萩原利久×JUNON(BE:FIRST)ふたりが考える“男の美学”。「自分の発する言葉に責任を取れる人でありたい」
映画
インタビュー
(撮影/梁瀬玉実)
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すべて見るインタビュー中、柔らかな空気で言葉を紡いでいた萩原利久とJUNON(BE:FIRST)。カメラの前に立つと一変し、キリリと力強い眼光を放つ姿は、まるで映画「RYUJI 竜二」のワンシーンのようだった。二人は究極の愛と絆を描く伝説のヤクザ映画で共演。今作で1980年代の歌舞伎町で一目置かれるヤクザ・竜二(柳楽優弥)を慕う舎弟役を演じている。信じた人を守りたいと仁義を貫く竜二の生き様が人の心を動かすヒューマンドラマに挑んだ萩原とJUNONに本作への熱い想いを語ってもらった。
ふたりが感じた、時代を超えて響く“男の生き様”

――「RYUJI 竜二」は1983年に公開された昭和の傑作映画が43年の時を経て、令和の時代にリメイクを果たした作品です。まずはオファーを受けた時のご心境からお願いします。
萩原利久(以下、萩原) この作品のお話を頂いた時、ヤクザを演じるのが初めてだったので、やったことのない新しいジャンルに挑んでみたいと思いました。しかも監督は、僕が10代の時に学園ものでご一緒した水田伸生監督だったので、時を経てオファーをいただけたことが純粋に嬉しかったです。20代後半になって、できる役も広がってきたなと感じていたタイミングでこういった機会をいただけて、いい挑戦になりました。
JUNON 僕は、1983年はまだ生まれてなかったので、お話をいただくまで正直、触れたことのない作品でした。もちろん両親は知っていましたし、原作が大ヒットした素晴らしい作品のリメイクということで、最初はプレッシャーが大きかったです。でも、アーティストとしても役者としての経験を積むことで自分の表現の幅が広がることを実感していたので、挑戦したいなという気持ちで臨ませていただきました。
――そのようにオリジナルに敬意を持って挑まれた作品ですが、脚本を読まれてどんなご感想を持ちましたか。
萩原 ヤクザ映画なので、暴力的な派手なシーンはあるのですが、人間模様にフォーカスを置いている作品だと思いました。とにかく柳楽さん演じる竜二が恰好いい。時代が変わっても、善悪ではない正義とは何かという大切なことを考えさせられ、人はどこまでいっても、人だなと感じました。僕は竜二の舎弟を演じたのですが、竜二さんとの関係性や人として、何にどう向き合うかという部分がすごく丁寧に描かれている印象だったので、そういったところを大切に演じました。
JUNON 僕もそうですね。最初に本を読んだ時に、監督がただのヤクザ映画をやりたいというわけじゃないというのが伝わってきて。読み進めていくと人間ドラマや登場人物たちが持つ、深い愛を感じました。僕が演じたひろしも立ち入った世界は綺麗でなくても、自分が知り得る限りの正義を持ってまっとうに生きている真面目な人物だと思いました。


――竜二は不器用な優しさを持つ人情たっぷりな人間です。その生き様でカッコいいと思ったのはどんなところでしょうか。
萩原 カッコいいですよね。自分の信じるものがあって。有言実行じゃないですけど、決めたことを責任持って貫くところは男らしい。家族と舎弟を守るとか、決断したことを自分の力にして生きるという姿は、男として、人として、カッコいいです。
JUNON 本当にまさにその通りだと思います。竜二は家族を守るため堅気に戻ると決めた時も、直とひろしに会わないと決めて、自分からは会いに行かないんですよね。決めたことに対して、有限実行できるのは、カッコいいところ。舎弟に対しても家族として自分の身を削って動けるところは、芯が通っているなと思います。
―― お二人も有限実行の男に憧れますか?
JUNON 決めたらブレないというのは、一番カッコいいなと思うので、自分も大切にしたいですね。
萩原 そうですね、そうありたいです。決めたことを全部が全部できるのか分からないですけど、自分の発する言葉に責任を取れる人でありたいなと思っているので。

