所属アーティスト５人によるグループ展で、「境界線」という言葉がテーマに設定されている。 見えるものも見えないものも含め、私たちの生活は無数の境界線に囲まれているが、それらを軽々と越えて自由に行き来できるのがアート作品のよさであり、アーティストの強みだろう。 会場で5人5様の跳躍の様子を次々に見せてもらえる。 赤松音呂は不思議な形態のオブジェの中に水を通してあり、その流れを目にしたり生じる音に耳を傾けていると思わず時を忘れる。一木造りの木彫をつくる棚田康司の女性はなまめかしく、O JUNの肖像画は小サイズなのにインパクト大。会田誠の描くアマビエは生き生きとしていかにもご利益ありそうだ。山口晃は能の演目としても知られる平清経の入水シーンを劇的に描写。 実物に接してこそ味わえる独特の質感を有する作品揃いである。

21/6/8(火)