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今年はオンライン配信!
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020 特集

9月26日(土)~10月4日(日) シネマディスカバリーズにて配信

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SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020公式サイト/SNS

白石和彌監督、中野量太監督などを輩出した映画祭

〈SKIPシティ国際Dシネマ映画祭〉が今年はオンラインで開催!

2004年に埼玉県川口市で産声を上げた〈SKIPシティ国際Dシネマ映画祭〉は今年で17回目。いまでは主流となったデジタルシネマにいち早く着目した国際映画祭だ。若い才能の発掘と育成を掲げ、国内では新作『浅田家!』の公開が控える中野量太監督、現在の日本映画界を牽引する『凶悪』の白石和彌監督、海外ではカンヌ国際映画祭で3作連続の受賞を果たすヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督らを見い出し紹介。今では若手監督の登竜門的映画祭として知られる。

例年は世界から若き映画人が会場に集結するが、今年はコロナ禍を受け、オンライン配信での開催に。国際コンペティション及び国内(長編・短編)コンペティションに絞って実施する。しかし、形式はかわっても、映画祭の「若手作家たちに発表の場を」という想いは例年と同じ。初めての試みに期待したい。

今年は応募数も応募地域も過去最高!
日本初上映作品も多数揃う国際コンペティション

©Gustav Danielsson ©2019 Junafilm/Miramar Film, SWR & ARTE ©Good Company Pictures 

メイン・プログラムとなる国際コンペティション部門は、長編映画制作本数が 3 本以下の監督がデジタルで撮影・編集した60分以上の作品が対象。今年は過去最多となる106 の国と地域から応募された883本から、厳正な審査により10作品が選出された。

本映画祭の国際コンペのひとつの特色といっていいのがジャンル不問ということだ。通常の映画祭の国際コンペは、いわゆるジャンル映画と呼ばれるような娯楽要素の強い作品は敬遠されがち。でも、本映画祭は作家性を感じさせながらも、エンターテインメント性あふれる作品がずらりと顔を揃える。

今回もスウェーデン発のシニカル・コメディ『カムバック』から心理ホラーの『ペリカン・ブラッド』など様々なジャンルの作品が並ぶ。また、『リル ・ バック/メンフィスの白鳥』と『戦場カメラマン ヤン ・ グラルップの記録』というドキュメンタリー映画2本がノミネート。国際コンペティションに2本のドキュメンタリー作品が選出されたことは初めてで、こちらも注目が集まる。

審査員を務めるのは、日仏合作、フランス映画を17本手掛けている映画プロデューサーの澤田正道、今年公開された『Red』も大きな反響を呼んだ三島有紀子監督ら国際的に活躍する4名の映画人。果たして、栄誉を手にするのはどの作品か?

コロナ禍で苦渋の選択を強いられた映画祭ディレクターが語る!
今年の映画祭の在り方と国際コンペティション作品の魅力

映画祭ディレクターの土川勉氏(左)とプログラミング・ディレクターの長谷川敏行氏(右) 

新型コロナウイルス感染の影響を受けて、オンライン配信での開催に踏み切った今年の〈SKIPシティ国際Dシネマ映画祭〉。これは当然ながら映画祭にとって初の試みになる。そこで、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭ディレクターの土川勉氏と、同映画祭プログラミング・ディレクターの長谷川敏行氏に登場いただき、オンラインでの開催に至った経緯から今回の映画祭で目指すこと、開催の意気込み、国際コンペティションのみどころまでをうかがった。

オンラインでの開催に踏み切った理由とは

──そもそもオンライン配信での開催を決断する前に、今年は夏開催で定着していた映画祭を、東京オリンピックを踏まえて2011年以来の秋開催へ時期を移行していました。そこに新型コロナウイルスの問題も加わって、映画祭開催へいろいろな判断が求められたと思います。

土川 そうですね。夏の開催で定着してきたのですが、今年はパラリンピックが終わったあとの秋に開催にすることはすでに決まっていました。ただ、そこにこういう問題が浮上するとは、思いもしませんでした。

最初に通常開催は難しいのではないかという話が出たのは3月ごろで、そこからいろいろと難しい判断が迫られました。

長谷川 その3月の段階で、オンラインでの開催にするのか、それとも中止にするのか考え始めて。そのあと、確か4月に大手シネマコンプレックスが週末の休業を決定して、このとき、劇場での開催はもう現実的ではないだろうという認識に至りました。そこから真剣に中止か、オンラインかを議論し始めて。最終的にオンライン配信での開催でまとまりました。

あと、ひとつ大きかったのはあらかじめ秋開催になっていたことで考える時間があった。もし例年の7月開催だったら、中止という判断にならざるをえなかったかもしれません。

──世界各国の映画祭をみると、中止したところも多い。その中で、オンライン配信でも開催を決めた1番の理由は?

