【NELKE / Setlist】
1. ロリポップサイダー
2. あなたみたいに
3. Echo
4. バイバイアクター
5. ステレオタイプヒロイック
6. グー(cover)
7. Greedy!!
8. Incarnation
9. Bouquet
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『秋のグーパンまつり 2026』ハンブレッダーズ、NELKE / Photo:市川実果
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すべて見るText:高島由佳 Photo:市川実果(ハンブレッダーズ)橘 麻子(NELKE)
10月2日の東京を皮切りに始まったハンブレッダーズ恒例の対バンツアー『秋のグーパンまつり 2026』。全国5都市を巡り、会場によって異なるバンドとのツーマンライブで、毎回さまざまなガチンコ勝負を繰り広げている。 3都市目となる10月16日の札幌 PENNY LANE24では、今年4月にメジャーデビューを果たしたNELKEが登場し、北の大地を熱狂させた。

いまかいまかと待ち構える観客の前にまず姿を見せたのはNELKEの5人。圧倒的な存在感を放つRIRIKO(vo/g)のアカペラで始まった「ロリポップサイダー」で、一気にオーディエンスをその世界観に引き込んだ。「大丈夫かい?」「無理していないかい?」と語りかけるような歌声が観客を包む。そこに重なる伊藤雅景(g)のギター。Kei(ds)のドラムとタケダトシフミ(b)のベース、ちゃんしお(key)のやさしい音色がサウンドを支え、融合していく。
メロディアスなギターイントロが印象的な「あなたみたいに」では、好きだった人との再会のほろにがさを歌い上げ、誰もが心の中に持つちょっと切ない思い出を頭に浮かべたに違いない。その直後には「Echo」の軽快なポップロックサウンドで空気が一変。RIRIKOが振り上げた拳に呼応するようにフロアからも無数の手が挙がる。


前半戦のMCでは、RIRIKOの「フェスでご一緒させていただくことがあったんですけど、対バンは初なのよ。だからこの(ハンブレとの)ストーリーをみんなが見届けてくれると思ったらさ、なんか札幌、めちゃくちゃいい日になりそうじゃないですか? みなさーん!」の言葉に客席が沸いた。以前よりハンブレと交流があったというギターの伊藤は「ずっとハンブレの楽屋にいた(笑)」と語り、メンバーたちとのエピソードを披露し、会場内は笑いが起きる和やかなムードに。「今日がひとつのストーリーになったらいいなと思いますし、両バンド共に距離的にはちょっと遠い札幌というこの場所を、NELKEに任せてくれたのが、すごくすごくうれしいです」とMCを締めくくり「バイバイアクター」に突入した。



続く「ステレオタイプヒロイック」は、まさに真骨頂ともいえる速いビートにのせた歯切れのよいボーカルが冴えわたる。激しく掻き鳴らされるギター、土台を支えるベースと疾走感あふれるドラム、そして鮮やかにメロディを奏でるキーボードが一体となってオーディエンスを圧倒する。 「歌える?」の煽りに、観客も負けじとシンガロングとクラップで応えていた。
そして、ハンブレへのリスペクトを込めて、NELKE流にカバーアレンジされた「グー」が披露されると、フロアは熱狂。勢いのまま「Greedy!!」へと突入し、RIRIKOは一人ひとりの顔を確かめるように会場を見渡し、沸き起こるクラップが6人目のメンバーのようにサウンドに彩りを添える。
「カバー緊張した~。うちのドラムのKeiが『グー』が大好きで」と話を振られ、「ひとりでこっそりハンブレのライブに行って、あとでukiくんにDMした」と照れくさそうに明かすKei。「対バンってすごく大切で、バンドとしてこんなふうに混ざり合っていくこの瞬間がとても尊くてうれしいし、私たちにとって宝物みたいな時間なんですよね。これからの景色と、あなたたちとハンブレとNELKEと最高の景色を作っていきたい。そんな歌を歌わせてください」と始まったのは、彼らが2024年に発表した初のシングル「Incarnation」。RIRIKOの歌声に圧倒されながらも、ひたむきにステージにまなざしを向ける観客と、それに応えるメンバー。「ハンブレッダーズに最高の花束を届けさせてください!」とラストナンバーに選んだのは「Bouquet」。最高潮の盛り上がりの中、「一緒にライブ作れるよな札幌ー!」とストーリーの続きをハンブレに託し、笑顔でステージをあとにした。

