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劇団☆新感線『髑髏城の七人』ファイナル公演へ 早乙女太一×粟根まことインタビュー

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左から)粟根まこと、早乙女太一

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劇団☆新感線としては最後の上演を迎える『髑髏城の七人』。初演から36年、11度の上演を経て今回「LAST STAND」と銘打って届けられる舞台で、主人公の捨之介を演じるのは、これまでに蘭兵衛、天魔王という物語の中心人物を演じてきた早乙女太一だ。その早乙女が初めて劇団☆新感線に参加したときからともに舞台作りをしている劇団員の粟根まことが、初演から演じ続けてきた裏切り渡京で暴れまくるのも見どころである。互いのことも、『髑髏城の七人』のこともよく知るふたりだからこそ、語れることがある。

──『髑髏城の七人』ではこれまで蘭兵衛、天魔王を演じてこられて、「LAST STAND」でついに主人公の捨之介を演じられる早乙女さん。今どんなお気持ちですか。

早乙女:この『髑髏城の七人』という作品がこれほど長く上演されてきたのは、支えてきてくださったお客様と演じてきた皆さんの思いがつながれてきたからだと思います。なので、まずはその思いを大切にしてしっかり向き合っていきたいなと。さらに、『髑髏城の七人』は僕が大衆演劇以外で人生で初めて観た舞台で、13歳の少年に感動と夢を与えてくれた作品だったので。その主人公の役を演じられる感謝とともに、今度は自分が感動と夢を与えられたらいいなということも強く思っています。

──そして、これまでの早乙女さんの蘭兵衛も天魔王もそばでご覧になってきた粟根さん。ついに捨之介になることについてはどんな思いがありますか。

粟根:太一くんは、2009年の『蛮幽鬼』で初めて劇団☆新感線の舞台に参加したとき、そして、“ワカドクロ”と呼ばれる2011年の『髑髏城の七人』のときも、誰ともコミュニケーションが取れずに困った様子で稽古場にいたのが印象的でした。そんな人が捨之介役で、カンパニーを引っ張っていく立場になっているのが、驚きでもあり頼もしくもあり。みんなにどういう影響を与えて引っ張っていくのか、あるいは引っ張っていかないのか(笑)。それを楽しみにしたいなと思っています。『天號星』(23年)のときも実質的には主人公だったんですが、「さぁみんな行こうぜ」というふうに振る舞うのではなく、「センターにいる太一くんがこうするならこうしよう」とみんなに思わせるアプローチをしてくれていたので。今回も、わかりやすく引っ張るということにはならない気はします。

──捨之介という役については、これまではどうご覧になっていて、自分が演じるとなって新たに気づいたこともありますか。

早乙女:蘭兵衛と天魔王として接してきた捨之介は、皆さん、自由にやらせてくれてそれを受け止めてくれていましたし。自分から発信していくというより、周りの言動を受けて受けて受けて、最後に自分が動いていく役なんだなと台本からも感じるので。僕もそういうところを大事にやれたらなとは思っています。

粟根:この作品自体が、すべてを捨ててきたはずなのにいろんな人に巻き込まれて強くなっていく捨之介の成長物語でもあって。最初の稽古でフラットに立っている太一くんを見たら、まさしく捨てた状況の人がいるなと感じたので。そこからどうやって、最後に髑髏城に向かっていくところへ辿り着くのかが楽しみです。

早乙女:僕、あの最後の戦いに向かっていくシーンをやるのは初めてなんです。

粟根:そうか。それまでに死ぬ役しかやってなかったから。

早乙女:あと、蘭兵衛は寡黙だったし、天魔王はほとんど自分が喋っているだけだったので、みんなと目を合わせて喋るのも初めてで。

粟根:やっと対話ができる(笑)。

早乙女:はい。いっぱい人と喋れるのが楽しみです(笑)。

──一方、粟根さんが演じられるのが、裏切り渡京。仲間を裏切り、期待を裏切り、乱世を生き抜くこの男を1990年の初演から、裏切り三五(河野まさと)と入れ替わりながら演じてこられました。

粟根:初演から36年経って同じ役をやることになるとは思いませんでした。でも、36年の実績といったことは考えずに、いつも通り新鮮に、新しい作品だと思ってやれるようにしたいと思っています。

早乙女:これだけ続けてきて、作り上げられてきたものは絶対にありながら新鮮に生きるというのは、一番難しいですよね。僕たちにとっては、ずっと続けてこられた粟根さんと河野さんがいてくださる安心感は、すごく大きいですけど。

