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seiza、叶えられなかった夢の先でファンと描く新たな軌道 2度目のワンマン『New orbit』レポート

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『seiza 2nd ONE MAN LIVE -New orbit-』 Photo:SHOTARO

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Text:蜂須賀ちなみ Photo:SHOTARO

seizaが、自身2回目となるワンマンライブ『seiza 2nd ONE MAN LIVE -New orbit-』を10月17日、東京・下北沢ADRIFTで開催した。
今年2月の初ワンマン『seiza 1st ONE MAN LIVE -Opportunity-』では、自身の歌声によるリリース曲をすべて披露したほか、当時リリース前だった新曲「エウレカブルー」やボカロ楽曲のセルフカバーも届けたseiza。あれから8カ月、今回は『Opportunity』で披露した全曲に加え、この間にリリースした楽曲や新たなセルフカバー、さらにこの日に向けて制作した新曲「New orbit」も披露した。フロアを埋め尽くすファンに、“今の自分のすべて”を届けようという姿勢は健在だ。

ライブは、「エウレカブルー」でスタート。エネルギッシュなバンドサウンドがステージからフロアへと広がるなか、seizaはギターを掻き鳴らしながら、まっすぐな歌声を響かせた。声を詰まらせる場面もありつつ、こみ上げる思いを振り払うように「会いたかったぞー!」と叫んだseiza。続く「さよならボイジャー」ではお立ち台に上がり、観客一人ひとりの表情を確かめながら、うれしそうに頷いていた。それでも感極まる気持ちを抑えきれなかったのか、3曲目の「星を編む」では再び声を詰まらせた。

初ワンマンでも序盤で涙を見せていたseiza。最初のMCでは「泣くの、早くない?」と自分にツッコミを入れつつ、「大丈夫だと思ってたんだけど……見なかったことにしてくれ」とはにかんだ。そして前回も足を運んだ人、今回初めて来た人に向けて、「また会えてよかったと思うし、やっと会えてよかったと思うし、これから出会う人たちには、今日来てくれたあなたがいるから出会うことができます」と感謝を伝えた。

「Cattitude」で演奏を再開。温かな曲調に観客の手拍子やシンガロングも重なり、場内は和やかな空気に包まれた。「クリイムソーダ」でseizaがフェイクを披露すると、サポートメンバーのプレイも白熱。歌と演奏が呼応し合うアンサンブルから、バンドとの信頼関係が窺えた。

バンドメンバーによるセッションを挟んで届けた「星間漂流」、壮大なサウンドスケープを描く「恋文学」を経て、この日2回目のMC。サポートメンバーが紡ぐキーボードのフレーズをバックに、seizaは「みんなの顔がすごくよく見えるんだ。泣いてる人、笑ってる人、浸ってくれてる人……」と語り始めた。この日は何度もお立ち台に上がり、フロアの前方から奥まで目を向けていたseiza。観客一人ひとりの顔が見たい、自分の歌を直接届けたいという思いは、そんな姿からも伝わってきた。

そしてseizaは「僕も君も、それぞれの人生を生きてるわけじゃない? 別々に生きてきて、同じものを好きな人たちが一堂に会してる。そんな幸せな空間ってないだろ?」と続ける。「(このライブが)つらいことや寂しいこと、ちょっと落ちてしまう時に思い出すひとつであってほしいなと思います」と語ると、「ひとりじゃないからな。僕もだけど、君も。今日を、忘れられない日にしたくて」と願いにも似た言葉を添えて、失恋の余韻を歌うバラード「金木犀」へと繋げた。<さよならのあとも君が香るよ>というフレーズが、ライブが終わったあとも音楽を通じて繋がっていられるよ、というメッセージのように響く。

観客との繋がりを確かめるように「抜け星」を歌ったseizaは、そこから「宇宙船」「蒼の太陽」「真昼の月」と一気に畳みかける。高揚した観客が腕を突き上げ、手拍子を鳴らし、フロアの熱気が高まっていった。疾走感溢れるサウンドのなか、seizaは「また明日もやりたいくらいだよ。もし君も、僕も、また明日からの日常の中で寂しい時は思い出してな。思い出そうな!」と叫ぶ。

「いやー、ホントにいい顔してるな、みんな」とフロアを見渡したseiza。本編終盤のMCでは、バンドでデビューして売れるという夢は潰えてしまったものの、今こうして音楽を続けられていることが幸せだという思いを明かした。「夢には寿命があるけど、人はいくつ夢を持ったっていい」と語ったseizaは、「今後の人生でひとつずつ叶えていきたい」と未来に思いを馳せる。そして観客に「ひとつでも叶えたいと思えているのは、やっぱり君がいるからなんだよ。叶えられなかった夢の先で、今このステージに立ててよかったなと思ってる。どうもありがとう」と伝えた。

「プラネテス」を歌ったあとは、「君のために書いた曲だよ!」と、この日に向けて書き下ろした新曲「New orbit」へ。アンコールのMCで「今後のライブアンセムになるような曲」「みんなの声があって初めて完成する」と語られた通り、曲中には観客が歌うパートが用意されており、フロアにシンガロングが響き渡った。自分の音楽を受け取ってくれる人の存在を、楽曲の構成にまで反映させる。それほどseizaにとって、聴き手は大切な存在なのだろう。seizaは「最高だな! ありがとな!」と微笑み、ステージをあとにした。

アンコールでは、「出し尽くしたので、前回同様、セルフカバーを持ってきました!」と「ダイナーナイトホークス」を披露。続けて「もし知ってる人がいたら歌ってね」と呼びかけ、「ぼくらについて」を歌い、seizaの歌声と観客の合唱が重なるエンディングとなった。孤独を感じて挫けそうな夜も、音楽で繋がっていると思えば乗り越えられる。だからこそseizaは、一度は潰えた夢の続きを、聴き手とともに描いていきたいと思えるのだろう。『New orbit』と名づけられたこの夜は、seizaとファンがともに歩んでいく新たな旅路の出発点となった。

<公演概要>
『seiza 2nd ONE MAN LIVE -New orbit-』
10月17日 東京・下北沢ADRIFT

【Setlist】

01. エウレカブルー
02. さよならボイジャー
03. 星を編む
04. Cattitude
05. クリイムソーダ
06. 星間漂流
07. 恋文学
08. 金木犀
09. 抜け星
10. 宇宙船
11. 蒼の太陽
12. 真昼の月
13. プラネテス
14. New orbit
<アンコール>
EN01. ダイナーナイトホークス
EN02. ぼくらについて

seiza オフィシャルサイト

https://seiza-official.jp/

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