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橋本祥平×植田圭輔 言わなくてもわかりあえる関係【舞台『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』インタビュー後編】

ぴあ

21/4/14(水) 17:00

植田圭輔 橋本祥平 撮影:杉映貴子

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舞台『文豪ストレイドッグス』(通称、文ステ)シリーズ第5弾となる舞台『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』。2018年3月に劇場版として公開された映画『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』の舞台化となる今作は、異能力を持つ探偵集団「武装探偵社」の中島敦、太宰治、泉鏡花ら、ヨコハマの裏社会に巣食う「ポートマフィア」の芥川龍之介、中原中也ら、地下組織の盗賊団「死の家の鼠」の頭目であるフョードル・D、今作の鍵を握る謎に包まれた異能力者・澁澤龍彦といった7人のキャラクターにスポットを当て物語が描かれる。

しかし、映画の内容そのままの舞台化ではなく、原作者の朝霧カフカ書き下ろしの舞台脚本でオリジナル要素が追加されている本作では、映画よりも芥川龍之介、中原中也のふたりのシーンが増えているとのこと。演じる橋本祥平(芥川龍之介役)と植田圭輔(中原中也役)に、気になる内容について、見どころを含め語ってもらった。

「芥川と絡んでいる中也さんは僕らの関係と似ている」(橋本)

――映画『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』を原作としたお話となっているそうですが、台本を読んだ印象と稽古が進んでの感想をお願いします。

橋本 この作品が決まる前から映画は観させていただいていたのですが、その時から「すごく面白いな! 舞台でやりたいな」と思っていて、表現が相当難しいだろうなと思いつつ、ワクワクしながら稽古場に入りました。台本は原作の朝霧カフカさんが直々に書いてくださって、良い意味で映画よりも舞台のほうが一人ひとりの役を深堀りしてくださっていて。中也さんと絡むシーンなども今まではなかったので、芥川としても、橋本祥平としても、どうやって接したら良いんだろう? とやや戸惑いながら(笑)、楽しみながら色々模索して稽古をやっている感じです。あと、今回は敵として自分から分離した異能と戦ったりするんです。芥川の異能力の羅生門と対峙したときに、「お前そんなこと思ってたのか」という、異能側の印象に「なるほど」と思いました。

植田 僕も映画は観ていたので、初めて台本をもらった感想は、「あ! ここはこう違うんだ!」と思いました。カフカ先生が書いてくださっているので作品としては「DEAD APPLE」に間違いないのですが、原作を知っている人は新しさを感じるだろうし、舞台から「DEAD APPLE」を観る人にも、しっかりセリフで説明がある分入り込みやすいかなと。どちらのお客様にも対応できるような脚本になっていると思います。

――演出の中屋敷法仁さんにもお話を伺ったところ、登場キャラクターを絞っている分、それぞれが深堀りされているとおっしゃっていたのですが、ご自身が演じるキャラクターの印象はいかがでしたか?

植田 今回、中原中也としては初なんですが、めちゃくちゃ説明セリフが多いですね。それと、芥川と絡むシーンがすごく多いので、やっていて楽しいです。

橋本 今まで一緒にやってきましたけど、中也さんと芥川は初絡みですよね?

植田 うん。本当にそうだね。

橋本 以前、自分が倒れているところを見下ろしながら話しているという感じのシーンはあったんですけど、あまり原作でも絡みがないんですよね。だから、ふたりが絡んでいるところはお客さんとしても新鮮だと思うんですよ。芥川と絡んでいる中也さんって、すごく僕らの関係と似ていまして(笑)。中也さんがすごい先輩感があるな、と思ったり、「中也さんの前では芥川ってこんな感じなんだ」と自分たちと照らし合わせてやっている部分もあります。お客さんは不思議で新鮮な気持ちでご覧いただけるんじゃないかなと思います。

中原中也は「理想の上司で最強にカッコイイ男」(植田)

――改めて、演じているそれぞれのキャラクターの魅力を教えてください。

橋本 芥川は、1本、太宰さんという芯があって、そこからいろんな感情が渦巻いているので、そこがブレないというのは芥川の可愛いところでもあるなと思います。あとは、異能は強いけれど(本人は)病弱というところも僕の中では萌ポイントですし、中島敦との関係が「お前は(太宰さんに)認められてる」「いや、お前が認められている」という自分では気づいていないお互いの掛け合いとか、芥川は本当に強いけれど、自分はまだまだ弱いと思っているところも好きなところですね。

植田 いろんな役をやらせてもらっていますが、中原中也は最強にカッコイイ男のキャラだなと思っています。客観的に見たら、ちょっと可愛く映ってしまうようなところも、僕からしたら一本筋が通っていてカッコイイ部分に当たることが多くて。たぶん、中原中也は、自分に可愛いと思われる部分があるとは考えたこともないと思うんです。だから、僕も演じる上で、可愛いなと思える部分、例えば「2度目はなくってよ!」なんて台詞はめちゃくちゃ可愛いけど、無理やりやらされているだけなので(笑)、そういう部分を間違えた解釈をしないことを大事にしていますし、本当に僕からすると“理想の上司で最強にカッコイイ男”という部分が好きなところです。

――今回ならではのこだわりやテーマ、課題などはありますか?