「ノンストレスで関係値が深まった」同い年のふたりが挑んだ舎弟役

――お二人が演じたのは、竜二を「兄貴」と慕う舎弟コンビです。「竜二との関係性、そして別れた後に各々がたどる人生をしっかりと見せられて、かつ意外性のある人」との理由からお二人が舎弟役に抜擢されたそうですね。
萩原 僕が演じた直は竜二さんに対して、強い忠誠心を持っていて、まっすぐで分かりやすいキャラクターだと思いました。ちょっと極端なまでのまっすぐさを持っているからこそ、直の人生に影響くる部分があるなと思ったので、そこは丁寧に演じました。
JUNON 僕が演じたひろしもまっすぐな愛を持っている人という印象です。自分もまっすぐなところがあるので、共感できる部分がありましたし、自分と似ているなと思ったので、ひろしという役にはすごく入り込みやすかったです。ひろしを通して、すれ違うことはあっても、誰もが必ず何かに対しての愛を持っている世界は、すごく素敵だなと思いました。
――舎弟のコンビという密な関係性を演じたお二人ですが、BE:FIRSTのスタジアムライブに萩原さんが足を運ばれるなど、撮影後も交流あるそうですね。最初から役の関係性になれたのでしょうか。
JUNON 利久くんの出演作はたくさん観てきて役者としては先輩なので、最初は緊張するのかなと思っていたんですよ。でも、僕のグループのメンバーが僕よりも先に知り合っていて、友達の友達という感覚があったので、すぐに馴染めました。あと、同い年ということもあって、すぐに仲良くなれましたよね?
萩原 そうだったね。
JUNON 役者として利久くんが先輩で、役の関係性も利久くんの直の方がちょっと舎弟として上の立場にいたので、演じやすい、ありがたい立ち位置だったなと思いました。
萩原 JUNONくんが言った通り、本当に友達の友達みたいな感じだったので、現場に入ってからも、ノンストレスでどんどん関係値が深まっていく感覚がありました。驚いたのは、JUNONくんは今回が映像作品、2作品目なこと。傍から見ても緊張しているようには全然見えなくて。堂々と作品の世界観の中に入ってお芝居をしている姿を見て、やっぱりスタジアムのステージで何万人もの前に立っていると緊張って概念がなくなるのかな、すごいなと思いました。
JUNON いえいえ。

――直とひろしが竜二を尊敬して慕うことが伝わってくる人間ドラマの場面も印象的ですが、やはり任侠ものならではの殴られて血まみれになるシーンは迫力満点で度肝を抜かれました。撮影現場はいかがでしたか。
萩原 とくに直は顔が腫れ上がるぐらいボコボコになっている場面があるので、メイクによって視界が悪くなったりしたんです。本当にメイクさんやスタッフさんの技術の力でリアルに見えるので、すごいです。全体通してカットが多くなかったので、長回しで頭から最後まで撮るシーンが多かった分、常に緊張感はありました。より生きたお芝居というか、鮮度のいい新鮮な状態でやれている分、「1回で決めるぞ」という想いが俳優だけではなく、スタッフさん含め、現場全体にそういった空気感がありました。その張り詰めた中でやるのは、難しくもあり、楽しくもあり。毎日、いい疲労感を感じられる現場だったなと思います。
JUNON 本当にそうでしたね。個人的には今回の映画で自分の一番の山場だと思っているシーンが竜二と1対1で対話する場面で。そこはひろしの感情が一番露わになるシーンだったので、カメラが回る前からものすごく緊張しました。感情的になるという場面は、これまでやったことなかったので、感情をのせようとすると台詞が飛びそうになってしまって。それは初めての体験だったので、ビックリしましたね。
萩原 そうだったんだ。
――80年代の派手柄シャツのチンピラファッションで目つきも鋭いお二人は新鮮でした。
JUNON 僕は服装よりも髪型の方が新鮮でしたね。直のオールバックはとくに。
萩原 オールバックはこの時代ならではですよね。衣装やメイクでスイッチがすごく入りました。

