAYOI KUSAMA 作品のなかに入り込んだり、フロアを移動したりとさまざまな角度から鑑賞することができる

「テレコムセンター駅」から徒歩数分の「青海南ふ頭公園」は、港湾・海運事業に関わる他では見られないダイナミックな風景を見せてくれる公園だ。隣接する青海コンテナ埠頭には、大型の貨物コンテナと、そのコンテナを移動するガントリークレーンが立ち並ぶ。近くには瀟洒な大型客船が入港する東京国際クルーズターミナルがあり、また東京の中心地を対岸から見晴らす眺望もここならではのものだ。

青海南ふ頭公園から都心部をのぞむ。右手に見えるのが東京国際クルーズターミナル。

実はこの場所には、2つの会場がある。公園の地下には、1990年代後半に整備されたものの、今は利用を休止している全長約200メートルに及ぶ巨大な「地下駐車場」があり、今回は通常は入れないその駐車場が、特別に開放されているのだ。このエリアの特徴は、この地上と地下という二層構造で展示が構想されていること。地下空間では暗闇のなか、海底や宇宙、あるいは埋立地に関わる境界や労働、開発などのテーマのもと、リアルとフィクションが入り交じったファンタジックな大型作品が登場する。一方、明るく見晴らしのよい地上の公園では、オルタナティヴな生き方やコミュニティの在り方、動植物との共生といったことを考えるプロジェクトが展開、一種の解放区やフリーヴィレッジのような場が生まれている。

左:地下駐車場会場の受付となるトレーラーハウス
右:地下駐車場への入り口

見る順番は自由だが、地下駐車場については施設利用の法令上、事前に日時指定の無料チケットの予約が必要だ。受付のトレーラーハウスで鑑賞の注意事項の説明を受けたのち、いよいよ30年間ほぼ眠りについていた地下へと向かうことになるが、入り口で聞こえてくる不思議な声は、クジラが環境変化で行き先を見失いつつある現状に着目したもの。人類と自然との関わりや環境問題をテーマとする韓国のムン・キョンウォン&チョン・ジュンによるサウンド・インスタレーションだ。危機的な自然をテーマにした作品には、植物が失われてしまった未来の遺跡を想定したこのデュオによる幻想的なインスタレーションや、ジョグジャカルタ出身のイペェ・ヌルが神話を手がかりに制作した洞窟のような構造物の奥に映像が映るインスタレーションがある。

ムン・キョンウォン&チョン・ジュン《Echo Beacon》 2025、 《Phantom Garden》 2025、 《Freedom Village: Airlock I》 2023-2024、 《Freedom Village: Airlock III》 2025 Courtesy of the artists and SCAI THE BATHHOUSE
イペェ・ヌル 《Soil Time》 2026 Courtesy of the artist and ara Contemporary

地下という閉ざされた空間は光を用いた作品や映像作品と親和性があるが、今回はこの空間を記録や記憶にとどめることにも力が入れられ、2人の作家が駐車場で撮影を行った。

両手に反射鏡をもって駐車場を後ろ向きで歩くバンコクのカウィター・ワッタナチャヤンクーンの作品は、ありえたかもしれないもうひとつの世界が鏡の中に存在しているかのような不思議な映像作品。一方、幼少期から日本で暮らす潘逸舟(ハン・イシュ)は、かつて埋立ての際に人々が息を合わせるために歌った労働歌「木遣(きや)り唄」を駐車場に響かせた粋な映像と押し寄せる波に向き合う映像を組み合わせたインスタレーションを見せてくれる。

カウィター・ワッタナチャヤンクーン《Traffic》 2026 Courtesy of the artist and Nova Contemporary
潘 逸⾈ 《波になる》 2026 Courtesy of the artist and ANOMALY

サウジアラビアのムハンナド・ショノが、砂と海水を素材にチームで2週間をかけて制作した大型かつ繊細なインスタレーションは、海底に揺れる花のように圧倒的な美しさを放ち、かつて海だった空間を想起させる。