土川 今回で17回と開催を重ねてきて、ここを目指してくれる若い作家もいる。世界がこういう状況になり、若いクリエイターが作品を発表する場がどんどん奪われている。じゃあ、この映画祭はどうするとなったとき、やはり若いクリエイターの発掘と育成をメインに掲げてきましたから、彼らの発表の場だけはどんなことをしても守らないといけないと考えました。それが開催に踏み切った1番の理由ですね。

長谷川 今年はありがたいことに応募国も応募総数も過去最高を記録していたんです。中止にするということは、それがなかったことにするのと同じこと。それは忍びないというか、応募してくださったクリエイターであり、集まった作品に申し訳ない。何かしらの責任を映画祭としてとらなければならない。

ただ、従来通りの開催は難しい。じゃあ、どうするとなったとき、映画祭としては、特別招待作品は諦めても、コンペティションに関しては従来通りにやろうという結論に至りました。若いクリエイターたちの紹介の場だけはどうにかして守ろうと。

なので、国際コンペティションも国内コンペティションも、例年と変わらない本数の作品を今回の開催でも上映します。

オンライン配信で立ちはだかる“海外作品の壁”

──オンライン配信での開催で一番、頭を悩ませたことは?

長谷川 わたくしどもの望む形での開催が可能かどうか。その望む形を実現してくださる配信会社があるのかが、1番の問題で壁でしたね。正直なことを言うと、2カ月ぐらい探すのに時間がかかりました。

まず、映画祭として一般の観客の方とは別に、配給会社をはじめとした映画業界関係者の方やマスコミのみなさんにみていただくシステムを用意することは譲れなかった。

おかげさまで本映画祭での上映をきっかけに配給が決まり、日本で劇場公開されてスマッシュ・ヒットとなる作品が数多く出ています。たとえば『孤独のススメ』や『世界で一番ゴッホを描いた男』『岬の兄妹』など。配給が決まって一般の劇場公開されるのは、お金の面でも作品においても若い作家にとってはとても大きい。そのチャンスを残すためにも、このシステムを用意するとは重要でした。

2017年国際コンペティション 長編部門で監督賞を受賞した『世界で一番ゴッホを描いた男』(映画祭上映タイトル『中国のゴッホ』)(C)Century Image Media (China) 
2018年国内コンペティション(長編部門)優秀作品賞と観客賞を受賞した『岬の兄妹』は劇場公開され話題に!(C)SHINZO KATAYAMA 

土川 もうひとつ映画祭にとって、来場してくださるお客さんも大切です。その来てくださる方々がひとつ参加できるのが観客賞で、それがきちんと投票できることも重要視しました。

作り手によっては観客賞を一番よろこぶ人もいる。すごく励みになるという人もいる。観客賞って意外と重要なんです。ですから、それも外せなかった。

──オンラインでの映画祭ですと、特に海外は作品の上映をためらうという話をよく耳にします。その中で、国際コンペティションを実現させてすごいなと思うのですが、そのあたりでご苦労があったのではないでしょうか?

長谷川 実際、海外作品は「困ります」という反応がほとんどでしたね。ただ、セキュリティの信頼性、たとえばデジタルセキュリティのグローバル規格の採用や 日本のIPアドレスからしかアクセスできないとか、まずは安全性を説明して。実際、いくつかの作品はそうなっているのですが、視聴回数に制限を設けたりですとか、日本語字幕データを作品の権利者に提供するなどをお約束して、こちらとしては日本での公開につなげるお手伝いをするつもりでやっていることを伝えたら、みなさん納得されて話はまとまりましたね。

あと、17回と続けてきたので、その長く続いていることで信頼を寄せてくださって、『一緒にやりましょう』といってくださる方もいて、ありがたかったです。

ドキュメンタリーからコメディまでジャンル不問な国際コンペティション

──そうした苦労あって実現した国際コンペティションですが、少し見どころを教えていただければ?

長谷川 今年のひとつの特色は2本のドキュメンタリーが並んだこと。過去に2本のドキュメンタリー映画が選出されたことはなかったんですよね。ただ、本映画祭はジャンルを問わない。昨年のように劇映画だけではなく、長編アニメーションが入るケースもあるので、作品がすばらしければドキュメンタリー映画が2本入っても不思議じゃないんです。

実際、この2本のドキュメンタリーは力作で、『リル ・ バック/メンフィスの白鳥』はひとりのダンサーを追っているのですが、カメラワークがすばらしい。人間の身体やその躍動をすばらしい構図で収めている。

『リル ・ バック/メンフィスの白鳥』 

一方、『戦場カメラマン ヤン ・ グラルップの記録』はタイトル通り、デンマークの著名な戦場カメラマンを追っているのですが、彼の戦場取材と、家庭に戻ってきてのお父さんの顔、両方を記録している。戦場での顔と普通のパパとの顔にギャップにいろいろな意味で心を動かされる1本です。

それから、これは偶然なんですけど『南スーダンの闇と光』、こちらは戦場カメラマンを主人公にした劇映画。ということで、戦場カメラマンを主人公にした作品が2作品並ぶことになりました。

いま世界中がグローバル化されるあまりに、目を向けられなくなってしまう場所が世界中にはたくさんある。そういう場所に自ら足を踏み入れて実情を伝えるのが戦場カメラマンでありフォトジャーナリストだと思うんです。彼らの存在の重要性を問うている。