橋本 現段階では中身のアクション部分などがまだ完成されていないんですけど、例えば「三社鼎立」のときは、とにかく身体を張ったアクションというところが見どころかなと思っていました。でも今のところ、今回は前回ほどの激しいアクションがないのかなと思います。それこそ、本当に中身のキャラの深さをどれだけ出せるか、というところで、これまで3回同じ役と向き合ってきたからこそ、とにかく芥川の内面をもっとたくさん出していって、逆にこの舞台から「映画ではこう捉えていたけど、こういう捉え方もあるのか」と思われるくらい深堀りできたらな、と思います。

植田 課題、テーマで言うと、過去の「文ステ」シリーズで披露したことがない演出がひとつあって。それを僕が担当させていただくんですけど、そこは必ず成立させなければいけない、というところが課題だと思っています。あとは、ノベライズなどで描かれている、過去の話が中也と芥川でそれぞれしっかりあるので、僕も色々読ませていただいたりしているんですけど、それを踏まえた上で改めて今回の台本を見ると、意味合いや言葉の重さが変わることが本当に多くて。そこを自分なりにトレースしつつ、表現や出す言葉、セリフをしっかり届けられたらなと思います。

――「文ステ」ならではの魅力や楽しさをどんなところで感じてらっしゃいますか?

植田 中屋敷さんの頭の中で感じていますね(笑)。演出が「文ステ」やな~、中屋敷さんやな~、というか。難しい表現だったり、これどうすんねん! みたいな部分が多すぎるんですよ、“今回も”なんですけど。それを見事に、相当練られていると思います。すごく作品のことを考えてくださっているというのが一番にあると思うんですけど、それを言うわけでもなく、とても伝わってくる。そういう愛の部分でも感じますね。

橋本 もちろん、中屋敷さんは真剣に演劇を作っていると思うんですけど、どこかちょっと演劇で遊んで楽しんでいるところも感じます。それがすごく伝わってくるので、こちらとしても「めちゃくちゃ面白い! 楽しい!」となりますし、その感じがお客さんにもそのまま伝わるんだと思います。アンサンブルさんとかも一人ひとりがめちゃめちゃ生き生きしているので、“全員で作っている”という作品感が強いです。

中屋敷さんは「とっても素敵なお客さん」

――中屋敷さんに稽古で苦労していることを伺ったら、「植田さんがカッコよすぎて物語が入ってこない」とおっしゃっていて(笑)。

植田 また言うてるやん(笑)! 今回僕は説明セリフが結構多くて、事件のことや何をすべきかというのを芥川に言ったり、プラスαで物語として進んでいることを説明する役を担わせてもらっているんです。そのシーンの稽古をやっているときに、中屋敷さんが目の前で「うわあ!」とか大きくリアクションをしているので、それは内容が入ってこないだろうな、と思います(笑)。リアクションをとりすぎなんですよ、たぶん(笑)。悪い気はしないですけどね、とても褒め言葉だと思うんですけど。

――橋本さんは見ていて、植田さんの中也がカッコ良すぎるな、と思いますか?

橋本 思いますよ。でも中屋敷さんは、植田さんが演じる中也のカッコイイと思う部分の次元が違うな、と感じたことがあって。ボロボロの中也が舞台袖から入ってきて階段に座る、ってだけのシーンで、もちろんカッコイイんですけど、まったく笑うシーンではないんです。でも、中屋敷さんは毎回そこで「はあっ!!!」って笑ってリアクションするんですよ(笑)。毎回です! いやあ、もう本物だなって。

植田 だから、前回のことも思い出しましたね。前回は(異能力の)「汚濁(おぢょく)」を出すシーンがあったんですけど、その稽古をしているときに、座っている中屋敷さんのテンションが上がりすぎて、「うわあ!」って仰け反ってそのまま後ろのシャッターにガッシャーンって当たって、そのシャッターが開いたんです(笑)。しかも、「カッコイイ~!!!」とか言いすぎて、声がガラガラになるみたいな。

橋本 次の日、声ガッラガラでしたね(笑)。

植田 なんか異次元なんですよね、中屋敷さんは。

――すごいですね、稽古場で一番テンションが高い方かもしれませんね。

植田 とっても素敵なお客さんだなと思います(笑)。

――では、稽古場でおふたりはどんなやりとりをされているのでしょう?

植田 僕は祥平と絡むシーンが多いので、最初からセリフ合わせを自然としていました。人間としても役者としても、かなりご一緒しているし、深いところまで知っているので、「ここをもっとこうしようか?」みたいな話はしないよね?