ムハンナド・ショノ 《I was once the sea》 2026

スコットランドのケイティ・パターソンは、言葉と光を用いた新作インスタレーションとともに、ベートーヴェンのピアノソナタ「月光」をモールス信号にして月に送り、戻ってきた曲を自動ピアノに弾かせる作品を展示。一方、今回、三木アーティスティック・ディレクター担当展示内でただひとりの物故作家である篠田太郎の出品作には、いつか宇宙で生活するようになったとしても、人類は地球と同じ環境を求めてしまうのではないか、その精神状況を問う作品が選ばれている。「月旅行をした音楽」の作品も、LEDライトを頼りにひっそりと生きる苔のインスタレーションも、どちらも人類による開発が宇宙にまで向かうことも思い起こさせるが、この会場の最後の作品は、レアアース採掘の対象になりつつある、普段は見ることの出来ない美しい深海の光景を、ベルリンを拠点とするジュリアン・シャリエールが水中ドローンで撮影した映像作品だ。

ケイティ・パターソン 《Earth-Moon-Earth(Moonlight Sonata Reflected from the Surface of the Moon)》 2007
篠⽥太郎 《Telescope》 2007、《⽉⾯反射通信技術》 2007-2016、《Space Camp Site》
2005/2006 Courtesy of MISA SHIN GALLERY
ジュリアン・シャリエール 《Midnight Zone》 2025 Courtesy of the artist and Perrotin

海に始まり、海に終わる地下駐車場の展示は、変化に富みつつ、ストーリー性も感じさせるスタイリッシュなものだが、地上の青海南ふ頭公園でのプロジェクトや作品は、いずれも自由でのびやかな印象だ。東京藝術大学の小沢剛研究室の学生や関係者たちからなるグループ《ヤギの目》のプロジェクトは、2頭のヤギの飼育を通して、地域の人々とともに表現やコミュニティの在り方を探求していくもの。作品展示もあるが、のんびりと草や餌を食むヤギの姿につい目が奪われ、いつの間にか周囲との会話が始まってしまうコミュニケーション誘発力の強いプロジェクトでもある。

ヤギの⽬ 《ヤギの⽬プロジェクト》 2026

既存のものに光をあてるのも、この会場のキーワードのひとつ。ロンドン出身のハルーン・ミルザは、公園内にある不思議な構造体に興味を抱き、今回設置したソーラーパネルから得る電力を用いたサウンド作品を展開。ドイツ在住の竹岡雄二の作品は、会場周辺にある標識など様々な物を公園内の展示空間に移行し、隔離することで、そのものの意味や存在の在り方を問い直すというコンセプトをもつが、その空間には野菜畑があったり、キッチンカーが出ていたり、芝生に置かれた台ではパフォーマンスが行われたりと、楽しげな雰囲気に満ちている。

ハルーン・ミルザ 《Adam, Eve, Others and a UFO for Choral Octet》 2025 Courtesy of the artist and SCAI THE BATHHOUSE
⽵岡雄⼆ 《GARDEN》 2026 Courtesy of the artist and SCAI THE BATHHOUSE

フランスのアブラハム・ポワンシュヴァルが水辺に停泊した巨大なボトルの中で生活するパフォーマンスは、パリ・オリンピックの際にも話題となった。今回も同様の計画が立てられていたが、昨今の世界的な海上封鎖や天候不良によって、ボトルの到着がオープニングに間に合わなかったという。国際展が時代の状況を映し出す象徴的な出来事にも見えるが、パフォーマンスのスケジュールは改めて組み直されるとのことだ。

青海エリアではまた、サテライト展示もある。東京国際クルーズターミナルでは、船舶の入港がない日にポワンシュヴァルの映像作品を上映。「テレコムセンター駅」に隣接する21階建ての青海フロンティアビルの20階にあるミュージアム的な施設「東京臨海部広報展示室 TOKYOミナトリエ」では、本展のためのリサーチやドキュメントの紹介展示がある。

倉庫群を基盤に再開発が進む「天王洲エリア」

台場と同じく、幕末に砲台として築造された天王洲エリアは、その後は倉庫街として東京の物流を支え続け、今は倉庫を活かした文化施設も充実した街区となっている。最寄り駅は、りんかい線ないし東京モノレールの「天王洲アイル駅」、会場はかつてのごみ集積場を再活用した「アイルしながわ」だ。改修後はパラスポーツ用のコートなども備えた建物には、カラフルな壁画もほどこされているが、その広大な空間は都会的に洗練された建築とはひと味違う野趣を帯びている。