『南スーダンの闇と光』 © 2019 Hearts and Bones Films Pty Ltd, Spectrum Films Pty Ltd, Lemac Films (Australia) Pty Ltd, Create NSW and Screen Australia
『戦場カメラマン ヤン・グラルップの記録』 ©Good Company Pictures

世界中で分断や対立が起きている中、世界から取り残された人々に思いを寄せる人間を主人公にした映画が生まれている。こういうところにいまの世界の作り手の問題意識があるのかなと感じました。

ちょっと堅い話になってしまいましたが、本映画祭は先に触れたようにジャンル不問。エンターテインメント性あふれる作品もあります。『カムバック』などはほんとうに笑えるシニカル・コメディで、普通の映画祭のコンペティションではなかなかとりあげられない作品だと思います。

とにかく自信のラインナップなので、多くの方に視聴いただければと思います。

ピンチをチャンスに! オンライン開催をいい意味で糧として来年につなげたい

──今回のオンライン映画祭はどういう場にしようと?

長谷川 オンラインであっても、観客とクリエイターがつながる場はどうにかして作りたいなと思っています。まだ、模索段階でなにができるとはっきり言えないのですが、必ずつながる場は用意したいと考えています。

あと、オンライン開催ですが、前向きにとらえているところもあります。たとえば映画祭として立地条件は常につきまとう課題でした。川口駅からバスにのっていただかなければならず、アクセスがいいとは言い難い。

ただ、オンラインになったことで、映画祭と上映される作品に興味はあったけど、足を運ぶまでは至らなかった方々に観ていただけるかもしれない。そういう意味で、多くの方に本映画祭を知っていただけるチャンスでもあるのかなと思っています。こういう形式で開催したことがないので、どうなるのかドキドキしているんですけど(笑)。

土川 若い作家は観客と一体となって得ることが多いと思うんです。笑いひとつでも会場で生で実際に聴くと、作家として勉強になる。ですから、来年は元の状態に戻したい。

例年の映画祭の模様

そう願いながら、今回、オンラインでも出来る限り、若いクリエイターのみなさんにとって何かを得る場所にしたいと思っています。今回のオンライン開催をいい意味で糧として来年につなげたいですね。そういう意味で、いい開催になるよう頑張っていきたい。多くの方にご参加いただいて楽しんでいただける機会にしたいと思っています。

驚きの料金設定!そこには気軽に多くの人に参加して欲しいという思いが

──その「多くの方に参加していただいて」ということにつながるのかもしれないのですが、視聴料金にびっくりしました。

長谷川 そうですか。本映画祭の場合、できるだけ多くの方に足をお運びしていただきたいので、もともと入場料もほかに比べると低く抑えています。従来ですと、前売りが600円、当日が800円、フリーパス3500円になります。

ただ、今回はオンラインになりますから、配信となると価格設定としてはこのあたりではないかということで、国際コンペティションと国内コンペティションの長編が1作品300円、国内コンペティションの短編が1作品100円、 SKIP シティ映画祭フリーパス(見放題プラン)を1,480 円とさせていただきました。

さきほど土川も言いましたが、ほんとうにお気軽に多くの方にご参加いただいて、作品をみていただければと思います。



(取材・文:水上賢治)

好きな時間に、好きな場所で! オンライン視聴方法

【STEP1】 シネマディスカバリーズで無料登録!
【STEP2】 シネマディスカバリーズ内特設サイトで作品選択!
【STEP3】 視聴プラン選択!

視聴には配信サイト「シネマディスカバリーズ」の会員登録(無料)が必要だが、手順はいたってシンプル! 好きな時間に、好きな場所で視聴できるのもオンラインの強みだ。そして何といっても注目なのは、長編は300円(税込)、短編は100円(税込)というとてもお手軽な料金設定! これまで興味はあったけどなかなか現地まで行けなかったそこのあなた、今年はチャンスです! 映画祭最終日前日、10月3日の14時まで観客賞の投票もオンライン上で行っているので、あなたの目で新たな才能を発見してみては?

視聴方法詳細はコチラ

【視聴可能期間】2020年9月26日(土)9:00 ~ 10月4日(日)23:00

【視聴料金】
①単品購入プラン
国際コンペティション、国内コンペティション長編部門1作品300円(税込)
国内コンペティション短編部門1作品100円(税込)
➁SKIPシティ映画祭フリーパス(見放題プラン)
1,480円(税込)
※長編作品を5本以上ご覧になる場合は見放題プランの方がお得になります。

【注意事項】
※単品購入の場合は、ご購入後48時間のご視聴が可能です。
※シネマディスカバリーズで配信されている本映画祭上映作品以外の作品はご視聴いただけません。
※国際コンペティションの5作品(『南スーダンの闇と光』『願い』『リル・バック/メンフィスの白鳥』『シュテルン、過激な90歳』『ペリカン・ブラッド』)は作品権利上の都合により視聴回数制限があります。該当作品は、映画祭期間中であっても、再生回数が1,000回に達した時点で配信終了となります。予めご了承くださいますようお願いいたします。



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