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キャスト陣が語る映画『DIGGER/ディガー』「みんなで一緒にトーンを見つけていった」

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トム・クルーズが主演を、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが監督を務める『DIGGER/ディガー』が公開されている。本作は、次から次に衝撃的な展開が起こり、観客の思い込みが覆される作品で、出演者たちはイニャリトゥ監督のつくりだす世界の中で、絶えず挑戦を続けながら撮影に臨んだようだ。

映画の冒頭に登場するのは、トムが演じる大富豪ディガー・ロックウェルだ。ある日、ディガーの石油採掘所が爆発したことを機に次々に自然災害が勃発。彼は世界中から非難の声を浴びながら、なぜか自分で世界を救うために動き出す。映画にはディガー、彼の妹のエマ(ザンドラ・ヒュラー)、ディガーと行動を共にすることになるガネシュ博士(リズ・アーメット)、米大統領(ジョン・グッドマン)、副大統領(マイケル・スタールバーグ)ら強烈なキャラクターが次々に現れ、さらに作品のカギを握る謎の男(ジェシー・プレモンス)も登場。最後の最後まで予想のつかないドラマが繰り広げられる。

本作は物語も魅力的だが、特殊メイクでディガーに扮したトム・クルーズをはじめ、俳優たちの演技合戦も大きな見どころだ。本作はシーンによって演技や表現のリアリティラインが異なるように演出されており、通常の劇映画よりも過剰な表現や戯画化した場面が描かれる。

「その場の流れに身を任せて、みんなで一緒にトーンを見つけていった感じです」とザンドラ・ヒュラーは振り返る。本作で彼女が演じたのはディガーの妹のエマ。ある場面では兄と激しく衝突し、複雑な感情を見せる。

「エマはとても特別な状況にあって、すごくプレッシャーを感じていると思いますし、家族の中で一回は勝者になりたいんだと思います。彼女にはたくさんのエネルギーがあって、話していることの多くは合点がいくものなんです。一番多く考えていたのは、彼女がこの家族の中で尊敬され、認められるためにいかに闘っているのか? ということでした」

ふたりが叫び、言い合うシーンでは主張だけでなく、両者の歴史や孤独、歪んだ欲望が垣間見える。『落下の解剖学』『関心領域』などの作品で高評価を集める彼女とトムの丁々発止のやり取りは必見だ。

「物語を語るために何が必要なのかを探っていくことが、本作を撮影する上で面白い点でした。ひとつのストーリーテリングではなかったから、バランスを見つけなければならない。信憑性を持たせつつ、同時にやりすぎないギリギリのところを探る必要がありました。それはトムにとっても面白い道のりだったようで、彼はそれを純粋な喜びだと感じているように思えましたね」

「この作品の一部が持っている、まるでオペラのようなトーンを見つけること自体が、僕ら全員にとっての旅でもありました」と語るのは、『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』など知られるリズ・アーメットだ。本作で彼はディガーに真実を訴えようと奔走するも傲慢な彼を前に萎縮し、時に翻弄される男ガネシュを演じている。

「僕らはそれを一緒に見つけた感じで、アレハンドロは適切なタイミングで、作品にとって正しいレベル調整をするために、僕らの演奏を盛り上げたり、落ち着かせたりしてくれる指揮者でした。だからこそ、とても楽しめるし、ユーモアがあって、観てもらえば、ものすごく風変わりで大胆な映画だと感じてもらえると思います。僕も観た時にはずっと笑ってましたし、それぞれに違ったユーモアのセンスを持っている家族と観ることも多かったのですが、みんなずっと笑っていました。だから、この大胆さと驚きが、この映画をより楽しくしていると思うんです」

ジェシー・プレモンスもアーメットと同じくイニャリトゥ監督を“指揮者”と表現する。

「監督は僕らをまるでオーケストラの指揮者のように巧みに操ってくれるんです。自分はアンサンブルの一員なんだと実感しましたし、そのことにとてもワクワクしました。この作品には才能のある人たちが集まっていて、彼らはみんな監督に敬意を抱いているから、彼をガッカリさせたくないと思って頑張る気持になるんです。さらにこの場で自分が何か新しい刺激や創作上の火花を起こすことができれば、相手も何か新しいことにチャレンジしようと思ってくれるかもしれない、とワクワクする。それこそが本作の挑戦であり、同時に一番高揚したところだったと思います」

本作は監督、スタッフだけでなく俳優陣も常に“何か新しいこと”に挑んでおり、他の映画では感じられないような刺激に満ちている。劇中で米副大統領を演じたマイケル・スタールバーグは「人間というのは、これまで見たことのない世界にどこか惹きつけられる気がするんです」と力説する。

「この映画も、どこか馴染みのある世界を描きつつも、キャラクターや空間のスケール感を通して、あれ?何か別の何かが起きているのでは?と感じさせます。ふるまいであれ、空間であれ、何か不自然に感じるものがそこにあると、僕らは警戒心を少し解いたり、距離が少し縮まる感じがする。それが何であれ、僕たちの好奇心を一層かき立ててくれたりするわけですが、この映画ではまさにそれが実現されています。僕がこれまで関わったどんな作品とも違うし、多くの古い伝統と監督のユニークな映画作りがうまく融合されているんです」

「マイケルが言ったように、これまで経験したことのない世界に身を任せると、観客は“手がかり”になるようなものが減って安心して立っていられる地面がなくなるから、常に自分がいまいる場所が何であるのか理解しようと努力しますよね? それこそが時に驚くような感情的な共鳴を生み出すことがあるのではないでしょうか」(プレモンス)

俳優陣が語る通り、映画『DIGGER/ディガー』で描かれる感情やドラマは多面的で多層的だ。楽しいだけでも哀しいだけでも、怒りだけでも笑いだけでもない。それらは時に重なり、入り混じっている。だからこそ、観客はそこに新鮮さや驚きや考えたくなるポイントを見つけ出せるはずだ。

『DIGGER/ディガー』
公開中

(C) 2026 WBEI and Legendary

 

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