橋本 確かに、そうですね。

植田 なんか違ったら、お互いわかる、みたいな感じだよね。「あそこは、このほうが良いですよね」、「そうだね、そうしよっか」みたいな、良い関係だと思いますよ、橋本祥平とは。

橋本 嬉しいです。植田さんとご一緒させていただくときって、あまり相談とかはなくて、芝居中に「あ、ちょっとセリフのテンポが上がった。俺も上げなきゃ」とか、察する感じです。まだ気づけていないことも多いと思うんですけど。「すみません、自分(の技量)がまだ足りていないです」と言うと、「いや、大丈夫だよ」と植田さんがいつも言ってくれます。

中也の戦闘シーンにはとんでも演出が?!

――これまでご一緒されてきて、お互いに俳優としてすごいなと思うところを教えてください。

橋本 植田さんは、いくらでもありますよ!

植田 いやいや(笑)。

橋本 植田さんが主演の作品に出させていただくこともあって、とにかく視野がとても広いんですよ! 自分のことよりも人のことを優先的に考えるお方で。以前共演した作品で、僕がめちゃめちゃ悩んでいたことがあって、でも人にも言えないし、これはひとりで抱えていくしかないな、と思っていたんですけど、すぐに気づいてくれて! しかも悩んでいることもドンピシャで言い当てて、「これだろ? 大丈夫か?」みたいに言ってくれる。言われなくても人の心を読み取って優しく包んでくれるところに、何回も助けられました。そういうこともできれば、面白いこともできるし、もう僕は本当に何ひとつ敵いません!

植田 あははは! 素直に嬉しいですね。でも気にかける理由というのもあって。自分が単純に好きかどうかだと思うんですけど、「支えたい」とか「話を聞きたいな」というのは自分も好意があるからだと思うので。そういう魅力を持っているのは祥平の持ち味だし、やっぱり良いところは、祥平が居ると現場が明るくなるんですよ。やるときはしっかりやって、ふざけるところは群を抜いてふざけていたりとか、そういうところが変わらない。自分の場所とか求められるものが変わっていく中で、そういう根幹の部分が変わらないっていうのも、なかなか難しくて。そこを変わらずしっかり持っているのと、人間らしさをちゃんと持っている。役者としてもひとりの人間としても、すごく良い役者さんだな、と思います。

――では、今作のお互いの見どころを教えてください。

植田 みんな色々乗り越えてちょっと大人になった「DEAD APPLE」編だと思うんですけど、芥川はそういうところが随所に見られる。敦も然りなんですけど、ふたりがとても成長していく話で、ヨコハマを守っていくことを担うことになる大きな存在のふたりなので。成長した芥川からスタートするんですけど、自分の異能力に問いかけるところであったり、昔の芥川なら人に言われても拒絶していたようなことを逆手に取って自分が上手く立ち回っている瞬間があったりとか、少し敦に余白を与えてあげる芥川の姿が見えて、成長しているんだなと思いますね。そこが見どころだと思います。

橋本 これまで中也の登場する場面は大体、隣りに太宰がいて、そのふたりのやりとりが面白かったりするんですけど、今回は芥川と絡んでいて。「中也さん、こんな先輩風吹かせるんだ」って言い方はおかしいですけど(笑)、本当にちゃんと上司と部下という関係が見える。僕は上司の中也さんのイメージがあまりなかったので……。

植田 基本的に、振り回されているほうが多いからね。

橋本 だから、僕の中ではそんな中也さんがすごく新鮮です。そして、なんと言っても今回、とんでも演出があるので!

――へえ!

橋本 もちろん、映画をご覧になった方はわかると思いますが、中也の戦闘シーンといえば、大きな見せ所なんですよ。今回の作品の一番の大見せ所と言っても過言ではないくらいの、すごいところがあります。まだ稽古場では想像でやっている部分が多いんですけど、「いやあ、これはすごいことになるぞ!!」ということだけは言っておきたいです。もうカッコイイです。

――楽しみにしています。ありがとうございました!

さらに、原作ファンは必見! というオリジナル脚本となっている本作について語ってもらった、演出の中屋敷法仁さんのインタビュー(https://lp.p.pia.jp/shared/cnt-s/cnt-s-11-02_2_90699ce5-dc04-426b-afbb-debc2feba38e.html)もぜひご覧ください!

取材・文:能一ナオ 撮影:杉映貴子

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公演情報
舞台『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』
http://bungo-stage.com/
脚本:朝霧カフカ
脚本協力:内田裕基
演出:中屋敷法仁
協力:春河35
音楽:岩崎琢
振付:スズキ拓朗
出演:鳥越裕貴 / 桑江咲菜 / 橋本祥平 / 植田圭輔 / 田淵累生 / 岸本勇太 / 村田充 / 他

【大阪公演】
2021年4月16日(金)~2021年4月18日(日)
会場:COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール

【東京公演】
2021年4月23日(金)~2021年5月5日(水・祝)
会場:日本青年館ホール

【ライブ配信】
東京公演 全16公演
プラットフォーム:PIA LIVE STREAM
公演ごとに異なるオリジナルブロマイドの特典付

チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2170150

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