天王洲エリアの会場となる「アイルしながわ」

最初の作品は、猥雑な小劇場を模した笹岡由梨子による映像インスタレーション。自らが主演する操り人形芝居仕立ての映像は、この施設がかつて様々なゴミをいったん集積して分類し、他の施設へと送り出していたことに着目し、食物の吸収と排出を担う人間の消化器をモチーフとしている。人形と人間が歌い踊り、食べ物が乱舞するポップでコミカルな映像、耳にとりついて離れない音楽、突如動きを見せる劇場の構造など、どこか異様さもはらんだエネルギッシュな作品である。

笹岡由梨⼦ 《アラベスク》 2026

一方、荒々しさのあるこの場所に、敢えてホワイトキューブ的な静謐な展示空間を生み出した作品もある。さまざまな太さと色の糸を壁にめぐらせた即興のドローイングによる盛圭太のインスタレーション作品だが、こちらも都市が手放したゴミが通過していった場所であることに思いを馳せ、在ることと無いことのあわいを糸でつなぐ試みだという。この作品は、展示空間に入るに際し、お寺の地下の暗闇の通路を歩いて回る「胎内巡り」のようなしかけがあるのも面白い。光にあふれた真っ白な空間での作品との出会いをより鮮烈にするために、まずは暗闇を体験したい。

盛 圭太 《Bug report》 2026

この会場ではまた、台場公園にも作品があった水木塁が新聞紙に精緻な彫刻をほどこした作品や、韓国の作家キムスージャの映像作品《針の女 東京》の展示がある。1999年に渋谷の雑踏の中で撮影された《針の女》を四半世紀後の今目にすると、どんな感慨が生じるのかも興味深いところだ。

⽔⽊ 塁 《夏の午後》 2026
キムスージャ 《針の⼥ 東京》 1999 Courtesy of CCA Kitakyusyu, Studio Kimsooja

なお、天王洲エリアで寺田倉庫が運営する美術館 WHAT MUSEUM では、「TOKYO ATLAS」の関連企画『座標』展が開催されている。東京都がこれまで支援してきたキュレーターや作家たちの現在地を紹介し、未来の活動へと後押しする企画展で、若いアーティストたちのフレッシュな作品群や、「TOKYO ATLAS」とリンクするように東京湾や埋め立て地に着想を得た作品の企画展示が見られる。この展覧会も無料だが、本展同様に、月曜休館、10:00から17:00までの開館となっている。

1F展示「積層する夢、浮遊する風景」は、アートマネジメント人材等海外派遣プログラムを経験したキュレーターを中心に企画されたもの。撮影:守屋友樹
2F展示「窓から覗く幽霊、手のひらの双子座の神様」ではトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)やアーツカウンシル東京のプログラムに参加経験のあるアーティストによる作品を展示。撮影:守屋友樹

本展の参加作家は、23組。国際展の作家数としては多くないかもしれないが、内容は充実し、展示空間も広大だ。ヴォリューム的には、一日ですべて見るのは大変かもしれない。展覧会タイトルにある「アトラス」は、世界を支えるギリシア神話の神の名に由来し、「地図帳」も意味する。作品をゆっくりと巡り歩き、周囲の環境と出会うことで、来場者それぞれが東京の新たな地図を描いていけるようなアクティヴな展覧会となっている。

取材・文:中山ゆかり

国際美術展 TOKYO ATLAS

会期 2026年10月10日(土)~12月20日(日)
会場
台場エリア
台場公園
お台場海浜公園
青海エリア
テレコムセンタービル
青海南ふ頭公園
地下駐車場(青海南ふ頭公園内)
東京国際クルーズターミナル
TOKYOミナトリエ
天王洲エリア
アイルしながわ
WHAT MUSEUM
休場日 月曜、11月24日(火)
(※ただし11月23日(月)は開場)
時間 10:00~17:00
※最終入場16:30
※地下駐車場の展示は時間予約制
料金 入場無料(一部有料プログラムあり)