粟根:僕の渡京にしろ、河野くんの三五にしろ、やっていることはずっと同じ裏切りなんです。でも、座組が変われば台本も変わって、「今回はこういうモチベーションで裏切ってますよ」ということがその時々で変わっていくので、今回はこういう裏切りにしようと考えられる楽しみがあって。そこを「前はこうやったから」なんて考えてしまうと、そのときの作品が面白くならないし、自分自身の成長もないと思うんです。しかも今回は新機軸で、私の渡京と河野くんの三五が舞台上に同時に存在しますから。立て続けに裏切ると思いますけど(笑)、観ている方もそこに巻き込まれていただければ嬉しいです。

早乙女:裏切り方や裏切りに求める美学みたいなところの違いも出てきて、今回初めての企みもあるので、僕も楽しみです。

──早乙女さんが劇団☆新感線に出演されるのは今回で9作目になります。役者としてはどんなことを得てきた感覚がおありですか。

早乙女:教えてもらったことは本当にたくさんあるんですけど、中でも、一気にアクセルを踏む感じといいますか、エネルギーをバーンと爆発させるお芝居は、劇団☆新感線ならではのもので。もちろん自分の劇団(朱雀)にもそういったケレン味はありますが、僕はそこをあまりやってこなかったので、一気にフルトップに持っていくことや、カーンと鳴る拍子木に合う見得の切り方、舞台の立ち方は、劇団☆新感線に教えてもらったことが大きいなと思います。

粟根:演出のいのうえひでのりが、もともとつかこうへいさんや蜷川幸雄さんに影響を受けて熱い演出をする人で、僕らはずっと「楽をするな」「とにかく動け」「もっと行け」と言われて育ってきたんです。それに食らいついていくことで客演の方々もボルテージが上がっていくし、またそういうボルテージが高い作品が多いんですよね。

──その中でも36年続いた『髑髏城の七人』の魅力は、どこにあると思われますか。

早乙女:舞台を知らなくても、時代劇を知らなくても、どんな人が観ても楽しんでもらえる作品だと僕は思っています。それは、観る人によっては主人公が変わるくらい、それぞれのキャラクターが濃厚で背景もしっかり見えることが大きいと思うんですけど。なおかつ、みんな何かしら欠けていたり失っていたり、決して強い人が集まっているわけではなく、最後は思いの強さで貫いていく。その王道の日本的な美学と、上演するたびに変わっていく新鮮さが常にあるのが、つながれてきた魅力かなと思います。

粟根:太一くんが言う通り、ダメな7人たちが集まって強大な敵を倒すという少年漫画的な王道ストーリーがあり、しかもその7人が化学変化を与え合っている。そこでどうにでも料理ができるから、いろんなバージョンが作られて楽しめる作品になっているのかなと。

早乙女:本当に何も知らなくても楽しめる作品で、演劇を観る最初の一歩としてうってつけだと思うので。舞台を観たことのない若いお客様にも観ていただきたいですし。この面白くてカッコイイ世界を知ってもらって、次の世代につないでいってもらえたらと、切に願っています。

取材・文/大内弓子
撮影/源 賀津己

■早乙女太一
ヘアメイク/奥山信次(barrel)
スタイリスト/Motoki Ogata
衣装: DRESSEDUNDRESSED
その他 スタイリスト私物

■粟根まこと
ヘアメイク/橋本庸子
スタイリスト/橋本奈緒美

<公演情報>
2026年劇団☆新感線46周年興行・冬公演
いのうえ歌舞伎『髑髏城の七人 LAST STAND』

作:中島かずき
演出:いのうえひでのり

出演:
早乙女太一 塩野瑛久・藤岡真威人(Wキャスト) 早乙女友貴/
柚香光/片岡千之助 桜井日奈子 近藤頌利 河野まさと/
木村了 浜中文一 粟根まこと/山口馬木也

右近健一 逆木圭一郎 村木よし子 インディ高橋 山本カナコ
礒野慎吾 吉田メタル 中谷さとみ 保坂エマ
川原正嗣 武田浩二 横山一敏

藤家剛 川島弘之 菊地雄人 あきつ来野良 藤田修平
北川裕貴 寺田遥平 竹之内景樹 石倉和樹 永易大空 古見時夢
山崎朱菜 おくつようこ 乾ライム 大内美里沙 岡山玲奈 高野渚 日比野愛柚

【東京公演】
2026年11月14日(土)~12月25日(金)
会場:新橋演舞場

【長野公演】
2027年1月21日(木)~1月24日(日)
会場:ホクト文化ホール

【金沢(石川)公演】
2027年2月8日(月)~2月14日(日)
会場:金沢歌劇座

【大阪公演】
2027年2月25日(木)~3月11日(木)
会場:フェスティバルホール

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/dokuro2026/

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