ミュージカル『イザボー』2027年1月再演!インタビュー 望海風斗×末満健一
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インタビュー
左から)望海風斗、末満健一(作・演出)
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すべて見るフランスの“最悪の王妃”イザボー・ド・バヴィエールの姿を描いたオリジナルミュージカル『イザボー』は、2024年に上演された際、主演の望海風斗をはじめとするキャストの情熱あふれる演技や作・演出の末満健一が描き出した耽美的でありながらもパワフルな悲劇性が評判を呼んだ。そして2027年、「再構築」を意味するフランス語“Revisité(ルヴィジテ)”を掲げて『イザボー』が蘇る。はたして、再び紡がれる物語に私たちは何を見出すのだろうか……? 望海と末満に、作品への想いを聞いた。
イザボーの人生を、熱気ある舞台を通して
――初演を振り返って、どのようなことを感じますか?
末満:オリジナルミュージカルをゼロから創り出すにあたって、史実というベースはあるものの何がベストなのかわからない、暗中模索の状態でした。音楽の和田俊輔さんとも、キャストの皆さんとも手探りしながら創っていくなかで、出来上がったものを見て「なるほど、こういうものになったのか」と自分でも思った次第です。
――ご自分の予想外のものになったということでしょうか?
末満:もちろん予想していた部分もありますし、予想していなかった部分もあります。
――予想していなかった部分というと?
末満:まず、舞台美術ですね。松井るみさんが手がけてくださったのですが、構想していた段階ではまさかあんな舞台美術が出てくるとは思ってもみなかった。松井さんからプランをいただいた時に、「この美術を使って面白い芝居を創ってみろ」と叱咤激励されたような気がしました。それに対して真っ向から挑戦した結果、すごく面白いものになったという実感があります。
望海:私たち出演者としては、どういう形になるかわからないものを試行錯誤、体当たりで演じていた印象があります。いい意味で大変で、新しいものを生み出すエネルギーや作品自体の持つエネルギーが相まって、100%の力で挑まないと作品に置いていかれてしまうような感覚でした。

――望海さんは、イザボーという役どころの芯をどのように感じてらっしゃったのでしょうか。
望海:強く生きなければならない環境に置かれた人がどう生きていくのか、演じながら母として足りない部分だったり、彼女なりの葛藤や悩みだったりといった弱い面も見えてきました。しかもそういう部分があるからこそ強くいなければならない。芯があるというよりも、ある意味芯を持たないと倒れてしまいそうなところがあった人ではないかと思いました。そのバランスが本当に難しかったですね。
――そのように演じてらっしゃる望海さんを、末満さんは演出家としてどのように感じていたのでしょうか。
末満:「イザボーにのしかかるもの」と「イザボーが跳ね返そうとするもの」を意識しながら創っていましたが、初演から3年経ってみると、その配分が初演のままでは物語の核となる部分があまり伝わらないのではないか、観客の受け止め方も変わっているのではないかと思います。2027年に上演するものとして、イザボーという人物に感情移入してもらうにはその人物像を捉え直すことが必要ではないか。準備段階で僕も考えましたし、稽古を通して、望海さんや他のキャストたちと一緒に、さらに考え続けています。

――では、脚本や演出も細かく変更が生じる可能性があるのでしょうか?
末満:初演のままのところもあれば、ガラリと変わるところもあるし、単純に長かったのでもう少し短くしたいという気持ちもあります。いろいろ手を入れる予定ですが、「初演とここが変わった」と感じることが観客にとってノイズになってしまわないように、あらかじめ “Revisité”をコンセプトとして提示しています。稽古に入る前、望海さんをはじめ数人のキャストと台本について話をする日を設けていただいて、その時キャストから出てきた意見も「なるほど」というところがありました。僕としても、特にイザボーが変化していく過程でのグラデーションのつけ方等について、みんなで考えることができてありがたい機会でした。
――望海さんは、その話し合いをどのように感じましたか?
望海:今回から初参加のキャストも参加しいろんな視点からの話を聞くことができました。私たちも末満さんのお話を聞きながら初演を通じて得た感触を話すことができて、すごくよかったですね。初演時はたぶん、それぞれが自分のことに必死で、お互いに感じていることを話す余裕もなかったし(笑)。オリジナル作品だからこそできる、すごく実りのある話し合いだったと思います。
――初演でご一緒されて、末満さんから見た俳優・望海さんの魅力、望海さんから見た演出家・末満さんの魅力を、どのように感じましたか?
末満:望海さんは宝塚でトップに立たれて、退団されてからもたくさんの舞台に出てらっしゃいますけど、観る度にひとつの所にとどまっていない、常に変化し続けている方だという印象があります。今回の再演でも相当変わっていくだろうし、そこが楽しみでもあり頼もしく思っているところでもあります。
望海:末満さんの頭の中に広がっているいろいろなものが複雑に絡まり合った世界に対して、「これかな」「あれかな」と自分の持っているカードを出していくけど、なかなかポイントにはまらなくて(笑)。でも、それが面白いんです。キャスト、スタッフみんなで試行錯誤する“生みの苦しみ”にこそ、創り合っていくことの面白さがあると思います。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
末満:今回初めて観ていただく方も、初演を観ていただいた方も、新鮮に楽しんでいただけるようにRevisitéしていきたいと思います。どうRevisitéした『イザボー』になっているのか、楽しみにして劇場へ足を運んでいただけたらと思います。
望海:今はこういう時代だからこそ、「一人ひとりがどう生きていくか」「自分の人生をどう歩んでいくか」ということにもつながるこの話は大切だと思います。難しい歴史ものだと思わずに、そして私の見た目はちょっと怖いですけど(笑)、この武装に行き着くまでのイザボーの人生を、熱気ある舞台を通して観ていただけたらと思います。

取材・文/金井まゆみ
撮影/荒川 潤
<公演情報>
MOJOプロジェクト -Musicals of Japan Origin project-
ミュージカル『イザボー』 supported by にしたんクリニック
作・演出:末満健一
音楽:和田俊輔
音楽監督・編曲:桑原まこ
出演:望海風斗
東島 京 上原理生 上川一哉 水田航生 大森未来衣 那須 凜/石井一孝 他
【東京公演】
2027年1月18日(月)〜2月1日(月)
会場:東京建物ブリリアホール
【大阪公演】
2027年2月12日(金)~14日(日)
会場:オリックス劇場
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/isabeau/
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