登場前からクラップが沸き起こるフロアに、満を持して颯爽と現れたハンブレッダーズ。1曲目からこれか!と思わず唸るような、彼らを体現する王道サウンドでスタートを切った。最初からパワー全開のムツムロ アキラ(vo/g)のボーカルと、特攻隊長さながらにフロアに挑むでらし(b)のベース。歯切れの良いビートを刻む木島(ds)のドラムと、ukicaster(g)のメロディアスなリフが鮮やかに彩っていく。オーディエンスも負けじと拳を振り上げジャンプ! サビの大合唱はもはやライブ終盤のような盛り上がりだ。
序盤はそのままの勢いで駆け抜け、ようやくひと息ついたMCでは「うれしいですね、新しい友達ができて。なかなかこの歳で新しい友達ができることないんで」とNELKEとの対バンに新鮮な喜びを表す一方で、「女性陣はukiくんがかっこいいと(笑)」とukicasterをいじりたおす。会場内でライブを見学していたNELKEのメンバーとのかけあいもあり、笑いが起きる。「みんないろいろな事情を抱えてやってきていると思います。全員に音楽を届けて帰ろうと思います」と中盤に突入。 ステージにまっすぐ向けられるまなざしと伸ばされる無数の手。ムツムロの声に呼応するシンガロング。確実に彼らの音楽はひとりひとりに届き、そして反響していた。

ミドルパートの数曲は、どこかあたたかでやさしさあふれる構成だ。ゴリゴリのロックサウンドからの緩急の付け方が見事で、ここ数年の対バンツアーやフェスで培ってきた経験が感じられる。メロディアスに聴かせるパートでは、歌声はもちろんのこと、滑らかなギターリフで、包み込むようなベースラインで、やさしく導くドラムで、彼らの音楽すべてで観客に語りかけているようだ。 後半戦では、ハンブレッダーズらしい高速クラップやコールアンドレスポンス、そしてシンガロングで会場がひとつになる。メンバーは楽しげにステージを駆け回り、互いに顔を見合わせながらセッション。オーディエンスも負けじと体を揺らし、声をあげ、ライブの楽しさを全身で表現する。

あらためて札幌にNELKEと来れたことがうれしいと告げ、バンドとしての歴は違えど、同世代でこれからは同期として共に頑張りたいと語るムツムロ。「RIRIKOさんはフェンダージャパンのテレキャスターのモデルになってて、ukiくんもストラトキャスターのモデルになってて、なんか縁があるなと思っています。これからいっぱい一緒にやっていくことになるだろうと思ってるし、僕たちハンブレッダーズとNELKEというバンドは、日本のロックンロールの最前線に出てきてると思うんですよ。だから一緒に時代を支えていきましょう」と力強く宣言した。

ラストスパートでは冒頭から大合唱が起こる盛り上がりっぷり。もうひと段階、ボルテージがあがり、フロアの熱気が最高潮に高まる。でらしがマイクを向けると、魂の叫びのようなシンガロング。冴えわたるギターソロとムツムロののびやかな歌声にオーディエンスの声が共鳴し、互いにすべてをぶつけ合いながらエネルギーを増幅させていき、ラストまでみんな力いっぱい声を張り上げ、拳を突き上げる。演者と観客の枠をとっぱらったかのような一体感は、まさにハンブレッダーズの真骨頂だ。

首都圏から遠い札幌という場所柄、やはりどのアーティストもそうそう頻繁にライブができるものではなく、久しぶりにハンブレッダーズに会えた人も多いだろう。今年リリースしたアルバムではまたひとつ新境地を開いた彼ら。振り幅の広い楽曲構成と観客を巻き込むアツいパフォーマンスは、そんな人たちに「進化し続ける『今』の自分たちを届けたい」という思いがひしひしと感じられた。「秋のグーパンまつり」は対バンの相手によって異なる魅力を楽しめるのが醍醐味だけに、今宵NELKEと共に紡いだストーリーはここだけのものだった。


<公演概要>
ハンブレッダーズ対バンツアー『秋のグーパンまつり 2026』
10月16日 札幌 PENNY LANE24
出演:ハンブレッダーズ、NELKE
1. ロリポップサイダー
2. あなたみたいに
3. Echo
4. バイバイアクター
5. ステレオタイプヒロイック
6. グー(cover)
7. Greedy!!
8. Incarnation
9. Bouquet
<公演情報>
『ハンブレッダーズ 秋のグーパンまつり 2026』
※終了公演は割愛
10月30日(金) 愛知・名古屋ダイアモンドホール
開場17:30/開演18:30
ゲスト:SKRYU
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