家は、住む人にとってなによりリラックスできる場所。よそゆきの仮面を外して、部屋着の自分に着替えられる特別な空間だ。だからこそ、そこでどんなふうに過ごしているかで、その人の素顔が垣間見える。
凶悪犯に、ワンレンメガネのインテリヤンキー、やり手の広告会社社長など、様々な役柄に扮してきた俳優の前田公輝。クールな役のイメージとは一転、人なつっこさ全開の前田は、家ではどんな顔をしているのだろうか。
今ハマッているものから、最近目覚めたという美容のこだわりまで、前田公輝のプライベートタイムを探ってみた。
── 今日は、前田さんのおうち時間をイメージして撮影をさせていただきました。お休みの日、おうちで過ごすときは何をしていることが多いですか?
僕、寝ないと仕事にも影響が出るタイプなので、睡眠時間確保のために昼くらいまで寝てることが多いです。次の日が休みの日とか、明日どうやって過ごそうとか考えているうちについ興奮して夜更かししちゃうんですよね。で、遅くに起きる(笑)。
絶対朝早く起きた方が生産性も上がるのに、そういうことをしちゃうんですよ。まずそれをやめたいです。
── 夜更かしは何時くらいまで?
オンライン飲みとかしていたら、2〜3時にはなります。基本的に対面で飲む方が好きなんですけど、今はそれができないし。かと言って、立て続けに仕事が続いた後の休みとか、やっぱりちょっと飲みたくなるじゃないですか。そういうときは時間が合う人に声をかけて、オンライン飲みをしたり、オンラインゲームをしたり。
── ちなみにお酒はどれが好きですか?
僕ばビールですね。やっぱり芸能界をやっているからには目指すところは上じゃないですか。それで、30を過ぎた頃から、店で売ってる中でいちばん高いビールを買うようになりました。願掛けですね。
── 芸人さんが、あえて家賃の高い部屋に住むのと似た感じですね(笑)。
そうです。もっと生活水準を上げていけますようにという願望を込めて(笑)。ただ、ビールは好きなんですけど、別にアルコールが入ってなくてもいいんですよ。あの喉越しなのか味なのかわかんないですけど、それが好きなだけで。もともとずっとお酒を飲んでいるタイプでもないので。自分から飲みたいなと思うのは疲れたときだけ。でも、次の日も仕事があって、顔がむくむと困るなと思ったらオールフリーにします。ノンアルコールでも十分発散できるんですよね。
『君の名は。』を観て彗星の数と同じ数の涙がこぼれました(笑)
── 家にいるときに音楽はかけますか?
かけますね。気分によって違いますけど。Amazonミュージックを使っていて、朝聴いたらテンションが上がる洋楽みたいなプレイリストが毎回更新されるんですよ。体が動かないときはそれを聴いていることが多いです。湯船に浸かるときはヒーリングミュージックをかけたり。あとはディズニーですね。最近ディズニーにハマッて。今はとにかくカラオケで歌えるくらいのクオリティにするために時間があればずっと聴いています。
── ディズニーが好きなんですね。
この自粛期間中に好きになりました。だから本当にニワカなんですけど(笑)。ずっと家にいるし何かハマれるものがほしかったんでしょうね。小さい頃に習っていたピアノをまた始めたりとか、いろいろ手を出している中で、ハマったのがまさかのディズニーでした。
── ディズニーではどの作品が好きですか?
めっちゃ悩むなあ…。あ、でもこの間までミュージカルやっていたこともあって、すごく影響を受けたのは、実写版の『アラジン』ですね。ウィル・スミスがもともと好きで。ウィル・スミスの演じるジーニーがどんな感じなのか知りたくて観たんですけど、想像を超えていました。むしろ融合していました、ウィル・スミスとジーニーが。
── 音楽も名曲揃いですよね。
本当に歌がいいんですよね。中でもジャスミンが歌う『スピーチレス~心の声』がもうとんでもなかったです。歌詞の意味がちゃんとわかっていなくても、あの曲を聴いただけで涙を流せるくらいグッと来て。なので、作品でどれが好きというと、またちょっと変わってきたりするんですけど、歌でいうと実写版『アラジン』がいちばん良かったです。
── 映画を観て泣くタイプですか?
泣きますね。基本没入しやすいんだと思います。どうしても邦画になると仕事モードになっちゃうんで、洋画とかアニメとかの方が仕事を忘れて入り込めるので好きです。
── ぜひ前田さんが号泣した映画を教えてください。
いちばん泣いたのは『君の名は。』。RADWINPSの『Sparkle』をバックに、三葉たちが町の人を避難させようと駆け回るですけど、大サビの「運命だとか未来とか」というフレーズと一緒に彗星が一気に降ってきて。その瞬間、彗星の数と同じ数の涙が僕の目からばーっとこぼれました(笑)。あれだけ映画館で泣いたのは、なかなか他になかったですね。
また学生服を着られるように、美容も頑張っています!
── さっき湯船に浸かるというお話が出ましたが、わりと長風呂派ですか?
長風呂派だと思いますね。頭皮マッサージもしないといけないし。
── 頭皮マッサージ…?
最近美にめっちゃ目覚めはじめまして。いろんな美容を試しているんですけど。中でもみなさんにぜひすぐ試してほしいのが頭皮マッサージです。僕も30になってほうれい線が気になる年頃になりまして。その対策としてやっているんですけど、何をするかと言うと髪の毛の根元をイタ気持ちいいぐらいの力でギュッとするだけです。これをテレビを観ているときとか、湯船に浸かっているときにやるようにしたら、1週間でほうれい線が薄くなりました!
── すごい! めっちゃ効果が出てますね。
頭と顔の皮ってつながっているので、頭皮が凝り固まると、それがほうれい線につながっちゃうんですね。だから頭皮をほぐして血流を良くすることが大事で。髪の毛の根元をぎゅっと握ると、ここ痛いなというところがあって。痛いところほど血のめぐりが良くないんで、しっかりほぐしてあげてください。僕はもともとほうれい線ができやすいタイプだったんですけど、おかげでだいぶ気にならなくなりました。
── やっぱり日々の努力が大事なんですね。
あとはアイマッサージ機も使ってます。15分やるだけで、上瞼がすっきりしはじめまして。奥二重の僕が二重と言われるようになり、彫りも深くなり、初めて「彫刻みたいだね」と言われるようになりました(笑)。老けさせるのはメイクでいくらでもできるけど、若い役はやれる時間が限られている。そこは日々の努力だと思うので、役の幅を広げるためにも、頑張るようにしています。
── じゃあ、まだ前田さんの学生服を見られるチャンスも?
そうですね。先輩方の中にも僕くらいの年齢で学生役をやっていた方がいるので、それをモチベーションにしています!(笑)。
撮影/鬼澤礼門、取材・文/横川良明、企画・構成/藤坂美樹、ヘアメイク/岩出奈緒、スタイリング/千葉良、衣装協力/シャツ 26,400円、パンツ 25,080円(ともにREMI RELIEF/ユナイト ナイン 03-5464-9976)、その他スタイリスト私物