萩原利久にとっての菅田将暉、JUNONにとってのSKY-HI。ふたりが追いかける背中

――直とひろしにとっての竜二のようにお二人が人生においてついていきたくなる背中を持った兄貴的存在がいらっしゃいましたら、教えてください。
JUNON やっぱりSKI-HIさんです。ずっと自分が好きなアーティストであるSKI-HIさんの背中は、大きいですね。行動力があって、ついていきたくなる大先輩なので。僕らの活動において、「自分が経験した必要ないものを除いた状態の道を与えたい」と言って下さって、今ここまで連れてきてもらったので、本当に感謝しています。
萩原 自分にとっての竜二のような存在は、菅田将暉さんです。ずっと背中を追い続けている存在です。中学1年生の時に菅田さんと「運命の人」というドラマで共演させていただいて、兄弟役を演じたんです。緊張していた僕とコミュニケーションをとって下さって。「菅田さんの事務所はどんな事務所ですか」など、いろいろお話を伺いました。菅田さんに憧れて今の事務所に入ったので、同じ事務所になってからもずっとたくさんの学びと刺激をいただいている唯一無二の先輩です。最近はあまり現場でお会いできる機会がないですが、10代の頃から定期的に現場に見学へ行かせてもらって、お芝居を見て、学ばせていただく機会も多くて。大きすぎる背中を見せてくれる先輩なので、竜二さんと重なるところはあると思います。
――竜二は、舎弟の二人を大切な家族のように守ってくれる大きな存在ですが、お二人にとって、今守りたいものや大切にしたいものはありますか。
JUNON 守りたいもの…何でしょう。
萩原 何だろう。難しいね。竜二さんのように人生をかけて家族を守るというような経験は今のところまだないかもしれないので。
JUNON そうなんですよね。
萩原 でも、役者としては、プライドを持たないということにプライドを持っているかもしれないです。あってもなくても良し悪しはあるとは思うんですけど、僕の場合は比較的それがデメリットに働いてしまうことの方が多いかなと思うので。お芝居に関しては、ある意味プライドを取っ払って、無でいろんなものに当たっていくようにしています。自由に動けることを大切にしています。
――監督のアドバイスにも柔軟に受け入れるみたいなこともありそうですね。
JUNON 確かに利久くんは、いろいろ受け入れてくれて、尖ってない気がしますね。
萩原 そう? どうですか? 守りたいものってありますか?(笑)。
JUNON 僕はやっぱり家族。
萩原 そうなるよね。
JUNON 忙しくてあまり家族に会えない時期が続くことがあるんですけど。久しぶりに実家に帰るとホッとできるんですよね。家族や愛犬といると肩の力が抜けるというか。あのアットホームな空気感は、家族だからこそ生まれる空気。大事にしたい存在です。
――体を張って神器を通す任侠魂に震えましたが、映画を観て下さる方にはどこに注目して欲しいですか。
萩原 ヤクザ同士の抗争のシーンなど、体を張って皆さん挑んでいるので、大きいスクリーンでその迫力を体感してほしいです。ヒューマンシーンは集中力の高い現場でいいものを作ろうという意志のもと作り上げた作品ですので、ぜひ劇場に足を運んでもらえたら嬉しいです。
JUNON 自分の観て欲しいところになりますが…。個人としては2作目の作品で周りの俳優さんたちや監督、スタッフさんのおかげで役者としても、人としても成長できた作品になりました。怒鳴ったり、涙を流したり、ここまで感情が溢れるシーンを演じるとは思っていなかったので、そこは観ていただきたいです。完成した作品を観て、自分がいながらも作品にも没入できましたし、ヒューマンな部分に共感しながら観ていただけると思います。



撮影/梁瀬玉実、取材・文/福田恵子
<作品情報>
『RYUJI 竜二』
公開中

原作:金子正次「竜二」
主演:柳楽優弥
出演:川栄李奈 萩原利久 JUNON(BE:FIRST)
田中美里 RYUKI(MAZZEL) 千原ジュニア
三宅健 伊藤英明
監督:水田伸生
脚本:冨岡淳広
企画プロデュース・制作:セディックインターナショナル
制作協力:ダブル・フィールド
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
公式サイト:
https://www.culture-pub.jp/ryuji_movie/
(C)2026「RYUJI」製作委員会
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